ナナさんさんの映画レビュー・感想・評価

ナナさん

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空白(2021年製作の映画)

4.5

演者の方々が本当に本当にすごかったです!

わが子の死と怒りのコントロールがテーマということもあり
冒頭でスリービルボードを思い起こしたりもするのですが
登場人物のそれぞれの心の動きが丹念に描かれてい
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

言葉は通じながらも、見えない壁で断絶されてる社会
猥雑と皮肉と抒情が絶妙にまじりあって描かれていて
後半からの怒涛の展開は静かでいて圧巻

判読できようとも届かなかったモールス信号
世の中どこ吹く風で
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草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)

3.9

ひとりの傷ついた少女で、ひとりの偉大な表現者

いまや誰もがその作品を知る草間彌生さんですが、
それらが身をきるようにして生み出されてきたことが
この数十分でもありありと感じられます。

同時代に彼女
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ひとよ(2019年製作の映画)

4.2

難儀な事情を持った、難儀な家族の風景
家族だからこそ向き合えないつらさや距離感が
だいぶ濃密なので、
その空気をのがさないように
映画館で見るべき作品だなぁとおもいました。
緊張感やいらだちのなかでの
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いなくなれ、群青(2019年製作の映画)

3.7

ライトノベルな内容なので
実写はどうなのかな、と思ったのですが
登場人物のリアルな心のとまどいが
むしろ実写だからこそ伝わってきたと思います。
演じた若手役者さんたちの瑞々しいたたずまいが
中二病的な
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天気の子(2019年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

ごめんなさい
全然気持ちがのれませんでした…


僕たちの愛で世界がこわれてごめんなさいっていうのは
ちょっとなぁ……
ヒロインひとりの存在で世界がどうこうなるっていうのは
ファンタジーの王道定番要素
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

恋愛映画ではあるのですが、
別世界にすむ人間が出会い、
お互いに影響を与えあう成長の物語として、
たくさんの人にみてもらいたい、すごく素敵な作品でした。

自分がどう生きるべきか迷うふたりが、
この出
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凪待ち(2019年製作の映画)

4.2

とにもかくにも息苦しいです。
大切な人の死、ギャンブル依存、アルコールの酩酊
理不尽な仕打ち、突然にふってわきあがる暴力…
正直、ひとつでもきびしいのに
それらが容赦なく襲いかかるだけでなく
主人公自
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誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

3.9

田舎町で起きた誘拐事件によって
まきこまれた人たちの過去があらわに…
ってか、みんな知ってるけどね、という話。

一見、牧歌的でのどかなコミュニティが
どんどん閉塞感を増して鬱々としていく展開。
観て
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

3.5

不思議な作品だった。
一見、幸せそうな風景のなかにも不幸せがあり
不幸せのなかにも幸せがある。
よくあるテーマではあるけれど
人間という群れのなかで、
奇妙に異質なラザロという主人公の存在が鮮烈で
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.6

何度も抱き合う父と息子が何度も何度もわかたれる…
過去の美しい思い出と現実のやるせない徒労が
パッチワークのようにつながれる構成に
心はきりもみ状態で観ている側もかなりの疲労感

そのうえで
ドラッグ
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

主演ふたりの表情を、
互いの視点から観ているような映像の近さが
音楽とあいまって感情を高ぶらせます。

…じつは、初回観たとき
あまりのつかれで寝オチしてしまいまして(反省)
いかんっ、と起きたら亡く
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.0

若いころというものは、美しくかつ傲慢な時代だ。
きらきらしたものとドロドロしたもの、
年を取って振り返ったとき
口にできることとできないことがそこには入り交じる。

この作品はラブストーリーというより
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと今回は私的に感情的な感想で恐縮です
というのも、
BLがJUNEと呼ばれていたころ
ふつうの恋愛小説よりも濃密かつ繊細な
揺れる気持ちや簡単にはいかない関係性に惹かれ
むさぼるように読んでいた
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.8

作品の構成が絶妙。
ふたをあけたら
報復ものでもなければ、街の住民の変革ものでもなく
怒りってなんなの?どうにかできんの?という物語でした。

自分への哀しみや憤りの噴出先がコントロールできず
周囲へ
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ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)

3.9

主人公ルイの存在感がほんとうにすごいです。
原作が10年以上前のものになるので
正直、ストーリー自体に新鮮さはかけるのですが
この少年のたたずまいや語り口が
この作品に独特な個性をあたえてくれてます。
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サウスポー(2015年製作の映画)

3.7

ストーリーとしては本当によくある系なのだけれど
やっぱりそこはジェイク・ギレンホールなので
その表情やしぐさにじりじりヒリヒリさせられます。

ボクシング映画というより、
人生映画として観たほうが
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グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

3.0

霧のように静かに押し寄せてくる老いというものが、
時間なのか気持ちの問題なのか
形あるものなのか、ないものなのか
…とにかく人は老いるんだな、
金があろうと名声があろうと。

いちいち映像が美しすぎて
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.0

「ひとりの人間であること」と、
「ひとりの母であること」は
ときに同化し、ときに対立してしまう。
ここでは精神疾患を持つ息子の母親として描かれているが、
それは多くの女性がひっそりと心に抱える
孤独と
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エベレスト3D(2015年製作の映画)

4.2

とにかく寒くてつらい!!
エベレストって山に圧倒され
それでも登るクライマーたちの気持ちに圧倒される
なんだろなぁ、これって

たしかな描写で淡々と描かれた真実がつらい
フィクションだったら、あいつは
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探検隊の栄光(2015年製作の映画)

2.4

笑えるかっていうと、うーーーーん‥‥
演出のせいかなぁ、
わたしは微妙に間があわなかったです
ネタとしては好きなんですけど

藤原達也は
相変わらず「演技のときは超真剣」な感じで
なかなかのはまり役で
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マルガリータで乾杯を!(2014年製作の映画)

3.8

からだの不自由さをこえて、
誰よりも自由な心を持ち続けている主人公に
おどろかされます!

はたしてこんなにも前向きに生きれるものかしら、と
ひねくれなわたしは正直思わないでもないのですが、
主人公を
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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ひと夜のあやまちによってはじまった人生の破綻。
仕事や家庭、これまでの彼がつちかってきたもの、
そのすべてをなげうってひた走る彼のこだわりは
はたから見れば愚かしく共感しづらい。
本当にその行為にそん
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予告犯(2015年製作の映画)

3.2

予告犯4人の雰囲気がとってもいい。
荒川良々さんはあいかわらずの飛び道具っぷりです。

サスペンスとしてはものたりなく
これくらいならテレビでもいいよね、って
思ってしまうのですが
この予告犯たちの絆
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夫婦フーフー日記(2015年製作の映画)

3.0

幽霊の脚色が物語にかろやかなテンポを与えてくれる
でも、ネタ的にはよくある感じすぎるし、
せっかくの実話ベースが壊されてしまっている気も。
役者ふたりのかけあいにだいぶ救われている気がします。

ブロ
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.9

強いが正義、っていうか、美しくてかっこいいが正義!!
いさぎよくシンプルなストーリーと過剰なビジュアル
バイオレンスの王道です。

タフなシャーリーズ・セロンにしびれます
次々と砂塵に散るヒャッハーな
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フォーカス(2015年製作の映画)

3.0

詐欺師がどうとか、っていうストーリーよりも
わりと典型的な恋愛映画でした。
ウィル・スミスが若い娘さんと
終始いちゃいちゃしています

女に惑わされないはずのクールな俺が
うっかり恋に落ちちゃったぜ、
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.7

俳優女優ってのはとにかく自分好きなんだなぁってことを
皮肉たっぷりなんだけど
愛嬌あふれた仕上がりで見せてくれてることに
監督の役者陣への苦悩と尊敬と愛情を感じます。

リアルなゴシップネタ満載のブラ
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セッション(2014年製作の映画)

4.2

先生と生徒、どっちもすごい情熱の持ち主ですが
そのためかどうかはさておき
性格のほうも相当いかれてるってのがスゴイです。

そのふたりの血しぶきまでもが飛ぶ対決。
時に斜め上の展開で相手の度肝を抜くあ
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ひとりの孤高の天才の不遇を描いた物語。
けれど、いつしかそんな変わり者の主人公に
見ている人の気持ちが同調していくのは
今の世の中が誰にとっても想像以上にすみにくく
それでも、もがきながら生きていかな
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マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

2.8

エマ・ストーンのくるくるかわる表情がかわいい。
それに翻弄されるコリン・ファースもかわいい。

でも、とってもおしゃれで軽妙な演出のうしろに
なんだか得意げなウディ・アレン監督のかおが浮かんできて‥‥
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グッド・ライ いちばん優しい嘘(2014年製作の映画)

4.0

自分も人にやさしくなりたいと思う
とても気持ちのいい映画だった。

難民と呼ばれる人たちがどんなふうに国を出て
たどりついた国でどうやって生きていくかを
長い目線で丹念にコミカルに描いている。
まっす
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ブルックリンの恋人たち(2014年製作の映画)

3.5

久々、サントラ買っちゃおうかしらと思いました!
カントリーっていうのかな、アコースティックな曲調
私はすごく好きです。

音楽の系統の好き嫌いでかなり評価がわかれる作品だと
思います。

しかしいずれ
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

2.7

静かな不協和音に満ちた映画です。
鑑賞後のおちつかなさが、もどかしくも苦しい。

支配することで孤独を埋めようとする者
支配されることで孤独を埋めようとする者

どちらも私にとって
理解も同調もしがた
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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.9

原作未読で鑑賞しましたが
あの長ーーい原作に手を出してしまいそうです。

もちろん映画だけでも濃密な作品なのですが
一方で原作を読みたい気持ちが湧き立ちます。
登場人物たちの繊細な心情を的確に視覚化し
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.8

戦場から帰還したものが持つ痛みと影を描いた傑作

‥‥とはわかりながらも、あまりにも登場するアメリカ兵たちがさわやかでイケメンで、彼らの善き人ぶりにちょっとひいてしまうものを感じてしまいました。
まあ
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