Shiroさんの映画レビュー・感想・評価

Shiro

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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「最後はみんな土に還る」

アイスランドの映画は初めてで新鮮でした。ポスターが美しく、これは観たい!と思って映画館で鑑賞。デンマークとアイスランドの関係について無知で、よくわからない部分もあったけれど
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.5

「犬歯」

「聖なる鹿殺し」も観たし、タイトルの柔らかさから大丈夫かと思っていたら、大間違いでした😭 怖さとおぞましさで、休憩を入れつつじゃないと観ることができませんでした。原題は"Dogtooth"
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バージニア・ウルフなんかこわくない(1966年製作の映画)

3.2

「永く続く夫婦とは」

これほどまでの大げんかを目撃するのは気持ちが疲れてしまう。なんでこんなになる前に離婚しないのかと思ってしまいますが、時には攻撃者になり、時には被害者になる4人の役者が職人芸で、
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.0

「自分を中心とした漫談の拡張」

虐待の報道等でウディ・アレンが好きになれず、今まで作品を観たことがありませんでした。
アレン演じるアルビーは、めんどくさいインテリ成分を煮詰めてできてるような主人公で
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

「等価交換の概念」

最近は、今までまったく観てこなかったホラーを観ています。この作品の原題は、『THE KILLING OF A SACRED DEER』(神聖なる鹿の殺害)。鹿殺しの神話はギリシャ
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「やはり夫はスパイ」

聡子は夫にだまされていたのではないでしょうか。優作は聡子の目の前で会社の倉庫にある金庫に文書を隠します。金庫を開ける番号は自主映画撮影時に聡子は知っており、文書を盗み読みさせよ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

「一つの裁判を傍聴」

まず、フランスの裁判の様子を興味深く観ていました。ダニエルに見守り役をつけたり、参審員にアジア・アフリカ系の人がいたり、多様性・人権を大事にする国なのかなと思いました。黒いロー
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.5

「音楽とミュージカルシーンを楽しむ映画」

展開が唐突で、どうしてそうなった?という理由の部分が省かれているので、全体的に軽い感じがします。アメリカンドリームを描いたストーリーなのかもしれません。階級
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.3

「R2D2がカワイイ」

有名な映画ですが今まで観てこなかったので、観てみることにしました。
金ピカのロボットと寸胴のロボットが漫才みたいな掛け合いをするのが面白いです。特にR2D2が言葉を話さないし
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.0

「家族映画」

ホラーは普段、怖くて一人で見られないのですが、この作品のウォッチパーティーが開催されて、観ることができました。

アニーの母は解離性同一性障害、父は精神分裂病で餓死(どういう状況?)、
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.2

「シャイニング=輝き」
外界から隔絶された冬のホテルに、管理人としてアルコール依存症を抱えた作家志望の男ジャックが妻のウェンディと息子ダニーの家族3人でやって来るというものです。
ビジュアルの力がすご
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.5

「ヨーロッパを圧縮して詰め込んだ映画?」

老人のホテルオーナーが、尊敬するホテル・コンシェルジュのグスタヴと自分の若き日を回想するお話です。ホテルは架空の国、ズブロフカ共和国にありますが、ズブロフカ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

「ケイト・ブランシェットは素晴らしい」

クラシック音楽の世界もホント大変なんだな…というのが第一の感想です。tarの楽譜を欲しがったり、どうやったら弦楽器からあんな音を出させることができるんだ?と質
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

「音が印象的な映画」
オープニングとエンディングで音楽がなく、自然音やジムの練習風景の音が耳に残ります。ミットが打たれるこの激しい音を聴くことなく、ケイコはボクシングをしているのかと健聴者は驚きを持っ
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ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.0

ライオンに綱をつけて引いている男は監督だそうです。監督が生まれた1988年にはガザにあった映画館も閉館し、以降も作られていないため、監督は映画館で映画を観る機会がなかったとか。これは人づてに聴いた話で>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.6

「能天気さがない骨太な恋愛映画」
キャロルのオーラに訳も解らぬまま惹かれてゆくテレーズ。2人の恋愛の過程も、丁寧にエピソードを重ねて説得力のあるものになっていた。1カット、1カットが美しく最後まで緩み
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.3

「韓国のフランス映画」
韓国のホン・サンスが公私にわたるパートナーのキム・ミニと7度目のタッグを組み、2020年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を獲得した作品。夫の出張中に5年間の結婚生活で初めて独
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アイアンマン2(2010年製作の映画)

3.3

「ミッキー・ロークの存在感」
MCUを順番に観ていくことにしました。電気ビリビリのムチを縄跳びみたいに振り回している...。誰だかわからなかったんですが、このイワンはミッキー・ロークだったのですね。台
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スティング(1973年製作の映画)

3.6

「謎の品の良さ」 
最初に登場人物の紹介があり、紙芝居のように進んでいく。これはフィクションなんですよというポップな安心感とでもいうのかな。詐欺師のお話で、騙す相手は簡単に人を殺してしまうギャングで、
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インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

3.7

「緑色の巨人、好きかも」
MCUを順番に観ていくことにしました。ハルクも知らず知識がない状態での鑑賞でしたが、楽しめました。TV版「超人ハルク」のハルク役のルー・フェリグノが出演していたということで、
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アイアンマン(2008年製作の映画)

3.6

「メカニックなノリノリ感」
MCUを順番に観ていくことにしました。ハード・ロック、チーズバーガー、ミリタリー。当時のアメリカの男の子の好きなもの先にあるのが、この物語の主人公なんでしょうね。ロバート・
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.4

「子ども時代はサバイバル」

自分の子どもの頃ってこうだったなと、当時の心理状態が蘇ってくるような映像だった。圧倒的に立場が弱く、大人の庇護がないと生きていけない。子ども時代はある意味サバイバルなので
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

「ヒロイックファンタジー」
非現実的なアクションシーンがスカッとして、憂さ晴らしのようになる作品と思いました。主人公はどちらも実在の人物だそうです。叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公はラーマ王子、「マハー
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.1

「怪物の造形がすごい」
今までこの映画を観ていなくても、フランケンシュタインといえば、ボリス・カーロフの顔を思い浮かべてしまうほど、怪物の造形が完成されています。「ミツバチのささやき」を観ての鑑賞です
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

4.0

「愛さなくていいから 遠くで見守っていて」

エンディング曲の歌詞の一部です。
遺体は富樫のものと嘘をつき通せば、花岡の殺人容疑は晴れ、石神がその被疑者として自首すれば花岡親子は石神とも永久に離れられ
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

「食べ物の温かさ」
有名な傑作映画で、数回は観ています。多くの皆さんが素晴らしい解説を書いているので、個人的に気になったポイントを書きます。
''Leave the gun, take the can
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欲望(1966年製作の映画)

3.3

「blowup=拡大=欲望」
邦題がとても良いと思う。この映画に出てくる誰もが満たされていなくて、別の所に行きたいと思っている。主人公も労働者階級の人を写した写真を売り込んだり、骨董屋の女の子も、ネパ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.2

「大人目線が入っていない稀有な作品」
子供の幼年期の、混沌とした世界が表現されている。トトロに影響を与えた映画だそう。ノスタルジーとは違った、子供時代の内面の感覚が想起される稀有な作品だと思う。
アナ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.0

「トラビスがなんでああなったのか」
 人気のある作品だけど、私にとってはトラウマ発動するのか、身もふたもない感想しか出て来ない。ナスターシャとトラビスは35歳離れているのか。長続きするのは難しいのかも
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

「アート作品として観る」
母を亡くした少年が家族からも距離を取って生きている。トラウマ的なものを克服していくストーリーなのかなと思ったけれど、描写のほとんどがアート作品の羅列のようで、ストーリーと
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「詩的な近未来短編」

民族間の障壁や生殖による子孫繁栄といったことからは解放された近未来社会。
養女ミカの世話をする、ロボットのヤンはとても優しく、自分の幼少期にもヤンみたいなロボットが居たら良かっ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

「人間という枠を超えていくキャシー」

ほとんどの時間、涙をこぼしながら見ていたので、もう一度観ないとよくわからないところがありますが、あの結末に、女性が1人で戦うことの困難さを改めて思いました。
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浮雲(1955年製作の映画)

3.0

「日本の擬人化か?」
身勝手な男と成長しない女の、腐れ縁の話。家庭は捨てられないけど、たまに遊びに来たいと抜かすこの男は、ひたすらモテているよう。何も考えていない感じ 。
実態がないゆえか?
全体の陰
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.4

「人間の愚かさと戦争の不毛さ」
不穏な緊張感があって、霧が湖に立ち込めている場面、夜霧の中、湖水を渡るシーンはとても美しいです。朽ちた屋敷の夕闇の中、次々に燭台が灯ります。若狭姫の能面のような顔。白黒
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「ベルリンの壁がある時代のお話」
昔観た時によくわからなかった映画。今回は批評を読んでから鑑賞。とにかく言われないとわからない裏設定が多すぎる💦
Hiroshima mon amour ヒロシマ・モナ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

「アートホラー!」

アリ・アスター監督は自身の失恋経験をこの映画で表現したそう。「恋人と別れたばかりで、それを描写する手段を探していたんです。」とのこと。マジかい。この監督にかかると、失恋が人身御供
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