シズヲさんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

トゥームストーン/ザ・リベンジ(2012年製作の映画)

3.0

ダニー・トレホが黒尽くめのガンマンスタイルで死の淵から甦る!ダニー・トレホはやっぱりいいよね。仲間からの裏切りに遭ったトレホが悪魔と契約して復讐を誓うアウトロー西部劇だ。酒場での銃撃戦、VSガトリング>>続きを読む

カサブランカ(1942年製作の映画)

3.8

堪らない雰囲気のラブロマンス。洒落た台詞回しがとにかく印象的。「君の瞳に乾杯」なんてキザな台詞ですらハンフリー・ボガードが言うとスマートに見えるから凄い。その他の言い回しもウィットに富んでいて秀逸。ボ>>続きを読む

47RONIN(2013年製作の映画)

2.8

前評判から「きっと変な作品なのだろう」と思ってたけど、実際開始10分ぐらいで面食らう。日本描写がどことなく中華っぽいのは最早予想の範疇。それどころか謎のクリーチャーが当然のように出てくるし、妖魔に変身>>続きを読む

続・荒野の1ドル銀貨(1965年製作の映画)

3.5

これまた別に荒野の1ドル銀貨とは関係ないから笑う。視覚的な拘りを感じる作品。木屑が風に舞う町の風景を始めとして、カメラワークや見せ方で凝った場面がちらほら見受けられたのが印象的。話においても説明的な台>>続きを読む

サルタナがやって来る〜虐殺の一匹狼〜(1970年製作の映画)

3.8

凄腕で頭も切れるアウトローの主人公、一つの街を舞台にした勢力争い、主人公が複数の勢力を股にかけて手玉に取る……って感じに、よくあるマカロニ・ウエスタンのフォーマットに則った作品。基本の骨子はそこまで珍>>続きを読む

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

現実と虚構が入り交じるサイコスリラー。時間すら超越して歪んでいく認識、幾度となく繰り返される死のビジョン……その果てに男が「死」を受け入れるまでの物語。時折ちらつく異形たちの不気味なまでの退廃性が印象>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.5

もはや狂気。殆どイカれてるレベルの鬼教授に若きドラマーが全身全霊を懸けて挑み、ドラムプレイの極北へと突き進んでしまう暴力的熱狂映画。音楽モノというよりはドラマーと教授の死力を尽くした対決モノだ。もう何>>続きを読む

盲目ガンマン(1971年製作の映画)

4.1

盲目ガンマンというタイトルを見て「座頭市のようにハンデを超越した強さを持つ主人公なのだろう」と思ったが、そんなことはなかった。動きは手探りでよたよたとしているし、銃撃シーンは殆ど乱射で仕留めるし、しか>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

4.3

ボニーとクライドの人生。運命的な出会いを果たし、仲間を増やしながら突っ走り、そして最後は唐突な破滅へと転がり落ちる。暴力的なクライム・ムービーでありながら、根本は男女の破滅的青春劇なのだなあ。刹那的な>>続きを読む

ミネソタ無頼(1964年製作の映画)

3.5

老け込んだ壮年の男が主人公なのが印象的。その主人公が徐々に視力を失っていき、最終的に夜の闇に紛れた奇襲戦法で戦うという展開はなかなか面白い。ちょっと適応が早すぎるきらいもあるけど、それでもBGMの無い>>続きを読む

暁の用心棒(1966年製作の映画)

3.4

主人公が水平二連ショットガンで武装するという予想斜め上の展開に興奮する。その上ショットガンVSマシンガンという異様な対決まで披露してくれるから楽しい(ショットガン使うの終盤からだけどね)。あとは暗闇で>>続きを読む

モンスターズ・インク(2001年製作の映画)

4.4

モンスター達が暮らす奥行きに溢れた世界観が魅力的。何より「子供部屋のクローゼットの扉がモンスターの世界と繋がっている」という発想の独創性がスゴいんだよな。子供はモンスターを怖がるけどモンスターにとって>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

4.5

二つのやくざが対立する宿場町で流れ者の用心棒が活躍する異色時代劇。殺伐とした空気を漂わせながらも、主人公のキャラクター性もあって痛快娯楽作として成立しているので楽しい。結構滑稽な場面がちらほらあるのが>>続きを読む

黒いジャガー(1971年製作の映画)

3.3

映画と時代背景が結び付くのはよくあることだけど、これはまさにそんな感じの作品だ。当時のニューヨークの雰囲気が滲み出る映像もいいけど、やはり主人公である私立探偵ジョン・シャフトが魅力的。ふてぶてしくもク>>続きを読む

子連れ狼 三途の川の乳母車(1972年製作の映画)

4.3

前作で子連れ狼のルーツを語りきったのもあってか、今作では出だしからハジけまくり。頭部をかち割るわ、女だろうと腕をぶった斬るわ、とにかく清々しいくらいのバイオレンスなんだよな。荒唐無稽な描写もますます増>>続きを読む

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる(1972年製作の映画)

3.9

子連れ狼ビギンズ+子連れ狼の生業といった感じの話。子連れ狼のルーツを丁寧かつ端的に描いているので、彼らがなぜ冥府魔道に落ちたのかを解りやすく飲み込める。流石に続編でも因縁は続くらしいけど、柳生一族絡み>>続きを読む

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

4.1

少年と犯罪者、たった数日の逃避行。父親絡みの悲哀を抱えている二人が寄り添い合い、旅を続けながら打ち解けていく姿にグッと来る。父親を知らない少年が犯罪者に父性を見出だして、ろくでなしの父親を持つ犯罪者が>>続きを読む

さすらいのガンマン(1966年製作の映画)

4.0

バート・レイノルズ演じるインディアンが主人公という設定が既に強烈。しかもライフルで高速レバーアクションを決めて悪党を撃ち殺すのでかっちょいい。銃撃戦のみならず、身軽なアクションも積極的に披露してくれる>>続きを読む

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

3.6

「人類の業によって生まれた怪獣」というテーマは凄く原点回帰的だけど、そこに諸々の要素が歪に加わったせいで最早カオスになってる。サイケデリックな主題歌を始めとして、奇天烈な演出やえげつない描写がとにかく>>続きを読む

情無用のジャンゴ(1966年製作の映画)

4.3

なんだこれ……(恐怖) オープニングからして何処と無くサイケだけど、出だしはまだよくある復讐劇っぽい。舞台が町に移った途端に何かがおかしくなる。倫理観の吹き飛んだ町民達、開始数十分で終わる復讐、主人公>>続きを読む

奴らを高く吊るせ!(1968年製作の映画)

3.6

本場アメリカへと戻ってきたイーストウッドの西部劇。どことなくマカロニの色を感じる独特の乾いた空気が印象的。その上で派手な銃撃戦ではなく「西部開拓時代の司法」をテーマにしているのが面白い。私刑行為や見世>>続きを読む

群盗荒野を裂く(1966年製作の映画)

4.5

革命に揺れ動くメキシコを舞台にしたマカロニ・ウエスタンの社会派快作。粗野で人情家のメキシコ人盗賊、クールで合理主義のアメリカ人青年の対比が印象的に描かれる。この二人の関係性の行く末に本作のメッセージを>>続きを読む

眠狂四郎 勝負(1964年製作の映画)

4.2

噂通りの面白さ。眠狂四郎のキャラクターの立たせ方がとにかく上手い。常にふてぶてしく不敵で、しかし時に虚無的な内面がちらつく人物像がどうしようもなく魅力的。傲岸とも取れる振る舞いの中で弱者への彼なりの情>>続きを読む

ハチェット無頼(1977年製作の映画)

3.6

マカロニブームが去って久しいであろう1977年にこういうのが作られてたって言う事実にワクワクしちゃう。達人級の早撃ちが出来るのにわざわざ斧を好んで使う主人公がインパクト絶大。合理性を超えたロマンに溢れ>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

4.5

閉塞へと向かう世界を舞台に、老いた男が見せる最後の浪花節。どうしようもない哀感を背負いながら駆け抜ける幕引きの物語がとにかく渋い。過激な暴力描写も世界観の泥臭さを強調していて秀逸。

古き良き西部劇の
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さすらいの一匹狼(1966年製作の映画)

3.5

オープニングから掴みは抜群。夕陽の砂漠を往く主人公の絵面、ニコ・フィデンコ作の印象的なテーマソング、アニメーション映像が流れるクレジットなど、しょっぱなから洒落ていてかっこいい。本編もカットの撮り方等>>続きを読む

デビルマン(2004年製作の映画)

2.0

最早評価するまでもない有名作(?)なのでずっと放置してたけど、折角なのでレビュー。役者の演技の酷さがまず鼻につく。よりによって肝心の主役二人が特にしょっぱくて、話の緊張感を見事に削ぎ落としてしまう。不>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.2

序盤から尋常じゃないくらいの混沌っぷり。生々しい暴力描写が幾度と無く繰り返されるわ、殺伐に振り切った狡猾な抗争が繰り広げられるわ、本当に仁義もくそもない。主要な登場人物がいとも容易く無惨に殺されていく>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「これまでの生活の全てがテレビ番組のセットであり、生まれた時から今に至るまで自分の人生が世界中で放映されてる」っていう設定が実に斬新。ある意味SFじみた奇妙な発想の時点でもう舌を巻く。ジム・キャリーの>>続きを読む

はなれ瞽女おりん(1977年製作の映画)

4.2

ジャケットのおりんの雰囲気に凄く惹かれたけど、本編に流れる空気も素晴らしかった。幽玄で寂しげな情景の写し方がとにかく秀逸で、カメラワークを含めた絵面作りが実に良かった。物悲しい話だけど、それでも諦観を>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作から変わらぬ切れ味。アクションの殺意がやはり堪らない。体術もガンアクションもとことんキレッキレで痺れる。平穏な生活を手に入れようとしても結局裏の世界に引きずり込まれてしまうジョン・ウィックの悲壮感>>続きを読む

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)

4.3

なかなかに奇怪な作品。不気味なテーマソングも相俟って最早ホラー西部劇じみてる。「結局流れ者は何がしたかったのか?」とか「あの場面の意図は何だったのか?」とかツッコミ所は多いのに、イーストウッドが撮ると>>続きを読む

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)

4.5

新世代がプロデュースする英雄の引退劇。従来のマカロニを踏襲しつつも一味違った方向性で攻めていて、変わりゆく時代や旧世代の人間への深い情念を打ち出しているのがグッと来る。思わず笑ってしまう下りが多々ある>>続きを読む

ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.6

記憶喪失の若いマット・デイモンの逃避行だ。格闘や銃撃戦などといったスペクタクルなアクションが中々冴えている。中盤ぐらいのカーチェイスは派手で面白かった。基本的にはリアル志向だけど、程々に良い意味での虚>>続きを読む

ガンマン大連合(1970年製作の映画)

4.7

出だしから「殺っちまおうぜ 同志たちよ」と原題通りのハジけまくりな主題歌が流れるのがもうたまらない。作中で何度も流れるだけにとにかく記憶に残る。メキシコ革命というテーマはレオーネ作品の『夕陽のギャング>>続きを読む

ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

明るく軽快で、時に感傷的で、最後は暖かい気持ちになれる。劇的な変化も運命的な結末もなくて、だけど生きることへのささやかな希望を見出だせる。そんなポジティブな作品。

とにかくテンポが良い。割と早い段階
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