キャリー、孤独の青春。学校では虐められ、家庭では毒親に苛まれ、何処にも居場所を見出だせなかった。束の間の希望さえも土壇場で踏み躙られ、結局全てをぶち壊すしか無くなる。遣る瀬無い程の哀しみ、その中で突き>>続きを読む
「ある人が別の人の心に巣を作るとき――大事なことは永続でも繁栄でもない もう孤独ではないということです」
姦淫による暴走をきっかけに教区を追われ、旅行バスのガイドへと落ちぶれた牧師の物語。どういう訳>>続きを読む
「剣を手に取る者 剣に滅びる」
トーキー黎明期のギャング映画。禁酒法と大恐慌下におけるアメリカという社会の片鱗。ジャンルとしても最初期の作品ということもあり“ドン底からの台頭、悪党としての出世、惨め>>続きを読む
お前のような古本マニアがいるか。ホントなら去年の春頃やる予定だったプリプリ映画第1章、色々あったが満を持して公開されたので嬉しくなっちゃう。TV版から変更になったアンジェの新CVはチェンジリング時も含>>続きを読む
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お母さんが帰ってくるまで、決してドアを開けてはいけませんよ――狼と7匹の子ヤギをモチーフにした短編アニメーション。フェルト製の可愛らしい造型とは裏腹の仄暗いテーマ、閉鎖的な舞台構図が生々しい印象を残す>>続きを読む
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仁義なき戦いの夜明け。関東で幅を利かせる矢東組、関西の勢力をバックに持つ赤松組、抗争粉砕に乗り出した警察。海外からの拳銃密輸を軸に、組織暴力による三つ巴の対立を描く。それまでの60年代邦画における任侠>>続きを読む
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「お前らみたいな雑魚をブタ箱に放り込んでも税金の無駄遣いじゃ!」
県警対組織暴力!!タイトルの率直な力強さが既に素晴らしい。パラレルワールドの広能にしか見えない刑事・久能(もうひとりの主役が“広谷”>>続きを読む
「やった!!裂けたああああ!!」
拷問に次ぐ拷問!残虐行為の大連鎖!なんだこの奉行!?倫理観がブッ飛んでいた頃の邦画を代表するような悪趣味時代劇。60~70年代の邦画業界はテレビの攻勢によって瀕死状>>続きを読む
黒人奴隷制時代のアメリカに突撃取材。モンド映画の先駆者であるヤコペッティ監督が、モンド映画のテンションで撮影したモキュメンタリー映画。イタリアの撮影班がヘリコプターで農園に降り立つオープニングは『Oh>>続きを読む
ゴールドラッシュに湧く19世紀末のアラスカ、混血の先住民が鉱山の採掘権を貪る資本家一味を相手に逃避行を繰り広げる。いかに現代西部劇的な題材で(90年代だけど)、白人による先住民の土地への侵略と搾取が描>>続きを読む
ジョン・ウェインVSモーリン・オハラの痴話喧嘩。主演二人と粗筋の骨子からして『静かなる男』を思い出すが、詩情が滲み出ていたあちらと比べると大分ユーモラス。アンドリュー・V・マグラレン監督作なのでフォー>>続きを読む
※再レビュー
「ジャック・パランスがエリシャ・クック・Jrを撃ち殺したとき、西部劇は変わった」―サム・ペキンパー
“最後の西部劇”の始まり。古参のカウボーイと新規入植民の抗争というジョンソン群戦争>>続きを読む
80’sポップスの宝箱。ロックもダンスも禁じられている保守的な地方都市に引っ越してきた青年が閉塞を破るべく奔走する。とにかくサントラが印象的な作品で、ケニー・ロギンスやデニース・ウィリアムスなど数々の>>続きを読む
「本作品はアメリカ人道協会の規定に従っています 動物が傷つく場面がありますが実際には無傷です」
まず人間の無事を考えてほしかった怪作。ライオンやトラなど150頭以上もの猛獣が登場、そいつらとまさかの>>続きを読む
「自由じゃないって言われても 何も気にしない」
カントリーの聖地・テネシー州ナッシュビルを舞台に繰り広げられる群像劇。大御所カントリー歌手、精神不安定な人気女性歌手、彼女を追い詰めるマネージャーの夫>>続きを読む
極道野球大会、開幕!!一人残らずデッドボールでぶち殺しちゃれ!!「戦後の混乱に乗じて抗争を激化させていた九州ヤクザ達が野球で民主的に対決する」というあらすじがもう面白い。アニメの野球回か?どんちゃん騒>>続きを読む
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映画冒頭、アメ公とヤッてた女房を退役兵が滅多打ち。浮気で生まれた赤ん坊をぶん投げて殺害。その後女房も徹底的にぶちのめして撲殺。オープニングでは空襲による焼死体の写真が次々に映し出される。開幕からブチ切>>続きを読む
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カウボーイふたり、十数年に渡る愛の物語。イニスとジャックが愛し合う関係になる経緯は思いの外突然でちょっと引っ掛かったが(もう勢いとしか言いようがない)、それでもドラマに惹き込まれたのは主演二人の演技と>>続きを読む
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「おお船長、わが船長よ!」
家族からの期待を背負い、定められた未来を進むだけだったティーンエイジャー達が、新任教師によって齎された“詩”によって自己を発見していく。人はいつか死ぬし、今日ある命はも明>>続きを読む
ロック様、若い!実在の保安官をモチーフにした1973年の映画『ウォーキング・トール』のリメイク。基になった人物は元プロレスラーであり、旧作の主人公もそれに準じているのだが、本作では元特殊部隊という設定>>続きを読む
「なぜ怪物はあの子を殺したの?なぜ怪物は殺されたの?」
70年代スペイン映画。当時のスペインは独裁政権下ゆえ検閲が存在し、作家達は抽象的表現を多用することで作品に社会性を盛り込みつつ政府の目を回潜っ>>続きを読む
70年代東映製のブチ切れたB級カーアクション映画。もう超カオス。事件を起こすバスジャック犯コンビは『狼たちの午後』ばりに余裕ゼロで、「ぶち殺しちゃるううう!!!」「黙らんかいぃぃぃ!!!」など甲高い声>>続きを読む
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「原因なんてわかってる なりたいものになれないからだ」
もはやサスペンスめいたアル中映画。学生時代は将来有望の物書きだった。しかしプロとしてはいっこうに目が出ず、泣かず飛ばずのまま30歳を越え、やが>>続きを読む
東映の和製ニューシネマ。“バーで働く美女と大金をくすねたチンピラが犯罪を重ねながら破滅的な逃避行を繰り広げる”という粗筋からして『俺たちに明日はない』等からの影響を感じる。ジーンズ要素は特に無いのでフ>>続きを読む
殴れ!殴り合え!ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック!喧嘩に始まり喧嘩に終わるマカロニ・ウエスタン。マカロニブーム終盤の作品ということでほぼコメディだが、どうやら脚本と題材が気に入らなかったマリオ>>続きを読む
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海ってのは死の世界みたいなものをいちばん近くに感じられる場所だと思っているが、この映画で描かれる津軽の海はまさしくそういった匂いに満ちている。荒涼とした空と海、幽玄と呼ぶには余りにも虚無的な情景。絶え>>続きを読む
恐るべき包囲網!イーストウッドが蜂の巣にされる!ソンドラ・ロックも蜂の巣にされる!御大イーストウッドのアクション映画。主人公が刑事という時点で「ハリー・キャラハンの亜種では?」という印象は否めないが、>>続きを読む
後にシリーズ化する日活無国籍映画。広大な平野で馬に運ばれて登場する流れ者の主人公、酒場での殴り合い、エースのジョー扮する宿敵との決闘など、無国籍なだけあって西部劇のテイストが随所に感じられるのが印象的>>続きを読む
オカルト映画の金字塔。めちゃめちゃ真面目な作品で、“悪魔の実在証明”に映画の半分以上を費やしていることが極めて印象的。明確な異変が起こった娘に対し、診察や治療などの科学的アプローチが延々と繰り返される>>続きを読む
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ジョージ・A・ロメロが送り出した元祖モダンゾンビ映画。「人々を喰らいながら数を増やしていく“生きる屍”」という基礎の設定を始め、「頭部破壊が弱点」「群れを成して緩慢に歩み寄る」など現代まで連なるゾンビ>>続きを読む
マシンガンによる銃乱射事件の真相を追う70’s刑事モノ。確かに大虐殺だがそんなにパニックは起こらない。警官のウォルター・マッソーも殆ど笑わない。冒頭の乱射事件のシーンこそスリリングであるものの、それ以>>続きを読む
もはや異世界への没入。“ゲイ狙いのゲイ殺人鬼”という題材に加え、ディープすぎるハードゲイ文化を描いたことで上映廃止運動も起こったという曰く付きの映画。作中でも「彼らはゲイの少数派」とは語られているもの>>続きを読む
自堕落な生活に落ちぶれた元ボクサーと父親を信じ続ける息子の親子ドラマ。いちおうボクシング映画らしいが、終盤の展開や主人公のプロフィールを除いて作中におけるボクシング要素はそんなに大きくない。あくまで父>>続きを読む
第二次大戦終結から間もないアメリカ西部にて、とある辺境の町を訪れた“よそ者”を巡る物語。荒野を跨ぐ列車、アメリカ西部の寂れた町、コミュニティーの外部から現れる流れ者、箱庭的な舞台で繰り広げられるストー>>続きを読む
アポロ・クリードの息子!!16年越しに撮られた『ロッキー・ザ・ファイナル』で幕引きかと思われたが、まさかのスピンオフ続編。しかもロッキーを語る上では決して外せない強敵(とも)、あのアポロの遺児が主人公>>続きを読む
※2020/11/30 再レビュー
「一生に一度の幸運だ 死に急ぐなよ」
ボニーとクライドに並ぶ禁酒法時代の大悪党、“社会の敵No.1”ことジョン・デリンジャーの生きざま。ハリウッド黄金期に重なる>>続きを読む