スニフさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スニフ

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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.9

貧困な崖っぷち母娘
電気を止められるほどお金もないのに着飾ってクレカで買い物もしちゃう
悲壮感はなく淡々とした日常をスタイリッシュに彩る
実際の母娘でもある主演、脚本、監督のアマリア・ウルマンとその母
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.8

幼い頃の乾いた洞窟の白と現代のカラフルでアーティスティックな色使いとの対比が素晴らしい
老いた映画監督役のバンデラスの哀愁と幼少期のノルタルジーが切なく醸し出す
アントニオ・バンデラスが良い。とにかく
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世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.0

監督はアキ・カウリスマキのお兄さん
大きな事件が起こることなく終始穏やかで平和な映画だった
北欧の夏の白夜と長閑で美しい景色
チェンさんの作る薬膳料理が村の人々の体を癒して健康に導く
美味しいは万国共
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ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

3.5

ピンクの雲の出現でロックダウンの生活を強いられる人々
人は一緒にいることで安心もするし疎ましくも思う
その環境でだいぶ変わると思うけど、徐々に壊れていく心がリアリティで想像もできる
コロナ禍前に観てた
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.0

自殺未遂常習犯の19歳のハロルドは人生を謳歌している79歳のモードと出逢い恋に落ちる
青白く正気を失っていたハロルドの顔がモードと過ごす事で血色を取り戻していく様がよい
何よりモードがとてもキュートで
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

大好きな父親と過ごした11歳の夏の記憶
キラキラした夏の陽射しに不穏感はないはずなのに少しの不安を拭えないまま淡々と過ぎてゆく
ソフィの歌う下手くそなREMに堪らなく揺さぶられた
説明し難いこの感情は
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.8

台湾の暮らしの息遣いと懐かしさを感じる生活の色がエモーショナルに映し出される
人との距離の在り方は東京のそれとも似ているのかな
虚無の空気感と当たり障りのない孤独の心地良さ

カーラの結婚宣言(1999年製作の映画)

3.5

ハッピーエンドのその先の困難を考えてしまうのは純粋なふたりの一途な愛ゆえのこと
ただただジュリエット・ルイスとジョヴァンニ・リビシのカップルが愛しくて尊いのよ

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.8

デンマークの農村で足の不自由な叔父との牛の世話、毎日変わらぬルーティンをこなし穏やかな日々を送るクリス
自身の人生との狭間でお互いの思いやりが交差するジレンマ
デンマークの美しく喉かな風景が彩るとても
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.5

アル中の母親とキャンプ場のトレーラーハウスで暮らすロゼッタ
仕事を解雇されベルギー社会の底辺を生きる
街から戻りキャンプ場の裏で隠れるように長靴を履け替えるところや頑として不正はしないプライドも自身を
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.8

50年代のパリの古きアパートに住む伯父さんと妹夫婦が住む全自動の近代的な家との対比が面白い
特に妹夫婦の家は今見ても色彩豊かでモダンでとてもお洒落
構図も素晴らしいジャック・タチのセンスが光りまくる1
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.1

静止画のモンタージュと感情のない語りだけの紙芝居のような映画
空港のシーンで始まり空港のシーンで終わるある男の実験的タイムトラベルの話
そしてラストでの伏線の回収に震えた
静止画だけでここまで持ってい
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

泣いてばかりいたシングルマザーが歌じゃないけど涙の数だけ強くなっていった数年間の家族の成長物語
もうひとりのキーパーソン、スクリーンのパスカル・オジェを見つめるタルラの瞳にこちらも込み上げてくるものが
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トゥルーへの手紙(2004年製作の映画)

3.8

愛犬家のブルース・ウェバーが飼っているゴールデンレトリバーのトゥルーに宛てた手紙で綴られるドキュメンタリー
スクラップブックのような過去の映像を散りばめながら自身の写真と映像で語られる
望むのは戦争や
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.0

1年ぶりのアケルマン映画祭
なかなかタイミング合わずだったけどようやくこちらを観れました
なんとミュージカル仕立て
少し皮肉なポップでカラフルな世界
デルフィーヌ・セイリグは年齢重ねてもなお美しい

ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

3.8

街の喧騒と鳥の鳴き声、ゆったりと流れる美しい街並みに乾いた映像
まるでドキュメンタリーのようなナレーションに真逆のような摩訶不思議なストーリーが展開される
いやいや、めちゃめちゃ面白かった
『観客の皆
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ロックよ、静かに流れよ(1988年製作の映画)

3.5

いわゆる80年代のアイドル映画だけど良質な青春映画でもある
架空のクライムというバンドのファンという共通点から仲良くなりバンドを結成する松本の高校生
原作(実話)での憧れのハンドはモッズ
男闘呼組が等
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たのしい知識(1969年製作の映画)

3.4

ジャン=ピエール・レオとジュリエット・ベルトのほぼ二人芝居はそれはそれで息が合っていて頭から煙が出そうな会話も飽きずに観ていられる
何より劇中に散りばめられている写真や絵のコラージュなどゴダールのセン
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伴奏者(1992年製作の映画)

3.8

ドイツ占領下のパリで有名なオペラ歌手イレーヌの伴奏者となった20歳のソフィー
パリからロンドンへ、イレーヌとその夫と愛人、ソフィの目を通して映る奇妙な愛憎劇
まだあどけなさの残るロマーヌ・ボーランジェ
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What about me(1993年製作の映画)

4.0

叔母の死によって突然ホームレスとなってしまったリサの自由の女神を見るまでの数日間を描く
リサの兄役にジョニーサンダース
リサ役はドラマーで監督、脚本も務めたレイチェル・アモーディオ
真冬のニューヨーク
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自由の幻想(1974年製作の映画)

3.7

ブラックユーモアオンパレードの不条理な自由の世界
オムニバス形式に繋ぎながら次々と移っていくストーリーとカオスすぎる世界は常識が幻想なのかもしれない
排泄は公然に。食事は個室で。

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.4

ファスビンダー西ドイツ三部作の三作目
過去の栄光に縋るかつての大女優
精神科医に全てを巻き上げられ薬漬けにされていく姿に敗戦後のドイツの闇が映し出されている
50年代のフィルムノワールの世界観も見事に
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ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた(2006年製作の映画)

3.3



DV旦那の子供を妊娠、主治医と不倫、望まない子供、旦那から逃げる為の資金作り、文字にするととってもディープなのにアメリカの片田舎のレトロなダイナーで大好きなパイを焼く主人公がとても魅力的で、ラスト
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スパニッシュ・アパートメント(2002年製作の映画)

3.0

留学先のバルセロナで繰り広げられるアパートの住民たちの群像劇
バラバラな国籍の多様性豊かなルームメイトたちに振り回されながら最後は子供の頃の夢へと向かう主人公
幾度か流れてくるRadioheadのNo
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第三世代(1979年製作の映画)

3.5

緊張 興奮 残酷性 冒頭のテロップとブラウン管に映し出されたブレッソンの「たぶん悪魔が」でのっけから持って行かれた
意思と表象としての世界、おそらく意味など持たないテロリストたちの群像劇はとても面白く
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.8

トランスジェンダーの女性が居場所を求めて彷徨う最期の5日間
けど居場所なんて何処にもなかった
エルヴィラの孤独と苦しみ
インタビューのテープの言葉と駆けつけた人々、新月の巡り
生きていれば希望があるか
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.8

心を壊して休職していた女性が復職のために週末に同僚の元へ説得しにまわるというなんとも世知辛いストーリー
同僚たちそれぞれの複雑な事情も垣間見えるドキュメンタリーのような作風
ラストの清々しいマリオン・
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.6

風になびく洗濯物のバスクシャツ、光り輝く海面と空、モノクロの光と影が眩しく美しくまるで写真集のような映画
カメラワークもちょっとしたアングルのバランスも素晴らしく、これが長編デビュー作となるアニエス・
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欲望(1966年製作の映画)

3.8

90年代にリバイバルで鑑賞
ミニシアター好きにおけるオシャレ映画の代表的な位置付けでした
ヤードバーズのジェフベックが唐突に観たくなって改めて鑑賞したけどやっぱり最高にクールでカッコよい映画だった
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.3

これほどまでにトリッキーなマルチバースの世界は初めての感覚
娘との壮大なバトルはあらゆるものを巻き込んでそれは石になるまで続くのだ
人生の選択は紙一重でベーグルの穴の中はきっと虚無でしかない

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.1

遥か大昔に訳も分からず観てからの2度目の鑑賞です
ハルの冷静沈着で穏やかな口調が不気味で恐ろしく、感情を持たないはずのハルの反乱に後半以降一気に惹きつけられる
50年以上前の映画なのに今観ても斬新で面
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

恋人にドタキャンされ、ひとり乗り込んだ小汚い寝台列車で横柄なロシア人炭鉱員と同室になるというカオスな展開から始まり、男を毛嫌いしていた主人公が男の不器用な優しさに触れて徐々に変化する心情が丁寧に描かれ>>続きを読む

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.5

ピエール・ジャンヌレの椅子がリプロでもいいから欲しいなっていろいろ見てたらこの映画に行き着いた
コルビュジエが入り浸ったアイリーン・グレイが建築したE-1027にまつわる話
アイリーンは聡明で美しいの
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グレースと公爵(2001年製作の映画)

3.9

静止した油絵に実写の人物をCGで重ねたというロメール後期の実験的映画
オルレアン公爵とグレース・エリオットの恋愛関係を超えた友情に王党派、革命派と相反するふたりの革命の物語
グレースが聡明でとても魅力
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

絶えず血の匂いがするカップルの純愛ロードムービー
グランジなティモシーシャラメは人肉食べる姿も美しく、舞台は80年代だけど限りなく90年代の香りがした
途中で流れたニューオーダーのYour Silen
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