スニフさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スニフ

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小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.2

アンナカリーナの長編デビュー作
お洒落な絵面とは裏腹に政治色強いなかなか重たいスパイ映画
でも結局最後に印象に残るのはアンナカリーナの可憐な美しさ
ゴダールの愛の成せる技かも

グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)

4.2

グレイガーデンズで暮らす母と娘のドキュメンタリー
騒々しすぎて観ている途中で疲れてしまうんだけど、お互いの譲れない主張や猫たちとの生活に奇抜なファッション
ちょっとなにこれ最高だった
何もかもクレイジ
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リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

4.0

東京大学駒場キャンパスで行われた『ジョナス・メカス生誕100年上映会ならびに講演会』へ

メカスの生まれ故郷であるリトアニアへの帰還を中心に描かれ、メカスの宝物たちが粒子の荒い16mmのフィルムに儚く
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.5

何十年ぶりかに観ました
ウディ・アレンの映画愛溢れた全ての映画好きに向けたような映画
スクリーンから飛び出してきた人物とそれを演じている俳優との不思議な三角関係
ミア・ファローはやっぱりとても魅力的で
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断絶(1971年製作の映画)

3.0

ジェームス・テイラーとビーチボーイズの故デニス・ウィルソン主演
レースで生計を立てながら旅する2人の男とヒッチハイカーの女
70年代初頭のアメリカの乾いた空気が伝わり若かりし頃2人のミュージャンがしび
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

観終わった後にその世界にどっぷり浸かって引きずられてしまう感覚を久しぶりに味わった
先の見えない放浪は孤独との戦い
彼女の云う自由とは何なのか
彼女と出会った人たちは確かに居て、そこに根付く事も出来た
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あの胸にもういちど(1968年製作の映画)

3.5

マリアンヌ・フェイスフルが黒革のスーツに身を包みひたすらハーレーを飛ばす映画
合成加減やサイケな映像部分のチープさは否めないけど、それも含めて味のあるカルト映画に仕上がっているのかも
とにかくアラン・
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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

3.8

レ・リタ・ミツコのレコーディング風景がひたすらカッコよく、バーキンのあどけない玉の輿キャラがなんだかとても好き
絶えず死がよぎるゴダールの語りに『死は光に至る道のり』という言葉は自身の最期を物語ってい
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(1968年製作の映画)

4.0

菊川strangerにてマルセル・アヌーンの四季シリーズ
そしてこの『夏』、傑作だった
台詞はなく語りのみなのがこの断片的なコラージュのような映像とマッチしていて雰囲気だけで酔える
ジョナス・メカスの
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愛の昼下がり(1972年製作の映画)

3.5

光るペンダントしかり、街中の女性をモノに出来る妄想とタートルネックをさがしにきたのに明らかに小さいしチクチクすると言ってたシャツを断れずに買ってしまうくだりも最高だった
ラストの意外な展開もロメールら
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パリところどころ(1965年製作の映画)

4.2

ル・シネマのゴダール追悼特集へ
ゴダールやロメールを含めた6人の監督からなるオムニバス
外れなしで全部面白い
小汚いパリの街並みがリアルに映し出されているのも良い
特にジャン=ダニエル・ポレのサンドニ
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(1969年製作の映画)

3.5

マルセル・アヌーンの四季シリーズ
舞台はベルギーの水の都ブルージュ
行き詰まる監督の映画制作の話
運河と石畳の街並みをモノクロとカラーで織りなす
風景画のような街並みの色彩と、監督の妻ソフィーの美しさ
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.7

この映画をゴダール流のおとぎ話だと言う
ブルジョワ夫婦の週末のドライブは破滅へのカウントダウン
次から次へと起こるカオスな出来事にただただ圧倒され血と炎に飲み込まれる狂ったロードムービー
なんだか凄い

blue(2001年製作の映画)

4.1

魚喃キリコの漫画の映画化
当時スルーしてたことを今更ながらとっても後悔
すごくすごく好きな映画だった
アズテックカメラにセザンヌの画集
ゆったり流れる時間にカメラの長回しも構図もストーリーもとっても好
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北の橋(1981年製作の映画)

3.6

パスカル・オジェはやはり独特でとても好きな女優さんだなと思った
彼女が纏うレザージャケットは彼女の鎧
鎧を脱いで空手の型を取る
ビュル・オジェもとても良い
ふたり、親子なのにこの映画では友人同士にしか
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.9

ダイアナの追い詰められた危うい精神状態と感情の生々しさ、追い討ちをかけるようなアン・ブーリンの亡霊
クリステン・スチュワートの迫真の演技は後ろ姿、歩き方、少し首を傾けるような立ち姿、角度、本当にダイア
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カウチ・イン・ニューヨーク(1996年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマンがこんなにポップで王道的なラブコメを撮っていたことに驚いた
ニューヨークとパリの部屋の交換から始まるふたりのラブストーリー
主演はジュリエット・ビノシュとウィリアム・ハート
ビノ
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冬の光(1962年製作の映画)

3.8

牧師でありながら神への疑念を持ち信仰心も揺らぎ もはや義務として教会にいる牧師
やがて教会は意味を持たないものとなる
時代時代でいろんな苦悩がありこの時代の生きづらさを象徴しているかのような牧師
教会
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ウォールデン(1969年製作の映画)

4.3


コラージュのような世界に散りばめられた断片的な記憶の映像
日記映画を撮り続けたジョナス・メカスのレンズに映るのは日常という名の幻影なのかもしれない
父や祖父のアルバムを覗いたようなノスタルジーが広が
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O侯爵夫人(1975年製作の映画)

4.0

身に覚えのない妊娠をした侯爵夫人が父親を新聞広告で探し出す
貞操を疑われ両親に屋敷を追い出されながら最後に父親がわかるまでの道のりがなんとも面白い
悲劇でもあり、喜劇でもあるロメールらしい軽やかなラス
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日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

3.5

トリュフォーの遺作である痛快サスペンス
80年代の作品だけどモノクロの映像は50年代フィルムノワールの雰囲気を醸し出す
トリュフォーの脚フェチ具合と映画の根本的な楽しさを教えてくれたような作品だった

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

森の小さな基地とふたりの少女とふたつの家
時空を超えた奇妙な友情と彩られた秋の紅葉が美しい
クレープ焼いたり謎の刑事ごっこ、子供の頃にこんな事あったな〜みたいな遠い記憶が呼び起こされた
ふたりの見分け
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.0

原題のWALK ABOUTとはアポロジニの成人の儀式のこと
父親の突拍子もない行動によって突然砂漠に放り出された姉弟
偶然出会ったアポロジニの少年から生きる術を教わり不思議な旅が始まる
動物や虫、砂漠
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.0

最後に戻った場所はソラリスだったのだろうか
父のいる部屋の中に降る雨と蒸発する水滴
ズームアウトしたその場所に不思議な余韻を残したラストが心地よく眠りを誘う

主婦マリーがしたこと(1988年製作の映画)

3.6

フランスで最後に断頭台にかけられた女性の実話
ナチ占領下のフランス、ノルマンディーで2人の子を持つ主婦の身に起こった出来事と悲惨な結末
闇の行いに手を染めた事で少しの富を得て奔放に暮らすマリー
欲望や
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カップルズ(1996年製作の映画)

3.9

クーリンチェの子供たちが成長した姿が見れるのが感情深い
台北のギャングのような4人組とフランスからやってきた女の子が繰り広げる群像劇
エドワード・ヤンの台湾はとにかくエモい
街のネオンとか、日中の差し
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

アイスランドの山奥で暮らす羊飼いの夫婦
ゆったり流れる時間と雄大な景色に終始付き纏う不穏な空気
静かでかなり独特な映画だった
これはホラーというよりはファンタジーになるのかな
とりあえずアダちゃんが可
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

このドキュメンタリーがアニメでなくてはならなかった悲しい事実
アフガニスタンの紛争を逃れて亡命したひとりの青年が抱える秘密
辛く悲しい実話だけど素晴らしい映画だった
アニメーションだからこそ伝えられる
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美しすぎて(1989年製作の映画)

3.1

美しい妻、二人の子供たちと豪邸に暮らしている高級車のディーラーが派遣秘書としてやってきた中年女に惹かれていく話
突拍子もなく画面がコロコロ変わるこの感じは何かに似てると思ったらメルシー・ラ・ヴィのベル
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ぼくを葬る(おくる)(2005年製作の映画)

3.6

余命3ヶ月を宣告されたゲイのカメラマンが死を目前に自分を見つめ直し最期を迎えるまでの日々
メルヴィル・プポーがそれはそれは美しく、祖母役のジャンヌ・モローが圧巻の存在感を放つ
流れていく時間が優しくラ
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ブロンドの恋(1965年製作の映画)

3.8

ミロス・フォアマンがアメリカに進出する前にチェコで撮った東欧のヌーベルヴァーグと言われた作品
可笑しくて可愛い映画だった
ダメな男たちばかりに引っかかってしまう女の子が純粋で可愛くて愛おしい
フォーク
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一瞬の夢(1997年製作の映画)

3.3

ジャ・ジャンクー監督デビュー作
スリで生計を立てる梲の上がらない主人公と中国の地方都市に暮らす人々の日常と町並みの景色も興味深い
時代背景は60年代ぐらいかと思っていたらポケベルやフェイ・ウォンの歌も
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ソナチネ(1984年製作の映画)

4.0

『ごく簡単で短い奏鳴曲』
ストライキの波が押し寄せるケベックの簡素な町並みと少女たちの自殺へのカウントダウン
絶えず付けているヘッドホンは雑音を遮断するため
10代の多感で繊細な心を映し出す衝撃的なラ
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