スニフさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

スニフ

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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.5

貧しさ故に始めたスリがいつしかその行為に取り憑かれていく青年
スリ行為の所作がスマートでまるで手品を見ているかのように高度な技で魅せまくる
過ちに気付いたラストが美しい
寡黙でドキュメンタリーのような
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.8

ジュールとジムの揺るぎない友情と自由奔放なカトリーヌを加えた不思議な三角関係
カトリーヌに翻弄される男たち
ジャンヌ・モローの弾ける笑顔が素敵すぎてこの後のシュールな展開が霞んでしまうくらい
ザ・ヌー
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シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.6

シチリアで実際に起こった事件の実話
美しく幻想的に描かれているけど観続けるのが辛く苦しかった
少女は幻想の世界に救い求め、光を奪われた少年は現実の世界で絶望を知る
2人の淡い恋は湖の底に溶けていく
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アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

4.0

『大人は判ってくれない』から3年後、17歳になったアントワーヌ・ドワネルのほろ苦い恋物語
部屋から眺めるパリの街並み
アントワーヌがG線上のアリアのレコードをかけながら引越しの準備をするシーンが好き
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恐怖分子(1986年製作の映画)

3.9

冒頭から不穏な空気感が漂い完璧すぎるカメラの構図がさらに追い討ちをかける
交わらないはずの人間がふとしたことから交わり始めた時、人生の歯車が狂い呆気なく破滅へと向かう
水の音や風になびくカーテン、人の
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女は女である(1961年製作の映画)

3.8

ポップなカラーで彩られたアンナ・カリーナがひたすら可愛い映画
冒頭からラストまでキュートでコケティシュなアンジェラに終始魅了されっぱなしだった
フライヤーも可愛かったので実家の部屋にライブハウスのよう
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

何年か前、早稲田松竹で観た時にこの映画のダンスシーンがパルプフィクションの元ネタになっていたことを知る
軽やかな3人のダンスシーンとルーヴル美術館を爽快に疾走するシーンはいつまでも脳裏に焼き付く

デュエル(1976年製作の映画)

3.8

地上での生を受けるため魔法の石を巡って太陽の女王と月の女王が対決するというなんとも奇想天外で不思議なファンタジーサスペンス
リュシーのカットで始まりリュシーで終わるのが想像力を掻き立てる
ジュリエット
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恋する女たち(1969年製作の映画)

3.0

2組のカップルの恋愛とカップルの男性同士の愛の行く末を描く
イギリス郊外の田園風景が美しく王道のラブストーリーかと思いきや、一癖も二癖もある変化球がやってきた
男性同士が素っ裸でレスリングを始めるシー
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さよなら子供たち(1987年製作の映画)

4.1

ルイ・マル監督の自伝的映画
1944年、ナチス占領下のフランス
カトリック寄宿舎での少年たちの生活と忍び寄る戦争、偽名を使いユダヤ人迫害を逃れてきた転校生との友情
ラストに神父の放つ「さよなら子供たち
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ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.5

ピンクの封筒、ピンクのバスローブ、ピンクの名刺にピンクのタイプライター
ピンクの花束を抱えて歴代彼女たちを訪ねる老いたドンファンの哀愁溢れるロードムービー
ビル・マーレイのなんとも言えない無気力な佇ま
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不思議の世界絵図(1997年製作の映画)

4.2

不思議の国のアリスのようであり、グリム童話のようでもあり、母をたずねて三千里的な不思議ロードムービー
出会う人出会う人すべてがなんだか可笑しく愛おしい
最果ての地に辿り着いた少女の旅はきっとこれからも
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私の好きなモノすべて(1993年製作の映画)

4.0

21章からなる日々の欠片を映しだす
何処か哀愁を帯びた普通じゃない人々で繰り広げられる日常はスロバキアの誇りを持ちつつも東欧のイギリスへの憧憬が感じ取れる
反抗期の息子の湖畔でのコントラバス、何処まで
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ジョアンナ(1968年製作の映画)

3.6

スウィンギングロンドンな60年代後半
ポップでカラフルでファッショナブルなジョアンナの衣装と自由奔放な生き方
ドナルド・サザーランド扮するピーターが放った哲学的な言葉が印象的
主演のジュヌヴィエーヴ・
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.8

34歳、独身、キャリアなし
生理、妊娠、中絶、女性しか抱えることが出来ない不安とジレンマ
自身に価値を見いだせない女性が子供に接っする事で一歩踏み出すことが出来た大人の女性の成長物語
脚本は主演のケリ
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

4.2

非凡な人間になりたかった
アレックス3部作の幕開けはモノクロームの世界が彩る孤独な世界
ピンボールとガラスの割れた電話ボックス
アレックスのギンガムチェックとミレーユのタータンチェック

カラックスの
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つめたく冷えた月(1991年製作の映画)

3.5

その昔、ブコウスキーの原作を読んでからずっと観たいと思いつつ何十年も忘れていた映画をTSUTAYAの片隅で偶然見つけてしまった
ブコウスキーの原作もおぼろげだけど映画を観たらそうそう、この世界だといっ
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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.5

世界遺産のギマランイス歴史地区を題材に描いた4人の監督によるオムニバス映画
こちらもエリセ目当てに鑑賞
やはり良い。ラストのアコーディオンとモノクロ写真が染み入る
1話目のアキ・カウリスマキも好き
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インテリア(1978年製作の映画)

3.9

美しく完成され尽くされ感情が入り込む隙間さえない統制されたインテリア
そしてそれぞれの感情が爆発する海辺の家で起こった悲劇
砂の城のように呆気なく崩れた家族の崩壊を描く
ウディアレンによるベルイマンの
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.2

今回のキアロスタミの件は本当に残念でならない
本当は劇場で観ようと思っていたけど円盤を購入

ずっと心に残るであろう素晴らしいドキュメンタリーフィクションの世界だった
ラストのバイクの二人乗りで花屋に
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.1

U-NEXTに再び君臨してたので久しぶりに鑑賞
有能な記者と天才ハッカーの女が40年前の少女失踪事件の謎を解く
冒頭から痺れるツェッペリンの移民の歌はトレント・レズナーとカレンOによるカバー
リスベッ
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

断片的な記憶を神経衰弱で繋ぎ合わせる
何が起こっていたのか途中でわかってしまったけど そんなことはきっとどうでもよくて家を出る事しか出来なかった彼女に今はそっと寄り添いたい

罪物語(1976年製作の映画)

3.9

19世紀末のワルシャワを舞台に純朴だった女性が1人の男を愛したために落ちていく破滅への物語
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とこの時代の重厚でクラッシックな世界観が素晴らしく映像だけでも大満足

恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

3.1

マッチングアプリで出会った男女の恋愛抜きの関係をテンポ良くコミカルに描く

ポイントが消えてしまうのでサクッと観れるものをと選んだ映画だけどなんだかとても可愛い2人だった
似てるな〜と思いながら観てた
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.0

ユーロスペースでみんなのヴァカンスのパンフとともに勢いで買ってしまった円盤
こちらも主演のヴァンサン•マケーニュがひたすらチャーミング
プロローグとなった遭難者も収録されていてこの街で女性と出会うチャ
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やさしい人(2013年製作の映画)

3.8

ユーロスペースのギョーム・ブラック特集でこちらも鑑賞
うって変わって切ない冬の物語
パリを離れ故郷戻って知り合った年の離れた彼女との幸せな日々
ヴァンサン・マケーニュの中年の哀愁と彼女への執着が痛い
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

3.6

パリから600km離れた南フランスの田舎町でそれぞれのヴァカンスが始まる
ギョーム・ブラックによるロメール風味の夏物語
登場人物がみんな愛おしい
青春から少し経ってしまった不器用な大人たちのほろ苦い夏
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.0

とうとう観た!
異端審問から火刑になるまでをジャンヌの顔のクローズアップでみせる、観せる、魅せる
ジャンヌの恐怖と気高さが痛いほど伝わる
余計なものは剥ぎ取りとにかく突き抜けてる
100年も前のサイレ
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.2

初めて観たのは90年代のミニシアターでのリバイバル上映だったと思う
一緒に観に行った親友と終電まで語った
呆気なく終わるラストも衝撃的だったけどナナが裁かるるジャンヌを観て涙するシーンはずっと忘れられ
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10ミニッツ・オールダー イデアの森(2002年製作の映画)

4.0

10分の短編をさらに1分にして10本の短い映画になったのはさすがゴダールとしか言いようのない斬新さ
全ての感情が封じ込められたようなそれぞれの1分
美しい音の調べとともに10分の中に切り取られた映像は
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10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002年製作の映画)

4.0

やはりエリセは格別
たった10分のストーリーに全てが凝縮されていて映像も美しい
新聞の記事で第二次大戦中だとわかる
腕に描いた腕時計と振り子、ブランコの揺れ、刺繍、赤ん坊の生、家族、静かに流れていく時
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ロング・エンゲージメント(2004年製作の映画)

3.4

オドレイ扮するマチルダが戦死したかもしれない行方不明になった婚約者を探す旅に出る
過酷な戦時の中、切られた糸は再び結ばれる

ギャスパー・ウリエル、オドレイはもちろんマリオン・コティヤールが美しく印
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

キアロスタミはジグザグ道三部作しか観ていないので他も挑戦しようと思いながら結局こちらを観てしまった
ノートを返しに友達の家を探しに奮闘するだけの話なのに大人の理不尽な都合に振り回されてハラハラもやもや
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セブン(1995年製作の映画)

3.8

トラウマ級のバッドエンドだったから1度観たきりでその後はもう何十年も観てなかったのに何故にこの映画になったのかは謎なんだけど友人宅でセブンの鑑賞会
今観ても凄絶なラストだけど映画としては最高にクールな
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カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

3.0

バロックを代表する画家カラヴァッジオの半生をデレク・ジャーマンが創作、脚色して映画化
まるで舞台を観ているかのような豪華な衣装と絵画、まさに芸術品のような映画
ティルダ・スウィントンのデビュー作でもあ
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