タカヒトさんの映画レビュー・感想・評価

タカヒト

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あみこ(2017年製作の映画)

3.5

レモンをかじったところでいわゆる恋の甘酸っぱさの代替にはならないし、他者よりも不幸と思ったところで救われるわけもない。期待もするし、裏切られたりもする。そういうのにいちいち反応していたら、上手くは生き>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.0

横並びで食事をする家族。お互いに介入しようとしない、90年代以後の家族をいち早く捉えた映画といえる。

風の電話(2020年製作の映画)

3.7

死者は悲しむことすら許されない。生き残った者はどれだけ悲しくても、そこにある生を全うするため日常へと帰っていく。語るという振る舞いは、悲しみを過去のものへとすることに他ならない。

運び屋(2018年製作の映画)

3.7

「オンザロードアゲイン」という挿入歌の一節が耳に残った。ウィリー・ネルソンの曲だったかな。アメリカ文化に深く根差した言葉であるし、何となく分かったような気がする。気がするだけ。

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.2

この作品における「差別」「被差別」の関係性は容易に転換してしまう。
本来、精神病を抱え、生きにくさを感じているはずのアーサーは「被差別」者であるはずだが、しかし、時にアーサーは「差別」者にもなる。価値
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.4

ビートルズの曲が素晴らしく、安易なラブコメは心を描けていなかった。

現代のモスクワで「Back in the U.S.S.R」を歌うのは面白かった。

エド・シーランのペンギンのやつは良かった。
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アラジン(2019年製作の映画)

3.5

とても面白かった。

ただ、性差別というかジェンダーの問題を言語化する必要があったのか。そういうテーマはこの作品では言葉にしなくても持っていたし、伝わったと思うのだが、言わせてしまったことで記号化して
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天気の子(2019年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

最初のモノローグは退屈で、できの悪いあらすじを聞かされているようだった。まったく物語上必要のない時間であり、面白みもないから無くして良かった。オープニングなのにオープニングとしての効果を果たしていない>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

5.0

僕は映画なり小説なり文学に触れたときに日本人を感じることはほとんどないのだけれど、この作品はどうしようもなく僕が日本人であることを自覚させられた。

冒頭、一家の朝を描いたシークエンスからもう、涙が出
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シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

この作品を事務的に説明しようと思えば「男がかつて愛した〈シルビア〉という女を探してストラスブールの街をさまよう」とまとめることができてしまうが、この作品においてそうした説明は無意味ではないにしても、効>>続きを読む

青い山脈(1949年製作の映画)

3.5

形式はよくある青春映画を取りながら、その実は戦後日本の理想を広めようとする作品。全体を通して、戦前日本の批判に自由主義や平和主義、天皇制への意識など様々なものが盛り込まれていて、作品の面白さ以前に考察>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.4

5時間超であることに怖気付いてはいけない。説明を排し、徹底して人間を描き続けた作品。

本当は、ここのシーンが良かったとか、解説を入れたいのだけれど、そうするのが恐ろしくなる。

全体としてはコミュニ
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ローリング・サンダー・レヴュー マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説(2019年製作の映画)

4.4

誇張はあっても虚構はない、1960年代の余熱に惑わされるアーティストの姿を、現代と過去の時間軸を巧みに使って表現した作品。
冒頭では建国200年を祝うアメリカの様子が描写される。それから、ディランに「
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あゝ野麦峠(1979年製作の映画)

3.6

女工の哀しい歴史を描いた作品。現代に通ずる社会問題を扱い、その残酷さを描いている。大竹しのぶを背に故郷へ帰るシーン素晴らしい。

インターステラー(2014年製作の映画)

3.7

残酷さの中に、人の美しさや大事な感情が描かれている。人の強さと弱さ。その中にある大切なもの。

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.8

クイーンの優れた楽曲を、惜しげも無く使った映画。

音楽があまりにも良すぎて、映画としてはどうなのか、少しだけ疑問が残るがそれでも最高の娯楽体験だった。

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

とても感動したし、何より臆せずに差別表現へと向き合った勇気が素晴らしい。どうしても差別への批判をする時には差別表現を遠慮してしまいがちだが、逃げることなく差別を扱っている。

人は本能的に違いを恐れる
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.4

懐古的な感性って、多分誰しも持っていて、でも、僕たちの憧れる時代の人間は、またその時代より古い時代に憧れているっていう提起は面白かった。
何より楽しめたのは、ヘミングウェイやフィツジェラルドが出てきて
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.8

すごくワクワク見れたし、現代に足をつけた設定も好き。一部、ツッコミどころもあるが、そういうのを抜きに楽しめた。

ポリティカルなネタの扱いが少し気になった。けれど全体としては良かったと思う。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.9

とても面白い映画だった。最初の40分間、色々と感じたものすべてを伏線として回収していく。スッキリしたし、めちゃくちゃ笑った。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.5

朝子という名前。朝と夜の対比。それに合わせた感情の変化があった。また、隠と陽の対比、東出の一人二役が醸し出す対比…ただ、仙台に向かう高速道路の撮り方一つでさえ意図が現れている。それが登場人物たちの心や>>続きを読む

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

3.8

小さくなって体に入るという発想がまず面白い。そして体内で繰り広げられるドタバタも。

最後に見たのは5年くらい前で、あまり語れることがないけれど、とにかく良い。耳のシーンが好き

ボブ・ディランの頭のなか(2003年製作の映画)

3.6

ディランの変遷と音楽性がそのまま映画になったような感じ。カオスな世界観とか、主人公の生き様とか、何でもいいからなんとなくメッセージを受け取ればいいと思う。雑な部分は多いんだけど…溢れる魅力を持っていて>>続きを読む

隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)

3.5

この映画の美術や演出には感動した。お話もあえて着飾らず、しかしコントのようなリズム感を感じさせながらも、リアルな江戸時代を描いていた。

少し、話の構成が気になった。

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.7

何度見た作品だろう…先日、改めて見たのでレビュー。

初めて見たときのワクワク、そして今は先を知っているからこそのニヤニヤ。冒頭のメタな演出が良い。あれで私たちは映画の視聴者ではなく、まさしくトゥルー
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いつか輝いていた彼女は(2018年製作の映画)

3.5

カリコレにて。


女子高生の描き方が良い!独特なリアル感。

言葉にならない何かを抱えて、悶々としているけどそれを取り繕って自分の世界ってある。
フェイクドキュメンタリー的な構成が、そんなリアルをよ
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北の桜守(2018年製作の映画)

3.0

吉永小百合の素晴らしさを伝える映画。日本映画としては価値があるはずだ。しかし、内容はそのせいなのか無理矢理……吉永小百合をこう撮りたい、そのためにこんなストーリーやこんな台詞になっているような、そうい>>続きを読む

追憶(2017年製作の映画)

3.5

降旗康男と木村大作の黄金コンビ。

冒頭の映像は鳥肌がたった。ぐわあっと引き込まれる感じ。

内容については、意味もなく悲劇化して、意味もなく良い感じに終わらせた感じでスッキリしない。ただ、映像の良さ
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.7

映画館で見たのは昨年の9月くらいだったと思う。先日レンタル店に行くとDVDが出ていたので改めて視聴。

倒錯した感情を丁寧に描いている点はとても凄いと思った。世界観の徹底というべきかな。人を殺すことも
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.8

罪によって結ばれた家族、罪によって迎えられる新たな家族…それは一般的な家族としてはたしかに破綻しているのかもしれない。だけれど、描かれる1つ1つの家族の営み、しかもそれは彼らの中で単一に進んでいるもの>>続きを読む

ロリータ(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画をどのように評価して良いのか、今の自分はすごく悩んでいる。単に芸術至上主義的な視点でこのようなものを見て良いのか…異常性癖というものを単に肯定して良いのか…難しい問題だ。

本作では脚が象徴的
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.5

友人に勧められて視聴。
「YES!」と声を高らかにするほど僕は盲信的ににはなれないけれど、積極的な気持ちの大切さがよくわかる映画だった。

内容はコメディ要素が強い恋愛映画だろうか…まあ、いつものジム
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.3

誰にでも受け入れられるような、心地よさのあるストーリーから与えられる最高のエンタメ体験だった

行き交う人々が生き生きしていて、そこが現実であるかのような錯覚を覚えた。その感覚が、ストーリーの終着点を
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.4



普通に良い映画、という感じ。いつものコナンの盛り上がりはあり、ワクワク感もあった。

大勢の子供も見る作品だから仕方ない部分もあるが、難しい問題を扱っているわりに、終わりに向かっての無理矢理さをや
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