Marlonさんの映画レビュー・感想・評価

Marlon

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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の状況説明がとても良かった。スムーズに映画の世界に入り込む事ができたし、緊張感のあるシーンは今思い返しても見応えがあったと思う。
暗いところでめっちゃ耳の良いクリーチャーに追いかけられるっていう設
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(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)

4.5

OPから引き込まれる本作はずーっと泥臭くて美しい
とにかく痺れる

それに役者の演技がとにかく凄い
特筆すべきはやはり岸明香
生き様というか生き方に見惚れてしまった

メッセージ(2016年製作の映画)

4.2

面白かった
ひとつの超難題(暗号解読)を説いていくという物語の性質上、退屈なシーンが続くのかなと思ってたが案外そんなことはなく、とりわけ言語解読のテンポの良さが痛快だった

物語が進むにつれて明かされ
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炎628(1985年製作の映画)

4.8

随所で見られるアップショット
目は口ほどに物を言う、というがまさに主人公達の表情が全てを物語っている


全ては子供から始まる
この一節からのラストへの流れが凄すぎた
"ヒトラーを殺しまくる"主人公は
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.2

寺山修司が才人であることは紛れもない事実だが相当に捻くれ者だったのだろう
主人公の溜めに溜まったフラストレーションを表すかのように演出が荒削りで映像の手触りがなんとなくヌメッとしてる

70年代、アン
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

閉塞的な世界に生きる人々の人生が収束していく様が儚い。
静かな映画だが登場人物達の燻った活力がほのかに感じ取れる。


ラストもだけど"smoke gets in your eyes"が流れるシーンが
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ムッソリーニ政権下、過去のトラウマ(主人公を犯そうとした同性愛者リノを射殺)により身についた異常性を払拭するため、ファシストになり正常性を追い求める男。
彼の二面性を象徴した陰影、構図が美しい。

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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

4.7

実はマリリンモンローを動画で初めて観たのがこの映画だったんだけど美しすぎてぶったまげた

なにからなにまで本当に素晴らしい映画
面白いっす

ある戦慄(1967年製作の映画)

4.7

地下鉄に乗り合わせた"普通の人々"を主演の2人のチンピラがなんの理由もなしに罵倒しまくる様はまさに狂気
顔面どアップのショットなんて怖すぎる!


乗客とはそれぞれ問題を抱えた、ゲイ、教師、軍人、半グ
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人魚伝説(1984年製作の映画)

4.8

血と海とが織りなす映画的コントラストに圧巻
"原発とその弊害"を映画的に表現する社会派でありつつ、かつ狂気、鮮血がおどろおどろしいながらも美学的な美しさも内包している芸術映画だった
狂気溢れる殺陣のシ
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

4.8

奇妙な怪作
どハマりした

まずジャンプカットの切り替えが毎回巧み
独特なカットと構図が絶妙なツボをついてくる
遊び心溢れる奇抜な演出に心を射抜かれた
それにストーリーもまた奇抜
チープでまるでB級映
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.5

アバンタイトルから映画の世界に引き込まれる
あー、これが男はつらいよか…
と観たこともないのにノスタルジーな気分に浸りながら鑑賞


初見時の寅次郎の印象といえばその語り口、朗らかな表情から気持ちのい
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激怒(1936年製作の映画)

4.5

大衆心理の恐ろしさを描きだした傑作
先日観た同監督の"M"よりこちらの方が好きです

金銭的な問題で別居している婚約者に会いに行く途中、少女誘拐の免罪で捕縛された主人公
噂が噂を呼び主人公を犯人だと思
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秋日和(1960年製作の映画)

4.7

簡単に言えば嫁入り前の女性とそれを取り巻く人達の話
"小津調"と言われる定点カメラやローアングルと徹底された画面の構図はいつ観てもさすが
自分は男だが、この映画に少なからず出てくる「親との同居」につい
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周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

4.7

ひとりの若者の命、さらには男女のロマンスという目標のためにアメリカ史の偉人たちを蒸気というエネルギーに転化させ、蒸気船の仲間と共にがむしゃらにミシシッピ川を突き進むという素晴らしい構成
過去の栄光を次
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めし(1951年製作の映画)

4.3

タイトルの「めし」は夫婦生活の中で妻が嘆く"私と目を合わせたら腹減ったしか言わない"という一節、つまり「めし」自体が冷え切った夫婦間の唯一の橋渡し的存在なのではないかと思う

そんな中ひとりの女性によ
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ヤコペッティの 残酷大陸(1971年製作の映画)

4.5

今まで観た中で一番凄い映画はと聞かれたらこれを答えるかもしれない
なにが凄いって、黒人奴隷制度という今だにセンシティブな歴史にメスを入れ、圧倒的スケールや徹底された構成、鬼気迫る役者の演技で描いている
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食人族(1981年製作の映画)

3.7

4人の若者がアマゾンの秘境で失踪。発見されたフィルムに写っていたのは彼らが食人族との接触、果てに喰い殺されるまでが写っていた…
というドキュメンタリー調の映画

冒頭の空撮は本来自ら持ってるアマゾンへ
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.5

前半はヒューマンドラマ、後半は上質なサスペンスという2部構成の今作
まさにタイトルの"天国と地獄"、富裕層と貧困層、前半は白で後半は黒の色づかいといい対比を強く意識している
特に主人公の住む高台に構え
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.8

面白い
プロテニス選手が電車で隣に座った見知らぬ乗客に交換殺人を持ちかけられる話

自分の父親を"間接的"に殺すシーンの迷いの無さが狂気じみている
終始引き込まれるし二人の不安定な関係が観てて面白かっ
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ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

4.5

まずOPが秀逸
この映画はビーチボーイズの栄光を描いたサクセスストーリーではなく、地位をある程度確立した後の話
その"栄光"の部分をOPで描いているのだが、当時の空気感を存分に味わえる2分弱だった
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(1954年製作の映画)

4.7

"その辺の石ころでもなにかの役にたってる"
フェリーニのヒューマニズムを垣間見れた気がする
終盤のジェルソミーナの"薪がないわ、火が消える"
この台詞もまた直球で切ない

粗暴な男と心優しい女のロード
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裏窓(1954年製作の映画)

4.0

脚を怪我して部屋から出れない主人公の暇のつぶし方は人間観察
ある日、いつものように裏窓から望遠鏡を使って人間観察をしていると住民の異変に気付き、殺人事件が起こったのではないかという前提で推理をしていく
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.0

悪役の登場シーンはバストショットやフルショットで派手に魅せたり、凝った演出で登場させるのが一般的
しかしこの映画でいう悪役のデュポンは違う。広角で映した部屋に猫背でトボトボとこちらに背中を向けながらヌ
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

3.6

OPとストーリーテリングが秀逸
OPでは物語の大まかな流れを抽象的な画で視覚的に説明してくれる
冷めきった住宅地に手がハサミ(凶器)という異様な存在を上手く落とし込んでリアリティを保ちつつ、ファンタジ
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.8

タランティーノで1番好き
"マンディンゴ"+"続荒野の用心棒"="ジャンゴ"
また"さすらいのジャンゴ"と"HIP HOP"と対極に位置する音楽がフィルムの中に共存しているという可笑しさ

初期タラ作
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.8

ベトナム戦争の帰還兵の悲哀を綴ったアメリカンニューシネマの金字塔
ベトナム戦争で精神をズタボロにされた主人公トラヴィスは、帰って来てもまともな働き口が少なく、しがないタクシードライバーになるしか道はな
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.9

ヤクザを賛美するわけでも卑下するわけでもなく、ありのままを真横から映し出したドキュメンタリー調の大傑作
冒頭の闇市、警察とヤクザの癒着など戦後日本の実態も隠すことなく上手く描き出している

そしてこの
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続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

4.5

これぞマカロニウエスタン
ジョンフォードやハワードホークスの西部劇の主人公のような高潔な主人公ではなく、泥臭くて血まみれのガンマンが主役

この映画は主役のフランコネロのかっこよさに尽きる
下っ端連中
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.2

南北戦争以前の南部ルイジアナ州

OPで一気に映画の世界に落とし込まれる
黒人奴隷を逆さに吊るし上げたり、鞭打ちなどあり得ない描写が続くが、それをエンタメに昇華させてるのはすごいし、正直すごく面白かっ
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

コルレオーネ村のまるで絵画なのかと疑うほどの美しい構図
マーロンブランドの圧倒的な存在感とレストランでのアルパチーノの目の演技
顔に影を作る重みのある照明
クロスカッティングで描く洗礼式と殺戮の対比の
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

5.0

フォーシーズンズの栄光と破滅を描いた傑作
元々トニー賞受賞のブロードウェイミュージカルでアメリカではある程度の認知度、地位を確立した後の映画化作品
そのため英語圏での人気が十分にあり、言葉の壁を越えて
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.0

殺人鬼の心理ってみんな少なからず興味あると思うんだけど、こういう映画観る理由って意識せずとも上記の理由が割とウエイト占めてるんじゃないのかなぁ

映画自体ものすごくメランコリックで、劇中いつピンと張っ
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別離(2011年製作の映画)

4.5

最初の長回しの口論のシーンは妻側視点で個人的に妻に同情してしまい、それ以降の展開は基本夫目線で、夫に同情してしまった。登場人物が全員違う意見を持っていて、一人ひとりに感情移入してみると多面的にこの映画>>続きを読む

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

4.5

この映画めちゃくちゃおもしれえじゃねぇよ!
カメラワークと劇中歌と映画美術が最高にイカす本作
同調圧力、右へ倣えの時代だからこそ観ておきたい
スーパー右翼、ロックンロール、暴走族の対立と80年代ならで
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