ディカプリオ演じるジョーダンやその仲間たちのキャラクターは最高だった。
けど、3時間最初から最後まで同じテンションでストーリーが進むので、少し飽きがくる。
サイコキラーが題材で、演出もグロテスクでおぞましいけど、根底で描かれてる「人の無関心」っていうテーマに1番ゾッとした。
音楽とセリフ回しのセンスが良い。ストーリーってよりも演出を楽しむ映画なのかと。
大胆かつ複雑な構成で、かなり衝撃的。モノクロとカラーの映像の使い分けが上手いと思った。
「安っぽい三文小説」っていうタイトルの通り、脚本・ストーリーがしっかりしてるわけではないけど、個々のキャラクターと役者の演技が魅力的で面白かった。
まるでドキュメンタリー映画みたいな生々しさ。主人公の無力な若者が葛藤を乗り越えて、マスターを超克していく様が良い。
ホアキン・フェニックスとフィリップ・ホフマンの演技に只々圧倒された。登場人物それぞれが持つアンビバレントな感情が克明に描写されていて好き。
前作のパーフェクトブルーにはない暖かさとユーモアに溢れる作品だと思う。「だって、あたしあの人を追いかけているあたしが好きなんだもの」っていう千代子の最後のセリフが印象的。
恋愛映画の中では1番好き。映像監督出身のミシェル・ゴンドリーらしい奇抜な表現とストーリーが上手く調和していて、心地よかった。
夢の世界が中心となった後半の描写が本当に凄いと思う。ストーリーの終わり方はちょっと疑問が残るけど、ひたすら映像美に魅せられた作品でした。