watawataさんの映画レビュー・感想・評価

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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

人喰いUFOと闘う兄妹の物語なのだが、西部劇テイストとホラーが入り混じったクールな演出が心地よい。なんと言っても兄妹のカッコ良さに痺れる。

主役2人が黒人ということで、アメリカ社会において白人が有色
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バービー(2023年製作の映画)

3.3

シスターフッド物としてグッとくる作品。男性性と女性性をあらゆる視点からわかりやすく描く。男女が大騒ぎしながら入れ替わったり権利を取り戻したりするストーリーが楽しい。ラストの洗脳を解くくだりには涙が出る>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

1.9

キャリー・マリガンが最高だが、ブラッドリー・クーパーの演技が濃すぎて冷めてしまった。数十年に渡る物語ながらシーンの背景についての説明がないが、モノクロとカラーのフィルムの感触が見事に各時代の雰囲気を描>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.9

過去エピソードに最大限のリスペクトを示している一方で、成長した子供たち、家族メンバーそれぞれの関係性がしっかり描かれる現代性が面白い。主人公と幽霊のストーリーもきゅんとする。「80年代だもの。誰も未来>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.1

四半世紀ぶりに鑑賞。当時と変わらない感動を覚えたのは、ロビン・ウィリアムスとマット・デイモンの確かな演技の賜物だろう。終盤の名シーンには、2人の繊細な息使いが感じられ、時を超えて心を動かされた。ロビン>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

新海誠監督の作品は、暗号めいていて謎解きしたくなる設定に溢れている。アニメーションの美しさも魅力的。ストーリーは王道のラブコメで、純粋に楽しめる。エンターテイメントとして裏切らない信頼感で、毎度観てい>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

2.1

演奏シーンのアニメ表現の美しさが気持ち良い。天才、努力家、平凡なキャラクター描写がやや短絡的だが、青春の輝きを真正面から描き出している。

女性の描き方が典型的(重要な女性キャラがストーリーから排除さ
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アウトフィット(2022年製作の映画)

3.9

グランドホテル形式のサスペンス。仕立て屋とシカゴマフィアというクラシックな設定がたまらない。どんでん返しに次ぐどんでん返しも好み。ラ・フォンテーヌの正体もインパクトあり。欠点と言えば、優等生すぎる頭の>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

2.1

ジョンに対して好意的な仲間達との会話が楽しい。多くを語らないシンプルなセリフから、ジョンが仕事仲間から尊敬されてきた背景が語られる。

無駄な動きのない華麗なアクションも大きな魅力のひとつだが、典型的
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

ライアン・ゴスリング主演「ドライヴ」を想起する人は多いだろう。ニヒルな一匹狼の仕事人という点で比較したくなる。ドライヴはストレートなラブストーリーに展開する一方で、この作品のマイケル・ファスビンダーの>>続きを読む

東京自転車節(2021年製作の映画)

3.0

ひたすら自転車を漕ぎ続ける監督の人柄が、作品の魅力を押し上げている。ラストシーンの彼の横顔によって、この物語が彼の成長譚だったことに気づかせる。日本政府や社会に対する批判も感じられなくはないが、やや弱>>続きを読む

フィルム 私たちの記憶装置(2021年製作の映画)

4.0

世界中のフィルムアーキビストが、いかにフィルムを収集・保存し、活用してきたかを語る。登場人物たちの割合から、フィルム保存は欧米が中心であり、それ以外の地域の危機的状況が見えてくる。作品自体は探偵のよう>>続きを読む

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.0

ヒューゴが亡き父が残したオートマタを通してメリエスの存在を発見する。メリエス研究者と出会い、回顧展が初めて開かれるまでのシークエンスは胸アツ。だが、1カット1カットが長く、どことなく冗長に感じられ、物>>続きを読む

君に届け(2010年製作の映画)

2.0

主人公二人の繊細が演技力が光る作品。

自分の気持ちに気付くまでの主人公の心の成長、そして人の噂に果敢に立ち向かう主人公たちの成長を描く。

淡い恋物語には常に邪魔がつきもの。オーソドックスな少女漫画
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.5

2つの重いストーリーが絡み合い、早いテンポでぐいぐいと見せていく。

主人公の判断力の速さに安心し、関心しながら観るのだが、その判断の危うさも露呈していく。

主人公の断定するような台詞の面白みの裏に
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

日本に貴族なんていないと思っていた。いや、いるのだ。見えていないだけだった。それは「あっちの世界」だから。

日本の政治家たちはそんな特権階級から出馬し、選ばれる。そんな男たちは、自分の意思ではなく、
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ハリガン氏の電話(2022年製作の映画)

2.4

前半は良かった。ストーリーはハートウォーミングな方向に流れるのに、ホラータッチな演出というギャップにワクワクする。10代の不安感、母親の死を受け入れられないやるせなさが伝わってくる。

しかし、後半に
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

アメリカンドリームをつかもうと努力する移民の物語...ではあるのだが、あらためて書いてみると、作品のメッセージとの齟齬に驚く。

差別、分断、泥臭さ、苦労話の数々が描かれるのに、この作品は爽やかだ。全
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チャタレイ夫人の恋人(2022年製作の映画)

1.0

原作も過去の映画化作品も未見です。

子どもを産む道具としてしか扱われない女性の怒りや絶望感が描かれる。しかし、その感情が欲情に変化する過程があまり描かれないので、最初の性交渉はかなり唐突。このシーン
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

1.8

ハルストルム監督の構成はいつも上手くて、安定感のあるストーリーテリングにいつも惹きこまれる。今回も犬目線の愛情にはほっこりしたけど、最初の主人イーサンに優先順位を置き過ぎている点で、納得感のないエンデ>>続きを読む

あの頃輝いていたけれど(2022年製作の映画)

2.3

元ポップスターと、ドラムの才能を持つ自閉症の少年との友情。主人公が持つコミュニケーショ能力が、自閉症に関する知識を超えて人々を動かしていく。

音楽には詳しくないが、少年のドラムは良いなと思う。しかし
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長崎の郵便配達(2021年製作の映画)

2.3

冒頭から音が印象に残る。

鳥のさえずりや木の葉が擦れる音が、インタビューの背後で鳴り響く。それらの優しい音は、被写体のイザベラさんの人柄を映し出す。しかしそれだけではない。自然音は、イザベラさんの父
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セバーグ/セバーグ 素顔の彼女(2019年製作の映画)

2.5

タイトルから想像されるようなセバーグの伝記映画ではない。この作品は、フーバー元FBI長官の指揮下で行われた過度な不正盗聴と、その背後にある人種差別の深い闇を描いたサスペンス映画だ。

セバーグは金髪の
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ジーサンズ はじめての強盗(2016年製作の映画)

2.0

豪華俳優陣を気楽に見られる作品。ご都合主義な展開はご愛嬌。老や死を笑い飛ばすセリフが洒落ている。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.2

18世紀フランスを舞台に、画家と貴族の女性の束の間の恋を描く。画家とモデルの関係性を描いた「美しき諍い女」を意識させる設定だが、登場人物は女性だけだ。

衣擦れの音、筆の音、暖炉の音などの静かなサウン
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ジャズマンズ・ブルース(2022年製作の映画)

3.0

1940年代のアメリカ・ジョージアから始まる古典的ラブストーリー。

主人公バイユと「白い黒人」リアンの逢瀬のシーンの映像はとても美しく、大画面で観たかった(Netflixで鑑賞)。

俳優陣も素晴ら
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半世界(2018年製作の映画)

2.9

阪本順治監督によるオリジナル脚本。

阪本監督は、社会問題を描きつつ、人間が持つ欠陥をコミカルに活写する、骨太なドラマの名手だ。

本作品は、同級生だった3人の中年男性たちの友情の形を、笑いがこもった
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.0

俳優たちの静かな演技が物語に説得力を与え、当時を再現した美術セットが美しい、極上の歴史サスペンス。

ラストのピカールとドレフュスのシーンは、世界が偏見に満ちていることには変わりないという痛烈な批判が
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真実(2019年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

高い期待にワクワクしながら鑑賞。ドヌーヴ、ビノシュ、イーサン・ホーク、そして是枝監督と、期待せずにはいられない。

可愛らしい映画だ。まるで昔大好きだった古いおもちゃを見つけたような。

大物俳優たち
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

1.5

高校野球のとある試合中の一幕。観客席の端のほうに座る生徒たちの人間模様をセリフ劇で描く。

登場人物は善人ばかりだが、後半に一瞬だけ、キャスト全員がもやもやした感情を発露する。冒頭は試合の応援にしらけ
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

2.5

タイトルが登場するまで約40分。それまで濱田岳演じる岡田と、ムロツヨシ演じる安藤による、カフェ店員のユカを巡る微笑ましいまでのコミカルなやりとりがメインだ。

その後、物語が突如としてスピードを増し、
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his(2020年製作の映画)

2.8

かつての恋人である迅を忘れられず、離婚調停中の渚。6歳の娘を連れて迅が住む田舎町に転がり込み、住民たちとの交流が始まる。一方、渚の妻である玲奈は、娘を愛しているものの、自分のキャリアも大事にしたいため>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

3.0

下北沢を舞台に繰り広げられる若者たちの群像劇。

「日常的」な世界観のなかで台詞の応酬が続き、登場人物たちの立場が次々に入れ替わっていく。

ゆったりと流れる街の時間を感じさせながら、物語の展開が早く
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東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)

2.8

この作品はオリンピック公式記録映画だが、アスリートの専門性ではなく、ひとりひとりの人間としての想いや社会的背景に焦点を当てる。

彼らの物語を通して、出産や学業との両立、年齢、シリア問題、BLMなどの
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