みんとさんの映画レビュー・感想・評価

みんと

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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ファスビンダー自身が制作した戯曲を映画化した作品。

サドマゾヒズム的な共依存、支配欲、自己愛、何かを笠に着て得ようとする愛情…。
これらの歪みなくして人は愛し愛されることは出来るのか。かといって、こ
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暗くなるまで待って(1967年製作の映画)

4.0

ややツッコミ所はあるものの、中だるみすることなく最後までスリリングで、かなり完成度の高い密室劇だった。
舞台劇ということもあり、会話はもちろんだが、人形や電話や冷蔵庫などの沢山の小道具を駆使してストー
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恐怖(1961年製作の映画)

3.9

二転三転する展開に目が離せなかった。

脚本の秀逸さは言うまでもないが、車いすからの視点という独特なアングルや、光と影、水、死体を使った恐怖心を煽る演出も巧く、今観ても全然古臭く感じない。

しかも8
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

バート・ランカスター主演のアメリカン・ニューシネマ作品。

筋肉隆々な肉体を誇示しながらブルジョワにとって富の象徴であるプールを渡り歩くうちに、主人公の排他的で腐敗した生き様を見せつけられる。
結末
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見えない恐怖(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オードリー・ヘップバーンの「暗くなるまで待って」を観ようと思っていたが、本作が目に留まり先に鑑賞。

主人公が盲目なため、家族の遺体が家にあるということを知らずに生活する、という設定ですら既に気味悪
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噂の二人(1961年製作の映画)

3.8

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ウィリアム・ワイラー監督の、オードリー・ヘップバーン×シャーリー・マクレーンという二大女優による隠れた名作。

弱い者いじめや暴力、誰かを貶める噂話、死に追いやってしまう偏見など、人間の性分や醜さに
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ユリアは最悪と思えなかった。他人事じゃなかったな。
自分の100%の幸せを、自分にとって100%の相手を追い求め、目移りしたり、何かに突き動かされるように簡単に捨ててしまったりできる性に共感してしまっ
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囚われの女(1968年製作の映画)

3.9

クルーゾーの遺作。

サイケデリックアート、ポップアート、ミニスカート、フリーセックスなど、全編に散りばめられた、ザ・60年代なカウンターカルチャーを楽しめる映画。

目の錯覚を利用した縞模様のア
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山の焚火(1985年製作の映画)

3.9

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ずっと観たかったフレディ・M・ムーラー監督によるスイス映画。

人間社会のルールや倫理観を持った視点で見ると、両親の育て方や姉弟間の愛情は異常だと感じる。しかし、大自然の中の閉塞的で、原始的で、まる
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

“死”について描いた映画をたくさん撮ってきたオゾンによる、“尊厳死”がテーマの作品。

感情移入する隙もあまりなく、忙しなくスイス行きの日が近づいてくるのが非常にリアルだった。
しかし当たり前かも
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アス(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

割とトラウマ

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

セリーヌ・シアマの初監督作品。

大人になりきれない自分の身体への嫌悪感、女性社会の生きづらさ、性の目覚めを感じはじめ葛藤する、子供と大人の狭間で揺れ動く時代。
未熟だからこそ歪む数々の感情。あの時特
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

上原ひろみ×石若駿×馬場智章なんて観に行くしかないと思って、久しぶりに劇場で鑑賞。

雪祈みたいに、自分の好き勝手な音楽しかやってない人の音ってほんとに響かないけど、例えば上原ひろみみたいに、本当に届
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

初PTA。
奇妙、ハチャメチャ、オフビート、ピュア。色んな要素が詰め込まれていて、不思議で、独創的で、刺激的で観飽きない唯一無二な映画だった。まともな人がいなくて、物語がどんな方向に進むのか、絶妙な混
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カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

久々のゴダール。本作は、商業映画復帰後の作品の中では割と理解しやすい部類だろう。
突飛で、支離滅裂で、でも哲学的なゴダール節に惚れ惚れ。

「なぜ男は存在するのか?」
「なぜ女は存在するのか?」

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.1

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マイケル・パウエルによるサイコホラー。
これは傑作!ヒッチコックの「サイコ」と同年に公開された本作。時代を感じさせない前衛的なショットや、鮮やかなカラーにとても釘付けになった。
サイコキラーのお話なの
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黄色いロールス・ロイス(1964年製作の映画)

-

豪華すぎるキャスト!!
もちろん2話目のアランドロン目当てで観ましたが。

もっとこういう古い映画TVでもやってほしいなあ。

自由の幻想(1974年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

法律やモラルや物理法則など、全ての常識の概念を揺さぶってくるブニュエルの作品。
中でも食事と排泄が逆転しているシーンでは、小さいころから生理現象である“排泄”より、欲望むき出しの“食事”という行為の方
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

イメージ・フォーラムのピエール・エテックス特集上映にて鑑賞。エテックスはイラストレーターとして活躍していたころ、ジャック・タチと出会い「ぼくの伯父さん」の助監督として映画界に参入。ユロ氏の有名なイラス>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中の同名の一章を、アケルマンが映画化した作品。
久しぶりに尾を引くくらい好みな映画に出会えた。
 
愛しているなら嘘をつかないわけではないし、互いの世
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

壮大なテーマで、胸が痛むシーンも多かったがハートフルなアニメーションだった。
彫刻や色彩の質感がよかった!

黄色い星の子供たち(2010年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

子ども目線から描くホロコースト。本作で登場した「ヴェルディヴ」事件は、アランドロン主演の映画「パリの灯は遠く」で知ったが、ユダヤ人迫害事件の中でもとりわけ「子供たちの検挙」という点で恐ろしいと感じた。>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

コゴナダ監督作品初鑑賞。

“人間とは何か”、“幸せとは何か”、“生死とは何か”という答えのない問いに悩まされる人間が、そのような概念の無いロボットによって、もっと身近にある数秒のメモリに刻まれた愛す
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