手足がバラバラになったり、殴ったり、皮を剥いだり、胴を裂いたりとアニメーションだからかやりたい放題暴力のオンパレード。コミカルな絵柄でアナーキーな残虐性、やってる事も相まってちんころ平平の顔付きと動き>>続きを読む
70年代フランスの二十面相。思うにブロカ監督はベルモンドフェチ。弁護士から医者から庭師から船乗りからタクシー運転手まで希代の大嘘と目眩く変装(しかも雑)がめちゃくちゃで爆笑。エル・グレコの祭壇画盗み出>>続きを読む
傑作。生きるために食うか食うために生きるか、どちらにしても美味しいものが食べたい。ラーメンを軸に生=死と性が交差する食をオムニバス形式で挿入。腹上でのエビの踊り食い、生卵の口内交換、血と牡蠣、山芋食べ>>続きを読む
修復された彩色版を観。艶やかな色彩が挿画感を高めファンタスティック。なんと言っても美術の完成度と造形美に脱帽。題材の奇抜さはもちろん、脳内イメージを再現するための妥協の無さに恐れ入る。やっぱり未知への>>続きを読む
メリエスの栄光と衰退、「月世界旅行」の彩色版発見から気の遠くなる修復作業まで、当時のニュース映像や映画をコラージュしつつ映画誕生の歴史と共に映画の魔術師の軌跡を丁寧に振り返る。古のフィルム・ミーツ・最>>続きを読む
それぞれのイデオロギーと親子の確執が作中のスープのように煮込まれて解れていく。カメラに後押しされ母親に歩み寄る娘と老いていく母親の告白で明らかになる済州島四・三事件。個人的経験はどんな高説も凌駕し、余>>続きを読む
ソビブルの蜂起を生き残ったトイヴィが春と冬を行き来しながら収容所跡地で当時の惨憺たる体験を語る。おもむろに地面から小さな白い塊を拾い、骨だと見せる。骨はいくらでもそこに落ちている。良き隣人がある日突然>>続きを読む
環境破壊どころか同じ人間でさえダム開発や鉱山開拓のため排除する巨大な欲望が赤裸々に映し出されて、今更SDGsと言ったかてやはり人間は早々に滅ぶべきじゃないかと絶望しかけた中、それでも希望を捨てず子ども>>続きを読む
画一的な修道服と教会の静謐さを遺憾なく発揮する陰影が美し。対して聖テレーズと同じ名を持つ受刑者に運命を感じて救済を夢見る独善的で傲慢な聖人顔のアンヌ=マリーの強情がひたすら人間臭くて、それが周囲の欺瞞>>続きを読む
古城の幽霊(犬付き)に恋する令嬢という70年代少女漫画のタッチながら幽霊役がジャック・タチなの含めて小粋ロマンチックでおもしろい。夢見がちな少女が大人になるイニシエーションのほろ苦さ。狩人の白い服とお>>続きを読む
家父長制へのパンチが最高にキマって予想以上の温度感。キリスト教と儒教的家父長制の相性の良さを思い知らされた。父なる神とアボジを置き換えても倍増する苦しみは元凶を絶たないと解決しない。「オアシス」のムン>>続きを読む
バストショットながら明確なクローズアップ。妊婦さんの果てなき食欲という題材は独特でアリス・ギイならではなのでは。欧米の伝承であるキャベツ畑での赤ちゃん誕生は「キャベツ畑の妖精」からの流れ。
男が室内でお針子して女が外のカフェで新聞を読み、女が男をベッドに押し倒して男がベビーカーを押すというおそらく当時として強烈な男女逆転風刺劇。
入れ替わりを示唆する鏡の存在がいい。最後は我慢できなくなっ>>続きを読む
ソーセージを咥えて縦横無尽に走るワンちゃんを汗だくで追いかける人間たちという典型的なスラップスティック・コメディを、時代を先駆けてこうも見事に撮る手腕。アリスはワンちゃんみたいにみんなの先を行く。
カメラ普及当初ならではのギャグかも。「映画はアリスから始まった」で再現されていた。
19世紀洋書の挿絵のようなリリカルでファニーな世界観。キャベツから産まれる赤ちゃんが本物で驚く。制作が1900年説もあるがアリスの主張を推したい
世界初の女性監督であり初の物語映画監督、リュミエール作品の最初の目撃者の1人でゴーモン社の秘書かつメリエスのライバルであり、エイゼンシュテインにも影響を与えるほどの存在ながら、なぜアリス・ギイの存在は>>続きを読む
火消しの1人という町民役ながらあふれ出る気品で火事場に行っても汚れない雷蔵さまクオリティ。嵯峨三智子との喧嘩ップルな関係は「影を斬る」へと続く。調べたら纏は15〜20kgあるらしくそれを持って屋根に登>>続きを読む