浦切三語さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.0

「浜辺美波はカワイイ」

浜辺美波はカワイイ。それも、ただ「カワイイ」のではなく「超絶」という枕詞がつく。これはもう、日本人つーか全人類共通の常識である。確定的に明らかというヤツである。d払いのCMで
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悲愁物語(1977年製作の映画)

4.0

「女ってのはねぇ、異常な生き物なんですよ」

面白い。それ以外の言葉でこの映画を言い表すのは野暮。ストーリーも演出も撮影もなにもかもめちゃくちゃで、だから面白い。メディアに翻弄されるうちにメディアの器
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.5

今まで観てきたサム・メンデスの映画の中では、これが一番好きです。正直なところ学生時代に『レボリューショナリーロード』でトラウマを植え付けられた自分としては「サム・メンデスがラブ・ストーリーを撮る」と耳>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.4

『怒りのデス・ロード』に感銘を受けた自分ですが、今作のジョージ・ミラーはあんまりにも「能天気」過ぎると思います。なんぞこれ。

能天気さ――俺はこれこそが、ジョージ・ミラーの作風の長所にして短所だと考
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#マンホール(2023年製作の映画)

4.2

上映前に公式側から「本作の結末をSNS等でネタバレしないでください」的なメッセージが表示されるので、その点を念頭に置いて感想を述べると「めちゃくちゃ面白いサスペンスだった」の一言に尽きます。

幸せの
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

現代において「キャラクター同士の"関係性の変動"がもたらすサスペンスの面白さ」という点で語るならマーティン・マクドナーの右に出る者はいない。そのことを改めて教えてくれた、めちゃくちゃ面白いサスペンス映>>続きを読む

ディザスター・アーティスト(2017年製作の映画)

3.8

トミー・ワイゾーにしろエド・ウッドにしろ、世界中から駄作駄作と叩かれて駄作を極めた作品を世に残してる監督って、なんか幸せそうに見えるんですよね~。アリ・アスターとかマーティン・スコセッシとか、めっちゃ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.1

こういう映画を待ってたんすよねぇ……ロバート・エガースの考える「北欧神話」な映画。神と人がまだ別たれてはいなかった時代の貴種流離譚にしてムキムキマッチョメンな戦士たちが血で血を洗う復讐劇。しかしながら>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.3

『アジョシ』の人物関係を男女逆転させてカーアクションを盛り込んで……と、設定だけはやたら盛っているけれど、それがドラマの発展に貢献しているかというと、そんなことは全くない。

例えば、この映画は中盤か
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」などに代表される「証言文学」というジャンルが小説界隈にはありますが、それになぞらえて言うなら本作は「証言映画」と呼ぶべき作品でしょう。

ハリウッドとい
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.8

「超現実」すなわち「私たちの住んでいる世界と地続きの舞台にある”異質な現実”を映し出す」のがコーエン兄弟の作風ですが、それが最もよく表れている一作。小さな田舎町「ファーゴ」の雪積もる極寒の風景をバック>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.1

チェンソーマンのOPに引用されてたので久々に。

よくこの映画をタランティーノっぽいと言う人がいる。たしかにダイアローグのリズムは近いかもしれないけど、どちらかというとこれは富野由悠季的な面白さでしょ
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.9

全部観終わってから強く思うのは、この映画の中で行われていたことのすべては、虚実皮膜のあわいのような「夢」に過ぎなかったんじゃないだろうか。ナンバー1なんて本当はいなくて、そもそも「殺し屋の世界」なんて>>続きを読む

アブソリュート/服従者(2021年製作の映画)

2.4

妹を亡くした刑事のドラマをやりたいのか、犯人に囚われて拷問監禁されている女二人のドラマをやりたいのか、どっちもやろうとして地味に空中分解した感じがする。題材はなかなか良いのに、もったいない。

俺だっ
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シグナル100(2020年製作の映画)

3.4

「学校」を舞台にしたスプラッターサスペンスでありデスゲームもの。「催眠」によって行動を制限された状況下でどう目の前の障害を突破していくか……という頭脳サスペンス寄りの方向性を持つ作品というよりも、むし>>続きを読む

青い春(2001年製作の映画)

3.9

年の瀬に会社の先輩(元不良)と映画の話になって「この映画が俺の人生ベスト1」と言っていたので、視聴して納得。確かに凄い。何が凄いか良くわかんないけど、これは高校生の時に見てたら自分もハマっただろうな~>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

「バガボンド」は中学生の時に読んでたけどねぇ……「SLAM DUNK」って、なーんも知らんのよねぇ……

自分が「SLAM DUNK」について知っていることと言えば「主人公が元不良のバスケ漫画」ってこ
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ハッピー フィート(2006年製作の映画)

3.9

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の原型はこの映画だってずーっと思ってる。

物語構造は「行きて帰りし物語」の典型なんだけど、ただの歌ヘタダンス上手いペンギンの成長物語になっていない。いわゆるSF
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アイアン・スカイ(2012年製作の映画)

3.5

ナチス・ドイツが先の大戦で仕掛けた戦争というのは、いわゆる「世界観戦争」という奴で、つまりアーリア人純血主義だったり反ユダヤ主義であったり、ドイツ第三帝国の成立過程をドイツ神話になぞらえたりと、全体主>>続きを読む

スカイライン −逆襲−(2020年製作の映画)

2.7

うん……まぁ普通ですね。「B級中位の下位」といった感じがピッタリの出来栄え。脳を取り換える宇宙生物が全然出てこなくなって宇宙人(パイロット)ばっかり出てくるようになったのが個人的にマイナスです。

スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

2.7

前作『スカイライン-征服』が民間人視点のホラーSFだとするなら、本作のジャンルはアクションでしょうか。なんだか『エイリアン』と『エイリアン2』の関係性に近いですが、私個人的に非常に不満です。なんで前作>>続きを読む

スカイライン-征服-(2010年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

なんかあんまり評価高くないみたいですけど、わりかし楽しめました。この手のモンスターパニック映画で個人的に重要視しているのが「こんなキモい怪物に食われたくないよ……」感なのですが、そういう嫌悪感を抱かせ>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.5

映画を「開発」し続ける男、ジェームズ・キャメロン。「アバター」が公開された時も事件でしたが、本作によって事件の与えた衝撃度は完全に上書きされたと言っても過言ではありません。マジに、どこまでが実写でどこ>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

アレックス・ガーランド最新作。ホラー演出満載の映画だが「ジャンルとしてのホラー映画」という文脈からは大きく外れた作品である。屋敷の中ではフェミニンな衣装で過ごしているのに、外出の際にはアースカラーのビ>>続きを読む

マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.3

我々の足元にある「忘れられた異世界」の破壊と再生を描きながら、破壊された男が世に送り出す魂の輝きについて語る映画。傑作。

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

3.6

映画SF界の、わけても「ディストピア」における先駆的作品とのことで初鑑賞。

詩季織々(2018年製作の映画)

2.7

この映画はリアルタイムで鑑賞した記憶があるんですが、めちゃくちゃ印象深いんですよねー悪い意味で(笑)新海誠お膝元のコミックス・ウェーブ・フィルムが製作に名を連ねている作品で新海ファンの友人が珍しく「観>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

新海誠作品は『彼女と彼女の猫』も含めて全作鑑賞済み。そんな新海ファンの自分でも「これだけは何度鑑賞しても気に食わんなぁ」と低評価を下している作品があって、それが新海誠唯一と言っても良いロードムービー風>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.2

ロード……エイム……シュート……

いやもうたまりませんねこいつは。映画を観に行ったというよりインドオペラを観劇してきたというか。観終わった後に心地よい疲労感に襲われつつ興奮冷めやらず、なんとも楽しい
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スティング(1973年製作の映画)

3.8

名画ですね。コン・ゲームものの元祖なので展開はまぁ普通に読める。それでも、中盤から終盤にかけてのサスペンスフルな緊張感にはやられました。印象的なBGMの使い方。静寂の間の取り方。カメラワーク。ポール・>>続きを読む

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

4.1

この映画の「本当の面白さ」を理解できるのは、おそらく社会に出ている人たちだけでしょう。高校生や大学生が見ても「表面的な面白さ」は感じ取れるでしょうが、この映画を噛み砕くだけの映画的筋力は「仕事」を通じ>>続きを読む

劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ(2022年製作の映画)

2.6

相も変わらずザー○ン臭ぇ話だなぁというのは観る前から予想がついていたから置いとくとして、ポイント消費による無料鑑賞にプラスして昼飲みでハイボール6杯胃にぶちこんだほろ酔い状態だからこそ観れた映画ですね>>続きを読む

“それ”がいる森(2022年製作の映画)

3.0

世間でめっちゃくちゃ叩かれている作品ですが、実際に鑑賞したところ、そこまでヒドイ映画じゃないと感じましたね。みんなバイアスかかってんじゃないすか?

確かにね、一見すると駄作に見えますよ。"それ"の正
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