無何有郷さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

無何有郷

無何有郷

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少女邂逅(2017年製作の映画)

5.0

予告編からは予想してなかったけど、ただのガーリー岩井俊二だけでなく、これはもう沖縄映画。ポストコロニアリズムとジェンダーの重なる地点。植民地主義、家父長制、資本主義の下で分断される、蚕(家畜)ー少女ー>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

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観賞当時、なんじゃこの映画と思ったが、今思えば同年公開の「サスペリア」と設定なり演出なり似てる所も多い。

さびしんぼう(1985年製作の映画)

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この映画がオールナイトのラストの上映だった。観終わって、早稲田松竹を出て浴びた朝日の匂い、ずっと忘れない。いちばん好きな映画。

転校生(1982年製作の映画)

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松竹オールナイトで。原作の「おれがあいつであいつがおれで」は大好きで昔よく読んでいた。エッセンスは残しつつも、原作の肌触りとは全く印象の異なる、独立した一本の映画になっている。尾道の風景にトロイメロイ>>続きを読む

8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)

3.0

瀬々敬久。他の数多ある闘病ヒロイン感動ポルノ映画に比べ綺麗にまとまりすぎてるわけでもなく、丁寧で、痙攣やリハビリのシーンのリアリティはかなり見応えがある。

失くした体(2019年製作の映画)

3.7

切断された手が勝手に歩き出すという原型はホラー小説のアイデアを、ホラーとは対極の、ある少年のアイデンティティと成熟の王道物語のシンボルにしてしまうという、アイデア勝ち映画。この主人公の男の子会ったこと>>続きを読む

最期の星(2017年製作の映画)

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ギャル後追い世代として渋谷へのノスタルジーはあるのだが、2017〜2018年時点でもう渋谷はそんなに魅力的な街じゃなくなっている、という悲しい現実を改めてこの映画で見た。ましてスピンズカラオケパフェプ>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.1

チキンはとても美味しそうだが設定もストーリーもアクションも特に目新しいものではない。日本の刑事ドラマがそれなりに成熟しているため目が肥えてるのか、それとも私の「韓国映画」へのハードルが上がりすぎている>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

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過去これまでグザヴィエ・ドラン作品を観て受けたようなインパクトにはやや欠ける?母の抑圧やセクシャリティといったテーマは一貫していて、それは良いのだけど、記者のインタビューからの時系列が交錯する感じとか>>続きを読む

ロミオとジュリエット(2019年製作の映画)

3.0

さすが映画なだけあって、ドラマメインのパートは迫力がある。セット、カメラワーク、色彩やコントラスト、ダンサーの演技が総じて悲劇を盛り上げるしかしバレエパート、とりわけバルコニーのシーンはどうしても閉塞>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

5.0

現代版「レ・ミゼラブル」。ドキュメンタリーっぽい撮り方するけど、群像劇の骨組みが本当によくできている。ミュージカル版「レ・ミゼラブル」における各々の複数の視点が交差する名曲「One day more」>>続きを読む

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

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オリジナルのほうを観たのがかなり前で音楽と映像の強烈なイメージを断片的に覚えている程度だったが、おかげで主人公の回想と自分自身がうまく重なったような。ただ原作へのノスタルジーを超えた一本の映画になった>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

ホラーというよりハッピーだったしカルトでもユートピアだった💐🌻☀️こういう映画はザ・ミソジニストのホモソ白人男性が最初に死ぬから良い。トーテミズムもヒステリーも同じ、 "正常な"白人男性が(この映画は>>続きを読む

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者(2000年製作の映画)

5.0

コナン映画の中で1番面白い。これと第一作目は良作。コナンの主たる魅力は対の関係性だと思ってるけど、この映画も対が見えやすい。(コナンー蘭 / 小五郎ー英理) 一見保守的な男女観に見えるが新一も小五郎>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.0

これを敢えて「女性映画」と呼ぶなら、それは当時ヴァルダが家庭に押し込められていた性役割に従事しながら、その半径500mにあえて限定した範囲でこの映画を撮ったということ、映画監督でありながら生活者でもあ>>続きを読む

キャッツ(2019年製作の映画)

4.0

良かったところ。なんと言っても圧巻のMemory!!そこに至るまでの全てをかっさらっていく、CGを忘れる圧倒的な表現力。これまで観た中でも最高だった。これを観るために映画館に来たと思えた。この映画オリ>>続きを読む

青の稲妻(2002年製作の映画)

3.9

蝶を肌に纏い、性に奔放で自由なヒロイン像はイプセン「人形の家」に始まり、そこから文革やら民主化やらを経た中国の啓蒙的言説の産物と言える、しかしただ啓蒙的なのではなくノラが家を「出る」ように、彼女もまた>>続きを読む

コンプリシティ/優しい共犯(2018年製作の映画)

4.5

是枝映画みたいと思いながら観てたら、なるほど、撮影が。久しぶりに良い邦画を観た。以前立ち聞きしたことのあるベトナム人実習生とその工場のおっちゃんの会話がまさにこの映画みたいな感じで、実際の現場には報道>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

2.1

「人間と妖精の共存」と言うわりにそれが妖精間の対立にすり替えられ、人間は無傷のまま、その"共存"も人間中心的なもの。現在進行形で中国政府がウイグルにしていることが頭によぎるため観てて胸がザワつく。例え>>続きを読む

台湾、街かどの人形劇(2018年製作の映画)

3.4

もともと生活の一部でありながらそれが台湾ナショナリズムと結びつき独自の発展をとげた布袋劇のドキュメンタリー映画。お爺さんの手つきすげーと思うがテーマとか編集(音楽とかも)がとっ散らかってるような感じが>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

2.5

サブカルたちが崇拝してやまない岡崎京子漫画を手当たり次第映画化する風潮があるようだが、わたしにとっちゃバブルがあったとかそれが崩壊したとかぜんぶ生まれる前の話であって、そうした時代の社会がもつ空気感と>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

5.0

観賞後の私の胸の内に沸沸と湧き上がる、竹中平蔵への怒りと来る確定申告の恐怖......次々とやってくる理不尽にすべて自己責任で乗り越えていかねばならない、この手の自営業の弱さを痛感し胸がちぎれそう。そ>>続きを読む

テイスト&カラー(2017年製作の映画)

3.0

B級感ムンムンだけど嫌いじゃない、宗教・エスニシティ・セクシュアリティ、すべて不安定で観客をイラつかせる主人公の脱アイデンティティな立場にも共感するところがある。レズビアン側からの批判も分かるがそうい>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

3.0

クルド人のシーンが秀逸、そこだけ突然テレビドキュメンタリーを切り貼りしてきたようなカット。地震や津波そのものは天災だが、原発は紛れもなく"人災"であって、国家という暴力に直面しているクルド人難民と同じ>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

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共学のスクールカーストとかあんまりわかんなかったけど、東出昌大が発掘された映画として記憶してる。彼は立ってるだけで良かったから

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

ダヘの日記だったり前家庭教師の友達だったりがなーんか気になったまま終わった...作品をただの「計算完璧」になりすぎないためのミスリード用の駒としてあえて置かれてる?
冒頭のほうで面接のために豪邸にきた
>>続きを読む

硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962年製作の映画)

5.0

私の中で宍戸錠といえばこれ。伝説の芦川いづみ食事シーン、それを引き立てる宍戸錠の濃ーい表情あってこそ!ご冥福をお祈りします。

あれから(2012年製作の映画)

3.0

結婚式の給仕をかれこれ4年以上やってるのでよくわかる、あのシーンのリアリティ!ハリーポッターの世界でも「例のあの人」が暗躍し始めると結婚を急ぐカップルが増えていたけどそういうこと。

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

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良いカットはたくさんあったけどどこかハマってない、なぜかあとでかんがえる

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.0

今日初めてIKEA行った!ご飯が美味しいし安いし良い🤤でも並ぶ時間長いから冷めても美味しかったらもっと良い。ホットドック食べ損ねたのでまた次来たときに。

あなたを、想う。(2015年製作の映画)

3.4

登場人物がそれぞれ父の不在だったり母との確執だったり、親に対する複雑な想いを抱えている。これら両親の不在が象徴しているものは台湾のヒストリー抜きでは観れないだろう、と特に思わされたのはユーメイが母と関>>続きを読む

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

4.5

19世期北ベトナム、家父長制を支える女たちの美しくも哀しい生活が淡々と繊細に、広大な自然の風景とともに紡がれていく。家庭という漢字が表すのは豚小屋、男の支配する私有財産制の社会では女たちが世話をする家>>続きを読む

i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

4.0

森達也の作品を何本か観たことは勿論あるけど、こんなにも被写体と一体化するような感覚になったのは初めてで、それは「i」という字がでた瞬間英語一人称のそれで わたしも望月衣塑子!となり望月衣塑子と心中する>>続きを読む