こうみ大夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

こうみ大夫

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アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.0

現代に撮られたかのような若々しいカメラワークと構図。この頃のフランスヌーベルバーグに映像の全てがあった。ガキのような恋話も気付けば見事なロートムービーに。当時のヴァカンスが楽しそう過ぎるというのはある>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

5.0

全てのスタッフが最高の仕事をしていたし、迫力系映画はもうチネチッタ川崎でしか観ないと決めました。
てかトムクルーズは金髪の女暗殺者好きだろ、絶対。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

死ぬ前にこんなハリーポッターみたいな映画よく作るよなぁ。感心したよ、宮崎駿。
相変わらずジブリってのは肌に合わないが、インコが可愛いってのは共通意識で持てたぜ!

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.2

夏の始まる頃に、ようやく映画館で観れた。
たけしは自分に出来ない主人公を見せてくる。暴力までのスピード感にいつも驚かされるし、音の演出は相変わらず見事。寄り道するストーリーの中で、私たちは生き方って
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.0

良くも悪くもドラマと映画の演出は違う。これはドラマだし、「みんなを救うために自分が犠牲になる」みたいな考え方は個人的に気持ち悪くて凄く嫌い。そうならないためにどうするべきだったかという反省の積み重ねで>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃちゃんと映像作品だった。映画、ではなく作品。言語劇としての映画ばかりを模索する中、2D実写の映像表現はどこまでいけるか、日々ちゃんと模索してるのが流石。本来イーオーの目線ショットだけという>>続きを読む

殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

2.9

東野幸治ニキ都合良いとこで出て来がち!
全編通して警察が機能してない作品でした!!

怪物(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

年々是枝作品の説明臭さに抵抗が増すが、良いスタッフと組めば組むほどある意味普通の作品になっていくことが分かった。これなら昔の、ちょっと変な間合いばかり撮る、ユルい是枝裕和の方が特徴があって良かった。三>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

もの凄く説明を排除した演出。ひと夏の、良いことも悪いことも見たような子どもの記憶。だから何だと言われれば何でもない話なんだが、あぁあの時の旅行いろいろあったけど楽しかったな、なんて思い出していた。撮影>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.6

見たいと思っていてようやく見れた。天才バカボンに昔こんな話あったなぁ、と。ルーティンに囚われすぎて何かズレると全部がズレてく、みたいな。まぁあれはウンコの話でしたが…
些細な演出が上手い。いや演出・撮
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.8

世界には黒沢清や濱口竜介などゴロゴロ居るぞと叩きつけられてくる怪物作品。
脅しやハラスメントという文脈を語る上で厄介なのは加害側が明らかに悪者の顔をしていない時だ。私たちは客観的に見てターを擁護できな
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.1

ロバートリチャードソン堪能。これがデジタルで撮られたことも衝撃だし、マッドデイモンの色気をここまで引き出せるのは流石の仕事。
会話劇、会議室映画というのは脚本もたしかに大切だがそれ以上にそれを、どのテ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

ChatGPTに対する態度はその人の他人に対する態度と似る、という自説を持つ自分にとってそうだよな!となる映画。
もう機能的に4Kも撮れないし…となったカメラをあなたは捨てるのか?ということを何故かず
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

5.0

撮り方とかも含め完璧だったんじゃないか??前作のザスクエアより分かりやすかったし。
共産化するポリティカルコレクトネス。独裁化する資本主義構造。中国やロシアでこの出来事は実際に起きたわけだから凄いこと
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.1

隣の子供が段々と前のめりになっていくのにこの作品の凄さを感じたよ。まぁ試合シーン終わると背もたれに背付けるんだけどさ。
正直SLAM DUNKの内容はだいたいでしか覚えてないしバスケにも興味ない人間だ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.7

なんだよ持ってかれたよダーレン・アロノフスキー。
サム・メンデスもそうだったが、一つのキー舞台を中心とする完全なる演劇の方式で映画を描く。しかも肝心なところはかなり映画的に。会話劇でしかも不在の一人を
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走れない人の走り方(2023年製作の映画)

4.0

ヘタウマな感じはAI以降の新しい映像表現の大きな参考になる。
監督が映画制作において苦難を受ける。アメリカの夜のプロットは落語並みに強い軸を維持していて、これがこの作品の強い味方となってる。プロットが
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テトリス(2023年製作の映画)

4.5

よく出来てる!サイケな感じと当時のネガティブなソ連の人々の感情がリアル。
ソ連崩壊とウクライナ侵攻を二つとも経験しているロシア人って物凄いドラマを生きてるんだなぁと実感する。この時代にこそロシア人とア
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

カットバックは似合わない、2ショットは決まる。起承転結は決まらない、ダラダラ話は決まる。浅い深度の画は決まらない、深い画は決まる。何故か大きい画面より小さい画面で観ると面白い。それが、今泉力哉。
もっ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

オマージュかと思うくらい、思ってたよりスピルバーグだった。いやスピルバーグだから当たり前なのよ。そう、この夜の森!これがスピルバーグだよ!ワンカット、ワンカット、この画は今スピルバーグしか撮れないやつ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

思ってたよりクレヨンしんちゃんだったな。映像的トレンドのこれからの流れが見えたのは面白かった。
そこまで乗れないのは、俺の見てたクレヨンしんちゃんはもっと面白かったよな??というオジさん的思考が邪魔を
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.7

くっそ良い映画だったなぁ。なんかでも映画館で観ないとこれの凄さはよく分からないかも知れないし、ディーキンスはもう素材だけで十分美味い寿司屋みたいな撮影になってきた。何よりオリヴィア・コールマン、この俳>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

今年はまだ長いが一番の肩透かし映画かもしれない。黒沢清のようでもあり、ネイティブでない言語による会話というトレンドも取り入れている。でもそれだけだったよ、パクチャヌク。役所広司・西島秀俊的主人公が良い>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.9

出てくる事柄がわかってると楽しいハリウッドスターの栄枯盛衰。だがやはりチャゼルには人が描ききれないなと改めて感じる。この人ラ・ラ・ランドの時も最後顔で終わってたけど、顔で終わらすタイプの監督じゃないん>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

麦に何が言えようか。まさにその言葉通り積み上げたものは一瞬で無くなっていく。無常観。そこに悲しさがあるというより、私たち人間もまた麦のような存在なのだと考えさせられる昔話的展開。最後にロバをチラ見せす>>続きを読む

楽園の夜(2019年製作の映画)

3.8

アクション撮らせたらこの監督がやはり韓国では一番。狭い空間とモブの使い方、素手なのかナイフなのか銃なのか、その意味がハッキリ出てる。
それにしても北野武オマージュ。いつまでもあの緊張と緩和に我々は憧れ
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

変な後半の謎解き展開は好きではないが(まあ実話だからしょうがない)、物語の導入からの「何を見せられてるんだ」と巻き込まれていく感じは本当に見事。こんなにブレブレで適当なように見えて宇宙戦争的な狙った撮>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.0

映研の頃のあれやこれやを思い出して嫌な映画だったなぁ笑
男ってのは今村夏子を話せと言われれば話すし、お金のノウハウを話せと言えば話すのよ、そんな二面性に気づかされた。
終始菅田将暉が足を引っ張っていた
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

5.0

劇的ではない。大切なところは全て非言語。でも無性に泣けた。
だって人は大事なことをそんなに言いたがらないし、優しさや愛はそんな簡単に言い表せないのだから。
サラッとしてていきなり技を決める。毎度三宅唱
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啄む嘴(2022年製作の映画)

3.5

何だか良く分から無いけど興味がない訳では無く、ぼーっと見ていられる「夢」みたいな作品。むしろアクションに振り切り、非言語な逃避行を楽しんでも良かったのでは。

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.4

テーマも問題の設定も上手い。新人監督でこの安定感は半端ない。
ただどこかエモーショナルになり切らない要所要所で感情が行ききらせないのは勿体ない。「悪いことをしていないのに」というテーマが強すぎるのか、
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マルコムX(1992年製作の映画)

4.8

マルコムXは黒人社会のゴッドファーザーだ。
イスラムと黒人解放運動の関係性、マルコムXと非暴力思想、様々な知らなかったことが分かる。
ガンジーも同じヒンドゥー教徒に殺された。ある意味過去の敵と共生する
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あのこと(2021年製作の映画)

4.1

久々に目閉じる系の映画だった…
もう一種のドキュメンタリーだよね…女性の問題と更に自分は何をしたいのかという人生の問いまで語ってくるような。それくらい生死を分ける出来事だったし、今でもそうなんだという
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バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

3.7

映画館でしか味わえない不思議なメキシコ旅行という感じ。つい最近大阪に久しぶりに行って感じた異国性に近いのかも知れない。
とてもとても私的だ。イニャリトゥ自身が大いに存在してるし、実際の何かがドキュメン
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