食事があるだけですべてがここにあるみたいな、満ち足りたバランスと登場人物のまとう空気にうれしくなりました
「真実」と「言葉の生き死に」を考える、濃厚な映画だった。
結局舞台の上でしか真実に向き合えなかった彼は、人生で彷徨う。苦しくて、つらくて、向き合いたくないことの連続。それでも私たちは生きることを願うし>>続きを読む
小さくても辛い出来事が重なっても、互いに寄り添いながら自分だけの選択を選ぼうと懸命に生きる様が、すごく切実で正直でいい映画だと思いました。フェミニズムやシスターフッドを日常の視点で感じる、素晴らしい映>>続きを読む
オゾンを身体いっぱい感じられて、フランス映画の大好きなところがつまっていた。上品で、それぞれの生き方が垣間見えるようなファッションも好き。
先日の事件から、この映画のことを連日考えている。被害に遭う可能性を考えるほど、日常を生きることが精一杯で、自分の才能や可能性に目を向けることなんて難しくなる。心ない言動も事実であり、目の前の誰かを傷つ>>続きを読む
白石監督の本気。「日本一の悪役を演じてくれ」と託された鈴木亮平さんの豹変ぶりが凄まじく、何日経っても頭から離れない。自身の辛い過去、たった一人の頼れる人への信頼、いろんな歪みが積み重なって隠しきれない>>続きを読む
他人の目よりも自分の意思。何も恥ずかしいことはないのだから、私が捧げたい相手に思いのままに伝えることが、たくさんの幸せをくれる。うまくいかないことも、みんなで力を合わせて車を押せば前に進むんだと、挑戦>>続きを読む
常に誰かに評価されている気分から抜け出せない自分も、本当のほんとを自分にさえ言えない気持ちもよくわかる。だから最後のメッセージが大好きだし、ほんの少しだけ自信を持っていくやさしいステップが心に沁みてし>>続きを読む
リリーが、最初の衣装に身体を重ねた瞬間に手の動きがしなやかになっていて、抑えきれない叫びのようなものを感じて震える。妻の悲痛と献身的な支えがとても心にくる。自分であろうとすると迎えるような結末に少し辛>>続きを読む
試写にて。自分自身の輪郭を探す旅を、同乗させてもらうように時間を共有した。自分への気づきには他者が必要で、言葉を越えた何かを慈しむ時間が目一杯描かれていた。
彼らの会話にずーっと耳を傾けていたくなるような、なんとも好きな映画でした。人と人はどこかすれ違いながらも相手を思いやっていて、この空気がとんでもなく心地よかった。
ひとりの青年を中心に、その成長や家族の変化を描いていく淡々とした中に、魂をかたどったような煌めきと刹那がつまっている。食卓を囲む姿、父の机に向かう家族たちの変化、中国への帰路、侯孝賢の美学の極みがそこ>>続きを読む
この世界は素晴らしいのか、を反芻する。
私とは違う世界を生きている人だと無意識に判断して、線を引いて、自分の安重にしているのかもしれない。と思うと、自分の恐ろしさに足がすくむ。生きるとは何か、身の丈の>>続きを読む
ジェンダーの枠も越えた「私は男でも女でもなく自分だ」というメッセージが強烈に伝わってくる。いろんな出自の人たちが「家族」であることもステキ。個人を殺さない、何処までも優美な映画
試写にて。素直に「好き」を突き進むスインのカッコよさは並外れたものではない。括りではなく個人を信じる姿勢が思い出される
単純にすごく励まされるし、やりたいこと見つけて愚鈍に頑張ろうと思えたし、めちゃくちゃカッコ良かったし、彼女たちの未来が明るいものであるように願った。終わりの会話にん?となるけれど、そういうものなのかな>>続きを読む
現実に起こっている違和感をひたすら客観的に炙り出してくれている作品。無かったことにしようとしてきた風景や言葉が、あまりにも鮮明でちょっと気持ち悪くなったほど。考えを巡らされるいい作品だと思う。
試写にて。女性同士の連帯の心地良さが本当に素晴らしくて、大切なものをみつけていく2人の姿がたくましかった。終着点がステレオタイプでないのも、すごく良くて。今期大好きな作品です。
試写で拝見。劔さんとほぼ同じ心境で松浦亜弥さんを好きになったため、開始数分で号泣しました。たしかに私たちにもあった「あの頃」の、景色や叫びや熱気までもが閉じ込められていて素晴らしい作品でした。相手を本>>続きを読む
エイミーがとってもすてき、私は臆病者じゃないと吹っ切るかっこよさも親友を最大に愛しているところも。最後のスピーチがよかった、私は怖いから知ることも心を開くこともできていないのかもしれない。
相手を最>>続きを読む
対等にまなざすことのよろこび。階級に関係なく女性同士が協力し合うことの美しさ。身体を伴うあらゆる出来事に対して、静かに言葉を交える様子に、涙が出ました。何度も思い返すだろう時間のやさしさを忘れないよう>>続きを読む
孤独であることは、決して哀れむことではなく、孤独を抱えながら他者と生きる30代の青春が描かれていて、見入ってしまいました。のんさんと橋本愛さんの邂逅に感動。魔法みたいな瞬間。
どこに向かうかも読めない彼女たちは迷いながらもとても自由で、常に浮遊するような高揚感がある。岡崎京子ワールドを感じながら、奇跡的な何かを、私だって求めているんだと素直に踊りたくなる素敵な映画でした。
震えるようなカッコよさで、私も何にも負けたくないと思いました。必死に生きることを認めて、やれることをやってるのか?と問われるような映画でした。
ラストシーンがすばらしかったです。間の悪い主人公かもしれないけれど、何かひとつ肯定するためにこれだけ戦って戦って、掴むものなんだと思いました。
自分らしさを貫くことは、そんなに簡単なことじゃない。緩やかに変化しながらも、ここぞ、というところで力を入れる。その息遣いの強さがあまりにも強烈でカッコよくて、つくりたい自分を生きたい、と思わせてもらう>>続きを読む
意味を越えた圧倒的センスと映画たる魅力が凝縮されていて、さすがジム・ジャームッシュ。工藤さんが永瀬さんに赤い口紅を塗りたくり「この方が楽しそうにみえるからいいわね」的なセリフは、わたしも使っていきたい>>続きを読む
うつくしい、圧巻の映像美にそれだけで胸が躍る。物語に巻き込まれるように、その世界観で有無を言わせない感じが好きでした。
じぶんの思うようにスケートボードに乗る姿が気持ち良くて晴れやかで、だからこそどうにもならない自身の人生への怒りや虚無感がより寂しくもあり、感情がどくどく流れるような映画だった クソみたいな人生を選んで>>続きを読む
静かな音の世界に、生きていく覚悟への強い希望が溢れ出ていて、光のある映画だと思った。
不勉強の身がなにかを語ってはいけないと思いつつ、わたし個人としては、すごく心にきました。性別を選んで生まれてくることができない子どもの思いを、どう汲めばいいのか考えていた時にみたこの映画はあまりにも苦>>続きを読む
幸福の外観を描きたかった、というヴァルダ。絵画のような色彩の中で一見しあわせな家族生活を営む、けれど幸せは持続しないもの。物語の理解、男性への嫌悪は否めないけれど、そういう問題でもないのだと思う。カッ>>続きを読む
人生はいつからだって、はじめられる。じぶんに迷ったときに、いつも何となく選んでしまう方ではなくて、勇気を持って選ぶこと生き生きと生きること。ひとは誰しも孤独である、という前提を肯定して、あまりにもポジ>>続きを読む
じぶんらしく生きることは、当たり前のようで、誇り高く動き続けないと難しい。正解なんてわからなくても、じぶんの選択を重ねたい。疾走するような、人生でありたいと願うことができる、素晴らしい作品でした。
わたしの人生はわたしのもの。自分で自分を抱きしめる勇気。