オゾンの隙のない脚本が
本当に描きたかったのは、
犯罪の逆転劇では無くて
女性の時代への転換点かな。
ゼロへの誤った評価に対する
監督自らによるアンチテーゼ。
生きる事にフォーカスする事で、
気を衒わず原点回帰に成功した。
春画の陽と倒錯の隠が
中途半端にごた混ぜで、
コメディでもエロでも無い。
北香那の熱演がもったいない。
現実との結節点を失った
催眠ネタが楽しめない典型。
前半の虚構が目的を逸脱して、
物語の為に自己目的化してる。
自然の摂理を踏み躙る
暴力に対峙する護る力。
踏み込み不足ながら
幻想譚として美しい。
隅々まで完璧な配役で、
大胆で繊細で心揺さぶる話が
急がず展開されていく、
なんて気持ちの良い体験。
賢くて筋が通ってるのはジム。
力と運でねじ伏せるパターンに
ほとんど共鳴出来なくて、
久しぶりにハズレのインド映画。
馬鹿バカしくシンプル、
コメディだけど上手い着地。
躍進の伊原六花、大活躍。
きさらぎより数段良い。
事件の真相も犯人の背景も
政治家としてまみれた泥も
主人公の小狡い正義も、
ものの見事に薄っぺら。
テクノロジー創造のリスクは、
人類の頑迷さや狡さ、愚かさ、
愛情と生命への無理解にこそ
内在するとする重要な警句。
血塗れの過去に舞台を借りて
主役二人の思い溢れる芝居が、
本源的な傲慢と狡猾こそが
人間の真の姿だと訴える。
後半のテンポと軽妙さ、
構図のシンプルさが、
前半のもたつきを取り戻す。
ただIOTの理解は薄っぺら。
後半一気に襲いかかる
言葉と感情と事件と慟哭。
主役二人の誠実さが他人事だと
目を逸らす事を許さない。
クドカンにしては
オーソドックスな着地。
少し期待し過ぎました。
でも、みんな超楽しそう。
ルカ=アイナパートの
瑞々しい迫力にフォーカスして、
キリエ=アイナパートを
バッサリ切っても良かった。
アラタ瑛太の芝居に支えられ、
真木よう子に役が憑依してる。
グッと抑制の効いた今泉演出が
三人の内面と時空間を抉り出す。
正と邪の境界が極めて明確で、
自然体で弱き側に立つ主人公。
真っ当なストレートさが、
時に複雑な仕掛けを凌駕する。
3年を行き来する企みが、
少し上滑りしてるけど、
高橋和也に一番似合ってる
あの時代の香りは懐かしい。
徹頭徹尾スタイリッシュで
飽きることの無い展開。
ガイリッチーのスタートライン
として成程の疾走感。
場面の硬軟、流れの緩急、
美男美女のキャストバランス。
計算通りで期待通りの
痛快韓国アクション映画。
エピソードが緩やかに
シンクロしていって、
薄っぺらに生きてた頃の
古傷がジワリとひりつく。
誠実で温かい家族のもとで
見失っていた自分を取り戻す。
その心の変化を繊細に表現する
ブランシェットに目を奪われる。
大澤vs玉木の演技対決を軸に、
錆びついた既成概念を打破する
原作の痛快さを甦らせた。
完結までの映像化に期待。
重層的で複雑、無駄を排した
先を読ませない圧巻の演出。
後半のキム次長の滾る怒りが、
民族としての不幸を映し出す。
ラストは良いシーンだけど、
全体は漠然とした肩透かし感。
主人公が期待程ヒールでなく、
堕ちたヒロインだからか。
マイナーな原作ゆえだが、
推理ものとして上出来。
ポアロの性格を固めた
前2作が伏線として生きた。
珍奇白石劇場としては
ギュっと高い完成度だが、
センス・オブ・ワンダー
としてはまだまだ遠い。
ドニーを迎えて成立した
洗練の極地を示す殺戮戦。
朝日に美しく照らされる
その横顔は深く記憶に刻まれた。
前半は物語を軽く感じるが、
後半展開にしっかり嵌る。
拳を握って前を向ける良作。
日本が背景だけなのは少々残念。
この一連の台詞をドラマに
仕立てる原作が光る。
菅田は脱力した役が適役。
ラスト溢れる涙が新鮮。
岡田麿里の心象風景を
露悪的に見せられた感じ。
情緒を振り回す強引さは
嫌いでは無いんだけど。
シャープなオフビートと
際立つキャラクター。
なんか足りないんだけど、
まあ、それなりに楽しめる。
今だから世の中に問うべき
社会の本源的な愚かさ。
森監督の悲痛な意志と
各出演者の覚悟を感じる。
愛という不定形なものが、
縮んだり膨らんだりする
門脇麦の内包する危うさ。
ほつれるって良いタイトル。
常ならざるモノが潜む
幸福と平穏の狭間。
斎藤工らしく、隅々まで
嫌な感じの世界観。
ヘクターの駄目っぷり、
定型の家族像、筋立てまで、
ライルの愛らしさと楽曲以外は
幼稚過ぎて隙だらけ。