にくそんさんの映画レビュー・感想・評価

にくそん

にくそん

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彼女(2021年製作の映画)

4.3

まさしく無我夢中。自分が新宿ピカデリーのイスに座って呼吸しているっていうことを忘れて、ただ二人のことを目で追いかけてた。まばたきさえしたくなかった。今日ちょっと寒いんで買ったホットココアを、上映が始ま>>続きを読む

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

これは映像とキャストの芝居がすごく好き。灰色の寒そうな海。メアリーは化石の発掘・採取と研究が仕事なので、大小の石が転がる海辺の地面が映りがち。それが彼女の心のようでもあって、そこにきれいな服を着た若く>>続きを読む

おろかもの(2019年製作の映画)

3.8

結婚間近の兄が浮気しているのを突き止めて、なぜかその相手に会いにまで行ってしまう妹の話。妹、浮気相手、婚約者、兄の群像劇なんだけど、どの人物も矛盾をたっぷりはらんで人間くさくて面白かった。誰かの実話を>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.2

思っていたより若葉竜也さん(の役)がかっこよくなかった! 思っていたよりずっとかわいいヤツだった! 下北沢にある古着屋の店員なのに(なのに?)、めちゃくちゃ素直な人で、私だったらすぐ惚れる、こんな男。>>続きを読む

トムとジェリー(2021年製作の映画)

3.4

トムとジェリーのおなじみの感じをのびのびやってくれてよかった。電線びりびり、高層ビルから地面にひゅーっと落下&激突。それでどうやって生きてるんだ、とか野暮なこと言ってはいけない。仲良くけんか最高だぜ。>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.6

出てくる人みんな人気者でよく見る顔なので、そういう座組みでやる映画のくれる安らぎ、親しみを存分に満喫した。薫風社はロケ地が『響 -HIBIKI-』の小論社と一緒(NTT日比谷ビル)。雑誌発売日に売れ行>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

主人公のファーンが愛する夫と死別するのも、住んでいた場所を街ごと失うのも、この映画のファーストシーンのずっと前に起きている。映画のなかで何か劇的な展開が描かれるかといえば、そういうことは特にない。だけ>>続きを読む

クイーンズ・オブ・フィールド(2019年製作の映画)

3.6

地元のサッカークラブが試合で乱闘を起こし、選手全員が出場停止処分になったため、チームがリーグに残るために女性たちが代わりに出ることにするというストーリー。自分たちのせいでピンチになったクラブを妻たちが>>続きを読む

フィールズ・グッド・マン(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

映画を観るまで、このカエルくんの話をまるっきり知らなかったんだけど、かえって新鮮に憤ったり溜飲を下げたりできた。この映画のための描き下ろしと思われるイラストやアニメーションの挿し込み方もいい感じ。とこ>>続きを読む

Tip Top(原題)(2013年製作の映画)

3.3

刑事なのにパートナーとの流血レベルのバイオレンスにうっとりしてしまう性癖を持つエスターと、同じく刑事なのに人のセックスを笑いはしないかもしれないけどのぞくのが大好きなサリがバディになって殺人事件を捜査>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

3.1

キリキリと胃が締め付けられるような不穏さのおかげで、退屈はしなかったけど、かといって面白いかといえばそうでもない。そもそも面白い映画を作るつもりもなさそう。壮大な実験的プロジェクトをやってて、膨大な撮>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.8

非体育会系の青春グラフィティで、主要キャストが何をしているとか何を言ったとか細かいところじゃなくて、映画の醸し出すもの、その空気感が好いたらしい。「あの頃はよかった」というだけではなく、「あの頃すごく>>続きを読む

ファーストラヴ(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んだとき、自分の心の底にわだかまったものがあったことに気づかされた。でも、原作のときにそういう経験をしたので、映画はもう大丈夫だろうと思っていた。大丈夫ではなかった。途中、何度か映画を観ながら>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.5

『市民ケーン』は知っていても、オーソン・ウェルズがそのとき弱冠24歳だったとか、脚本のクレジットでモメたとか、制作の舞台裏みたいな話はまったく知らなかったので、新鮮だった。

ただ、映画の制作秘話を題
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

殺人犯が刑期を終えて社会に復帰しようとして苦労する話だという情報が入っていたので、全編しんどい感じかと思ったら、そんなことはなかった。笑えるところもたくさんあるし、役所さん演じる三上がチャーミングとい>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.7

最後のほうのセックスシーンで、ちょっと感動した。こんなに思いを込めて女の子を抱ける男になったじゃん、というような感慨が。前半そこらへんの野良犬みたいに雑なセックスしてたからね。何の感想。

映画、面白
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

3.2

原作は未読。90年代の新書館「ウィングス」にありそうな雰囲気で、なんか懐かしい。血とか死体とか霊とか、結構グロいわりに汚らしくない。グロくて嫌だなっていうよりは、お、怖く作ってあって本格的じゃん、みた>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルの通りの映画で、すごく楽しめた。恋愛をただ恋愛として始めから終わりまで描くドラマや映画って実は珍しいと思う。ドラマチックな障壁とか、魅力的な恋敵とか、そういうのなしに二人の恋愛をこんなに躍動的>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.9

いい匂いのする映画だった。上映時間に対して描きたいことが多すぎなくて、そのゆとりが、映画のどこかのどかな印象につながっている。せつないことも描かれているのに、変に悲しくはない。

二人が食事するとき、
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THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

3.4

母子家庭の高校生が、香港から深センへスマホを密輸する危険なアルバイトに手を染める話。友達とクリスマスに北海道へ旅行するための費用作りという目的がいちおうあるんだけど、お金を使わないと楽しく遊べないと思>>続きを読む

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

3.5

有名映画のスタントが結構映るので、あの映画もこのシーンもスタントウーマンたちに支えられていたんだなと素直に頭が下がる思い。インタビューもよかった。予想を超える内容はなくとも、実際に第一線で活躍してきた>>続きを読む

アウステルリッツ(2016年製作の映画)

3.8

ダーク・ツーリズムの実態がどんなものか知らなかったけど、こういう感じなのか。想像と違った。なんかこう、虐殺マニアみたいな悪鬼のごときヲタクが、仲間同士で早口に何か言ってはキヒヒと笑ったり、写真も一つの>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.9

原作は未読。テレビアニメは全話見た。煉獄さんのまっすぐさがまぶしく、鑑賞後とてもすがすがしい気持ちになった。煉獄さんは父親が「柱」で自身も生まれつき戦闘の才能に恵まれた、いわば戦闘貴族で、母親から教え>>続きを読む

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族(2021年製作の映画)

3.9

ヘタレの息子(成猫)が帰ってきて母猫が迎え入れるのとか、独り立ちがうまくいかない弟猫を兄猫が構ってやるのとか、お父さん猫と少年のおでこごっつんとか、じんわり胸が温もる。カーショ、かわいいなあ。ネコ歩き>>続きを読む

また、あなたとブッククラブで(2018年製作の映画)

3.6

若い頃から気の合う友達4人で毎月の読書会をずっと続けているっていう、その設定から素敵。そんなこと、現実にはほぼ不可能だ。家族や仕事の関係で住む場所が変わったり、あるいは参加者間に摩擦が生じたり、なんら>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドルビーシネマで観た。アクション気持ちいいな! 特に冒頭、故郷の島で行われるSASUKE風の競技が面白い。レース中に選手が流鏑馬の要領で的を射抜くと、それぞれ割り当てられた色の狼煙が上がって、それ見て>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカル映画が性に合うタイプでもないので、そこそこ楽しむことはできても、すごくハマったりはしないだろうと思ってた。でも、これはちょっと違った。もちろん誰も彼もすぐ歌い出すし、デフォルメされた感情表>>続きを読む

ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢(2020年製作の映画)

3.6

ダコタ・ジョンソンのかわいさ大爆発ムービー。『ピッチ・パーフェクト』のアナ・ケンドリックといい、『ワイルド・ローズ』のジェシー・バックリーといい、音楽に夢中な女の子って可憐。マギーとグレイスが車の中で>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

『バッド・ジーニアス』がのっけからインパクトの強い展開だったのに比べると、思ったより地味な映画なのかもと思った、特に序盤は。でも、主人公のジーンが断捨離を進めるなかで、勝手に“過去”にしてきた人たちと>>続きを読む

Away(2019年製作の映画)

3.8

アニメって最高だな!っていうことに気づかせてもらえる。実写だったらVFXでなんとかするしかなかったり、それで嘘くさくなったり、莫大なお金がかかったりする表現を、惜しみなく思うさまやれてしまうすばらしさ>>続きを読む

レディ・トゥ・レディ(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ダンスシーン、思った以上にボリュームたっぷり。楽しんで踊っているシーンは見ていて気分が昂揚する。最後、「シング・シング・シング」で座席が揺れた。ちょっと勘弁してよと思ったけど、ついノッてしまう人の気持>>続きを読む

新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

貂蝉のダンスに全部持っていかれる。渡辺直美っていうのは本当にすごい人だなあ。ドリームマッチの「醤油の魔神」みたいなのとか、お笑いやってるところ、もっと見たい。

映画は全編ギャグだけど、虎牢関の呂布や
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天外者(2020年製作の映画)

-

三浦春馬さんの映画だなあ。五代と龍馬が船から日の出を見るシーンは、泣くようなシーンとは違うのにこみあげるものが。まだまだ、切り離して映画を鑑賞するのは難しかった。

W三浦が袋小路みたいなところで殺陣
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

渋谷の爆破シーンに尽きるなあ。ハチ公前で自撮りしてた女の子の後頭部から衝撃が来るあのスローとか、え、そこまで描写するのかと驚かされた。驚いたというか戸惑いもしたし、もちろん恐怖もした。その意味では、爆>>続きを読む

記憶の技法(2020年製作の映画)

3.4

封印された自分の記憶を掘り起こしていって、知らなかった(というか意識の底に押し込めていた)事実が明らかになる形のミステリー。楽しめた。大家のおじさん、怖くてすばらしい。

主人公の華蓮(石井杏奈)と母
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公たちが魔女の力で動物や虫に変えられてしまった場合、最後には元に戻ってめでたしめでたしになるのがお決まりだと思うし、そういう結末に楽々導けたはずなのにそうしなかったところに、監督の意図があるのかな>>続きを読む

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