にくそんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

にくそん

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スキャンダル(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

漂い続ける緊張感それ自体が面白かった。すごく現実に即していたと思う。ああいうときに女性同士が手を取り合うのはとても難しくて、おのおので戦局をみておのおので一撃加える形にしかならないんだよな。それはもう>>続きを読む

HARAJUKU(2018年製作の映画)

3.0

『犬ヶ島』みたいなキテレツな日本が見られるのかと思ったんだけど、わりと普通の渋谷や新宿だった。普通にロケしたようなので、それはそうか。トンチンカンではないかわりに、独創性は感じない。電車の発着メロディ>>続きを読む

ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.1

女性同士の連帯ムービーが大好物なので、かなり期待して観たけど、私には合わなかった。「きめ細かい」っていう言葉があるけどその逆で、登場人物の感情の目が粗いから、見ごたえがもうひとつ。

そもそも「相手は
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サイコビッチ(2019年製作の映画)

3.6

優等生タイプのマリウスと、自殺未遂経験があるとウワサの転校生・フリーダが心の距離を縮めていくボーイ・ミーツ・ガール映画。

イタズラ合戦のシーンとか、オフビートなダンスを踊るシーンとか(Sigridの
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

4.2

白っぽい画面が印象的だった。明るいんじゃなく、漂白しちゃったような、褪せたような。

イギリスのユダヤ・コミュニティが舞台で、随所で小さくささやかれる祈りの声が映画に独特な空気感をもたらす。私は信仰を
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.7

20世紀フォックスのファンファーレを聴きに行ってきた。モリー役のカトリーナ・バルフのワンカールボブがかわいい。低い声もチャーミング。真っ先に書くようなことでもないけど。

フォードのル・マン攻略チーム
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.9

香港を舞台に、事故で肩から下の感覚を失った孤独な男性・チョンウィンと、住み込みで彼の世話をするフィリピン人家政婦・エヴリンの話。

香港の建物はずるいぐらい画がキマるなあ。『コンフィデンスマンJP』を
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

あー、痛快だった。痛快アクションっていうのはよく聞くけど、痛快ミステリーっていうのもあるんだな。ネタバレ設定しておけばネタバレ書いてもいいんだけど、書きたくないような気持ち……!

富豪が死んで家族
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his(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ゲイのカップルの恋愛模様は、この映画の主題ではないんだけど、でも確かにそこにあって、彼らにとってはスペシャルで素敵なものなんだと伝わってくる。この構成、いいなあ。LGBTQの当事者やアライならとか、腐>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.5

ミステリーとしてよくできた映画だと思う。二転三転あるし、予想のつかない展開があるし、その明かし方も劇的でかっこいい。

人間ドラマが弱かったのが個人的には残念。「ヒューマン」じゃなく「ミステリー/サス
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BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

さわやかな良作だった。田舎町に父、兄と暮らす15歳の少年が、リレーの選手に選ばれて同じチームの少年と惹かれ合っていく話。兄や友人と同じようにガールフレンドをつくって楽しく青春するつもりでいた少年の強い>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

3.3

田中圭さん(演じる夏目)がモテてモテてしょうがないっていうピースフルな映画。花を選ぶって人を思うってことだから、花屋さんを舞台に映画撮るの賛成。それが今泉監督ならなおよし。舞台がエモいんだから、画面は>>続きを読む

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.4

誕生10周年を記念して公開された4D版をユナイテッド・シネマ豊洲で観てきた。4Dがそこまで効果的だったかどうかはさておき、大好きな作品をまたスクリーンで観られたのがうれしい。健二が初めて陣内(じんのう>>続きを読む

花と雨(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

笠松将さんの魅力が炸裂。この人は映画をやるために生まれてきたんじゃないかと思うぐらいスクリーン映えする。笑顔も涙も。こちらに訴えかけてくる力の強い目とか節くれだった手指とか見ているだけで、2時間そこら>>続きを読む

前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.8

技術屋さんたちが(他社を含め)損得勘定を抜きにプロジェクトに身を投じていくところや、各分野のエキスパートがそろっていく展開に、わくわくさせてもらった。あと、ダムの画がかっこよくて、さすがは前田建設の全>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

人々を守りたいというヒーロー願望を持つ警備員がよりにもよって爆弾魔ではないかと疑われ、FBIの執拗な(というか恣意的で偏執的な)捜査の対象になってしまう話。理由はただ太っちょで底辺で社会に不満を抱いて>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いい完結編だった。再来年だかに新作が出たらまた観るだろうけど、もうこれでシリーズ自体が終わってくれてもいい。私は満足した。ハン・ソロやルークが霊的なアレになって出てくるのズルいけど全然オッケー、許せる>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

離婚も失恋の側面を持っているんだなっていうことを思った。お互いの好きなところを挙げていく導入がすごくすてきで(モノポリーのグリーンのとこ止まったらムキーってなるよね、わかる)、こんなに細かいところまで>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

しっかりエンタメしながらも、経済格差という社会問題にびしっとフォーカスしていて見ごたえ十分。前半は貧乏一家の4人全員が同じ富豪の家に使用人として一人ずつ入りこんでいくっていう漫画みたいな展開で、笑える>>続きを読む

カツベン!(2019年製作の映画)

3.2

映画館では年配の人がよく笑っていた印象。私自身はそこまで笑う場面はなかった。朝ドラを男性主人公で作るとこんな感じになりそう。朝にNHKで放送しようと思えばできる、そんな世界。

弁士たちの熱弁が一番の
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ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)

3.4

宮崎駿っぽさが香るストーリー、私は8歳からのハヤオマニアなので大歓迎だった。ルパン三世のおじいちゃんのアルセーヌ・ルパンが絡んでくるスペシャル感も楽しい。予告にも使われてたけど、あるシーンで初代の古い>>続きを読む

完全な候補者(2019年製作の映画)

3.3

サウジアラビアの映画を私は他に観た覚えがないので、サウジ発の映画を観られただけで満足。アカデミー賞国際映画賞のサウジ代表だっていうから、もっと暗かったり重かったりするのかと思ったけど、笑えるところもあ>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

新曲どれもよかった。特にメインの「Into the Unknown」が。馬を駆るようなドドッドドッっていうあのリズムが心地いいし、イディナ・メンゼルの歌声を浴びると細胞が若返るのでどうもありがとうござ>>続きを読む

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.8

<ねこ>や<しろくま>あたりがキャラクター化されるのは見慣れてるけど<ざっそう>や<ほこり>がいる世界はユルくて自由でなんかいいな。<えびふらいのしっぽ>が喫茶店にランチしに来てもいいじゃんいいじゃん>>続きを読む

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

地味子(恒松祐里)ときゃぴ子(堀田真由)が最高。私が探していた女子×女子はこれです。最近どうも見つからなかったんです。ありがとうございました。

お互い相手に面と向かって悪態つくけど、相手の悪口を他人
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに古風なラブストーリーを観た。近年だって恋愛映画をそれなりに観てきたはずなんだけど、『冷静と情熱のあいだ』とか『スウィート・ノベンバー』とかを思い出す。お話の型やキャラクターの配置なんかが伝統>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

4.0

最初から最後まで、だいたいすでに知っている話だった気がする。予想と違うところはあまりなかった。だけど、熱くなったり鳥肌が立ったりした。お約束でもしらけないもんだ。予告編を何度も見たせいで“I'll b>>続きを読む

ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

3.4

ストーリー以上に映像そのものが魅力的。単純に何色って言えないような色もふんだんに使ってあって本当にカラフルで。恋が始まったときの浮かれ気分にぴったりのドリーミーな色彩でよかったな。最初、街の人たちの生>>続きを読む

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.3

清水ミチコが国民の叔母なら、笑福亭鶴瓶は国民の大叔父。ビール飲むシーンよかった。

綾野剛は声が優しい。彼演じるチュウさんは、閉鎖病棟の患者さんだけど強制入院じゃなく任意入院。病気は軽度なんだけど、そ
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ブラック校則(2019年製作の映画)

3.8

ヒロインがモトーラ世理奈、掃除のおばさんのあだ名が「ヴァージニア・ウルフ」っていう2つが、私に暗号を送ってくれた。この映画、見るべきだって。モトーラさんは、この若さ(21歳)で、セリフを言い出す前の表>>続きを読む

テイクオーバーゾーン(2019年製作の映画)

3.2

ジュブナイル映画の主人公が、人にキツく当たるスクールカースト高め女子って、なかなか新鮮だった。運動神経がやたらよくて、彼氏が当たり前にいて、父親に悪態はつくけど料理はちゃんと作ってあげる中学生の沙里が>>続きを読む

私たちの居場所(2019年製作の映画)

3.0

散文的なつづり方。ジャブをいくつも打っておいたのがだんだん効果を生んで、最後にはダウンを奪えるみたいな、そういう映画を撮りたかったのかなと想像するんだけど。ちょっと弱かったかもしれない、一つひとつが。>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.6

ホアキン・フェニックスすごい。あの笑いかた、走りかた。そしてダンス。奇怪で怖くて、どこか悲しみを誘われる。最後のほうで何度か、ジョーカーが綺麗だなと感じる瞬間があった。

世界から虐げられる男の内面に
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ネヴィア(2019年製作の映画)

4.0

ネヴィアがんばれ!っていうものすごく素直な気持ちで見た。外からどんなに過酷に見える生活でも腐ったりしないで、ネヴィアがネヴィアの道徳や価値観にしたがって行動しているのがすがすがしい。毎分毎秒、彼女のこ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5

ここ最近でぶっちぎりに大好きな映画に出会えた。森の中で例のちょびひげ野郎が楽しげにジャンプしてるビジュアルに惹かれて映画祭のチケット買ってみて大正解バンザイ。

イマジナリー・フレンドがヒトラーで、イ
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グレタ GRETA(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

最初のシーン、わくわくしたなあ。地下鉄を降りて歩くグレタの後ろ姿、外ハネの髪、複雑な色のコート。そういうところから、精神的な怖さが真ん中に来るオシャレなスリラーだとばかり……。途中から『シリアル・ママ>>続きを読む