ゆきまるさんの映画レビュー・感想・評価

ゆきまる

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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.8

キャリー・マリガン目当てで鑑賞。

レナード・バーンスタインの半生を、キャリアと私生活の公私をわけず、シームレスに表現する撮影技法が面白い。

キャリアの最初の転機となった、ニューヨーク・フィルハーモ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

奇天烈で強烈な作品。
















フェミニズムを語る壮大な作品であり、奇想天外なテーマ設定と摩訶不思議な世界観に飲み込まれた。過激な性的描写が話題だが、セックスとジェンダー/人間/
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.4

奇しくも、ナワリヌイ氏の葬儀の日に鑑賞。
映画冒頭のメッセージに、遣る瀬無さが募る。

嫌だろうけど考えてくれ
もし殺されるとしたら、どんなメッセージを残したい?

僕の追悼映画みたいだ
それは、2本
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テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)

2.0

古代ローマ人の浴場設計技師が日本の銭湯にタイムスリップする話は、斬新で面白いんだけど、現代日本の風呂文化からみた古代ローマの未熟な部分しか取り上げられていないのが残念。
古代ローマ文明や文化、技術力の
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

プロフェッショナル仕事の流儀で、宮崎駿のドキュメンタリーを観てから鑑賞。宮崎駿が、師であり同志である高畑勲を思慕し、時には愛憎を募らせながら悶え苦しみ作品を作っていく様子が印象的だったので、大叔父が出>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.7

素晴らしい。

この映画はまずオープニングが秀逸。
ビートルズのI wanna hold your hand の曲とともに狂信的にヒトラーに心酔する群衆が映し出される。それは、さながらビートルズのライ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.0

CODAとは、Children Of Deaf Adults の略。
聾唖一家の、唯一の聴者である女子高生ルビーが主人公。家族のサポートと自分の夢の板挟みになりながら、歌の才能を開花させていくというお
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.9

ユーロスペースでの先行上映で鑑賞。

独特の間とぶつ切れの会話に、時々光るユーモア。
登場人物の心情をサポートするような、的確な音楽とインテリアや洋服などの絶妙な配色。現代の話なのにスマホやインターネ
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

4.1

好きな映画。テーマは「寂しさ」

主演女優、片桐はいりの著書「私のマトカ」に惹かれてこの作品を鑑賞&フィンランド旅行をした。
このエッセイは、主にフィンランドでのかもめ食堂の撮影中の出来事をつづってい
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

2.5

広瀬すずが好きなので見てみた。
残念ながら内容が面白くない。一言でいうと既視感しかない映画。

















広瀬すず演じる26歳のOL榊と、彼女の住むシェアハウスにやってきた男子高
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

5.0

自分の人生を誠実に生きることとは?泥臭くて切ない、一人の男の人生最後の贖罪の話。

大きく揺さぶられ形にならない、ままならない感情を鑑賞後一か月くらいずっと抱えていた。
フロリアンゼレールが好きならこ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.5

人と同じで映画にもテンションってありますね。
それが私には絶望的に合わなかった。

カンフーアクションの嵐、マルチバースの世界線の移動が反復横跳びの如く激しく繰り広げられ、ずっっっと緩急の急の状態が続
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七人の侍(1954年製作の映画)

-

言わずとしれた不朽の名作だが、残念ながら音声の質が悪くてセリフの大半が聞き取れず、wikiであらすじを追いながら鑑賞。邦画なのにここまで理解できないことに新鮮な驚きがあった。

花畑のシーンは、白黒の
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

あまりのシリアスさに2時間、眉間に皺を寄せて鑑賞。
見ていて苦しくて、辛くて、後半は思わず泣いてしまった。
以下ネタバレになります。















監督は、The father で一躍
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オールド(2021年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

期待外れ。時間をテーマに描いた作品が好きで、これも私のストライクゾーンど真ん中だったはずなのですが。

時間が流れることの本質を突けるはずのテーマなのだけど、安っぽい殺し合いとか、都合がよすぎる暗号解
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.0

友達と鑑賞。まず、この作品で特徴的なのは、主人公が妊娠している女性であるということ。思いつく限り、妊娠が関係ない話で妊婦が主人公である作品は見たことがなかったので、新鮮だった。

警官であるこの女性(
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ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

1.1

ザ駄作!
邦画でよくある、役者泣かせの絶望的糞脚本!序盤の戦闘シーンがチープだし、大量殺戮が起きた割にはとても冷静な高校生たちに冷めた。全部鑑賞できなかった。

真剣佑と三浦春馬がとても良い演技をして
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.3

終盤、父と母が娘を事件に遭わせまいと、影となって彼女の行く手を塞ごうとするシーンが胸に迫った。アニメーションで人間の形を自由自在に変えながら、家族の愛や喪失といった無形のものを表現するクリエイティビテ>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.2

同じ東京に住みながら、「別世界」を生きる華子と美紀。階級の分断を丁寧に描写しながら、幸一郎(高良健吾)という男性を軸に華子と美紀の生きる2つの世界が交差し、二人が共鳴しあっていく、静かな爽快感に満ちた>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.2

大人の女性を愛せない男性、文(松坂桃李)と、愛を知らない少女(更紗)の特別な絆を描く。

リュックベッソンの名作、レオンと同じ構図。
だが、誘拐犯に仕立て上げられてもろくに弁解しない文と、彼を擁護しき
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余命10年(2022年製作の映画)

2.5

高評価だったから見てみたものの私にはハマらなかった。病気物の作品が好きではないのが一番の理由。

これを演じている俳優たちが皆健康で、所詮架空の話を演じているに過ぎないのだよなという、現実感を捨てて見
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.8

【男性に見てほしい作品】予期せぬ妊娠をしてしまった17歳の女の子、オータムが妊娠を知ってから中絶手術を受けるまでの過程を描く。

家庭にも友人にも恵まれない、アメリカ人の10代の女の子が妊娠をしたらど
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オーバー・ザ・リミット(2017年製作の映画)

3.0

2016年、リオオリンピックの新体操で金メダルを獲得したロシア代表、マルガリータマムーンのオリンピックまでの軌跡を描いたドキュメンタリー。

ちょっとこれは、言葉が出なかった。
オリンピックチャンピオ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

ダンサーの照生とタクシードライバーの葉のカップル。破局してから思い出す、切なく愛おしい恋の日々を描く。花束みたいな恋をしたと似たような話だけれど、こちらはもう少し主人公の年齢層が上なのと、別れてからの>>続きを読む

ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

-

うーむ‥謎解きミステリー系は苦手でして、、見てるうちに頭がこんがらがって、途中で寝落ちするも頑張って見る。

イエス・キリストが人の子だったかどうかという話。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

以前友人に激推されたパルプ・フィクションが全然はまらなかったので、タランティーノ敬遠してたのだが・・意外とよかった。

ただ、シャロン・テート事件の背景知識の予習は絶対に必要。作品の解説ブログで、これ
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カラフル(2010年製作の映画)

2.5

中学生の時に原作を読んで以来、アニメ版もあることを知り鑑賞。

物語の平坦さや、展開の無さに、プラプラが出てきたことと、主人公の少年が自殺したこと以外話の内容を覚えていなかったことに納得した。

プラ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9


終電を逃したことでたまたま出会った、21歳の麦(菅田将暉)と20歳の絹(有村架純)
大学生の2人の胸の高まるような運命的な出会いから、恋の終わりまでの一部始終を描く。この作品が多くの観客を惹きつけた
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怒り(2016年製作の映画)

3.0

なかなか面白いつかみだったけど、全体的な感想としては、あとひと押しが足りなかった。

ある夏の日、八王子で夫婦殺害事件が起こる。犯人は全国に指名手配されるも、逃走を続ける。ときを同じくして、沖縄、東京
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オペラ座の怪人(2004年製作の映画)

2.9

観劇の前に予習。あらすじだけ追ってしまうと、大したことないんですね〜

オペラ座の怪人とか、ただのセクハラストーカー野郎じゃないかと突っ込んだり、クリスティーヌの優柔不断すぎる奇怪な行動を野次りながら
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

2.5

期待値が高かっただけに、失望も大きい。
エヴァンが、コナーの遺族に同情して、やむにやまれず嘘をついたのは理解できるが、その後は自己都合とエゴで嘘を塗り重ねていく様子に共感できなかった。ついに、コナーの
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ジョーカー(2019年製作の映画)

2.8

これ、先にバットマンを観ていなきゃ行けなかったのか?予備知識なしで臨んだら、あまりの陰鬱さに心が塞いだ。

メンタルヘルスを取り巻く環境と、彼のような弱者を追い詰める社会構造がうまく描写されていたと思
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ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

時間を逆行する愛美と順行する高寿。出会いを運命づけられた二人の、共に過ごす一ヶ月の話。

出会いから徐々に関係を深めていく高寿と、別れから出会いにむかって関係を手放していく愛美。彼の最初は彼女の最後。
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.0

オンライン試写会にて視聴。時間旅行の開発によって風紀の乱れた2050年からやってきた主人公アダムが時間旅行の存在を消すべく、開発時点の2018年に戻るという話。正直、時間旅行の誕生を帳消しにするミッシ>>続きを読む

八日目の蝉(2011年製作の映画)

4.3

母親の無償の愛に号泣。レビュー書きながらまた思い出して泣いてる(笑)

父親の不倫相手に誘拐され、4歳まで育てられた恵里菜。幼かった恵里菜にとって誘拐事件は記憶の彼方に消え去るが、実の母親の心には暗い
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ファーザー(2020年製作の映画)

5.0

アンソニーホプキンスは言うまでもなく素晴らしいが、脚本が神。


2022年の元旦から観た作品がこちらでした。新年しょっぱな心を抉られる衝撃的な超大作に出会ってしまった。

主人公は認知症を患う80代
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