shingoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.2

Prime Videoでレンタルが始まってようやく見れた。全てのシーンが神秘的で美しく、設定や衣装、小物まで徹底的に作り込まれた砂の惑星。サンドワームの描写もモンスターではなく自然現象を観ているような>>続きを読む

ニルマル・プルジャ:不可能を可能にした登山家(2021年製作の映画)

3.8

2019年に8000m峰14座を7ヶ月の最短記録で制覇したネパール人、ニルマル・プルジャを追ったドキュメンタリー。二日酔いのままベースキャンプから山頂まで一気に登り、下山後も遭難者救助のためにもう一度>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

3.8

3本連続でファン・ジョンミン主演作品。朝鮮戦争以降の激動の歴史をなぞるようにストーリーが進み、その時々の困難な状況で家族を守り、父との約束を守り通した男の人生。家族たちが集まり幸せに過ごす部屋から抜け>>続きを読む

ベテラン(2015年製作の映画)

3.6

ノリノリなファン・ジョンミンを楽しめるアクション×コメディな刑事もの。悪役も刑事もしっかり監視カメラ隠してから手を出すのは、韓国映画では鉄板なんだろうか。ジャンル映画らしい単純なストーリーとキャラ配置>>続きを読む

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.5

韓国映画が持つ骨太さの社会的な背景を垣間見た気がした。90年台の韓国の対北朝鮮工作員「黒金星」の手記を元にした内容。隣国に休戦中の敵国があり、核開発疑惑を巡る諜報活動があり、政権の生き残りをかけた政治>>続きを読む

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.2

韓国では80年代まで軍事政権下にあったことはぼんやりとは把握していたが、民主化に至る過程はこの映画をきっかけに初めて知った。史実を描きながら、サスペンスとしてもきっちり楽しめる内容。民主化運動を単にヒ>>続きを読む

ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

4.0

2回目の鑑賞。ドレとイージーEの対比で見ると自分にとって何より音楽制作が大事だとわかっていて、肝心なところで決断できる前者は成功し、状況に流され何が大事か分からなくなってしまう後者は不遇に見えた。レコ>>続きを読む

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

4.0

復讐と母性と贖罪など様々な情念が入り混じった状態で描かれるが、他のキム・ギドク作品と同様に誰にも感情移入させてくれない不思議な映画。終盤の3人が横たわるゾッとするようなカットでは、2004年の「うつせ>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

アメリカ大陸の壮大で乾いた風景の中で、ノマドと呼ばれる車上生活者たちの交流と内面が静かに描かれる。身の回りの様々なものが変わり果てて無くなったとしても、過去の記憶と切り離された未来を選ぶことは簡単では>>続きを読む

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

3.9

2014年のジョニー・トー監督の同名作品のリメイク。ミステリー要素が加わった展開がオリジナルとは大きく異なる。刑事たちによるなりすましドタバタ劇や、単なるドラッグ職人として登場するろう者の兄弟が実は最>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.6

映画館で見るべきだった。延々と続く塹壕を縫うようなカメラアングル。廃屋での悲劇と視点の回り込み。閃光弾に照らされた瓦礫と化した街並み。繋ぎ目なく流れる一晩の間に主人公に使命感が芽生えていく。ワンカット>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ほっこりな前半から徐々にミステリーに転換する中盤。既視感があるお話しながら、作り込みと役者の演技のうまさで引き込まれる。よく喋る博士のネタばらしを合図に、予想の斜め上を行く展開で高速血みどろアクション>>続きを読む

V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)

3.9

序盤の暴力描写は「悪魔を見た」に迫る勢いで流石に見るのを中断してしまった。中盤からのVIP争奪戦はバイオレンス抑えめで、スピード感のある展開と、様々な思惑と状況に振り回される人々のさりげない心理描写で>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

エンドゲーム以来の久しぶりのマーベル映画。観たこともない空中落下アクションと、へんてこスパイ偽装家族劇は楽しめたんだけど、そこまでのめり込めなかった。レッドルームの黒幕であるドレイコフが妙に薄っぺらく>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

3.8

鈍器や刃物で繰り広げられる完成度が高いバイオレンスアクションと、刑事たちのアットホームな職場シーンが対称的で、シンプルなストーリーながら飽きることなく見れた。
刑事役のマ・ドンソクの強烈な平手打ちと、
>>続きを読む

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

事前知識が一切ない状態で観たのが良かった。序盤、意表を突いたシーンから、スタイリッシュなカメラアングルのオープニングが始まる。シーンの新鮮さと映像美の犯罪映画なのかと思ってたら全然そんなことはなく、中>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.0

自分本位な男が、子に向き合い父になっていくストーリー。ゾンビたちのコミカルかつキモい動作と圧倒的な大群描写。逃げ惑ったり立ち向かったりする主人公たちのアクション。高速鉄道という密閉空間で恐怖が充満して>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

4.2

マーキュリー計画に貢献した3人の黒人女性の史実を元にした話。
60年代アメリカが舞台で、公民権運動、米ソ宇宙開発競争、IBMのメインフレーム導入などの社会背景と、白人男性中心の組織の中で黒人女性が才能
>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.6

刑事と組長の黒いバディームービー。あるいは刑事と組長と殺人犯の三つ巴が企図されたシナリオなんだろうけど、マ・ドンソク演じる組長が最強すぎて、殺人犯への復讐シーンが最大の見せ場になってた。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

劇場で一回。PrimeVideoで一回観た。この作品単体で見ると男性特有のコンプレックスや依存、誇大妄想からの解放を描いていてテーマに目新しさは感じないのだけど、高校時代に夢中でテレビ版を観た体験に決>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

3.8

ハサウェイこんなかっこよかったっけ?という序盤から、ああやっぱりハサウェイだなあというあたりで終わった。中盤のモビルスーツの襲撃シーンが良かった。闘い合うモビルスーツのスケールと、被弾して崩れる街並み>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

4.0

悪徳市長と悪徳検察による攻防の間で、微妙な綱渡りを演じる悪徳刑事が主人公。みんな悪くて狂っていてまともな登場人物が見当たらない。終盤、もう打つ手がなくなったと思われた葬儀場のシーンから、本当の戦争が始>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

チェイサー、悲しき獣のナ・ホンジン監督だけにハードなバイオレンス&サスペンスを期待して見始めたが予想外の展開。血みどろとバイオレンスとホラーの合間に、コミカルなゾンビコントが挟まって、観ている側として>>続きを読む

PTU(2003年製作の映画)

3.5

香港を舞台にした一夜の物語。序盤の火鍋屋のシーンから予定調和を裏切る不思議な演出が炸裂しててジョニー・トーらしい。コメディだと思ってたシーンからサスペンスが始まったり、緊張感のあるシーンがコメディ的な>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

過去の抗争を説明するナレーションと集合写真から始まる前半は「仁義なき戦い」の続きを観ているみたいでニヤニヤしてしまった。広島と呉が舞台で、「県警対組織暴力」的なズブズブの刑事、広島弁が飛び交う事務所や>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.4

菅原文太演じる刑事と松方弘樹演じるヤクザを中心に、話が展開する。ヤクザと刑事たちのズブズブの癒着。刑事部もヤクザ事務所もキツい広島弁が飛び交い区別がつかない。誰もが手を汚していて、一見正義ヅラした奴が>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.4

イ・チャンドン監督の他作品と比べても不思議な手触りの映画だった。「私可愛いでしょ。整形したの」ってセリフに象徴される幼馴染との微妙な再会シーン。父の生活が染み付いた実家と古びた軽トラ。日当たりの悪いワ>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

スゲー全然解らないけど辻褄合ってそうな感じがするスゲーとか思っているうちに終わってしまった。みんなが解らないと言っているのはSF設定として難解という意味だと勘違いしてたんだけど、そういうわけではなかっ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

終始芝居がかっておどけた表情のソン・ガンホが、ふとした瞬間に見せる真顔。あるいは、高台の高級住宅地のリビングから、大雨の半地下の自宅へと裸足で降りていく象徴的なシーン。全てがうまくいったと思った瞬間か>>続きを読む

ファイヤーライン(1997年製作の映画)

3.5

ノワール以前のジョニー・トー作品。なんだかんだ皆んな人間臭くていい奴というのは、のちの作品にも通じている。中盤までの伏線ぽい展開には特に触れない、炎と爆発が連続するラスト。登場時間1秒ながら強烈な印象>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.0

アラン・チューリングがエニグマ暗号を解読したことを知識としては知っていたが、この話は解読が結末ではない。その業績がどのように扱われ、彼がどのような人生を歩んだかは知らなかった。

あくなき挑戦 ジョニー・トーが見た映画の世界(2013年製作の映画)

4.4

香港ノワールのジョニー・トー監督を追ったドキュメンタリー。各作品の背景やエピソードを振り返りながら、ジョニー・トー監督と銀河映像の歴史が語られる。ザ・ミッションでのジャスコ銃撃戦の舞台裏や、予算不足で>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んでいたので、話の結末がわかった状態で、原作の持っていた言語的なアプローチが映像でどう表現されるのか気になって観た。結果とんでもない傑作だった。彼らの描く円環状の文字は、語ではなく文を表し、そ>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

ディパーテッドを先に見ていたので話の展開はわかってたんだけど、繰り返される駆け引きが緊張感があって楽しめた。ジョニー・トー作品でもお馴染みのアンソニー・ウォンが軽視役で良い味出してる。

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

4.2

笠原脚本での仁義なき戦い最終章。前作の関西ヤクザの代理戦争として始まった抗争は、様々な人物と関連団体を巻き込みながら拡大し、中心人物たちは次々と画面から離脱していく。保身から場当たり的な駆け引きに走る>>続きを読む

楽園の夜(2019年製作の映画)

3.8

新しき世界のパク・フンジョン監督。まさかのソナチネだった。スタイリッシュなカメラアングルと銃撃戦。青い風景と血みどろの暴力描写の対比。全体的に嫌いじゃないけど引き込まれるほどの何かは感じられなかった。