ZaieDansLeMetroさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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メランコリック(2018年製作の映画)

3.5

街の銭湯で行われる殺人。
超日常の中で行われる超非日常。
現実だったら、超あり得ない展開に超あり得ないぐらいすんなり順応していく主人公、東大卒THEオタクのナベオカにくすくすが止まらなくなります。
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イメージの本(2018年製作の映画)

4.0

ゴダールの悪夢に迷い込んだ。
夢のディテールが明確ではないように、イメージとしての断片的な映像とゴダールの思考としての音が連続していく本作。
“断片のみが本物の痕跡をとどめている”、その断片について思
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

5.0

ある男の転落の人生を現在から過去へと遡る形で物語は進んでいきます。
なぜ男が転落の人生を歩むことになったのかを時間を遡りながら追体験する感覚は、私の少ない映画体験にとっては衝撃的な感覚でした。

時間
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.5

脚本もヴィジュアルも音楽も素敵な作品です。

子育てって前半は親から子へ教えることが多いのは赤ん坊だから当たり前だけど、徐々に子供から教えられること、気づかされることも多くなっていくのではないかなと思
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.5

道徳やモラルの視点から見ると目を覆いたくなってしまうような内容なのだけど、片山慎三監督は日常のユーモアを忘れない。
悲劇を喜劇として昇華できる監督が私は大好きです。
現実でもどんなに悲惨な生活を送って
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オアシス(2002年製作の映画)

5.0

純愛映画と紹介されてますが鑑賞した後では、純愛という表現がなんて薄っぺらく聞こえてしまうんだろう。
脳性麻痺の女性(コンジュ)と前科三犯の男(ジョンドゥ)の恋愛物語という設定だけで、アンタッチャブルで
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

5.0

台詞の全てが伏線になっていて、物語が進んでいくうちに、あの台詞はこの出来事のメタファーだったのか!と想像が色々と膨らんでいく作品です。
想像を膨らませて、如何様にも解釈できるラストとなっています。
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.0

公開時の宣伝やアートワークからコメディタッチの分かりやすい感じの親子愛のドラマかと思ってたけど、ぜんっぜん違った。

娘の生活を引っ掻き回す、苦笑いしか出てこないお父さんの悪ふざけ。

お調子者のお父
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.5

なにが凄いかって蒼井優ちゃんの鳥の鳴き真似です。
声帯だけ鳥のそれなんじゃないかなってぐらい、わざわざ言いたくなるほど素晴らしい鳥の鳴き声なのです。
蒼井優ちゃんの鳥の鳴き真似を聞くために見てほしいで
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永い言い訳(2016年製作の映画)

5.0

西川美和監督の人間の汚なさ、滑稽さ、弱さ、優しさ、愛おしさの描き方が好きです。
永い言い訳、とてもとても良かった。
映画の後半、本木雅弘さん演じる衣笠幸夫の言葉に心が握り潰されます。
本木さんの声は深
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.6

1950年初頭のお話。
交通手段も連絡手段も現在と比べ物にならないほど不便な時代。
家族から離れて1人、外国に働きに出る少女の気持ちを思うと胸が締め付けられます。
恋しい家族との連絡手段は何日もかかっ
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.5

ギリシャ神話のアウリスのイピゲネイア(神さまの聖なる鹿を殺してしまった男が自分の娘を償いの生け贄にする話。)を題材にしているらしい。
現代を舞台に、ギリシャ神話が斬新な視点で描かれていて、芸術的な作品
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.0

ティッシュ一箱なくなる涙と鼻水の勢い。
宮沢りえさん演じる双葉のように愛を知らない渇望を、他者に愛を注ぐことで満たせる人になれたらどんなに素敵だろう。
とにかく宮沢りえさんと杉咲花ちゃんに魅力される作
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

スティーブンスピルバーグ監督は何でこうも観客の心を掴むのが上手なんでしょう!
映像は革新的なのに、どこか懐かしさを感じる部分もあって、善は勝つ!完璧なエンターテイメント作品です。
映画やキャラのオマー
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

この映画を表現できる言葉は思い当たりません。感じてほしい映画。
耳から聞こえる言葉、目に見える表情、私達はそれらに頼りすぎるし、信じすぎている。
動物と暮らしているとよりそれに気づきます。
言葉はかわ
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

5.0

なんて何てパンク‼︎‼︎
ジョン・キャメロン・ミッチェルのやっとやっとの最新作にエルちゃん主演なんて素敵がすぎる。
そして何て愛おしい映画!とてもとても良かった!
万物は例えるならばマトリョーシカのよ
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

5.0

この面白さ想像のK点越えて来た!
脇の俳優さん達も面白い人ばかりで、台詞の掛け合いとか笑いも満載でした。
見る前は自己中妄想女子の話で共感できないだろうなと思ってましたが、ところがどっこい。
最後には
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.0

ビジュアルゴージャスミステリーエンターテイメント!

疑いようのない罪が野放しになったとき、それを裁く為の罪を犯すこと。
それをまた裁く権利がある者などいるのか。
ポアロが下した結論にスッキリした気持
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.5

確かに登場人物は偏った人達ばかりで、個々には共感度0パーセント。
でも盲目に何かを信じ過ぎたり、逆に信じられなくなったり、自己中心的な欲望や嫌悪は外面的には見せなくても誰もが持っている感情だと思う。
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

5.0

1989年制作の映画。
ものすごい衝撃を受ける映画、久しぶりに見た。
第二次大戦直後のロシアを舞台にした青春物語。
青春映画といっても、サイコな小さな恋のメロディとでもいいましょうか。。
戦争によって
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ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

4.5

南仏コートダジュールに建てられた「E.1027」と名付けられた海辺のヴィラ。
この建築物は世間からはル・コルビュジエの作品として知られていたが、実際はインテリアデザイナー、アイリーン・グレイがその恋人
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.5

この映画を見て、真実にはいったい何の意味があるのだろうという気持ちにさせられました。
かなり気持ちが混乱する映画です。
私はこれまで事実と真実について深く考えることなく、2つの言葉は漠然とイコールのイ
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小さいおうち(2013年製作の映画)

3.5

たまたま選んだ映画だったけど、この日に相応しい作品でした。

戦前、戦中、戦後という時代背景ですが、本作は山田洋次監督のいつものユーモアもある切ないラブストーリー。
昭和モダンの時代って良いなぁと思う
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

ジュリー役のエル・ファニングちゃんにメロメロ中の私には彼女を見るだけでも大満足の映画でした。
ドロシア、ジュリー、アビーと世代も異なる様々なコンプレックスを抱えた女性達を、マイク・ミルズ監督は素晴らし
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

女性の価値を美醜や年齢で判断するような男性への復讐の映画であり、女性自身も自分の価値をそれに捉われていると幸せになれないよと言われている気がしました。
男狩りをする女子高生ギャングは男に傷付けられた女
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.5

今回の作品、ビジュアルがいつも以上に好き。
奇妙なこどもたちの中の一人、無生物に命を吹き込めるイーノックと出会ったシーンのパペットの戦いとか良かったなぁ。
この映画の原作はランサム・リグズの「ハヤブサ
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アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(2016年製作の映画)

3.0

ミア・ワシコウスカちゃん見たさで行きました。
二作目は監督がティム・バートンじゃないのが残念。
今作はワンダーランドの友人マッド・ハッターを助ける為にタイムトラベルをするアリス。
勇敢に成長した彼女に
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.5

美しい女性のAI(人工知能)ロボット、エヴァと幸運にもAI開発に携わることになったプログラマーの男、ケイレブ。
2人の複雑な恋愛感情と心理戦を描いた作品。
人工知能の発展に警鐘を鳴らす映画の一つだけど
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

5.0

岩井俊二監督だからという偏見でストーリー内容も特に予習することなくみたこの作品。
直前で3時間も上映時間があると知ってたじろいだけど、そんな心配は全く必要なくてあっと言う間の時間でした。
岩井俊二らし
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.0

とても美しい愛の物語。
医学の進歩でトランスジェンダーは理解される時代になったけれど、その問題を抱えていた人は100年以上前から無論いたわけで、この映画を見てその頃に生きたトランスジェンダーの人達を思
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蜃気楼の舟(2015年製作の映画)

3.5

心象風景の映画であり、点である存在の物語でした。
父親が何者であるか知らず、母親の記憶さえも失いつつある、点としてしか存在しない主人公。
ホームレスもまた家族を失くし、社会からドロップアウトしてしまっ
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或る夜の電車(2014年製作の映画)

4.0

大晦日の渋谷を舞台にした男女6人の群像劇。『或る夜の電車』
渋谷という街は重なり合いぶつかり合いあんなに人が多いのに、生き物の個々の匂いが咽せるほど明確に感じ取れてなお、その一つ一つの粒子が混ざり合っ
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