Zhivagoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Zhivago

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チェリー2000(1986年製作の映画)

2.1

1986年に2017年の荒廃した未来を描く。奇しくも今を描いているのだが、美術ファッション時代感はまさに80年代のそれである。極論すれば、80年代という未来を観ているようだ。
未来を描くときそれは同時
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英国総督 最後の家(2017年製作の映画)

4.9

歴史的名作。まさかこんな高い星をつける作品とは思っていなかった。観るべき作品、観られるべき作品だ。
最近CSで遅ればせながらアッテンボローのカンジーを観てインド分離独立の勉強もしていたので、テーマもス
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ガンジー(1982年製作の映画)

4.6

やっと観れた。若いときにちゃんと観ておくべきだった。
ガンジー、ネルー、etc。歴史上の人物が出てくるが、どれも写真に似た役者を使っていて実在感がある。
インド独立分離の歴史は頭では分かっているが、肌
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脱走四万キロ/脱走4万キロ(1957年製作の映画)

2.8

実話というのが驚き。
執念がすごいというか、運が良いというか。

大反撃(1969年製作の映画)

2.8

第二次世界大戦ヨーロッパ戦線の戦闘が舞台だが、悲劇的な描き方でもあり、ベトナム戦争映画のようだ。
詩的な表現が多く、幻想的な映像も多く、なんだか奇妙な気分にさせる。自分的には苦手な部類の作品。
制作当
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スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

4.5

いやああ、面白い。むちゃくちゃ面白かった。素晴らしい、傑作でしょう、これは。
スターリニズムの暗黒とスターリン死後の政治闘争をフィクションを入れまくってコメディタッチで描くイギリス映画。
こういう映画
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ハンター(1980年製作の映画)

3.9

遂に観れた。子供の頃、地上波でやったのを見逃して依頼、35年以上観る機会を逸していた。
予想とかなり違ってた。
予告編のイメージは、悲しさを背負ったマックイーンのハードボイルドなアクション映画。
しか
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.5

予想を遥かに超えて良かった。
映画というコンテンツでこんなアプローチが残されていたんだと驚いた。
途中から悲しい結末を予想していたが、予想は裏切られ、見事なまでに皆がハッピーになった結末に関心した。
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祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.2

やっと観れた。溝口監督はやっぱり現代もの(同時代もの)が好きだ。時代ものにさえ同時代的なテーマを入れ込んでしまうようなリアリストなのだから、同時代もののほうが赤裸々にその本性が剥き出しになっていてその>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.8

私の映画鑑賞人生の原点の一つ。40年ほど前の中学生のときNHKの放映をVHSビデオに録って何度も観た。この作品無しで自分の映画鑑賞人生はない。そんな作品。今回4Kレストア版がみれるとのことで何十年かぶ>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.6

・是枝監督らしい写実的で行間の広い作り込みに加え、多岐に亘る社会的テーマを丁寧に織り込んでいて脚本の段階からテーマの折り込みをよく考えられているなという印象で、見応えあるというよりも「考えごたえ」のあ>>続きを読む

テキサスの五人の仲間(1965年製作の映画)

3.7

面白い。ヘンリーフォンダが貧乏なのにポーカーに身を費やすダメ亭主を演じる。彼にはちょっと珍しいタイプの役だけれどもむしろ彼の良さが発揮されていると思う。過信、無茶、不安、プライド、野心、etc。ヘンリ>>続きを読む

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.8

面白かった。スターウォーズ的西部劇として観た。西部劇として観ると面白い。テキサス独立ものとかに近いかもしれない。ガンファイトには思わず興奮してしまった。
レトロな作り。西部劇モチーフがふんだんに使われ
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ガザの美容室(2015年製作の映画)

4.7

予想外に良かった。パレスチナ映画。パレスチナというと戦争とか難民のイメージしかなかった。しかし当たり前だけれども、そこには生活、恋愛、結婚 、男女の諍い、姑の存在、いろいろあるんですね。
観た後、ガザ
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手錠のまゝの脱獄(1958年製作の映画)

3.8

リアリスティックな作りで私の好みのタイプの作品。
登場人物の間のそれぞれの心の通い具合がなかなか趣深い。エモいというか。
例えば、追う側の保安官、警官ボス、警察犬担当、追うためにかき集められたオッサン
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ハワイ(1965年製作の映画)

4.3

こんな映画があったのか。知らなかった。恐らく内容的に21世紀の今では作れないのではないか。

・史実に沿っているわけではないだろうが、ハワイ成り立ちの勉強のきっかけになる。
・エクソシストのメリン神父
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

4.7

予告編が桑田佳祐音楽でいかにもエンタメ寄り勧善懲悪かという不安があったが、意外と真面目実直に作っていて良かった。
映画には社会性と同時代性が大事だというのが私の基本なのです。そういう意味で日本人の描く
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.3

シアーシャローナンが素晴らしい。彼女が作品を支配している。彼女のための映画。彼女の演技が素晴らしいというよりは、彼女自身がレディーバードなのだ、という実在感がある。
でも、シアーシャローナンなら違う役
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マイ・ファニー・レディ(2014年製作の映画)

2.4

コメディとしてみると、回想手法をとっているのでリアリティがあるが故に笑いづらかった。

デッドプール2(2018年製作の映画)

3.3

面白かったです。
とあるSF要素が重要なモチーフを占めていますが、ちょっとSFモチーフを使いすぎなんではないか?というのが個人的な感想です。最後はそこまでやっちゃうか?と、やりすぎじゃないか?と。
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セクシー・サイン 好き好き好き(1960年製作の映画)

3.6

笑えた、ちょっと荒唐無稽なコメディ。笑ったし面白かった。
当時を知ることのできる資料価値あり。

・フランク永井の「好き好き好き」
・鉄道の車内で歌うフランク永井
・池袋西武の屋上のヘリポート、そこか
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或る終焉(2015年製作の映画)

4.2

驚きました。映画というコンテンツでこういうアプローチがあったのかと。とても新鮮な体験であった、
カンヌが脚本賞を与えたというのも納得。

草原の河(2015年製作の映画)

3.1

(演技素人を起用したフロリダプロジェクトで思い出したこの作品。同じように演技素人を起用した作品なので、岩波ホールで観た記憶が忘れないうちに)
チベット映画ということで、当然、絵がいい。そして女の子がい
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夏の嵐(1954年製作の映画)

4.1

巷間いわれるように正に、オペラ的要素とリアリズムの融合。映像・セリフ・音楽の新しい体験。「映画」という枠に収まらない別次元のマスターピース。
ヴィスコンティの多面性が見事に発揮されていて、「壮大なメロ
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.1

戦争の現実や悲惨さをリアルに描くものかと思っていたらちょっと違った。題材はイラク戦争だが、人間のスリルに対する反応、中毒、忌避などのサガを描いているものだと受け取った。

見始めたら終始スリリングで戦
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.6

これに脚本賞を贈ったニューヨーク批評家協会はやはりなかなか良いセンスをしています。
最初はレトロ趣味の美術音楽系の職人もので、ジイサンミーツガールを入れたところで、スリラーになったかと思ったらコメディ
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.6

騙された、まさかの面白さ、というか怖さ。
妹のいっちゃったような言動、気持ち悪い隣人。
特に最後のブランコシーン。なんですか、あれ。

シンプルメン(1992年製作の映画)

2.9

はぐれ者や流れ者に寄り添う目線。
まるで都会系の演歌、ムード系の歌謡を聴いているような感じ。
ある意味、とても日本的な感じがする。

サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-(2015年製作の映画)

4.0

これを観て思ったこと
・まず自分自身が経営に関与する身として、迷ったら正しい判断と言動をしようと心を新たにした。
・日本の機関投資家(バンカーも含む)こそが巨悪の構造のキーである。本来的に資本主義経済
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白い牙(1960年製作の映画)

3.6

五所監督つながりで忘れないうちに。
五所監督は向こう気の強いちょっとひねくれた人を描くのが上手い人だというのがよくわかります。
主人公、戦争を引きずる男、その他もろもろ、の現状に対するフラストレーショ
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煙突の見える場所(1953年製作の映画)

3.3

高峰秀子と芥川比呂志の描き方がいいです。高峰秀子が凄いだけかもしれませんが。
五所監督は気の強いちょっと癖のあるちょっとひねくれたような人間を描くのがうまい監督だという印象です。メインの夫婦が癖のない
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イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

3.0

つくづく社会主義的な唯物主義やリアリズムはSFと相性がよいなということを実感します。
不自由や制約が時として良作を生む土壌になるんだと思います。

惑星ソラリスと同じ原作者だそうです。言われてみればソ
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サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)

4.2

ヴィットリオタヴィアーニ監督、先月亡くなったんですか。オルミ監督は今月でしたし、イタリア映画の名匠が一人二人と減っていってしまうのは残念です。

戦争体験のおとぎ話。
むごい記憶を子供に話し聞かせると
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ハゲタカ(2009年製作の映画)

4.6

テレビ朝日でドラマ版を復活させるというニュースを聞いたら、そういえばこれを観ていたことを思い出した。
地上波ドラマは滅多にみない自分がドラマ版を含めて貪るように観た。
あまりにも脚本がすばらしい。勃興
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昼顔(1967年製作の映画)

3.4

私はコメディと受け取った。コメディとしてみれば面白い。
そう見るとドヌーブの気の抜けたような無表情がコメディアンがやる典型的な表情に見えてくる。
でもやっぱコメディならイギリスのほうが肌に合うなああ。

木靴の樹(1978年製作の映画)

4.7

私は、絵画はミレーが一番好きで、映画はリアリズム系(写実主義とか自然主義)が好きなのです。だからこの作品はどストライクなわけです。

ミレーの絵画の世界に飛び込んだかのような錯覚を覚えます。
ミレーの
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