ピーメさんの映画レビュー・感想・評価

ピーメ

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二十歳の恋(1962年製作の映画)

4.1

ドワネルものは何をしても愛おしい。
コンサートで何度もコレットを覗き込む描写が全てを語る。コレットの時々ネックレスを噛む仕草をマネよう。

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.2

自分の「正しい」を曲げない母親像はすぐ近くにいて、自分の好きな自分の呼び名も私に当てはまっていて、はやく独り立ちしたいし知らない世界を知りたいのに、保守的な態度をとってしまう家庭も、ある意味では箱入り>>続きを読む

WALKING MAN(2019年製作の映画)

3.1

チープだったけど、いかにチープに重みを生み出せるかがヒップホップだと感じた。

パリ13区(2021年製作の映画)

2.9

登場人物全員が苦手すぎて一周回って面白いかもしれない。すぐ繋がってすぐ切る、うわべの愛すぎて理解できない。モノクロで映るパリに甘えているひとたち。

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.6

モンゴルに対するイメージを一転させてくれる場面が多かった。カティアの家には好きなものがぶつかり合っていてカオスだったけど、そもそもカティアという人物のなかにはカオスが一つの要素に感じた。

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.6

澄んだ不安げな瞳、全力で走るその姿、何度も健気に繰り返すセリフ、それだけで高い評価に値する。自ら先生に発言するときは、人差し指を立てながらなのが愛おしすぎる。

希望のかなた(2017年製作の映画)

5.0

アキ・カウリスマキ万歳。
今まで主人公級の役者をこんなにも贅沢にひょっこりと使う。アキ・カウリスマキの作品を通して、無表情は最も豊かな感情表現だと知ったが、本作では「ポーカーフェイス」をも拝見。「コイ
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トラベラー(1974年製作の映画)

4.3

淡々と映しているのに最高にドキドキした。非日常に我が身を置くことで、素の好奇心や感性に出会うガッセムのトラベル。盗んだ50リアルを隠しきれたように、帰ったらきっと仲間たちにサッカーが観れたことを自慢し>>続きを読む

おやすみ(2019年製作の映画)

3.6

気弱なのにサッカーのこととなると熱くなるプリンス。

enough.(2020年製作の映画)

4.0

10代の頃に語った夢を見つめる、傷ついた眼。ヒップホップ文化の持つパワフルさが圧巻だったし、黒人の視点だけでなく、白人の視点も組み込まれていることから尚更その問題の複雑さが滲み出てくる。

地中海(2016年製作の映画)

3.5

地中海が舞台の時点で無条件にうっとりする。暗闇の中で海を照らす無数のライトが交差する場面がなんと美しいこと。

ダウンサイド・アップ(2016年製作の映画)

4.4

画面に映る全てにこだわりが詰まっているのを感じた。据え付けカメラの使い方が好きだった。個人的には天井が低く設定されていることが面白かった。

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.2

心地悪さを感じさせる騒音の入れ方が鮮烈。題名から容易に結末を想像できるが、その過程の描き方がとても密だった。ヤヤの最後のセリフが本質的に思った。

コレラ(2013年製作の映画)

3.9

最初から最後までさまざまなカメラワークを駆使したワンカットにひたすら感嘆。

アイリッシュ・グッバイ(2022年製作の映画)

4.0

小さい笑いを隙間隙間に挟むことで、一言では語りきれない作品になった。フォレスト・ガンプのピュアさを思い出す。

自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.9

イタリアにおける「神<自転車」の構図は滑稽だが、それが戦後不景気を生きる社会の生の姿。他人事、しかしバカ騒ぎ、まるでイタリアの強烈な太陽の恵みのようだ。

茶飲友達(2022年製作の映画)

3.4

イキイキとしたおばあちゃんになりたい。
ティーガールズクラブの間に決められたかのような「承知です」って言い方どうも引っかかる。

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版(1989年製作の映画)

3.6

ラブシーンを期待する大人たちにまぎれて、子どもながらに一丁前に銀幕にまなざしを向ける群像ショットが一番しみじみ!小さい箱(映画館)のなか、暗闇に包まれながら、「ここにいる人たち」で共に「今」を過ごす聖>>続きを読む

八月の鯨(1987年製作の映画)

3.5

月が海面を銀貨のように照らすなか、愛する人の写真を綺麗なフレームで飾り、ひっそりとキャンドルを焚き、一杯だけのワインを傍らに昔話を語る老後はさぞかし贅沢な営み。

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.3

レオが暗闇の中で左目だけを涙で光らせて走るシーンがとてもよかったけど、消化しきれない。

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.9

生の喜び、存在することの幸い、真っ赤な嘘もついてみたい。寂しげな眼差しを向けるのは決して肯定的にはとらえていない歴史の様々と退廃的だが機能的な街並み。マリオンが現れるときに2度だけ世界が鮮やかに煌めく>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

人の日常と人の日常を影のように重ね合わせたら、それは非日常であり、そのときの一瞬しかない。いつも見慣れた景色が近未来に見えたり、「揺れ」を噛み締められたり、世界はいつもただそこにいるだけで、どうまなざ>>続きを読む

Bico(2004年製作の映画)

3.9

犬の吠え声に始まり、犬の吠え声で終わる。

北極星(2022年製作の映画)

4.0

エッセイたるものを感じれる。新しいピュアで美しい命の誕生は紛れもなく彼女のターニングポイントであったが、ピンク色に染まった吐露部分も極めてエッセンシャルだった。定点カメラ的な撮影の仕方が一番彼女とその>>続きを読む

おもちゃの国(2007年製作の映画)

3.7

手を使った演出がテクニカルだった。おじいちゃんになったデビットはあの時のことをどう思ってるんだろう。

デソレーション(2020年製作の映画)

4.2

「人間は長い歴史の中で大半を自然で過ごしていた。」毎日変化する自然の美しさに包まれているなか、自分の些細な変化とも向き合う。ジムにとってはきっと一年のなかの季節は四つにはとどまらないだろう。

アース・ママ(2023年製作の映画)

3.8

万引きの緊張感を作り出すために、臨場感溢れるスピーディーなモンタージュではなく、ワンカットで撮り終えたところがお気に入り。トリップしてる時の陶酔や恍惚を視覚化できたのも16mmのフィルムならではの美し>>続きを読む

セーフティ(2019年製作の映画)

3.4

扉の開け閉めを、眼に映る光の色で表現する演出がテクニカルだった。

女と犬(1991年製作の映画)

3.4

会話から2人の関係性を探り、2人を知れた。フランス映画に登場するセリフは哲学的で詩的なものが実に多い。

夏休み(2023年製作の映画)

4.5

偶然やなりゆき、さらにはハプニングこそが旅の醍醐味である。

ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)

4.3

扉の向こうのファトミルだったり、電話の相手だったり、全てを明らかにしないことの美しさを備えている。すでに眉間に刻み込まれているシワも、遠い目でタバコを吹かすのも、熟した女性にしか出せない色気がある。

はじまりの街(2016年製作の映画)

4.4

久しぶりにサッカー観戦ができたときのヴァレリオの笑顔が最高に美しかったし、グレープフルーツのようにジューシーで苦酸っぱい初恋に対する表情も繊細だった。長いまつげに覆われる蒼灰色の瞳が寂しさを垣間見せた>>続きを読む

アイス・ボール(2019年製作の映画)

3.8

機械を共わない人間の営みってこんなにもロマンが詰まっている。まさに「なんだか歴史の一部に触れている感じだよ」。

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