Oさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.1

誰もが羨む暮らしを手に入れ、満たされた生活。自分は幸せだと思っていた。所々に潜む孤独と息苦しさ。その乾きは鋭利なものを飲み込むことで多幸感を得る。異食症。あまり聞きなれないけど、精神的な病も同時に抱え>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.7

心温まる。優しく寄り添う語り口。子供が自分の感情に向き合い前向きに生きる方法を真摯に語りかける。

大人は完璧じゃないし大人になっても出来ないことは多い。悩みのない普通の生活はありえないと改めて教えて
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緑の光線(1986年製作の映画)

4.1

緑の光線を見ると自分と人の心が読める。ご婦人方の話。
人は何かを求めている。一人は孤独で淋しい。
誰かと出会うか思い出に生きるか。王子様を待つか行動するか。などとお節介な友人。人との出会いを求めて出掛
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.7

彼らにとってスケートボードはそれぞれが抱えた心の痛みを癒したり一瞬でも忘れさせてくれるものなような気がした。貧困、家庭内暴力など幼少期に受けた影響は大人になっても続いていく。どうか彼らに少しでも明るい>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.0

「僕の病は物が見えすぎることだ」一人の若者の死と生を見つめる。本国フランスでは18歳未満の鑑賞が禁じられたほどの絶望的な内容。深刻な社会不安、環境危機に違和感を抱くも解決しない。生きていても死んでも変>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.3

怒り、ただただ怒り。それに対して立ち上がる主人公。怖いものなしな所がめちゃくちゃ爽快。これだから男は女はと言われる。でも同じ手段に引っかかる。前途有望だった彼女たちの人生。用意周到で完璧な復讐劇。スカ>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.1

未成年の望まぬ妊娠と中絶。 
親の同意が必要なく中絶出来るNYに向かうバスの中での不安や焦燥感。新鮮に見える景色が寂しい。
男性たちの性的搾取に吐き気。従姉妹が一緒にいてくれたことがまだ救いか。
淡々
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.1

特別なことはない、いつもの日常、私たちの話。
学生時代から仲が良かった友達。働き始めるとそれぞれ環境が異なり考え方も変わり徐々にすれ違っていく。やりたいことが思うようにいかない。何者にもなれず居場所の
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.3

「嘆く前に行動したら?」都会と田舎の対立。進歩と発展。地方の活性化とは。ロメールって社会的なことも題材にするんだなと。女性二人が環境と科学を討論するシーンがとても良い。子供が一番説得力がある。

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.2

何があろうと夜は必ず明ける。4つの奇妙な出来事。ぼーっとしてたら見過ごしそうな。結局何が言いたいのか分からない最後の4000フランってどういう意図なんだろうとか。そこがまた良いのだが。おしゃべりな女の>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

3.3

二人の妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす。主人公は一度見たら忘れない個性派。楽しそうだけどちょっと奇妙なダンス。インテリアがおしゃれ。みんな勝手だなあ。

パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.9

予期せぬ形で人と人が交差していく。思わず感心してしまう。どこか掴めない魅力的な女性たち。エリック・ロメールの美学を随所に感じられる。
はっとしたのが、さっきの場所にいた時と考えが変わるということ。人の
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美しき結婚(1981年製作の映画)

3.5

結婚すると決意し、何でもかんでも最終的には結婚しますから。と言って辞めてしまう女。
結婚することしか考えてない主人公の言動の怖さよ。
男女が結婚することの力関係について、どちらか働く方に依存することに
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.3

人は必ず何かを考えてしまう。片思いの青年の恋の顛末。延々と続く会話。
一人にしてって言ったり帰らないでって言ったりどうしてほしいのか分からなくてもやもやする。金魚に餌をやるシーンで手にフォーカス当たる
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

「つながるのは簡単なのに、愛し合うのはむずかしい」
セックス描写が多い。人が普段見せない部分を見る。という多角的な見方。マンネリしそうな内容に関わらずテンポよく進むのはパリ13区というだけで漂うセンス
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アネット(2021年製作の映画)

2.0

愛と破滅と喪失。誰も理解出来ない世界観。
全編ミュージカル。アダム・ドライバーが歌上手くないのがいい味になってる気がする。アダム・ドライバーがアダム・ドライバーじゃないみたい。これはある意味すごい。
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絶壁の彼方に(1950年製作の映画)

3.6

何も知らずに巻き込まれた人たちが悲惨。
逃走劇が凄いわりに追われてる感があまりないような。公開手術シーンが忘れられないぐらい強烈。この時代の作品、え?っていう終わり方が良い。

曳き船(1941年製作の映画)

3.6

見事な会話劇。夫婦のことは他人には分からない。都合が良すぎる。

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

不気味で希望がない。でも知らないことやまだ見たことがないものに好奇心が湧く。さすが、ギレルモ・デル・トロ節炸裂。
哀れな詐欺師の末路はしょうがないのかなという気持ちになれたけど、酷い目に遭った人たちの
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たちあがる女(2018年製作の映画)

3.3

アイスランドの田舎町。自然環境保護と母親になりたい気持ちと瞑想。彼女のたくましさは清々しい。ドラマ、サスペンス、アクションであるこの作品。民謡のような音楽がシュールで不思議な後味。

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.4

一番大切なのは人間。観る人の感性が試される、めちゃくちゃかっこよくて素晴らしいライブ映画。
様々な人種性別国籍で構成されたデヴィッド・バーンと11人が織りなす最高のエンターテイメント。視覚的な喜びと驚
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

認知症の父親の視点とはこういうことなのか。何度も場面が切り替わり同じ場面を繰り返す。代わる代わる登場人物。頭が混乱する。孤独や居た堪れなさ、どちらの気持ちにも寄り添っていてゾッとするぐらい迫真の演技。>>続きを読む

それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

母親が病気で長くないと分かると展開が手に取るように分かってしまって。それでもユン・ヨジョン、イ・ビョンホン、パク・ジョンミンはさすが。でも今回はパク・ジョンミンが凄すぎた。

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

誰にでも困った時には側にいてくれるシム・ウンギョンみたいな友達がいたら良いのになと思う。

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.7

音と記憶、唯一無二の映像体験。
この世の美しいことや悲しいことに共感出来なくなる。
何てことないシーンやセリフに心地良さと真髄を感じる。
静止画のようなカメラワーク。アピチャッポンらしい神秘的な生命体
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愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.5

ニコール・キッドマンがルーシーにしか見えない。すごい。
夫婦の危機を救って。条件は夫を夫役にすること。思うようにいかない時の必死さが周りから見たらこんなにゾッとするものなんだと、怖くなる。
裏では慌た
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.4

さすが、北欧暮らしの道具店が企画、制作する映画。ダサいものは一切出てこないし、衣食住が整ってるのは居心地の良さに繋がるよなあとか。

センスが良い有名な母親と比較される娘は何をやってもしっくりこない。
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.5

始まりは休日だった。予測不可能な場面展開。
ウェス・アンダーソンの世界観とお馴染みの豪華な俳優陣が勢揃いなんだから良くないわけがない。(シャラメがめでたくウェスファミリーに加わったのは喜び)しかしなが
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.6

1987年イギリスの田舎町に暮らすパキスタン移民の少年。保守的な親と閉鎖的な町で平然と行われる人種差別。窮屈な日常を一瞬にして変えてくれたのはブルース・スプリングスティーンの音楽。

これだと思うもの
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ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.3

あなたと出会って私は本当の私を知った。
何でもない瞬間がとても美しいのだなと思う場面が沢山あった。娘の粋な計らいに涙。

あまり描かれることが少なかった中年女性たちの恋愛と2つの国を祖国に持つマイノリ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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弟の妻とその息子に冷たい兄。その真意は。
孤独がゆえに招いた末路。
後半からの展開が怒涛で全て計画的だったのか、こうなる運命だったのか。
淡々とエンディングを迎える所が恐ろしい。

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.1

ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェといえば「新しき世界」以来の再会。

正気の沙汰ではない狂気。ここまでやる必要あるのか?って台詞でも出てきたけど。

暴走する暗殺者。お前に関係あるやつは全員殺す。バ
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

3.7

とにかくかっこいいし、センスがすごい。
武士道に沿って計画を遂行していく主人公。
シチュエーションがあり得なくて笑える。変な場面で鐘がなるの良い。「本を貸すから感想を聞かせてくれ」も良い。言葉は通じな
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

3.5

ジェーン・オースティンによる作品。18世紀末、イギリスの中流社会を舞台にして、女性の私生活や結婚について皮肉と愛情を持って描く。
世界観が好き。目に映るもの全てが可愛い。

自分は自分を正しく評価出来
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

美しい映像に癒される。しかしながら美しさゆえの怖さもある。どんなドロドロ修羅場劇かと思えば、女性たちが助け合って生きていく様がとても良かった。

言葉数は少ないが、人々の生活する上での仕草や音が丁寧に
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