こーたさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

ミナリってセリなんですね。セリ鍋が食べたくなる。
おばあちゃん役を演じるヨンジョユンの名演が光る。前半は文字も読めず、賭博が好きなクレイジーおばあちゃんだが、孫に優しい姿はどこか憎めない。そして後半は
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

孤独を抱えて生きる元風俗嬢のちひろさんと街で出会う人々との日常を描いた作品。そう、この作品はあくまで日常なんだよな…。
キャラクターとしてのちひろさんの魅力がいまいち伝わらなかった印象。ある意味彼女の
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八日目の蝉(2011年製作の映画)

3.8

果たして少女は幸せだったのか?視聴者にどう思うか問われている気がした。キワコがやったことは許されないこととは言え、目一杯愛情を注ぐ姿はまさに母親だった。少なくとも4歳までの時点では少女は幸せだった様に>>続きを読む

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期(2020年製作の映画)

4.1

晩年のマイケルを描いた最終章。父ビトの後を追うように、ドンを従え栄華を誇るマイケル。本作では今まで見せてこなかった彼の人間性が露わになっており、身体・精神共にボロボロな彼を死神がさらに追い詰めていく。>>続きを読む

恋愛小説家(1997年製作の映画)

4.0

3人の人生の変化と、その結果が起こす人生の楽しさをテーマにした作品。何歳からでも、苦しくても人生は好転する可能性がある。
まずはメルヴィン。強迫神経症を患い偏屈で嫌われる初老男性が、犬の面倒を見たり、
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ラッシュアワー(1998年製作の映画)

3.9

王道的なアクション映画。なんでだろう。最初からある程度結末が読めるのにたまに無性に観たくなるこういう映画。
型破りで予想天外な行動をするタッカーと伝統を重んじ真面目で確かな実力を持つリー。正反対&FB
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

親子にとって大事なのは血縁じゃない、愛情だ。シンプルなんだけどもその本質がストーリーに力強く落とし込まれていた。
3人の父親と2人の母親という、普通ならあり得ない境遇。リカはみぃたんが寂しくないように
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.2

激動の人生を逞しく生きるスカーレットの半生を描いた名作。足元にある愛を求めながらもずっと遠くを見て気付かないスカーレットと、自分を愛してくれる人を求めて彷徨うレット。2人のすれ違いが後半は一気に加速し>>続きを読む

セブンティーン・アゲイン(2009年製作の映画)

4.0

守護霊によってどん底の37歳から人生のピークだった17歳へ。タイムスリップかと思ったら本人が若返るのね笑
大人の精神のまま子供に戻るので、妙に大人びていたり、ファッションダサかったり子供がろくでもな
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

脚本・演出ともに庵野節を感じる映画だった。冒頭予想以上のグロ演出でなるほどぉとなり、科学的に仮面ライダーの仕組みを解説されるのも新鮮。シン・シリーズに関してディテールに拘るのは庵野監督ならでは。好き嫌>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.2

名門学校の優等生たちがロックの世界に飛び込む。普通に生きていたら出会わなそうな相反する組み合わせが面白い。音楽ももちろん良いが、個性的なデューイと癖の強い学生たのキャラクターの掛け合いもナイスコメディ>>続きを読む

アラバマ物語(1962年製作の映画)

4.0

正義って何なのか?純粋な子供の感性で見ると正しい方が勝つとは限らない世の中の方が滑稽に映る。
所謂昨今の人種差別をテーマにした映画の多くは裁判で最後に黒人側が勝利する印象があるが、本作では見事な弁論に
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

4.0

世界大恐慌を背景に力強く1930年代を生き抜いた、他でもない一般市民を描いた作品。
当時であればオクラホマからカルフォルニアまでの道のりも命懸け。先祖代々の土地を捨て、家族で大移動も老人たちから死んで
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.3

主人公チャーリーは盲目の退役軍人フランクの娘夫婦が旅行の間、彼の面倒を見ることに。偏屈な彼の態度と相性最悪っぽいにも関わらず、彼の計画でNY同行することになる。ファーストクラスに豪華ホテル、ディナーと>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

若かりし頃、青春の中心には佐々木がいた。たぶん、誰でも学生時代にそんなヒーローがいたのかもしれない。
佐々木はみんなのヒーローであり、親友たちの心にも棘の様に刺さる存在でもあった。だが他ならぬ彼の死に
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.9

主人公たちの世界が低所得層だと、世間一般的な普通の人たち(NYに行った子とかミカの彼氏とか)がやけに滑稽に見えるのはなぜだろう。他ならぬ彼らの目線で見上げているからだと思うが、やはり無難に生きている人>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

まさに熱量、熱量を感じるアニメーションだった。ジャズは熱くて激しい。漫画から飛び出して作曲をしてくれたことに感謝。
自分はなぜかSUPREMEから原作を読んだ派なので仙台編東京編は読んでいないが、普通
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東京物語(1953年製作の映画)

4.4

戦後復興した日本で、家族の在り方が変わっていくことを感じさせるストーリー。田舎から出てきた息子たちと、久しぶりに上京したのに厄介がられる両親。現代でも大いにあるだろうし、今なお共感でき現代社会で普遍的>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

50年以上前の作品とは思えない圧倒的ビジュアル映画。長時間露光などCGもない時代にローテクで撮影した努力の結晶、という感じです。キューブリック監督ということもありもうホラーなんじゃないかという様なHA>>続きを読む

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.3

戦争が善人を人殺しに変えてしまうのか、はたまた人間の本性は悪なのか。そう感じてしまうほど、次々と倒れるユダヤ人たちを観るのが心苦しく息が詰まる。
シンドラーは実際荒れくれものだったらしいけども、根は善
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.1

サイレント映画からトーキー映画に移り行く時代を舞台に二人の男女が出会い踊る。
ザ・ミュージカルコメディという感じでこれでもかってくらい歌って踊る。終始喜劇。
トーキー映画への移り変わりがリアルで、マイ
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羅生門(1950年製作の映画)

4.2

人間の醜悪さを鋭く恐ろしく描いた名作。
登場人物はみな嘘をつく。それは保身のため、プライドのため、家族を守るため、つまるところは自分のため。死人ですらプライドを守るのはもはや喜劇。
豹変する女の高笑い
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.1

美しく雄大な砂漠で独り戦い抜いた男の実話。
ロレンスは砂漠でちっぽけなイギリス人としてはじまり、現地人の気持ち・目線になることでアラブ人の心をどんどん掴んでいった。考古学者ならではの人選はある意味当た
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.1

所謂戦争映画では若者たちが無惨に散っていく様や悲惨な絶望が描かれるが、本作は戦争に至るまでの兵士のプロセスを丁寧に描いていると感じた。
普通の市民が頭を刈って数週間で立派な殺戮者になる。そのために軍隊
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.6

どんな状況でも人生捨てたもんじゃないと教えてくれる義務教育映画。
ジョージはひたすら苦渋を舐めさせられる。大望を抱きながらも自分の義務のために街を離れられず、友人たちが街を出て成功するのを眺める人生。
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.9

名作の裏にはドラマがある。映画史に残る傑作、市民ケーンの脚本家・マンキーウィッツを主人公に彼の半生と作品の裏側を再現した作品。
ケーンのモデルにもなった新聞王ハーストを筆頭に当時のマンキーウィッツの人
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.1

前作に比べると任侠物というよりはイカれたヤクザとの対決感が拭えないが、より現代に近いという意味では逆にリアルなのかもしれない。あそこまでネジがぶっ飛んでないと敵になり得ないのだ。
今回は大上の意志を受
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市民ケーン(1941年製作の映画)

4.1

主演・脚本・監督を全てこなし、若くして映画史に残る名作を残したオーソンウェルズの処女作にして最高傑作。
ストーリーはとてもシンプルで分かりやすく、そして詩的。観た人は思わずバラのつぼみってなんだったん
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.1

恥ずかしながらアニメでしか観れてないので全国大会は観れてなかったのだけど、さすがに面白かった。何でリョータにこんなフォーカスしたのかは疑問だが、映画の尺だからこそ人物背景描きこみたかったのかな。敵側も>>続きを読む

カサブランカ(1942年製作の映画)

4.3

第2次世界大戦の最中、アメリカ亡命のための中継地点に使われるカサブランカを舞台にしたラブストーリー。
主人公リックがキャラクターとして完璧すぎた。過去の恋愛がカサブランカで再燃し、めちゃいい感じやんと
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

開幕から、目を逸らしたいけど観なければという気持ちにさせられる作品だった。
カタギに手を掛ける境界線を破ったヤクザを挙げるために、凄まじい執念で追い詰めていく敏腕刑事。手段を選ばない彼の捜査は暴力団を
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ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

3.9

パパもママも、息子も娘もバーのイケメン男もベビーシッターも、みんな相手のことを馬鹿になるほど愛している。圧倒的に原題の方がしっくりくる。一番好きなのは息子の唐突なアプローチの数々で、大人になってから馬>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.9

警察官の過去を持つ主人公が、像牙売買に関わるヤクザに潜入捜査官として潜り込む。
徐々に兼高の正体がバレそうになる緊迫感と、蓋を開けたらみんな裏切り者というヤクザもののど定番展開を一周上回ってくる感じは
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.8

過去の自分と共闘して諸悪の根源を打ち砕くSFアクション。大人アダムと少年アダムの成長ストーリーでもある。
テクノロジーの進歩に対して人間の倫理観が追いつかない展開はありがちだけど、2050年には時間旅
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.1

冒頭の爆破から一気に引き込まれた。前半は作戦を遂行する悪グル集団を嫌々率いているキートンが中心。後半は謎の大黒幕カイザーの正体を巡る展開に。
冒頭からみんな騙される。キートンへのミスディレクションが素
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.2

個人的にはpart2の方が好きです。
すっかりとマフィアのボスらしくなったマイケル。一見冷静に物事に対処している様に見えるが時折声を荒げて崩す描写もあり、彼の若さもしっかりと描かれている。しかしやはり
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