こーたさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

コーチ・カーター(2005年製作の映画)

4.0

アメリカの高校バスケってどかどかアリウープ決まっててやっぱ迫力あるなあ。

コーチ・カーターは試合での勝利よりも大切なことを学生たちに教えた。学業との両立って真っ当な大人からしたら当たり前だけど、当の
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.9

新撰組鬼の副長、土方歳三の物語。
近藤勇は大局を見ている様に見える一方で、土方は終始集団としての新撰組の「形」を重んじていた様に見える。それは彼にとっての忠義であったし、何より仲間として大切な居場所を
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.2

妻に先立たれ、朝鮮戦争で背負った十字架を背負いながら孤独に生きる老年頑固親父をクリントイーストウッドが演じる。
懺悔のシーンは印象的で、ほんとにそれだけ?と神父さんも視聴者も拍子抜けしてしまう。人の業
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.1

夜な夜な暴力の元他人を支配することに快感を覚えるイカれた青年が、政府のおもちゃにされる話。操られる彼がひどく滑稽に映る。
賢いキャラだと思っていたので、どこまでが演技なのかと思ったらしっかり一時的に治
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.9

マリコはなにも悪くなかった。すべては周りの人が自分の弱さをマリコに幼い頃から押し付けたから、感覚が壊れたマリコが出来上がってしまった。遺骨が舞うシーンは衝撃的で象徴的。マリコはずっと無力で、トモヨに依>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

ダニエルクレイヴ版のAnd then there were noneって感じでした。世界一の名探偵が孤島で起こる殺人事件の真相を暴く。
時系列の使い方が巧くてつい見入ってしまう。個人的には前作の方がミ
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

年末年始に原作を読み耽ったので鑑賞。まあひどいですね笑
監督が翻訳版しか読んでないせいか、取捨選択が中途半端で大事なものが色々と失われており、原作へのリスペクトは感じられなかったです。敢えて他の村上
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キネマの神様(2021年製作の映画)

4.0

人間を人間たらしめるのは、夢なんだなあと思わされる脚本でした。若き日の夢、そのとき掴みかけた夢は、例えそのときは諦めてしまっても生きている限りまた挑戦できるんだよって。
演出面ではちゃんと当時の言い回
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

序盤から飛ばす構成なので、こういう映画なのかと腹落ちするのにやや置いていかれた。
震災というデリケートな題材に挑んだのは賞賛すべき一方で、やはり東北の当事者としては特に宮城の描写は中途半端に震災ネタを
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スクール・フォー・グッド・アンド・イービル(2022年製作の映画)

4.0

御伽話である白雪姫をド派手にパロディ。
善と悪の二項対立で語られがちな物語を、それってそもそもどうなの?と良い意味で裏切られる感じが新鮮です。
友情に勝る愛はない。それも確かにそうかもしれない。この世
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エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

4.0

エノーラがカメラ目線で語りかける演出はこの作品だからこそ面白い。彼女がシャーロックに劣らず自分が主人公なのだと主張する強気な一方で、どこか抜けている一面もある姿は妹の様に愛らしく感じさせる。
本作は兄
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

小津監督作品を観たさに鑑賞。
この時代の作品を観るとつい現代と比べたくなる。セリフの間の取り方や受け答え、やり取りが良くも悪くも芝居じみているのはこの時代の演技指導のためなのか、本当にこんな感じの喋り
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

3.8

疲れたときって大泉洋観たくなるよね。なんでだろう。
筋ジストロフィー患者一名に対してこんなにも多くのボランティア達がサポートしていたのか。他人のために自己を犠牲にできる彼らのエネルギーがすごい。難病に
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地獄の花園(2021年製作の映画)

4.0

個人的にはめちゃいいと思いますさすがバカリズム脚本。もしも会社員に学園モノの様なヤンキー派閥があったら?しかもそれがレディースなら?って設定がまず面白いので、永野芽郁がどれだけへなちょこパンチでも大目>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

マフィアの生き様云々よりも、かっこいい漢のイメージを形成した作品感が強い。本作ではまさにドンがその役割を果たしていて、義理人情に優しく賢い。何よりもファミリーを大事にしていて、麻薬という一線を超えなか>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.9

何にも考えずに観れるSFとしては満足。
地球の中心に空洞があって樹々が生い茂り生態系があるのはめちゃくちゃSFだけども、夢はあるなあという。
メカゴジラはたしかに単体作品では弱いからついでに出したんだ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

人の感情ってほんと天気の様に予想できない。恋愛はまさにその筆頭だけど、キャリアもそうかもしれない。最終的にユリヤがカメラマンに戻っているのを観て、直感って成熟されるものだなあと思った。
年の差婚に限ら
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

東京には階層があって、違う階層の人とは出会わないようになっている。これはパワーワードだなあ。田舎から上京している人と東京で既に土台があって裕福に生まれ育った人とは本質的に違う。田舎者としてはこれもすご>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.8

恋は盲目とはよく言ったもので、これはそんな愛を知る前、20代後半のテルコと愉快な仲間たちのお話。みんな愛を持って生きてくれえ。
マモルの気持ちも男としては分かるってポイントはあった。頼んでいない掃除や
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.9

ひたすら戦争の虚しさ、人間の愚かさをリアルに描いている。たった数百メートルの陣地を奪うために何百万人が犠牲になる。共産主義のようにプロパガンダで若者を洗脳して、能のない人が権力者になる可能性がある社会>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.8

12分セリフなし、アニメーションと音楽、SEのみでここまで引き込むのはさすがアカデミー賞。
最悪な雰囲気の夫婦からはじまり、戸棚から落ちたサッカーボールが流した音楽が記憶を蘇らせる。楽しい日々の想い出
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ANIMA(2019年製作の映画)

3.8

電車に揺られる労働者たちはみな眠っているように意志を感じられないが、同じ行動をする。その姿はまさにディストピアの世界観を感じさせた。主人公はその中で一人目覚めたかのように行動を始め、ランチボックスと気>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

花束みたいな恋=たくさんの花のような想い出もやがては枯れてしまうって意味か?などと考えていた。
ストーリーはわりと王道。日本の場合は特に、大学生時代の恋が淡い青春として描かれて、社会人で環境変わって別
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コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

3.8

人はコーヒーが冷めるまでの短い時間でも、心を通わせることができる。起きたことは変わらなくても、人の心は変えられる。小さな喫茶店の中にも、人の数だけドラマがある。幼なじみ同士の恋愛からはじまり、夫婦、姉>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

2分前に戻る、不思議なテレビを舞台に繰り広げられるドタバタ劇場。
アイデアひとつで脚本がここまで面白くなるもんだなあ。タイムテレビって拡がりのある設定がうまく練れれば低予算でも面白い映画は撮れるんだと
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.0

なかなか強烈なストーリー。まさに目的のためなら手段を選ばないサイコパスカメラマン。途中から報酬のためというよりも、本当に人の破滅を撮るのが生きがいになっているようにも感じた。おそらく本当に人が嫌いだっ>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.1

誰が観ても強力なインパクトのある作品ではあるだろうな…。しかしメッセージが明確な分、黒人vs白人の二項対立は現代でもここまで痛烈に描かれなければならないのが悲しい。まあ人種差別に関わらず、皮肉な因果応>>続きを読む

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.9

一匹のネコとの出会いが青年の人生を変える。薬漬けでどん底の人生。這い上がるきっかけは必ずしも人間同士とは限らないんだな。
随所にボブの名演が光った。ご本人というのもすごいけど、撮影大変だろうに…。カメ
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.2

ひとりのおとこが辿る、盛者必衰の物語。ヤクザとして生き、どれだけ周りが変わっても義理人情の心は染み付いていた。
ヤクザといえど、誇りを持って生きる男はいつの時代もかっこいい。令和のこの時代においては眩
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

こんな伏線回収ホラーサスペンスもめずらしい。新感覚だった。
60年代のロンドン、よいですね。最初は華やかな一面を魅せつつ、徐々に負の面を見せ始めて急展開。夢から悪夢へ。サンディの後を追うように追体験す
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きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

3.8

訳あり青年と視覚障害を持つ女性の大恋愛。視覚障害の方の日常に一気に目を奪われてしまう。常に危険と隣り合わせで、相手の表情を読めないハードルを乗り越えて生きなければならない。本作は不運な事故に見舞われな>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この尺の中で、ある兄弟を通じた憎しみ・復讐の連鎖とその結末をしっかりと描いている。 印象的なのはいずれも死をもってバッドエンドになっていること。弱者目線でフランスでの暴動を描いた作品の様に見えるが、復>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

思春期あるあるてんこ盛り。貧困家庭の様に描かれているけども、実際は中流家庭の下くらいかなって暮らしぶりなので、割とどこにでもある様な家庭だなと感じた。狭い価値観を持つ親元を抜け出して、都会に飛び出した>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

うん。何も考えずに観れますね。
名乗るほどでもなくめちゃ強いおっちゃんって設定がアツい。冒頭はドントブリーズの逆版かな?とか思って笑ってた。強くてやさしいおじいちゃんは推せます。

18歳の"やっちまえ"リスト(2020年製作の映画)

3.9

人生においてやりたいことをやるのはわがままか?それとも親や教師による抑圧か?特にその縛りを受けやすいティーンネイジャーの葛藤を描いている。既存の制度は親から子へ、親から子へと価値観が押し付けられてしま>>続きを読む

ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)

4.0

ジェイクギレンホールとアンハサウェイのコンビってラブコメとして強すぎる。
若くしてパーキンソン病を患いながらも、自立した女性として生きるマギーがしっかりヒロインしていた。愛して支える決断をする側も、そ
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