武庫川さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.8

描写が凄い。中世北欧が舞台の、ファンタジーじみてるが実際はファンタジーではなく現実的な物語。ずっとじめじめ暗く泥臭く、話自体もひたすらハードで、すっきりするものが何もないと言って良い。たまにやたら大仰>>続きを読む

ロスト・ボディ ~消失~(2020年製作の映画)

3.6

あれ、なんか変だしもしかして……という意識は捨てて、ありのままを観た方が衝撃を楽しめそうな作品。映像も凝ってるし、細かい部分まで意外とちゃんと作ってあるので、集中して観ると良さげ。まあ前半は何をチンタ>>続きを読む

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.7

終盤に差し掛かろうかというあたりまでは物凄く良かった。ちょいちょい嫌な描写を挟みながらずっと不穏、畳みかけへの期待が大きかった。多分観た人みんなそうだと思うけど、ループから来るのは予測してなかったし、>>続きを読む

黒の怨(うらみ)(2003年製作の映画)

3.3

ホラーのセオリー通りで良い感じ。歯の妖精は得体が知れなさ過ぎ、いつ出てくるのかわからないのが良い(けど大体出てくるのがわかっちゃう親切展開)。グロさもなくそんなに怖くもなくでパニックホラー的な要素が強>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.4

フローレンス・ピューは目を引くし、オールディーズをBGMにしたギャップを伴う異様な世界観も期待を煽った。前半で組み立てた謎に対する中盤以降の回収パート、その意外性が足らなかった。もうちょいなんかこう…>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.3

原作未読。綾瀬はるかがかっこよくリボルバーをぶっ放すのを楽しむ映画。600ページのしっかりした原作小説の片鱗は見えるが、長い割には粗が目立つ。唐突だったり何なのかわからないままだったりするんで、肝心な>>続きを読む

セーラ 少女のめざめ/セーラ 少女覚醒(2014年製作の映画)

3.0

テーマというか、暗喩している内容はとても良いと思う。それはそれで、もっと真っ当なホラーかと思っていたがそんなことは全くなく結構ぶっ飛んでた。痛々しい場面は多く、その場面をこなしていく主人公の体の張り様>>続きを読む

N号棟(2021年製作の映画)

2.8

面白くないという程ではない、不気味な舞台での不条理ホラー、中盤あたりまではなかなかキモい。それは良いんだけど、特に主人公の行動がバラバラで、どこに向かってるのかわからず感情移入もし難い、言ってることも>>続きを読む

運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.8

こういう構成好き。最初に見えてた景色やキャラの印象がどんどん変わっていく様はとても楽しい。場面場面が繋がっていくところは、少しゲームの「街」みたいだなと思ってた。締め方含めてもう少し爽快感が欲しかった>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

ソツがないと言えばそうなんだが、そのレベルが高過ぎる。シリアスになりかけるところで必ず入るミスマッチなBGM、笑いとクールがバランス良く割り振られた各キャラの見せ場、敢えて言うならキャラが多過ぎるくら>>続きを読む

アンノウン: 宇宙の起源に迫る、究極の望遠鏡(2023年製作の映画)

3.7

ウェッブ望遠鏡のドキュメンタリー、長くはない時間だけど、引っ張って引っ張って最後に出してくる写真はとても現実とは思えない。ちょうど三体を読み終わったところなので、リンクするものがあって何かを受信してし>>続きを読む

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.2

3の前に。勿論他のシリーズを観てる前提にはなるが、素晴らしいサイドストーリー。何故かわからんが、こういう半ネタにケヴィン・ベーコンがこんなにハマるのも凄い。小ネタもいろいろ効いててただ楽しいし、好き放>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

刺激的なテーマに対して、起伏の少なく意外とまったりした展開、それが効いてくる終盤、是枝作品を観たことがあれば、期待通りではないかな。ソン・ガンホはソン・ガンホで、ペ・ドゥナはいつもより少し気が強めでそ>>続きを読む

カルト(2012年製作の映画)

3.4

POVが特に違和感もなく、序盤からなかなか良い雰囲気。実はそこにいました的なじわじわホラー演出もとても良いし、ホラーミステリ的な展開もあったりでストーリーも好み。たまにギャグみたいなことやっちゃってた>>続きを読む

truth 〜姦しき弔いの果て〜(2021年製作の映画)

3.3

何なのこの話!ワンシチュエーション会話劇、テーマからするとキサラギなのかなと思いつつ、しかしそこまで引っ張るものがあるのかどうかと期待はしていた。結局ネタが少し弱いかなと思ったけど、下世話な話をひたす>>続きを読む

アンホーリー 忌まわしき聖地(2021年製作の映画)

3.3

良い感じに不気味に作られてるところにジャンプスケア、お約束も含めて全体的には良かったと思った。説明不足なところが多くありつつも、主人公の過去とかはちゃんと使ってるし変に感心した。マリアも途中まで無敵過>>続きを読む

オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)

3.6

たまにジャンプスケアがあるものの、それに頼ることなく不気味怖い。過去と現実がオーバラップしてくる描写は何が起こってるのかわけがわからなくなってくるし、主人公たちの状況に入り込むのにとても良い。登場人物>>続きを読む

ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

3.4

ゆるSFサスペンス。メイン3人のノリとBGMが主要因で、サスペンス主体の割に緊張感はほぼない。中では、これまでの印象と全然違うほぼ笑わないボイエガは渋良かった。序盤の展開で謎を演出しておきたかったのか>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

理解してる気になって良いものか疑問もあるけど、結構リアルな話では。章を細かく区切ってるから見易いものの、ぶっ続けで2時間だとかなりしんどかったと思う。自分はこれで良いのか疑問に思ったことは多少なりとも>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.6

なかなかクズな主人公を筆頭に、誰も応援出来る登場人物がいない。ちょっとミステリめいて良い感じと思いきや、別にミステリやる気はなかったようで、その後は基本的に暗めのサスペンスが続いていくが、突然人が死ん>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.6

感想をよく目にするように、1作目の大ネタ無しで、よく頑張ったと思えるくらいには面白い。序盤でぶっ飛んだ後はトーンダウンしちゃうから、このままずっとダラダラしてたら嫌だなと思ったところで今作の肝をぶっ込>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.0

ある大変な1日のレストランを開店前から顛末全部見せます、その通りにワンカットで撮るのはシンプルに凄い。よく成功したなと思うし、どこか細かいところミスっててもわからない程度にはリアル。説明なんてほぼなく>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.2

タイムループSFという既視感の中に斬新さもあって、期待していた通り、もしくは期待と違うところもあってもトータルで高くなっちゃってたハードルを超えた気がした。しんどい仕事がタイムループしてる気がする、本>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.8

よく見るマッツ・ミケルセンとは違った感じのマッツ、役柄も荒々しさが増し増し。重めな話にコメディを混ぜてテンポよくどんどん話は進んで行き、すげえ面白いやん!と思ってるとまさか展開が待っていた。オットーの>>続きを読む

君だけが知らない(2021年製作の映画)

3.8

ミステリ、サスペンス、若干スリラー、そしてSFめいたものとプラスアルファ。観るパートによって印象も変わるので、時間の割に満腹感がある。前半から中盤過ぎまでは何がなんだかよくわからなくなってくるが、畳み>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

先に原作を読みたかったが、映画が先で良かったのかどうか。ミステリ弱め、恋愛強めの自然メインの映像はとても良かった。ちょこちょこ嫌な人が出てくるが、自然で浄化されてそこまで嫌な気持ちにもならず。過去と現>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.0

とても良かった。けど無茶苦茶酷い。どいつもこいつもチョイ脇役に至るまで最悪だし(一部まだまともな人もいる)、終始この雰囲気はとても辛過ぎる。もっと上手く出来ないのかという疑問と、そりゃこうなるわの納得>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.2

今作凄いな!2大アクションシーン、特に前半戦の超長回し(風?かどうかは知らんけど)は、全く休みなく場面を切り替えながらで物凄い緊張感。後半、ビルでのアクションもまた違ったアイディアで良かったが、前半の>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.6

強烈で難解。どう観たら良いのか迷いながら、ひたすら重苦く痛いものを観続けることになる。何考えてるのかみんなよくわからないんで、観たものを受け入れるしかなかったが、何かを象徴してるんだとは思う。BGMか>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.8

なるほどジェームズ・ワンだ。要所要所で納得のキモさ、カッコ良さが散りばめられてるが、ミーガンも、他の登場人物も、行動が少し唐突な気がしないでもない。一応いろいろ警鐘を鳴らすような内容に思えるが、多分全>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

3.8

若干原作と印象が違い、狂気が薄れてて良い話的に仕上がってるように思った。母から祖母への異常な執着はあっさりめに描かれてて、母はただのよくわからない人みたいに映ってる気がする。そこらへんの、難しそうな湊>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.4

あまりハマれなかった。通してファンタジー気味で、話の背景が描かれることが少なくて、各エピソードもぶつ切り。突然時間が飛んだりするのも現実に戻されてしまった。現実に戻ると、なんでこうなってるのか疑問に思>>続きを読む

神と共に 第二章:因と縁(2018年製作の映画)

4.0

この続編、もうかなり話が壮大。だとは思うんだが、大オチまで含めて狭いとも言えるか。よくわからなくなってくるが、現代と過去、現世とあの世を行ったり来たりで軸の話は結構分厚い内容に。その分時間も長いが、そ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.4

たまに見る作りではあるけど、構成がとても上手い。視点によって印象が変わるのは当たり前のように、それに付随して登場人物もイベントも追加され、だんだん分厚くなってく物語。そこにこれまた上手く社会問題を溶け>>続きを読む

DC がんばれ!スーパーペット(2022年製作の映画)

4.0

ヒーローものってこういうのが一番良いんじゃないかなくらいのとても良いもの。ペットが主人公ってだけでポイント上がっちゃうのはあるんだけど、ちゃんとDCしてるし、ヴィランなんかは最強レベルに強いんじゃない>>続きを読む