aecomonoiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

きちんと「胸くそが悪い」映画だった。
全ての人間がまったく異なる存在であることを自覚し、同調に甘んじてはいけない。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

岸井ゆきのの目が、ふるまいが、静かで魂を持っていて「そのもの」だった。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

カオスでしょうもなくって、鮮やかな色合いに目が喜んで、3周回って哲学的なこと言う映画(2回観て2回とも寝た)。

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

この映画を通じて一緒に観覧したひととは分かり合えないことを理解した。

流浪の月(2022年製作の映画)

4.2

松本からの帰りの特急あずさにて泣きながら。
あいだに流れる空気が唯一無二な人に出会えたことを大事に守りぬいてほしい。

PASSION(2008年製作の映画)

4.5

誰もが感じたことのある気持ちに、人と人の間のやりとりに、適切な言葉を与えてくれてありがとうと形づけられる前に消えていったものたちを供養する。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

個人の所感は別にして、評価されるべき映画であることは理解する。題材、舞台設定、撮り方、主人公などのバランスの良さによって変な引っかかりなく最後まで観ることができた。

観覧車にて目線を手で隠すカットが
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PLAN 75(2022年製作の映画)

2.5

今と変わらない景色の中にあるシステムの(よい意味での)気持ち悪さが温い。システム化すると表層的には個や、個と個の繋がりが消失するようにみえるが、その中の残された繋がりを照らし描いている。

チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ(2021年製作の映画)

3.2

映像民族誌を謳うならば、語りに内包される暴力性についても意識を向けなければならない。

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

4.0

彼らシュアール族は森と相互的応答関係のなかで暮らしている。日々の食料の芋を採取し、家の屋根の葉を持ち帰り、森の中を歩いている最中に喉が乾けば竹を切って水を確保し、敵が攻め入ると大きな木の足元に隠れ、怪>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

1.8

テレビドラマのような色彩と彩光、トレンディドラマのような歯痒い台詞、気の抜けた登場人物たちで構成された常温映画。ひさしぶりに観た今泉作品はこういう感じだった、と思い起こされた。

俳優と役柄、登場人物
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.2

どこかから急遽借りてきたような台詞、階段を踏み外したようなテンポ、今泉作品はこういうむずむずするけど笑える会話劇だったと思い出す。

会話のなかに恋や愛の断片を見つける。相手に向き合う姿勢がそのまま言
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

多かれ少なかれ我々には外的な理由によって感情の制御を失うことがある。生きるための「チタン」、対物性愛の結果としての「胎児」、老化に抗う「ステロイド」。異物が体内に埋め込まれたとき、異物らに身体を乗っ取>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

3.6

「親密さ」は人と人との間や、演劇の中など様々なところに所在する関係性にまつわる概念である。
ただ、その関係性を構築するとき、言葉が正しく働けば両者の理解を促し距離を縮める手段になりえるが、逆方向に作用
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森のムラブリ(2019年製作の映画)

3.5

彼らは近代化と遊動民族の狭間にいる。彼らが森を求め、森の生活を身体化している限り近代化に飲み込まれはしないだろう。同時にそうあってほしいと願う。

彼らはディアスポラである。離散しつつも共通の言語体系
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.5

ダイニングデーブルで起きている家族会議をリビングのソファでずっと聞いている位の距離感で物語は展開される。
どこにでもありそうだけど、流れていく世界をそのままの速度で丁寧に記録した物語。客観的でいること
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

3.0

精神科医との思想の対立構造が見えるやり取りに、彼が堕ちていくまでの過程が見えた。死に取り憑かれた者の発する言葉は、確固たる哲学によって裏付けされている。
藤村操の「哲学的な死」が想起された。

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.2

この映画を通じて私は新しい身体感覚を手に入れた。周波数を合わせれば、地球の生命エネルギー、猿の言語、蟻の視点を獲得することができる。敏感な感覚を纏って、映画館から自宅までの家路の間にどんな体験が待って>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.2

暗く悲しい物語のなかで、悪意と善意の中間の言葉しか存在しない不思議な映画。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.5

尾道のLOGの一室で、綿菓子とチョコレートビスケットとロイヤルミルクティーを片手に、ドストエフスキーと小川洋子をごちゃ混ぜにした小説を読む休日が一ヶ月続くみたいな映画。

風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.4

旅をしている。目的地を知らされずただ手を引かれて森の中を歩いている。最初は不安でその歩みは恐る恐るだったが、歩く最中に旅人が目に止まる植物を解説してくれたり、互いの家族の話をするうちに徐々に心を預けて>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.8

死にたがりの男は死の色を帯びた世界を見ている。

いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

3.2

静のあとには動、そして静。
日常に起伏があることを信じて疑わない時代の映画。