のんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.7

届け、遥か彼方へ

五輪が開催される年で公開しなければ、内容に新鮮味が失われてしまうという意味では、早々に一年の公開延期を決めた「名探偵コナン 緋色の弾丸」の判断はある意味で正しかったように思う。
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

4.0

ホラーギガ盛りコメディ

ビッチ殺人ループコメディという異色のジャンルを開拓した『ハッピー・デス・デイ』シリーズに続く本作は、JKとおっさんの入れ替わり×殺人鬼モノという異種格闘技戦で独自路線を突っ走
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.5

それ定量的に言ってもらえる?



「まともじゃないのは君も一緒」は、主役2人のハイテンポな会話劇をコメディとして成立させている一方、「普通って何?」や「好きって何?」と言ったことを考えたことのある人
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.3

原作の破壊と再構築による野心的傑作


「主演・大泉洋」であてがきされた小説を、吉田大八監督はあえてそのままの映像化せず、映画化にあたりほとんど原作の破壊と呼べるレベルで個々の要素を分解したうえで再構
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.9

4DX吹替

ポール・W・S・アンダーソン監督×ミラ・ジョボビッチの夫婦コンビによるカプコンのゲームの実写化といえば「バイオハザード」とコンセプトがほぼ同じだが、アクションとアドベチャー要素にリソース
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

現代アメリカ社会の縮図


今年のアカデミー賞のフロントランナーを突っ走る本作は、ノマド(遊牧の民)と呼ばれる人たちのミクロな視点を通じて、リーマンショック以降のアメリカ社会の縮図をマクロな視点で描く
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

社会の不条理と矛盾を問う力作

西川美和監督は、寡作ながら『ゆれる』『ディア・ドクター』『永い言い訳』など、多くの傑作を生み出している日本映画界のフロントランナーである。


そんな西川監督の最新作『
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.8

さよなら、全てのエヴァンゲリオン


25年に及ぶシリーズの総決算として、庵野秀明が自ら終止符を打つ「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、テレビ版を踏襲した「序」、テレビ版とは異なる展開がラストの高揚感
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.3

浜辺美波は可愛い


今村昌弘の原作は、本格ミステリーの中に相反する要素をぶち込み読者の度肝を抜く展開が魅力的だったが、映画版は不要な改変が多くそうした魅力がかなり削がれている。


それでも美人と美
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.9

そらスパイク・リーも怒るわ



バディ・ムービーとしては抜群に面白い。いや面白いからこそこの映画の根本的な差別意識に関する無自覚な加害性はなかなかに恐ろしい。


体重を増量したヴィゴ・モーテンセン
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.3

世界が鳴ってる

恩田陸の原作が文字による圧倒的な音楽表現だとすれば、その映画化となる本作品は音楽と映像によりより厚みを増した立体的な構造がとても魅力的だ。


天才ピアニストたちのコンクールでのバチ
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

4.1

切るならおち●ちんだろ


土屋太鳳がオファーを3度断ったという本作は、確かに脚本を読んだだけて普通の人ならまず投げ出すであろう極めて難解な役柄である。


不幸のバーゲンセールから始まる物語と相反す
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樹海村(2021年製作の映画)

3.7

樹海では 会いたくないな 國村隼


「犬鳴村」に続く村シリーズの第2弾として製作された本作は、本当はタイトルを「コトリバコ」にしたほうがいいのでは?と思うほど、無理矢理にユニバース化した感はある。
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.2

文脈を無視すれば言葉は好きに解釈できる


1968年の民主党大会での暴動を巡る裁判をモデルにした本作は、主役級がずらっと並ぶ超豪華なキャストも素晴らしいが、なによりハイテンポな会話劇としてエンターテ
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

4.1

マッ●マックス 怒りのゾンビロード


狭い空間を逆手に取って、きっちりエンターテイメントに昇華させた前作と比較すると、序盤はスケールアップしたゆえの大味さがどうにも気になった。

しかし、後半の怒涛
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.3

普遍的寓話と現代的テーマが融合


ザック・スナイダーの本家の流れよりも面白かった『ワンダーウーマン』の続編は、舞台を1984年に移して、目眩く映像で観客を楽しませつつ、同時に普遍的な寓話物語と現代的
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新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.3

デナオセー


福田雄一監督のメインターゲットは、たぶん中高生や普段映画を見ない人たちであり、私のように年間数十本の映画を映画館で見るような人はそもそも眼中にないと思われるので、作品についてはアレコ
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STAND BY ME ドラえもん2(2020年製作の映画)

4.2

前作より一本の作品としてまとまった出来に

私は前作『STAND BY ME ドラえもん』もそんなに批判的な立場ではないが、原作のエピソードを羅列したかのようなダイジェスト感には一本の映画としての物足
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罪の声(2020年製作の映画)

4.4

エンタメ作だが単なる消費にあらず


昭和の未解決事件を題材にした『罪の声』は、ドキュメンタリー風に登場する人物たちの「声」を凄まじい勢いで見せていく、その前半だけでも十分に面白いのだが、後半は「今観
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.2

ジブリテイスト×Flashアニメの超クオリティアニメーション

Flashアニメみたいだと思っていたら、ホントにFlashアニメで作成されていた。ただし、私たちが小中学生に見ていた面白フラッシュの質で
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.1

おジャ魔女要素は薄いが、作品の魂は受け継いでいる


何を隠そう私は劇中の主人公のひとり、吉月ミレさんと(たぶん)同い年なので、完全に「おジャ魔女どれみ」リアルタイム世代である。「おジャ魔女カーニバル
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

4.5

おらたちおめだ

アニメやCGなどありとあらゆる出鱈目な手法が駆使されているのは、ウディ・アレンの『アニー・ホール』へのオマージュなのか、とにもかくにも沖田修一監督の最新作は不思議な大傑作である。
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.4

ドキュメンタリーとしては破綻、ホラー映画としては満点


香川の「選挙区で勝てない議員」である小川淳也議員の足掛け17年にも及ぶドキュメンタリー映画は、さて、不思議なことにおそらく大島新監督が本来意図
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.1

後半3割にバロメータが全集中


劇場版公開前の2週間でテレビシリーズを一気見した私は、原作の先の展開を知らないこともあり、非常に真っさらな気持ちで鑑賞できた。


テレビアニメの劇場版によくある、こ
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

3.9

死ぬほどめんどくせぇ


梅澤美波演じる金森氏を除く、登場人物が一方通行コミュニケーションを延々と繰り返す様は「死ぬほどめんどくせぇ」以外の何者でもないのだが、こうした違和感を吹き飛ばしてしまうほどの
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.2

「あいしてる」を知りたいのです

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はテレビシリーズ、スペシャル、そして外伝を経た、ヴァイオレットの心の成長の正真正銘の最終章である。


主人公の心の成長は
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.2

大丈夫、まだ繋がっているからね


最近一気見した『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』がアニメーションのなかで実写の様な表現に挑戦していたのに対し、『宇宙でいちばん明るい屋根』は、画の作りがアニメーシ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

クリストファー・ノーランのキャリア20年の総決算であり最高傑作

「現時点におけるクリストファー・ノーランの集大成」

10年前、『インセプション』を観た直後に自分が残した感想である。


『メメント
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.2


アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は一部で「神作画」と呼ばれていたことは知っていたが、何となく未見で、タイトルから「庭師の話?」と勝手に勘違いしているくらいには無知であった。



戦争の道
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.5


原田眞人監督のリメイク版も大好き、というよりそっちから入ったクチなので、比較してどうこうというのは言いづらいのだが、リメイク版と決定的に異なるのは「時代の空気感」だろう。


1967年の公開だから
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事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.9

コメディホラー


いまだに「『リング』の中田秀夫監督」と紹介されるあたり、代表作が20年くらい更新されていない気がするが、ここ数年の監督のフィルモグラフィでは、「ある意味」最高に面白い。


冒頭の
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

4.1

ピクサーの「超」安全運転


スキマスイッチが日本版エンドソングで、魔法の石で身体を取り戻すといえば、すわ『鋼の錬金術師』が始まるかと思いきや、今回は全方位型に振り切ったピクサーアニメーションはさすが
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映画ドラえもん のび太の新恐竜(2020年製作の映画)

3.8

善悪の対立を超えた決断の物語


「のび太の宝島」のキャプテンシルバーがそうであったように、脚本を執筆した川村元気は、今作のゲストキャラを勧善懲悪のような単純な対立構造でキャラクターを描いていない。
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シライサン(2020年製作の映画)

3.8

ダルマさんが転んだ


設定の凝りっぷりが気になって原作を調べると乙一先生が監督・脚本を兼任しているとのことで、納得の作り。


よくあるJホラーの亜種かと思いきや、意外にも誠実な作りになっていて、通
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カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)

3.3

圧倒的リアリティの欠如


藤原竜也の当たり役となった実写版「カイジ」シリーズは、香川照之の怪演や伊勢谷友介の存在感など、非常に濃い面子に支えられていただけに、前2作はそれなりに楽しめた。


シリー
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コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

4.2

桑田とMattよりは似てるわ


古沢良太という脚本家は本当に器用な人で、現代社会の闇を描いた『外事警察』からその対極にある『コンフィデンマン JP』まで実に多彩なアプローチで楽しませてくれる。
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