褐色丼ぶりさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

褐色丼ぶり

褐色丼ぶり

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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.3

悔しさと怒りの詰まった遺骨を抱えて駆け抜ける弔いの旅路。

先に逝ってしまった者と残された者の垣根を越えて描かれる人の輝きと人間本来の生き方。

渾身の表現力を魅せてくれる永野芽郁の存在感と90分未満
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ザ・フォッグ(1980年製作の映画)

3.9

海から蘇る死者とそれに怯え惑わされる人の心境を死の詩人ジョン・カーペンターが描く。
夜と光の使い方、生き物のように人に纏わる濃霧のハイセンスな演出が理想的な悪夢を魅せてくれる。

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.3

人柄の良さ、善意に隠れた悪意にすら縋り付き見返りを求める人の闇。
底辺YouTuberから売れっ子に至ってからの地獄の日々。
金、名声、登録者を手に入れた瞬間から終わってしまった二人の人間性。
互いに
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マーターズ(2015年製作の映画)

3.4

オリジナルと比べてマイルドな表現で仕上がってた。

マーターズ(2007年製作の映画)

4.1

人の領域を越えたトラウマからの解放。

“死後の世界が見たい”という欲から生じる非人道的実験すらも神への一歩と捉えてしまう恐ろしい人の信仰心。

確実に人の不安を煽る痛々しいゴア描写が不条理な世界と死
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劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋(2008年製作の映画)

4.4

再鑑賞。

生と死。
男と女。
陰と陽。

日常を侵食する矛盾とそれを非日常へと導く螺旋の先に見た救い。
生と死の境界線、空っぽの空間に存在した無価値の偽物の口から出る罪の意識と存在証明。

空の境界
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私はゴースト(2012年製作の映画)

3.5

恨めしや〜なんて言えない、言ってられない現状がここにある。
自分の死を理解できない霊と素性が知れない霊媒師の成仏へ導くやり取りは地味だが幽霊が“幽霊”を恐れる珍しい展開は見応えを感じる。

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.2

原発建設の闇を目撃した夫を殺され復讐に取り憑かれた海女のリベンジアクション。

夫を失い増幅する殺意、恨み、憎悪、その対象となった相手を徹底的に血で染め上げる狂気は荒々しくも透き通る美しさを持つ。
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.8

常識、妄想すらも通用しない未知との対談。
絶望的な幸福とありえない奇跡に遭遇を視界に入れた時、人類の立ち位置が変えられる。
好奇心に恵まれた前半から物凄いスピードで冗談が通じない恐怖心へと落とされる後
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.9

「これ村の決まりやから」

村の決まりなら仕方ないし殺られるしかないが殺り返されても文句は言えない、言わせない。

慈悲なき殺人描写と後半から始まるホラー映画の“お決まり”を逆手にとったアクションが超
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なま夏(2005年製作の映画)

3.8

吉田恵輔監督初期作。

恋は盲目とはまさにこの事。
盗撮、盗聴、痴漢、ストーカー、人としての気持ち悪さを極限まで煮詰めたサイコラブストーリー。
一人の女の子に執着するあまり人間性が徐々に欠落する男の末
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逮捕しちゃうぞ the MOVIE(1999年製作の映画)

4.0

面白い、超好き。

脅される東京、試される日本警察。
交通機能の麻痺により混乱する大都市東京を舞台に繰り広げられるパワフル婦警のバディ物。好きじゃないわけがない。
原作未読かつTVシリーズ未視聴でこの
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

3.9

生存の為の狩りと狩りの為の生存本能が激突。
血が出るなら殺せ、本能に抗えば問答無用で即死の極限野生サバイバル。
殺られる前に殺らなきゃもれなく首が飛ぶ。
シュワリスペクトと原点回帰、プレデター本来の面
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ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.8

小学生の頃は1番好きだった。
『スピノつえー!プテラノドンこえー!』ぐらいのテンションで観ると楽しい。

SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.0

夢を披露する。
前作は自身の持つ可能性とその可能性を実現させるための壁を描き見事エンターテインメントとして文句なしの傑作だったのに対し、今作では夢を実現させたその先、つまり可能性の維持と肥大を生々しく
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.4

月が地球に大接近!
逃げ場無し、地球が無事でいられるわけがない。
アルマゲドンでメッセージでインデペンデンス・デイで2012なハチャメチャディザスタームービー。
序盤から終盤までローランド・エメリッヒ
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.0

誰よりも近くにいて誰よりも互いの距離感が分からない男女の思考。
腐女子である秘密を打ち明けることで生まれた好きと自身の性的嗜好を隠し生まれた好きの違いを理解し合い広がる“好き”という行為の形と多様性。
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

波のように広がり空に響く歌声が持つ可能性の先に愛を見た。
家族の中で唯一音を感じられる少女の声と夢が言葉の壁を越え、声の届かない耳に愛を伝える。
他者と自身の家族の生まれながらの違いをユーモアと手話で
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.5

ルッソ兄弟率いる俳優陣の華のある銃撃戦や肉弾戦、破壊描写はコマンドーを彷彿させるがそのせいでドラマ性の薄味さを際立たせる。
いいコンディションで鑑賞に挑んでも正直眠かった。
アメリカのケツに麻酔を撃ち
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベスト10の1本。
何度観ても新しい発見を与えてくれる大傑作。

『人生の持ち時間はいつかゼロになる』何を見つけ、何を感じ、どう生きるかは自分次第。
無駄に生きるな。生きる実感を最高の瞬
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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.1

善人としての強い正義感。
悪人としての深い復讐心。
現役警官だからこその制約とプライド、元警官だからこそ得られた知識とカリスマ性が火花を散らし生まれるドラマと激しい戦闘の熱量に歓喜。
ドニーさんの洗練
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.0

決して噛み合わない状況なのにどこか気持ちよく、清々しい傑作。
飯食いながら流すのにちょうどいい映画ベスト。

屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

4.5

夫を失った悲しみを抱いたまま出産を迎える妊婦と子を失い妊婦に執着するヤバい女の血で血を洗う鮮血のクリスマス。
聖夜に響く断末魔により産まれる死の連鎖、それを引き立たせる圧巻のゴア描写は観る人の倫理観を
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トップガン(1986年製作の映画)

3.9

マーヴェリックの後に再鑑賞すると涙が出るな。

呪詛(2022年製作の映画)

4.0

洒落にならない怖い話 in 台湾
人の意識によって形が変わる祈りと願い、それに伴う呪いの行方。
肌に張りつく厭な雰囲気とPOVホラー特有の視覚的効果が生きた心地を根こそぎ奪う今年一番タチの悪い映画。
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.2

他を寄せつけない恐怖体験。
終始異様な空気を漂わせ観る人の感情をどん底へ引きずり込む脚本力。
予想したくない展開を必ず見せてくる仕掛けと“答え合わせ”が恐怖心を煽る。
不愉快だけどもう一度観たい、ホラ
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

4.2

かつての友人との再会、“好き”を共に1から作る喜びを共感する楽しさと終わる切なさを再生へと繋げる温かい火と眩しい日の出。
大人になって出来た事と出来なくなった事両方を優しく包み込む大傑作。
劇場を離れ
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からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)

4.0

高木さんと西片の中学生としての最後の夏休み。
子供が子供らしくいられる中学最後の夏に出会った奇跡と軌跡。そして大きな決意。
TVシリーズを追いかけて本当に良かったと思えるエモーショナルな傑作。

好き
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ドラゴンボール超 スーパーヒーロー(2022年製作の映画)

3.6

Z戦士専属ベビーシッターピッコロさんによる育児奮闘ムービー。
前半で盛り上がったテンションを後半で興醒めさせてしまう展開はあれどレッドリボン軍や人造人間などの懐かしい設定にワクワクがハチャメチャに押し
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.2

昔読んだ本に挟んだままの栞を見つけた時、思い出すのはいつも最低な言葉と最高の場面。
スポットライトが当たらない、ギリギリ当たらない毎日を皆どこかで過ごしてる。

未来から過去を遡る物語、誕生日の1日と
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

何度観たか忘れた。

ある者は贖罪を。
ある者は故郷を。
ある者は資源を。
ある者は死を。
そしてある者は自由を。

皆それぞれ何かを探し求め降り立ったこの荒野の果てに理想郷はあるのか。
創作物におい
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.8

殺されたい、愛されたい。
心変わりが激しい思春期に付き纏う異常性癖、黒い思想。自傷行為や自殺また違う視点から描かれる変態的青春ドラマのアクの強さに殺られる。
女子高生に殺されたい願望を持つ田中圭の気持
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