菩薩さんの映画レビュー・感想・評価

菩薩

菩薩

乙女の星(1945年製作の映画)

4.4

すんばらしい。城の内部構造同様話もちと複雑なので是非その目でお確かめを!としか言えないが、ジャック・タチが幽霊役やってる時点で勝ちだし干渉は出来ても質量を持たないがゆえにそれ以上は見守るしか出来ない幽>>続きを読む

青春(2023年製作の映画)

3.5

『収容病棟』の様な環境で『苦い銭』の様な題材が展開され『死霊魂』みたいな背中が頻発する、ってことでめっちゃワン・ビン観てる〜って気分に浸れるが(って言うほど観てないが)ワン・ビンにしちゃいたってライト>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

4.5

すんばらしい。『ケンとカズ』のブラッシュアップどころの騒ぎではない、日本映画もここまでやれんだよとの意思表示だと思うし、ヤクザ映画が絶滅に瀕する今非常に重要な一本になるのでは。創り手の熱意がまざまざと>>続きを読む

都市とモードのビデオノート(1989年製作の映画)

-

非常に充実した作品になっていると思うし好きな相手を好きな様に撮る過程ではじめは乗り気でなかったヴェンダースのテンションがみるみる上がっていくのが手に取る様に分かる。互いにアーティストとして呼応する部分>>続きを読む

センセイ君主(2018年製作の映画)

3.9

現行朝ドラが大変に面白いので同脚本家と言う事で遂に重い腰を上げてみた。で結果から言うと、ふむ…確かに…となった。あくまでファンタジーとして、なおかつ遥かに守備範囲外から突然の参入でもありあくまで参考資>>続きを読む

愛していると伝えて(1977年製作の映画)

4.0

愛されるより愛したいマジでなドパルデューは不倫相手の為にたいそうな山小屋までこさえて後はもう彼女を寝とって結婚して人生を完成させるだけだと息巻くが、肝心の相手はたいして乗ってこないし関係がバレた旦那は>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.5

あまりの素晴らしさにエンドロール入った瞬間に静かに小さく拍手をかましてしまった。大林版のラストがどうかしているので若干エクソシスト展開を期待してしまったのも事実だが、こんなにも美しい終わり方ってあって>>続きを読む

ラ・カリファ(1970年製作の映画)

1.5

ここでの上映時間が112分となっているしそう表記されているサイトもあったりするが、今回の上映時間は91分、どっちが正しいか分からんがこれ短縮版なんじゃないの?ってくらい編集が荒い。労働者側のトップと経>>続きを読む

東京画(1985年製作の映画)

-

代々木公園の竹の子族をミヤシタパークのTikTokerに置き換えればネオTokyo画が撮れる。消失したイメージの探訪、ただ『PERFECT DAYS』で指向したのもそこなのかもしれないが、タモリ倶楽部>>続きを読む

偽れる装い(1945年製作の映画)

4.1

童貞にゃよく分からんNTR未遂もので猛烈にめんどくさく高度な恋愛の駆け引きをしてらっしゃる。流石に主人公の人格が破綻し過ぎていてなんやねんお前死んでしまえと思うが、なんなら冒頭からちゃんと死んでいてな>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.2

いかにもアニメ版『地下鉄のザジ』を指向してそうなスラップスティック。流石ギロチンと革命の国らしい暴力的かつ強引な進め方だが、基本的なストーリーがたいして面白くない。本作最大の魅力はその絵と色彩なのだろ>>続きを読む

No.10(2021年製作の映画)

1.0

しょーもな。こう言うネタバレ厳禁それ自体が仕掛けになってしまう様な作品をただそれだけで有り難がる時期はとうに過ぎたしそんなに暇でもない。こう言うクソみたいな作品の為にFilmarksは早急に⭐︎0採点>>続きを読む

夢の涯てまでも  ディレクターズカット版(1991年製作の映画)

-

物語の枠組み内である事が明示され続ける割にはそれはひたすら後景化され、結局は人々を如何に移動させ続けるかに付随するものとして物語が存在しているだけの様に思えるし、重要なのはイメージであって景色であった>>続きを読む

ことの次第(1981年製作の映画)

3.9

絶望と停滞を打破する為の旅がもたらす唐突な死、そうして生まれ完結する物語。主張は全て台詞で発せられているし、態度もラストシーンで体現されている、と言うわけでこれと言って言及することもない。当たり前に画>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

5年ほど前から人生のテーマを「男性性から降りる」に定め余生を送っている身としては正直なんの興味も持てない話だったがたぶん結構良い映画だった。改めてA24がここまで頑なに家族を呪いとして描き続けるのは何>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

あくまでマリー・アントワネットの変奏として。監督名が伏せられていたとしても余裕でソフィア・コッポラやろって分かるくらい署名性に溢れているし、プリンセスストーリーの否定と言う点では現代的かもしれないが、>>続きを読む

さすらい(1975年製作の映画)

4.5

おトイレ映画の前にヴェンダースが便出ぁすである事を決定付けた脱糞映画、と誰一人書かずにいられる忍耐力に感服する。即興的に何が起きると言う話でもなくただ瞬間的に人生が交錯した男と男の話。変わらずにいる為>>続きを読む

まわり道(1974年製作の映画)

3.8

旅は道連れ世は情けと言いつつも人情も慈悲もなく虚無のみがある。全てが無為に帰し未遂に終わる中で自殺志願者だけは少しばかり生きながらえた人生にあまりにも呆気なく終止符をうつ。何に導かれるでもなく当然発生>>続きを読む

こぼれる(2011年製作の映画)

-

こっわ…マジで人肉パイ包みの完成映画かと思った。あまりにもグロい嫉妬心と復讐心、これはこの尺で終わるのがベスト。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

初恋の思い出は叶わぬからこそ美しく、人生はもしもが無いからこそもどかしい。きっと猛烈に美しいお話なのであろう事はなんとなく理解出来た、が、童貞である私にはどうしたって理解出来ないお話でもあって絶望した>>続きを読む

つるかめのように(2009年製作の映画)

-

『Every Day』の習作として。愛する人の突然の喪失とそれでも継続していく日常。随分と無骨な卵焼き。記憶装置としてのカメラ。

緋文字(1972年製作の映画)

1.5

堕落論みたいなもんだと取ればいいのかもしれんがマジでめっちゃつまんなくてビビった。編集途中で死んだ?200分を90分にまとめたダイジェスト版みたいなぶち切り方、んでずっと変な音楽鳴ってる、どうした?沖>>続きを読む

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)

3.8

決定的な負け試合なのにいつまで経ってもホイッスルがならずアディショナルタイムが継続していく。時代的に言えば延長であろうとさっさと一点決めてくれれば試合が終わるのだからさっさと決めてくれとなかば呆れ気味>>続きを読む

成功したオタク(2021年製作の映画)

3.0

事件の概要も韓国芸能界を取り巻く闇も無知なのでアレですが、なんでこんな同時多発的に性加害事件が起きているのですか…?ってまぁ日本だと単純に揉み消されてるだけかもしれんし、徴兵制がある韓国ではそれだけ男>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.0

たぶんめっちゃ面白かったし好きだったし究極のアンビエントムービーだったのに、右側に1秒以上じっと出来ずにひたすらシャカシャカ系の衣擦れやら脚を組み替える音やらチャックの開閉音やらを発生させ続けるクソノ>>続きを読む

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.9

色々と宣伝を間違えている気がしないでもないがちゃんと面白い。単なるインスパイア THE 実話系に留まることはなく、戦争映画をスタート地点としてゲットでのプッシャーストーリーを通過しブレイキングダウンが>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

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正直思ってたんとちゃう部分があったのも事実だがこれはこれで。個人や個別の事件の掘り下げもだが、同時にアーティストがいかにソーシャルイシューにコミットしていけるか/いくべきか、芸術にとっての独立性に対し>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

1.5

元々ポジティブな印象などまるで無い中で観に行った私が悪いのだが、私はクリストファー・ノーランと言う人物そのものに対して1ミリの興味も無いのだと言う現実だけがただただ鮮明になる3時間だった。被爆者軽視に>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.2

まんま24時間テレビで置き換えられると思ったし、これはもう明確なバリー・ジェンキンス批判なのでは?ただブラックコメディやアメリカンジョークと言った素地があるからこそ「アメリカン・フィクション」として成>>続きを読む

ナチ刑法175条/刑法175条(1999年製作の映画)

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戦時下のナショナリズムの高揚とホモフォビアの加速。第一次大戦後、国力が低下した状態ではユートピア的なゲイコミュニティが現出していたのが興味深いし、当初はナチの中枢にすら同性愛者がいた。その人物の粛清を>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.9

中絶の必要がある女性から中絶の権利を奪い去ったところで彼女達には中絶の必要があるのだから当然合法・非合法問わず、時には莫大な資金を叩いてもしくは危険な方法すら厭わずそれを遂行しようと試みる。その結果と>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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私くらいになると完成披露試写会に当選していたのに出欠確認の返信を怠った為見事に流したのだが、ほとんど確認作業くらいの気持ちで観たので感想は後章観たら書くつもり。あのちゃんさんの声はやっぱりいいし、イソ>>続きを読む

ほなまた明日(2024年製作の映画)

1.1

田中真琴の顔ファンなので観たまでのことで映画としてはまったくもって無味無臭、感想も何も出るはずもない。私はやってないので知りませんが、Instagramのストーリーとか言うやつを適当に繋げれば誰でもこ>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

3.7

三人の不良と一丁の拳銃。誰がいつ何のためのにその弾を放つのかとサスペンスが持続するが、結局物語の「着地」は曖昧に処理される。ここにいてはいけないと頭のどこかでは分かりつつも、慣れ親しんだ環境に身体が染>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.4

徹底してシャバいと思うがただそのシャバさに留まっていた方がいいと言うか、やっぱり反出生主義ならまだしも優生思想にまで話が飛んでしまうと危ないと思うし、であれば最終的には誰もが納得出来るストーリーを与え>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

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熱情も敬意も他者という概念そのものが危機に瀕する時代、過去を懐かしむでも羨むでもないけれど、この討論に深く感銘を受けるものが当然ある。言葉が力をもった最後の時代と言うけれど、本来言葉は全ての時代におい>>続きを読む

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