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おもしろかった。
『らき☆すた』のイタいノリと『ドラえもん』のひみつ道具と『エヴァ』のセカイ系を掛け合わせたようなサブカル映画だった。
最初は『シン・ゴジラ』みたいな危機対応政治ドラマなのかと思った>>続きを読む
バラナシに行く前に見た。
バラナシはガンジス川沿いに広がるインドの街で、ヒンドゥー教徒はここで寿命を終えて岸辺のガートで火葬され、灰をガンジス川に流されることで解脱できると信じていて、街には死期の近>>続きを読む
つまり血筋か、、貴種流離譚か、、と思った。原作が60年代だから仕方がないとは思うが、やっぱりチャニはかわいそうだし、フレメンは大国に利用されている気がするし、重力に逆らってすいーっと上昇する特殊なスー>>続きを読む
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母性から抜け出せない息子のディストピアを描いた映画だった。
何をするにも母の許しがないと行動ができない中年男性が母に会うための道中でさまざまに理不尽な目にあう話で、終盤で彼の冒険のすべてが母の監視下>>続きを読む
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傑作だった。
公開前に国内の批判がいろいろとあったが、被爆者の映像や被害の描写を使わずに原爆使用に疑義を唱える方法を映像的に模索していて、誠実な反戦映画だと思った。
原爆の実験成功にあたって人々が>>続きを読む
光と影の使い方が印象的なモノクロトーキー映画だった。
現実と夢の区別がつかなくなった男が迷い込んだ農村の館で不審な出来事に遭遇し、見てるこっちも現実と夢の区別がつかなくなっていく映画で、なんだかよく>>続きを読む
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神学を極めるあまり自分がイエス・キリストの生まれ変わりだと信じるようになったヨハンネスが、家族に邪険にされながらも信仰を貫き、死人を生き返らせる話だった。
ヨハンネスがキリストの「奇跡」を再現する話>>続きを読む
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巨大な家の跡取り息子であるティモシー・シャラメが、母同伴で砂の惑星に赴き、母同伴で他の家との覇権争いに巻き込まれ、母同伴で旅に立ち、母同伴で現地民と手を組もうとするまでを描くSF映画だった。
原作が>>続きを読む
典型的な「行って帰ってくる」系の話で、胎児の脳を移植された女性が世界を冒険して人間の愚かしさに触れ自身も成長していく話だった。
女性の自由と自立の物語といえばそうだけど、ベラは自分が女性であることを>>続きを読む
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めちゃくちゃすばらしかった。
トットちゃん(おそらく発達障害で小学校を退学させられたりする)がトモエ学園のみんなや校長先生に受け入れられてちゃんとやさしい人間として成長する話で、まずその「周りと違う>>続きを読む
ハリーポッターの子役たちの超豪華な青春を振り返る同窓会映画でめっちゃ楽しかった。
大勢の子役の子供から大人にかけての時間的な成長と商業映画の撮影が10年間も重なっていたことが児童文学を映画化する上で>>続きを読む
観客に与える情報を制限できる環境を作り、事実と異なる物語を想像させてミスリードするタイプのサスペンスだが、警察の通報司令室という設定を使って通話音声だけでその環境を破綻なく作っているのがすごいと思った>>続きを読む
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ドラッグ文化と若者の精神的な不安定さを降霊術と憑依に置き換えたホラー映画だった。
治安悪めの若者たちの間で流行っていたカジュアルな降霊術がある日失敗して、少年が悪霊に取り憑かれる。事故のきっかけを作>>続きを読む
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無口な文化系中年男性の孤独なダンディズム映画だった。
孤独で貧乏な男が変わり映えしない毎日にささやかな幸せを見いだし、健気にはかなく生きていく話なのだが、映し出される墨田区の景色や彼の日常のすべてが>>続きを読む
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石油利権のための白人による原住民虐殺事件の真相を究明するフーダニットかと思って見たらそうではなく、原住民相手に結婚詐欺をはたらく犯人の視点から犯罪が明るみになるまでを淡々と描いていた。前持った説明もな>>続きを読む
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特攻をやり直すゴジラ映画だった。
特攻から逃げたことを苦にする青年がゴジラを相手に今度こそ特攻して成功する話だが、そのことと、作品全体を貫く「戦争で死んではいけない」という戦後的価値観がバッティング>>続きを読む
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おっっもしろかった!
有名演出家殺害の疑惑をかけられた駆け出しの女優が友人の女性弁護士とともにその冤罪を利用し、社会的にのしあがっていくコメディだった。まだ女性の権利が保証されていなかった1930年>>続きを読む
互いに結婚相手を喪った男女が過去の思い出を引きずりながらも徐々に惹かれあっていく、フランシス・レイの劇伴が無限によい映画だった。
モノクロとカラーの使い分けが特徴的で、男女が距離を縮める現在のシーン>>続きを読む
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戦後ドイツの復興と、収監中の夫の帰りを待つ女性のしたたかな成り上がりを重ねて描く。
が、最終的にドイツはワールドカップで華々しく優勝を飾るのに対し、彼女の人生はしだいに陰りを見せ、夫の帰宅直後にタバ>>続きを読む
見たことない超絶技巧のコマ撮りアニメーションだった。
残酷な現実の外側には別の残酷な現実しかない、したがって今いるコミュニティから脱出することはできないという絶望を、立体のクレイと平面の油絵を自在に>>続きを読む
『オオカミの家』の前座で併映されていた。女の子が死んだ夫と結婚仲介人?を骨から蘇らせて婚約破棄させるストップモーション・アニメ。1900年ごろに撮影された謎のフィルムが近年発見されて修復してみたのだが>>続きを読む
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すさまじい映画だった。
母に捨てられ京劇の劇団に入れられた少年がやがて相方の青年と『覇王別姫』の演目で一世を風靡するが、密かに恋心を寄せていた相方に遊女の妻ができたことをきっかけに登場人物全員の人生>>続きを読む
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時間の順行と逆行を織り交ぜて物語を論理的に進行させるテクニカルな映画だった。
前半と後半で視点が変わって物語の意味が変容するタイプの映画だが、同一の出来事を別の人物の視点から順を追って語り直すのでは>>続きを読む
限られた時間のなかで知的な男女がハイスピードなコミュニケーションを取りながらおしゃれな街を歩く会話劇の2作目だが、前作と違って出会ってから別れるまでの会話がほぼノーカットで収録されていて、それはさすが>>続きを読む
前半と後半で物語の視点が変わって同一の出来事の意味合いが変わる、というタイプの脚本の映画だったが、あんまり面白くなかった。
彼女はいつ彼のことを好きになったんだろう、異動届を出すほどに、という気持ち>>続きを読む
『パラサイト』を見たあと、わざわざ友人が「君っぽいから見とき」とアマプラで課金して見せてくれた。めんどくさめの女に振り回された男が失恋から回復し、立ち直るまでの物語だった。
こんな女のどこがええねん>>続きを読む
双極的な恋愛映画を続けて見たので次はどうでもいいやつ、と思って選んだジャッキー・チェンの映画はとにかく見せ場のオンパレードで、生身の人体に可能なアクションシーンの限界を試している感じがよく、さっき見た>>続きを読む
台風が来るので友人の家でおとなしく映画を見まくった夜の2本目、『バッファロー'66』の次にこれを見た。
『バッファロー』とは対極にあるような映画で、あらゆるコミュニケーションが円滑で、知的で、話題も>>続きを読む
「Wet Dream」の「『バッファロー'66』のDVD持ってるからうち来ない?」という口説き文句で有名なこの映画は、親子関係と愛着に問題のある男が行きずりの少女を誘拐して最終的に無償の肯定と抱擁を受>>続きを読む
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見た。つらく悲しい映画だった。
母を失った少年が青キジを案内役に異世界へ母を探しに行く話だが、異世界ではだれひとりとして幸福に暮らしていないし、一生懸命がんばるけれど母は帰ってこない。
その異世界>>続きを読む
友人とそのセフレが深夜に突然うちに現れ、だらだらしゃべりながら流し見した。
東京の街並みに過去の恋愛を重ねる友人と、映画よりパワフルなエピソードを話しはじめるセフレと、そういう経験が欠落していることに>>続きを読む
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まあまあだった。
結末が美しすぎて現実と乖離しているという批判もよくわかるけど、世界にはもっと悲惨な現実もあるのと同じようにこのような現実もあるのだろうし、まして映画の表現はある一定の現実味を代表す>>続きを読む
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さくっと見れて楽しいゴールデンウィーク映画だった。
ゲームだと単に囚われて助けられてキスするだけのピーチ姫はさすがに主体的で勇敢な女性になっていた(アイスフラワーを使ったときのデザインは自立したプリ>>続きを読む
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キャラが立ってる映画だった。原作でたぶん一度も泣いていないコナンが涙を流したり(実際は海水が頬を伝ってそう見えるだけだけど)、阿笠博士がカーチェイスしたり、灰原が唇を返したり、ウォッカが饒舌だったり、>>続きを読む
仮面ライダーに親しんだ人に向けたOVAっぽいなと思った。物語は陳腐に感じたが(あらゆるキャラクターの信頼関係の変化に説得性がなかった気がする)、オーグの造形がよく、同じ様式で差異のバリエーションを楽し>>続きを読む
宗教に基づく売春婦への嫌悪はジャーナリズムによって解決しないという話だった。暴力はいかなる場合にも肯定してはいけないけど、この映画に関しては宗教に対して強気な正義感をあからさまにするジャーナリストがち>>続きを読む