黒苺ちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

キャラが立ってる映画だった。原作でたぶん一度も泣いていないコナンが涙を流したり(実際は海水が頬を伝ってそう見えるだけだけど)、阿笠博士がカーチェイスしたり、灰原が唇を返したり、ウォッカが饒舌だったり、>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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仮面ライダーに親しんだ人に向けたOVAっぽいなと思った。物語は陳腐に感じたが(あらゆるキャラクターの信頼関係の変化に説得性がなかった気がする)、オーグの造形がよく、同じ様式で差異のバリエーションを楽し>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

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宗教に基づく売春婦への嫌悪はジャーナリズムによって解決しないという話だった。暴力はいかなる場合にも肯定してはいけないけど、この映画に関しては宗教に対して強気な正義感をあからさまにするジャーナリストがち>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

直前に観た『生きる Living』は襟を正して生きる話だったけど、これは襟を正せず死ぬ話だった。

余命が宣告されたときに、最期に人の役に立とうと努力して成し遂げる前者に対して、なにも努力せず成し遂げ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

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終盤の絶賛はちょっとあざとかったけどすばらしい映画だった。襟を正して生きるとはこういうことか、、。
映画そのものも折り目正しいというか、50年代っぽい格調高い演出で貫かれていて好みだった。

あとで黒
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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人生は失敗の反復と選択しなかった成功の可能性のモザイクだけど、そのどれをとっても(あるいはそのどれをとっていたとしても)今が一番良かったのだ、と言い切る肯定的な映画だった。その表現としてのマルチバース>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

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ヘプタポッドの文字の造形がかっこよかった。未来の出来事が過去に干渉するロジックを言語体系の違いによって説明するところが鮮やかでよかった。

桜桃の味(1997年製作の映画)

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堂々たる文学映画でよかった。自殺願望を抱くに至る主人公の半生は一切説明されないが、やたらカーブと坂道の多い荒れ野を走る車のシークエンスが人生の苦難を暗示してるし、彼の自殺幇助を請け負うのが最終的に生活>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

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資本主義社会の風刺映画だった。

豪華客船が海賊に襲撃されて転覆し、富豪たちは無人島に流れ着く。野生の環境では彼らの権力も役には立たず、やがて生き抜く技術を持っていたトイレ掃除のおばさんがグループの頂
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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モーションキャプチャとCGであの山王戦をリアリズムのバスケとして再現していた。あれって現実のバスケの試合としても成立してたんだ〜(そういえばスーパープレイはあっても必殺技とかないよな〜)と思う一方、ス>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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新海誠がついに震災とその記憶の忘却に向き合った映画だった。

日本の各地で起こる災害を防ぐためにすずめと草太が全国を奔走するロードムービーだが、発災の原因である「後ろ戸」が開くきっかけはその土地で過去
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RRR(2022年製作の映画)

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二人の屈強で超人的なインド人が史実を無視してイギリスの支配を完全粉砕する映画で面白かった!! ストーリーの山場をいくつも作りながらいろいろな伏線をラストシーンに収斂させていく王道エンタメ感がよいし、ダ>>続きを読む

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

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映画をIMAX 3Dで観ることについての映画だった。ジェイクが車椅子でアバターに憑依するのは観客が映画館の座席で映画の世界に没入することの比喩で、人間界とナヴィ界をつなぐアバター計画はそのまま現実と虚>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

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『ドライブ・マイ・カー』みたいなテーマを『美味しんぼ』みたいな手法でやってた。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

エンタメにおける「見る/見られる」の暴力性についての映画だった。チンパンジーの暴走も映画史における馬も眼球みたいなUFOの造形もそれを撮影しようとしてる黒人たちも、すべてがそのメタファーとして有機的に>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

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こわあああああ
モキュメンタリーの形式にエクソシストも監視カメラも主観ショットもゾンビも違和感なく詰め込んでいて最初から最後までこわあああああってなってた。強い悪意に対しては信仰も希望も愛もなにもなす
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プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年製作の映画)

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随所に原爆のモチーフが散りばめられているし「ゴーストランド」も広島と長崎の比喩っぽかったけど、日本人としてハリウッドで「原爆落としたの誰でしたっけ」と切りこむ意味を考慮したというわけでもなく、単に記号>>続きを読む

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島(2005年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

不気味な映画だった。ルフィにとって仲間とはなにか(いまのメンバーは代替可能なのではないか)という問いが挑戦的で、リリー・フランカの無機物的なデザイン、クローン人間の崩壊シーンと、OVAっぽい雰囲気が漂>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

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期待激薄だったけど見てよかった!

ヒロインのウタが悪魔の実の能力で世界を良くしようとするもののソウルジェムが濁って逆に世界が滅びかけるという話だった。ウタが求める「新時代」が破滅し否定されることに
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ドンバス(2018年製作の映画)

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戦争という特殊な状況に置かれたとき、人間がどこまで愚かになるか、どのように悪を働くかを「敵味方の別なく」淡々と描いていた。ロシアが絶対的な悪だとも、ウクライナが絶対的な正義だとも訴えないところが誠実だ>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

面白かった。ホラーの枠組みを借りて全く違うことをやるタイプの映画で、殺人鬼役に高齢の老夫婦を当てることで「老い」に対する現代人の恐怖や嫌悪(いわゆるエイジズム)を揶揄していた。

しかもこの映画をホラ
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

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ソマリア内戦の怖さと南北の緊張をロケでしっかり描きつつ、話の軸は呉越同舟の脱出劇としてちゃんとエンタメを貫いていて、韓国映画はすごいと思った(食事のシーンとかまじでよかった)。どこかの我が国とは全然違>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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トムのかっこよさも飛行機のよさもさっぱり分からないと思ってたけど、たいへんかっこよかった……。