Akariさんの映画レビュー・感想・評価

Akari

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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.7

前作よりストーリー性もあり、キャラの個性が上手く成長していて面白い。
現代版にアレンジされたレントンの「人生を選べ」のスピーチを、20年越しで聞けたのが一番良かった。
あとT2ですっかり大人になった4
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.8

ヘロイン中毒の青年達を描いた元祖若者文化の象徴的な映画。
ジャンキーなレントンたちが見ている世界なのか、音楽や色づかいの効果がマッチングした独特の雰囲気と廃退感が凝っている。特に幻覚のシーンのインパク
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.7

久しぶりに本格ミステリーを観て純粋に楽しめた。オチを知ってから伏線の芸が細かいとことに気付いたり、原題「The Best Offer」の意味を考えさせられたりする。

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.5

マンチェスター・バイ・ザ・シーというタイトル自体が地名らしい。この物語の内容に相応しい、静かで穏やかでどこか物悲しさがあって美しい舞台だと思った。
メインのストーリーラインと平行して主人公リーの過去が
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.0

主人公は伝統的なアメリカの精神を体現したような人間で、アメリカの自動車産業全盛期だった70年代のフォードのグラン・トリノもその象徴。
トランプ政権を生み出したアメリカの歴史や現代を垣間見れる社会的側面
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.3

ある短期児童保護施設を舞台にした物語。単に「恵まれない」子供を救う話でなく、グレースはじめ施設のスタッフと子供たち、お互いが支え合っている関係がとてもいい。
グレースのミサンガ、マーカスのラップ、ジェ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.0

脳炎で植物状態になった患者と、その意識を取り戻そうとする神経科医の、実話に基づいた物語。ロビン・ウィリアムズとロバート・デ・ニーロ、二人の名演に脱帽する。
レナードは30年もの時間を失ったけれど、大抵
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.2

かつて実際に起きた子供置き去り事件を元にした作品。
とにかく子役たちが素晴らしいし、その無邪気さも繊細さも、まるでドキュメンタリーのように自然に引き出している是枝監督はすごい。子供の目線から撮られた作
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ある子供(2005年製作の映画)

3.4

主人公のブリュノにずるさや身勝手さしかなくて、ある意味善人の悲劇よりも救いのない物語だったなと感じた。BGMもなく淡々と流れていく構成が、ますます冷たい印象を与える。そういう生き方しか出来ないブリュノ>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

3.6

小学生時代の下らないやりとりとか、この時代の子役のぎこちない演技含めて懐かしさいっぱいの映画。打ち上げ花火は丸いのか平らなのかという問題も、観ている人の好奇心を引き出しつつ、作品を通じて面白く使われて>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.7

チューリングテストという題材が面白い。エヴァに人間性があるのかどうかが物語の論点になっているけれど、「人間らしさ」の感情も脳の情報処理機能によるものに過ぎないとすると、そもそもAIと人間の境界がわから>>続きを読む

プレシャス(2009年製作の映画)

3.8

格差社会アメリカの底辺を描いたような作品。世代間で繰り返されてしまう負のサイクルは、経済的なものだけでなく、家族の愛情や価値観など精神的なものもあって、単に支援制度にアクセスできるだけでは不十分なこと>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.6

ティム・バートンは本当にロマンチストだと思う。'you don't even know me''I have the rest of my life to find out'は好きな映画の台詞の一つ。>>続きを読む

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

3.3

本人の尊厳を持って死ぬ権利と、生きてほしいという家族の願いが相反してしまう現実があまりに辛い。同じ尊厳死を扱ったもので「空を飛ぶ夢」の方が重みはあるけど、ルーの天真爛漫さでわりと前向きな形で描かれてい>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.5

カニバリズムがテーマの作品で恐ろしく狂気的なのに、とにかく映像が美しい。生を描いてるという意味でグロテスクも神秘性も紙一重なのだなと思った。

さよなら、ぼくのモンスター(2015年製作の映画)

3.4

時々現れる幻覚的な映像が、同性愛であることへの自己嫌悪だったり罪悪感だったり、オスカーに見えている闇を表現していておもしろい。彼にとってはそういう自分の存在自体がモンスターだったのかもしれない。>>続きを読む

真実の行方(1996年製作の映画)

4.0

エドワードノートンの独壇場。彼の演技がなければこのベタな脚本でここまで惹き付けられない。

パーフェクト・リベンジ(2015年製作の映画)

2.0

ビデオ通話越しに事件を目撃してしまった主人公という設定は面白いけれど、パッケージの煽りのわりには伏線もないしオチが惜しい。

ブルックリン(2015年製作の映画)

3.8

生きる場所も仕事も恋愛も、力強い選択で自分の道を切り開いていく主人公が本当にりりしくて、人生は決断の連続でつくられていくんだなと改めて感じさせられる。
シアーシャ・ローナンはレディーバードといい真っ直
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

3.4

経歴や教育のバックグラウンドもないシングルマザーが、弁護人として水道会社と公害訴訟で争うという、若干無理ある設定と思いきや、実話に基づいた話。彼女にとって働くということは、子供を食べさせ生きるための最>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.8

行方不明になった娘の捜索にまつわるストーリーが、全てSNSなどPCやスマホの画面上で展開されるのがとても斬新。
スクリーンの制約の中で、マウスやタイプの微妙な動きなど限られた表現方法でうまく登場人物の
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.0

1987年、韓国の民主化闘争を描いた実話。
民主主義も平和も所与のものとしがちな今の日本だと、デモやメディアの存在感はすっかり薄くなってしまったけれど、それもかつて彼らが闘って勝ち取ったものの上にある
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.3

30年前に作られた2019年東京のおはなし。
ネオ東京の街並といい金田たちのバイクといい、斬新なビジュアルのかっこよさと不気味さに哲学的なテーマも乗っかって、とにかく世界観のつくりこみがすごい。芸能山
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

病気で働けない定年前の男性と貧しいシングルマザーの社会福祉制度との戦い。困った人を助けるという単純なことが、国にとってどうしてこんなにも難しいのかともどかしくも思いうけれど、制度があるのと機能している>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.2

子供だからこそ自分の小さな世界で大人並みに悩んだり悲しんだり、複雑な気持ちになったりするのがフリダ目線でよく描れている。
ラストシーンがとても好き。終わり方が好きな映画ベスト3に入るかもしれません。

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.6

社会派LGBT作品と思いきや、話が進むうちに、これが異性カップルと何も変わらない普通の恋愛物語であることに気づかされて、最後は2人が同性愛者であることさえ忘れてしまう。3時間と長いけれど、フランス映画>>続きを読む

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.8

庇護申請のため、フランスで家族を偽装し共に生活する見知らぬスリランカ難民3人のはなし。祖国の内戦の恐怖から逃れてきたはずなのに、言葉や文化も違う土地での孤独感や不穏感が終始リアルに漂っている。その中で>>続きを読む

ドリーマーズ(2003年製作の映画)

3.5

映画狂ならたまらないエッセンスが盛りだくさんな作品。あくまで純粋で繊細なイザベラとテオと、2人の絆になかなか入り込めない現実的なマシューの間の距離感がいい感じに描かれている。

博士の愛した数式(2005年製作の映画)

4.2

高校の時に数学の先生が教えてくれた作品。オイラーの公式だったりルートだったり、数式を使って人生や愛を語る博士の話に引き込まれてしまう。記憶が長続きしない儚い博士の言葉だからこそ美しいと思える日本人の感>>続きを読む

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

3.8

ある事件の陪審員たちが議論を行う一室だけがこの映画の舞台。彼らの会話劇のみで見応えのあるミステリーをつくれるのはさすが三谷幸喜の脚本。キャラクターとエンディングのシーンがよい。

百円の恋(2014年製作の映画)

3.9

この映画を観た人の殆どがまず感じるのは、いちこのカッコ悪さとカッコ良さを演じきった安藤サクラの凄さではないでしょうか。情けなくだらしなく、泥臭く頑張っている愛すべき彼女を応援せずにはいられない。

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.9

同性愛者や病気であることへの社会の風当たりも法制度も、想像以上に厳しいものである現実を容赦なく突きつけられます。
愛し合っている孤独な3人が一緒に生活をしたいという単純な願いはそんなにも難しいことで、
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

2.3

AIとの恋愛を描いたおはなし。好き嫌い分かれると思うけれど、もはやここまでAIが進化している現代だと、こういう恋愛観をいつ人は受け入れられるようになるかどうかというタイムスパンの問題なのかもしれない。>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.7

母親の愛の偉大さと強さを改めて感じられる作品。主人公が破天荒で途中ついていけなくなったところも若干ありますが、そんな彼女に巻き込まれていくみんなが行動を起こして物語が展開します。