akinakiさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

ミッション(1986年製作の映画)

5.0

キリスト教映画の中でも、『ベンハー』、『沈黙』と並ぶ最高傑作のひとつ。

1750年ごろの南米、スペイン統治下のパラナ川上流域。ロバート・デ・ニーロ演じる奴隷商人がとある世俗的な理由から殺人を犯すも、
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

5.0

核の脅威や環境問題という深刻な社会問題をハードなSF的設定の中に詰め込みながら、人類の救済、自己犠牲、母性や愛の本質まで語り上げ、これまでの日本アニメを総括しつつ、以降の日本アニメの行く末を決定づけた>>続きを読む

バベル(2006年製作の映画)

3.5

ノンリニア型ストーリー展開で日本、モロッコ、モロッコに旅行中の米国人夫婦、メキシコにおける群像劇が同時進行で描かれる。それぞれ一筋縄ではいかない社会政治的課題が内包されたジレンマの中で苦悩する姿が印象>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

4.0

ホラー映画における黙示録系作品の金字塔。同時にサスペンスをカットと音響で畳み掛けることで観客の情動を掌握する作品の先駆け的な作品。キリスト教的終末観を探れるという点も評価。

エクソシスト(1973年製作の映画)

4.5

その場限りの驚嘆よりも、鑑賞後も見えざるものを今そこにある危機として受け手に信じ込ませる不快さと気味悪さの匙加減の妙。

サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

4.8

ブロードウェイ・ミュージカルを映画大作としてリメイク。ナチスドイツ支配下のオーストリアで亡命を余儀なくされたトラップファミリーが音楽と友愛の力でナチス軍の魔の手を退ける姿が爽快。美しいオーストリアの情>>続きを読む

惑星大戦争(1977年製作の映画)

1.8

スターウォーズにあやかったポスト円谷チームによる東宝特撮。とにかく仕事が早かったという点と浅野ゆう子を劇場映画ヒロイン役としての初登用という先見性は好評価。

カプリコン・1(1977年製作の映画)

4.0

ソビエトとの宇宙競争の果てに米国NASAが火星への有人着陸を捏造。主人公が、事実上監禁された身となった米国宇宙飛行士によるメディアとのインタビュー時に残したヒントを頼りに彼等が拘束されている場所を見つ>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

4.8

長編である原作漫画とそれを比較的忠実に踏襲したテレビアニメから、劇場版という時間的制約と大スクリーンというスケール感に最適となるように物語展開も再構成。銀河における機械帝国による支配とバイオヒューマノ>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.5

「反乱軍が如何にしてデススターの設計図を入手できたのか?」というファンのだれもか思いえがいていたであろう疑問に解を示すと同時に、長年言われ続けてきた「圧倒的に劣勢の反乱軍が僅かな手勢で強大なデススター>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.5

ブロードウェイの古典的作品を忠実に大スクリーンへ。

オデッセイ(2015年製作の映画)

3.5

火星に置いてけぼりという絶対絶命の環境下から不屈の魂と惑星間で知恵を振り絞りながら脱出を図る。リドリースコットとしては異色なほど王道な展開なのが寧ろ興味の対象になりうる快作。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.8

軍拡、侵略、本土空襲、学徒出陣、そしてヒロシマ...加害者としても被害者としても有史以来最悪の世界でいのちをつなぐ人々の群像劇。ドラマでなくヒトの息吹にひたすら心を動かされる。演じるひと、のんの才能も>>続きを読む

大脱走(1963年製作の映画)

4.6

往年のオールスター映画の代表作。ナチスにより捕虜として捕らえられた米英兵が資源、人材が極めて限られた環境下、それぞれの強みを活かして臨む数十人規模での大脱出。快活なスティーブ・マックィーン、当時は無名>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

4.5

既に広かった世界観を時間軸、空間軸さらに次元軸(魔法界)など全て拡張。更には前作との関わりをキッチリと保ちつつニュートはじめ新たに登場したキャラクターの魅力も存分に示した。今後の展開を期待出来るエンデ>>続きを読む

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜(2016年製作の映画)

4.5

ララァの旅立ち、シャア、三連星、ランバラルによる圧巻の共闘、アナハイム社内におけるテクノロジーのジレンマとそこからの脱却に尽力するティムレイの存在感

ブレードランナー(1982年製作の映画)

5.0

逆光、雨、スモークそしてライティングで紡がれるデストピアを舞台とした近未来フィルムノアール巨編。イデオロギー不在、コングロマリット帝国主義や、A.I.と生命といったいままさに問われている形而上的命題に>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

5.0

皇帝アウレリウスへの忠節を堅持したがために、権力闘争にまきこまれ、その果てに全てを失った英傑が、一奴隷からスター剣闘士へと駆けのぼりつつ展開される復讐譚。本来、泥沼になりうる題材でありながらリドリース>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

4.0

全てスケールアップしながらも既視感を払拭出来なかった無念のオリジナル最終作。活劇としては血沸き肉踊り、数々の異世界への訪問はまさに宇宙の広大さを実感させ、ロマンスの伏線もちゃんと回収しているのに物足り>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

5.0

前作が往年のあらゆる活劇的要素を統合化した作品であるのに対し、本作はSFというジャンルに愛と憎悪、友情と葛藤、師弟愛と親子愛から自由と支配さらには人類愛と宇宙的生態系の均衡など「考える葦」たる人間であ>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

4.6

スペースブームに便乗しつつも、映画がエンターテイメントの王様だった時代のあらゆる面白さの要素をこれでもかと詰め込んで作られた一大活劇譚。皮肉にもその辻褄合わせに構築された「なんでもあり」を可能とする巨>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

4.6

スターウォーズシリーズ屈指のクリフハンガー。物語における全ての伏線を回収しつつ人間関係から宇宙観、そこに存在するテクノロジーすらオリジナル三部作へと完全連結。活劇を悲劇へと見事に転換させたジョージルー>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

4.0

銀河を跨いだ終わりの始まりの物語。牧歌的宇宙観に佇む邪悪を丹念に描き、救世主の役割を約束された純朴なアナキンの本来の姿を際立たせる。クライマックスのスペースバトルシーンは敢えておさえめにしながら、ライ>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.5

日本版ウォークキングデット。展開的にもドラマ的にも。大泉さんの演技も光る。

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

3.6

アナキンとパドメによる禁断の恋...のはずだった若干消化不良な銀河スケールのロマンティックアクションコメディ

ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.0

宮崎監督流スペクタクルが煌る、戦時下における魔法と愛の讃歌

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

4.0

トレック的なウイットあふれるSF要素ふまえたワイルドスピード感。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.5

純粋な狂気を肌で感じつつ目つきと体躯による競演が楽しい。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.8

キャプテン・アメリカとアイアン・マンという二大ヒーローを中心とした壮大な内輪喧嘩。

激突!(1971年製作の映画)

4.0

大型トラックが迫る恐怖を、セリフや血生臭い映像などほとんど使う事なく示したスピルバーグの手腕に脱帽する一作。見方によっては、ジョーズやレイダースの前日譚にもなりうる不思議。

猿の惑星(1968年製作の映画)

5.0

動物愛護、人種差別問題、ハードSF、裁判による密室劇、そして究極のラストがひとつの作品として成立していることの奇跡。以降の展開が商業主義に走ってしまったのが残念。

オルカ(1977年製作の映画)

3.5

アニマルパニックを装いながらも、実際はシャチと人との心の交流が描かれた愛と憎悪の復讐劇。人と動物の関係でも「ヒューマンドラマ」が成立しうることを実証。動物愛護シネマの先駆けかも。

グリズリー(1976年製作の映画)

2.8

ジョーズの社会現象化に便乗したアニマルパニックモノ。児童に熊は怖い動物と誤解させてしまった(つまり、筆者)のは罪。