akiさんの映画レビュー・感想・評価

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炎の人ゴッホ(1956年製作の映画)

3.9

画家ゴッホの生涯を描いた作品。
彼の真っ直ぐで、というか真っ直ぐ過ぎるところと世間との距離感がとても鮮明に出てて面白かった。
この感じわかる人にはわかるんだろうな。
何をしてもわかってもらえず人に嫌わ
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Begotten(1990年製作の映画)

3.6

怖いけど神秘的で懐かしい。とても不思議な感覚。
言葉にはできない。すべての人の記憶の中にこーゆうものがあるような気がする。

すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)

2.5

昨今の迷走する情報戦の中人々は何に振り回され何を見失い勝ちなのか今最前線で既存の大手メディアから距離を置いて戦うジャーナリスト達の活動、証言やアメリカという巨大な国家とメディアの関係性などなかなかわか>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

3.6

大昔から遥か未来まで六つの時代に起きる革命的な出来事を悠久の時の流れに生じる変化、連鎖として描いていく。
それぞれに時代に必ず生じる階級序列や差別。
そしていつの時代も虐げられた人々は他者と共に自由の
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.5

SF映画の金字塔と言われる2001年宇宙の旅に対するソ連の返答と言われているこれまた難解な名作SF映画。

人間の意識を読み取り形にする知性を持つ海の惑星ソラリス。
そんな非科学的現象の実態を調査する
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11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

2.8

当時の全共闘による安保闘争の影で動いていた三島由紀夫を筆頭とする保守系民兵団「盾の会」が時代に飲み込まれながらももがき抵抗する憂国の叫びを中々リアルに表現したノンフィクション作品。
時代はアメリカが抱
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ベルベット・ゴールドマイン(1998年製作の映画)

3.6

去年デヴィット・ボウイの訃報を受けてこの映画のことを思い出し、久々に鑑賞。
思いきりボウイがモデルであるブライアン・スレイドなるグラムロックスター。
彼はあるステージで射殺される演出をし、その後忽然と
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白いリボン(2009年製作の映画)

3.6

とにかく胸糞悪くなることこの上無い映画。
第一次大戦前のドイツのある小さな村を通してファシズムの構図がすでに出来上がっていたことを痛烈な皮肉を込めて表している。
登場する村人の関係性と、語り部である主
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約束の地(2014年製作の映画)

3.1

不思議な映画。部類で言えばスルメもの。
失踪した自分の娘を探すために軍人の男がひたすらパタゴニアの雄大な荒野を行くロードムービー。
四角く切り取られた画面、空の青と大地の緑というシンプルなコントラスト
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メランコリア(2011年製作の映画)

3.5

メランコリアという巨大惑星が地球に衝突する人類滅亡系のお話だけど登場人物は本当に少なく、映画全編通してアルマゲドン的な空気は一切無い。

繊細で痛々しい情緒の変化や乱れを描く巨匠ラースフォントリアーの
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

3.5

ある不注意から幼い子供を亡くした事によって心に深い傷を負った妻と、妻の心を回復させようとする夫の話。

それ以降激しい躁鬱を繰り返す妻、一方夫はプロのセラピスト。
息子を亡くして落ち込んではいるものの
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銀河鉄道999(1979年製作の映画)

4.3

「子供の頃に観ておきたかったアニメ映画一位」

この映画を観たのはすっかりいい大人になってから(原作は読了済)。にも関わらず時間を忘れて、あるいは999の時間を感じて食い入るように観た。
あの長く壮大
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

ストーリーはアメリカの田舎で起きたある不可解な誘拐事件。
子を誘拐された父親ケリーの狂気的な行動と、同時に事件の真相を探るが一向に犯人に辿り着けない刑事ロキのサスペンスだが、テーマとなっているのはどう
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.6

実際に有った吃音症持ちのイギリス王子アルバートと言語障害専門の平民の医師ローグ(しかも当時植民地だったオーストラリア出身)の友情の話。

という前置きだけど見終われば結局これはローグとの友情云々より一
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ダンボ(1941年製作の映画)

4.7

完成度や構成という観点は結局のところド素人である自分ではこの次元になると計りきれない。
つまり最後は僕にとって運命的かどうかで決まってくる。
この映画の特殊性は幼少の恐怖を呼び覚ますある種のトラウマ要
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.6

自分はこの映画のレビューは書かなくてもいいと思ってた。
なぜなら説明不要の名作だし、トラヴィスというキャラクターを今更説明したところでみんな十分わかって…と思ってたけどみんなのレビューを見てたら予想以
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自虐の詩(2007年製作の映画)

3.4

貧乏な家に育ち親には捨てられ学校では笑い者になる典型的な不幸の連続で育った幸江(中谷美紀)は無職でヤクザ上がりのイサオ(阿部寛)とボロアパートで暮らしている。
イサオはマージャンパチンコに明け暮れ挙げ
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.3


アメリカ的な家族
アメリカ的な絆
アメリカ的な華やかさ
アメリカ的なプライド

全ては嘘に嘘を重ねた上で出来上がった歪な皮肉。
この映画は一つの大きな皮肉だ。
繁栄を極めた20世紀末アメリカ社会の表
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ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)

3.5

あの日本最狂怪奇文学ともいえるドグラマグラを影像化するという挑戦がすでにすごいがそれ以上にすごいのは原作ドグラマグラのドロドロとした不穏な空気感をちゃんと醸し出せてるところ。

特に天才落語家の桂枝雀
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攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D(2011年製作の映画)

3.4

まず攻殻機動隊の映像作品として最高傑作は劇場版の「ゴーストインザシェル」とアニメ作品である「笑い男事件」だと思う。
攻殻機動隊は全ての作品が今の世界が抱える問題(自我を持つAIや難民問題など)を遥か前
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28日後...(2002年製作の映画)

3.4

イギリスのゾンビアクション映画。
ダークトーンの風景、バロック的建造物の街並み、そしてスタイリッシュな映像と音楽などすごく英国的な空気感が溢れているクールなゾンビ映画。
正確にはゾンビではなくて研究所
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(2000年製作の映画)

3.8

かなり面白い。

実際起きた事件に基づいた話らしいが、なんともコミカルでありながらも生きる悲しさを感じる話。

実家に引きこもりながら趣味の裁縫ばかりしていた吉村正子。
ある日突然亡くなった母親の元に
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.8

パプリカ、東京ゴッドファーザーズ、妄想代理人の今敏監督作品。

ブラックスワンの元ネタになってるのだとか。さすが世界的アニメーターだなと思うし、本当に大きな才能を亡くしてしまったのだなと思う。
漫画の
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(1990年製作の映画)

3.5

黒沢明が実際に見た夢をオムニバス形式で映像化するというなんとも実験的な映画。

僕が小学校低学年くらいの時家に有ったビデオデッキの録画機能がなぜか深夜に作動してたようで朝に何が映ってんのか観てみたらた
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ぼっちゃん(2012年製作の映画)

4.0

僕の中ではすごい傑作映画。
題材は人生でおそらく一番衝撃受けた事件「秋葉原通り魔事件」。
犯人の加藤扮する梶が事件を引き起こすまでの友情、絶望、葛藤を描く。
あまりに不器用で、何をしてもうまくいかない
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日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)

3.5

オウム真理教による松本サリン事件で加熱したマスコミと警察による暴走で起きた冤罪を当時を振り返る形で追っていく話。

当時被害者の一人である神部俊夫をマスメディアは容疑者のように報道し、警察も神部を犯人
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

3.2

まず印象的なのが音楽が全く使われてないこと。
そしてメタ視点のカメラワーク。
内容も特に大きな変化などはない、80年代後半の受験戦争に晒される中学生の子を持つ「普通」の家族を描いたもの。
しかしこの「
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.6

これはなかなかすごかった。

序盤はマンションに住むただの幸せな夫婦のやり取りで退屈かな~と思ったけど、中盤辺りからだんだんと周囲の人間の恐ろしさが垣間見えるようになり、主人公ローズマリーが疑心暗鬼に
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パラドクス(2014年製作の映画)

3.4

メキシコ産無限ループサスペンススリラー。
無限ループ設定の物語は色んなところにゴロゴロありそうなものだけど、この世界の原因や流れが新鮮だった。

ループにハマってから35年後の生活など妙なリアリティも
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レック(2007年製作の映画)

3.3

とあるローカル取材番組(?)のリポーターとカメラマンが取材先のマンションに閉じ込められるゾンビパニック映画。
一番の持ち味はブレアヴィッチプロジェクトを祖とするPOVホラーの緊張感だろう。

本当に取
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独裁者(1940年製作の映画)

4.8

まずあの時代にヒトラーを笑い者にするチャップリンのとてつもない批判精神と勇気に敬意を表したい。
しかも笑いにするだけではなくラストは怒りに変えて真意を訴え、そして希望の涙に変わって映画は終わる。
二十
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オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)

2.8

これまた実話を基にした話らしいけども、まぁ政治の世界ではよくあるといえばよくあるし…
とりあえず何も無いところから急にのしあがったような「下克上権力」は強い力の味を覚えて人も信頼も全て壊していってしま
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.3

インドのスラム街育ちの少年が壮絶な人生を駆け抜けてインド版ミリオネアに参加し1000万を獲得するという奇蹟の話。
この奇蹟というのは本人に備わっていたある能力と運命が番組の内容ととてつもないシンクロを
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25時(2002年製作の映画)

3.1

スパイク・リーとエドワード・ノートンのコンビに興味を持って観てみた。
多分これは「人間は弱い」という前提で観れないとただの「犯罪者が駄々をこねてる映画」としか見えないと思う。
人間なんて初めて人生を経
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.6

久しぶりにスピルバーグの社会派映画を観たけど、やっぱりすごいなと思った。
今となってはもう老監督でありながら撮り方はもはや達人というか今やアメリカ映画のスタンダードともなっている迫る映像が次々とやって
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.7

第二次大戦時に現在のコンピューターの基礎が築かれたというのは聞いたことがあるが、まさかこんなに壮絶な人間ドラマの中で産声を上げてたなんて知らなかった。

ノアマンと共にコンピュータープログラムの基礎を
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