akiyoshiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)

3.0

嫌な女性は出てくるけど、嫌な男性が出てこない映画。結局権力者の愛人的な立ち位置になりますし、女性の宮廷庭師としてのシーンはなんだかうすぼんやりしていて具体性に欠けるし(困難の中で自立し職業を持つ女性を>>続きを読む

神聖なる一族24人の娘たち(2012年製作の映画)

4.0

やたらと性的なほのめかし・直接の性的表現があるため、苦手な人は注意。

マリ人の伝承をもとに、精霊や呪いが出てくる、現代的でリアリスティックなおとぎ話・オムニバスです。ものがたりの帰結があいまいで奇妙
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.5

主人公のミカエル/ロールが母親の理解がなくワンピースを着て友だちに謝って回ることを強要されるシーンがかなりしんどいです。トランス当事者などトラウマがある方は要注意かも。

フランス映画の苦手なところが
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エウロパ(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

小型探査機「はやぶさ」の話でもそうですが、宇宙探査は単純な出来事だけで危険と隣り合わせなアドベンチャーになります。個人的に、SFでこういった狭い空間だけで繰り広げられる地味なつくりは好印象。全員訓練済>>続きを読む

クイーン 旅立つわたしのハネムーン(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

本題のラニの旅や、制約の多いインド人女性の自由と自立は丁寧に描かれていて良かったです。女同士の友情も印象的です。突発的な傷心旅行、とくにはじめての海外旅行は、幸せそうに見える周囲から疎外感を感じたり失>>続きを読む

修道士は沈黙する(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

比喩や示唆的なシーンで構成されていて、読み解くのがむずかしい映画。社会派ミステリーの側面が強いです。

富める者が権力を得て、民主主義や時間すら凌駕しはじめている現代の経済家たちによる資本主義と、古典
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クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

3.5

常に動きがあるアニメという媒体だと独特の間をとるのが難しいのか、原作の不条理な設定やできごとが整理されています。おじさんと青年の立場は逆転していますし、職業や境遇、関係性も違う。ほとんど別物として見れ>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.5

長い悪夢のような世界観が、いかにもカルト的人気が出そうな雰囲気のSF映画。主役のロシア人とグルジア人、ペテン師的な雰囲気の独裁者など皮肉っぽい寓意の詰め合わせと、気の抜けた音楽が楽しい。低予算的ぽいけ>>続きを読む

29歳問題(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

香港の映画ですが、ものすごく日本人受けもしそうな映画です。映像はかわいいし、演技もよかったけど、脚本が好きではなかった。
「キラキラOL」の憂鬱からスタート。未婚で企業でバリバリ働くアラサー女性クリス
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

5.0

映像がレトロチックでおもしろくて、初見は2017年に作られたの!?と驚く人もいるのでは。ストーリーはジェンダーをとりあつかう目線を中心に、近代的ながらも、大筋はひねりのない王道スポコンものです。
ビー
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

モロッコが舞台の、シスターフッドのお話。アブラの子のワルダ役はとても演技がうまく、主役の女性たちがそうであるように、重苦しい空気を和らげて希望を感じさせてくれます。
モロッコでは婚前セックスも中絶も違
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PK(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ピュアでかわいくおしゃれな映画。
神様ってどこにいるの?信仰って?……とタブーになりがちなテーマをコメディでやわらかく取り扱った作品。信仰の否定ではなく、信仰を利用した分断や差別の告発です。日本人がと
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正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官(2009年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ますます論調が激化してきたアメリカの移民をめぐるできごとを排外主義もふくめて描いた映画……ではあるものの、帰化をことほぐ式典が単純に「人として当然の権利を取り戻せた」以上に「自由で開かれた豊かな国アメ>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

NPCをモブキャラと訳すのは、オタクだらけでゲーム関連のジョークが飛び交う映画としても、ゲームプレイヤーが話す言葉として微妙かな。この映画を日本で見る方にゲームプレイヤーは多くないだろうなと思うので、>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.5

おもしろかった。ヒストリカル&女性の政治ドラマ。小物など映像の美しさと演技の説得力、物語のたくみさで引き込まれます。サラと女王の関係も、淡白でテンポのいい進行の中で描かれるのにも関わらずロマンチックで>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ディスニープリンセス」がやっと国王に。ジャスミン周りの改変はなかなかうまくいっていたと思う。ミュージカル部分の楽しさはさすが。
今見るとジャファーの言動は「独裁者」「ヴィラン」の典型的なキャラクター
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ザ・ボーイ 人形少年の館(2016年製作の映画)

3.0

前半はほのめかされているグレタの過去に同情しつつも、人形を子どもとしてかわいがる夫妻の気持ちを汲んでブラームスを丁寧に扱わない彼女にがっかりした点もあった。人形がネグレクトされている子どもに見えたし、>>続きを読む

ファンハウス(2015年製作の映画)

2.5

ヒラリーとトランプが戦った2016年のアメリカ大統領選挙を控えていたため、コスプレや選挙についての言及、民主党支持・共和党支持(やたら間抜けだったりヴィランだったり、こき下ろされてる!)などの言葉、メ>>続きを読む

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

少女の心象世界とともに進む成長譚。ファンタジーではありません。
良かったところは、主役が少女たちであるにも関わらず、恋愛が出てこなかったところ(バーバラにそれだけの心の余裕がないし、幼いのもある)。
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ゴールデンボーイ(1998年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公は彼女とは非常に淡白な付き合い(性的な関心がなさそう)、親友との会話で彼女の名前をろくに覚えておらず、異性との恋愛に無関心。ホームレスの男性の「男性との経験がある」との言葉、主人公が暴露した教師>>続きを読む

ザスーラ(2005年製作の映画)

2.5

古い映画なこともあって、3兄弟であっても姉に役割がなく、宇宙がテーマのゲームだから男の子ための映画だと言わんばかりでなんともつらい。長男には「兄は弟を守るもの」とかいったステレオタイプの押し付けがあり>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

すごくイヤな映画。自意識がどんどん肥大化していって政治家の護衛気取りをしたり、とうとう暗殺未遂しかけたり、娼婦の女の子に説教をしたり、病的な思いつめ方がなんともリアルで怖い。メンタルの状態が悪い時に見>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.0

出生にまつわるフィクションとしては設定に手落ちの部分がとても多くて、ノオミ・ラパスの演技とアクションを楽しむ映画といった感じ。映像はおしゃれで衣装もきれいです。出生とか人口過密とかセクシュアル・リプロ>>続きを読む