DVDで久しぶりに。
決して気持ちよい話じゃないのに、面白いんですよね。
イランならではの男女関係の重たさが、普遍的な感情の動きの中でするっと納得させられてしまうし。
「エリについて」という原題ですが>>続きを読む
2001年公開(日本では2002のようです)ということで、この年「集団的自衛権」を発動したアメリカを中心としたNATO軍による攻撃の正当化にも使われた、という話を目にしたのですがどの程度そうだったのか>>続きを読む
監督の視点が明確なので、とても見やすい映画でした。
日本とチベットのわかりやすい(見ようによっては陳腐な)対比を見せつつ、最後のシーンに選ばれたダライ ラマ 14世の言葉で、その向こう側へ理解を進めら>>続きを読む
「奇跡の2000マイル」を見たんで、こっちも見ておくか的なノリで見て、冒頭からもうまさに原題「WILD」って感じでした。
パシフィッククレストトレイルというシチュエーションもつらいけど、それ以上にシェ>>続きを読む
同じNYに住んでいても全く異なる二人の転機が、ごくささやかに交錯するお話。
車の運転が自由を手に入れることというのは、私自身が運転出来ないので逆によくわかります。
「私には無理!」と思ってしまう気持ち>>続きを読む
エアコンのきいた空間で見る、砂漠とラクダと犬、最高。
幼少期の痛みとか、居所のない虚しさとか、そういうのは本人にしかわからないことだからぼんやりでいいのだ。
そんなことより砂漠とラクダと犬なんだ、と>>続きを読む
太平洋戦争中、現在のインドネシアにあたる地域で軍属日本人と現地女性の間に生まれた「インドネシア系オランダ人である日系二世」たちのドキュメンタリーです。
今も月一回は日本大使館前で元抑留者への補償を求>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ユダヤ人であることを手段としてではあれ否定して生き延びた少年の心に残っていた父との約束が、エスニシティの自覚に立ち返らせ「祖国」へと導く、という思いっきりユダヤ人視点(そのこと自体は仕方ないというか当>>続きを読む
イラクで出会ったひとつの家族が失われていく姿を通して、イラクが「中東のなんか怖い国」などではなく、私達と変わらない生身の身体が踏みにじられる現場であることを描いています。
綿井監督自身の戸惑いや居心>>続きを読む
原監督自身がおっしゃっていたように、「野火」を見たらこの映画を思い出すし、この映画をみたら「野火」を思い出すというまさに今年改めて見られるべき映画のひとつです。
単に人食に触れているというだけではなく>>続きを読む
お祖父さんの昔話に語られる、空を埋め尽くす渡り鳥のイメージとそれを捕らえるカスミ網の謎を追いかけたドキュメンタリー。
ひとつ事実が判明すると、またひとつ謎が生まれてどんどん奥へ奥へと踏み込んでいく、>>続きを読む
シングルファーザーという立場に依った物語というより、死んだ妻に対する後ろめたさとどう生きていくか、というお話に思えました。
イタリアで一般的なことなのかわかりませんが、家族だけでなく友人たち(それも>>続きを読む
1986年作品で上映機会も少ないようですし、事前知識なしに見ると聞き取れず理解しにくい(テロップや字幕も最低限なので)ところもあり、何せ長いです。
とはいえ現代史に関心があるかたなら敷居の高さに挑む値>>続きを読む
インドで亡命チベット人のサポートを続けている建築家、中原一博さんの案内で、チベットが置かれている苦境を取材した映画です。
大前提としてこのテーマに取り組まれていることへの敬意を感じます。
一人でも多く>>続きを読む
一級品の映像資料であると共に、沖縄を「凌辱」し続けるものを鋭く告発する作品。
抑圧される側に寄り添う作品は多いですが、このように抑圧する側をあぶり出す視点を併存させるには徹底した取材と、莫大な資料や証>>続きを読む
予告編を見て「過激さを求める視聴者とメディア、それに応えるために壊れていく男」的な話をイメージしてたんですけど、ちょっと違いました。
主人公のルーは最初から少し(かなり?)アウトな存在に描かれていて>>続きを読む
普段は3の後半くらいに偏った煮えきらないスコアつけてて、ここんとこ5を特定のテーマで連発してるので疑われそうですけど、これはほんとに5です。
(というかどの5も同じ意味の5ではないのでどれも本当だけど>>続きを読む
ストーリーとしては凡庸な構図(テーマを際立たせるためにわざとなんでしょうけども)ですが、それぞれのセクシュアリティの自覚を中心に置くことで、それなり現代的な物語に。
ヴィルジニアがショッピングに行く>>続きを読む
客席が老若男女いろいろに賑わってたのが印象的でした。
建築のアレコレなどみじんこもわからんドシロウトが見ていても、何となく「日本の社会にヴィジョンがあったのっていつのことなんだろう」みたいな気分に、>>続きを読む
住田さんのたたずまいのかっこよさ、音楽のかっこよさはめっちゃ感じるのですが、映画全体としての作りがピンと来なかったかなぁ。
バイオレンスな「障害者」ってアジアのアクション映画などでは結構キャラとして>>続きを読む
ブラジルの社会派写真家、セバスチャン サルガドの半生を追いながら、彼の見てきた世界、撮ってきた世界に驚くばかりの映画でした。
マクロな視点からの問題意識をミクロな現場で捉える、その写真のたしかさに、ニ>>続きを読む
「陸軍登戸研究所」でもそうでしたが、こういった戦争体験の聞き取りや資料保存が地元のかたたちによって担われているのは本当に素晴らしいことだと思います。
また、体験を語られる元航空隊のみなさんの言葉の率直>>続きを読む
自主製作という条件下ゆえか、そもそもの製作意図がそこなのか、感情移入させるための段取りめいたものは廃されています。
感情表現に重きをおかないタイプの舞台劇や、「世にも奇妙な物語」によくあるワンシチュエ>>続きを読む
本当にこれはドキュメンタリーなの?仕込みじゃないの?と思うほど、面白い人物と新知識ばかりが登場しますが、全員が本気で真顔で、茶化すような半笑いの一切ない清々しさに、演出だろうが素だろうがどっちでもよく>>続きを読む
沖縄戦の象徴のひとつ、日本一知られた名前の学徒隊の生存者インタビューを芯に、その悲劇に正面から取り組まれた作品です。
動員される初め、赤十字のもとで看護にあたるのだと思っていた、というテロップにドキ>>続きを読む
これ以上ないくらい、アイドルで演劇で映画な映画だったー。
夏菜子さんモテすぎ!杏果さんが影のある美少女!
黒木華は裏切らない!(映画の中では裏切ってたけど!
志賀廣太郎さんの声の良さがネタになってま>>続きを読む
ゴバディ監督がイランに戻れなくなった作品を見ておきたいと(見てなかったんですね悔しいことに)ひとまずDVDで。
でも映画館で上映される機会にみてから感想を書きたい気分になってしまうな。
ドキュメント風>>続きを読む
イランイラク戦争のさなかで、地方に暮らす素朴な女性ギーラーネは息子を戦地へ送り出そうとしていました。
テヘランから避難してきた身重の娘は、残してきた夫を心配して様子を見に帰りたがっており、ギーラーネは>>続きを読む
これ笑えるという方もいるんでしょうが、私は全然ぐったりさせられてしまい、いや、つい微笑ましいと思ってしまう場面もあるにはあるんですが、全般的には、ひとがいかに普通に勤勉に楽しく人殺しに動員されるか、そ>>続きを読む
1970年代に日本に招かれたトーベ ヤンソンがパートナーのトゥーリッキ ピエティラと、コニカの8mmカメラと共に日本各地、更にはハワイ、メキシコとアメリカの各地を巡った興味深い記録映像です。
90年代>>続きを読む
予告はもっとアホエロコメディを期待させる感じだったと思うのですけど、冒頭から「はい、これ日記読んだオッサンの語りだからね、そこ頭に入れて見ましょうね」ってメタに釘を刺されてからのニヤニヤ映画みたいな、>>続きを読む
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で。
そこそこ技術はあるけど売れない子持ちの歌手、夫婦の危機で歌で生きる自分に目覚める主婦、美人で夢はあるけど自信がなく垢抜けない歌手志望、年齢も個性もさまざまな女性た>>続きを読む
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で。
こどもが犯罪行為と危険行為しかしませんが、可愛いから仕方ない。
タハール ラヒムも可愛いから仕方ない。みたいな映画です。
大阪アジアン映画祭であんなに評判になっていて見逃したのが悔しかったのに、まさか登録すらされてないとは意外でした。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭でようやく見たのですが。
いやー、面白いです、けど、>>続きを読む
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で。
レバノンはキリスト教者が多いそうで、これもクリスチャンコミュニティのお話です。
障害を抱える息子を地域から排除されそうになった父親が「息子を天使だと思わせて受け>>続きを読む
プレミアム上映で見てきました。
シンプルなストーリーで、とても端正な画面の寓話的作品。
前半、国境の廃船で自活する幼い少年の姿には冒険もののおもむきさえあって、シビアな状況なのにちょっとワクワクして>>続きを読む