アリさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アリ

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ジュノー(2010年製作の映画)

2.3

赤十字の医療活動のみならず、戦時捕虜の解放や待遇改善に奔走したスイス人医師マルセル ジュノーの伝記アニメ。
原爆の機密保持のため十分な医療支援が行われない中で大量の支援物資を取り付け自ら広島に入ったこ
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ひろしま(1953年製作の映画)

3.9

「原爆の子」と同じ手記を元にしていても、かなり異なる印象を残す映画でした。
被爆者を含む広島市民がエキストラとなって再現されたという原爆投下前後のシーンはもちろん迫力があるのですが、前半から強調される
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原爆の子(1952年製作の映画)

3.9

新作ジャンキーなので昔の映画を全然見られてないのですが、モノクロ時代の日本映画をみるたびに画面の清新さ、テーマの鋭さに驚かされる気がします。
1952年の広島、戦後復興の中で見落とされそうなひとびとの
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花嫁と角砂糖(2011年製作の映画)

4.1

前半は慶事、後半は弔事と、集まり好きおしゃべり好きのイラン家族イベントのハイテンションが詰まった映画。
結婚する相手が国外にいるので「この国にいても未来はないからよかった」とか「イランと違って夫が横暴
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君だってかわいくないよ(2015年製作の映画)

3.3

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015にて。
日本語タイトルはtooがyouにかかってますが、作品内のジョークでは顔がよくないという方にかかっているんですよね。
少し意識がとんでしまった部分もあった
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ビヘイビア(2014年製作の映画)

4.3

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015、長編グランプリ作品。

キューバのハバナ旧市街、監督自身が生まれ育った場所であり、そして出演しているこどもたちが暮らすその街では、貧困の中で親に保護されるどこ
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ペインキラーズ(2014年製作の映画)

3.7

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015にて。
作曲家を志す少年がオーケストラに入ったり、うまくいかない恋ばかりしたり、母親は病気になるし、顔も知らない父親に会うしと長くはない中にドラマをぎゅっと詰め
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モンテビデオの奇跡(2014年製作の映画)

3.7

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015にて。
前作は横浜フットボール映画祭で紹介されたそうで、日本にも既にファンの多い作品のようでした。
前作の存在すら知らずに見ましたが、試合シーンの迫力にびっくり
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絶え間ない悲しみ(2014年製作の映画)

3.6

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015にて。
同じ男性にこどもを生まされる二人の女性、一人は夫があり、一人は義理の娘。女性の夫や、生ませる男性の妻子などの人間関係を通じてメキシコの伝統的社会が抱える
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航路 ハンロ(2014年製作の映画)

4.5

「航路」は金哲義さん金民樹さんによる関西の演劇ユニットです。
お二人ともに済州島にルーツを持ちながら、2008年以降、韓国籍と朝鮮籍という違いによって金哲義さんだけが韓国へ渡航できなくなってしまいまし
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裁判の行方(2013年製作の映画)

3.6

家族の命を奪った強盗犯が「手続き違反」により釈放されてしまい、絶望した男の顛末。
司法に対する問題提起的な作品ですが、主人公リュックの苦しみを生々しく描く一方で、治安当局と司法権力のブレーキになってい
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.4

ジョージア(サカルトヴェロ)西端のアブハジア、90年代の独立紛争さなか、互いに仇である兵士たちが一つ屋根の下にある緊張感!
その間に立つ生活者の抱える哀しみとユーモア。
複雑な背景から普遍的な主題を引
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ロックス・イン・マイ・ポケッツ(2014年製作の映画)

3.9

これは好きなやつ!
ラトビアの言葉(EUフィルムデーズのチラシやIMDbでは英語となってますけど英語じゃないですよね)でよどみなくまくし立てるように語られる、精神疾患の家系に生まれた監督自身を含む女性
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道しるべ(2015年製作の映画)

3.5

お金持ちのばあちゃんが通りで行商する姿と元シェフで今や悠々自適のおじさまの説教で、家族に見放されギャンブル依存で振り込め詐欺の受け子にまでなった男が改心するわけねーだろ!の、そのないわーを演じてしまえ>>続きを読む

ふじ学徒隊(2012年製作の映画)

4.1

2015年の再上映にて。
シンプルなインタビューと最小限の解説で、沖縄戦のひとつの側面を辿ります。
25名中3名の犠牲にとどまった小さな学徒隊の証言で、かえって動員された学生の半数近くを犠牲にしたもの
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赤浜ロックンロール(2015年製作の映画)

3.8

岩手の大槌町赤浜地区は大津波で被害を受けながら、国や県が主導する巨大防潮堤に合意しませんでした。
この映画には、どんな考えと暮らしのもとにその選択がなされてきたかが映し出されます。

その土地で生きる
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何を怖れる フェミニズムを生きた女たち(2014年製作の映画)

3.4

予告編はちゃちく見えたんですが、日本のフェミニズム史を俯瞰ではなく個人の肉声から編みあげるいかにも正当派な作りで、既に60を越える女性たちの積み重ねてきたエネルギーが伝わってきました。
夫に食わせてや
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私の少女(2014年製作の映画)

-

東京フィルメックスで見て言い表しがたいモヤモヤを抱えて以来、必ず再見してこの気味悪さを確認したいと思っていました。
改めて見てみたら、サバイブ能力の高い被虐待者が殴るアル中から殴らないけど不安定なアル
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がむしゃら(2014年製作の映画)

3.8

安川さんのことは全く知らずに見て、とても胸を打たれました。
同時に何重苦の身体を燃やし尽くさんばかりのエネルギーを、ただ映画を通して見ただけで感動して、もてはやすことも出来ないと思った。

生きるって
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天空の大巡礼を行く(2015年製作の映画)

3.9

「ケサル大王」ほどドラマティックな作りではないですが、アムニマチェンを臨む12年に一度と言われる巡礼を追ううちに、五年前と変わってしまったもの、スローガン通りに環境に配慮しているとは見えない痛ましい開>>続きを読む

チベット 天空の英雄 ケサル大王(2013年製作の映画)

4.1

好きな映画なので再見できて嬉しいです。
シビアな歴史と政治状況、環境問題の上に、なお美しい山嶺と高原、色鮮やかな寺院やタルチョ(旗)、舞踏劇の衣装。
少しドラマチックすぎるナレーションや音楽も、東チベ
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ナオトひとりっきり Alone in Fukushima(2014年製作の映画)

4.0

タイトルをどういうふうに受け取るか迷う。確かに松村直登さんはひとり富岡町に残っているのだけど、ひとりっきりではないから残るしかなかったとも思えるし(ひとりにしてはならないとも)。
震災まで畜産に関わっ
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バイオレンスPM(2010年製作の映画)

3.6

「コントロールオブバイオレンス」でも暴力性を表に出さずに生きていてもいずれ暴力に引き寄せられてしまう姿を描かれてましたが、マサシの救われなさに共通したものを感じます。ひとのためになることをしたとしても>>続きを読む

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