あまいさとさんの映画レビュー・感想・評価

あまいさと

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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

キュートな映像美。オープニングがすばらしい。

エルヴィスのきもさと誠実さは、あくまで客観的に映される。プリシラの胸の高鳴り、そして不安・圧迫・喪失感には、視点を重ねられてしまう。

その道の向こうに(2022年製作の映画)

4.0

間はじっくり取るけど、むしろだからこそ、無駄のない94分。

撮影。音楽。ジェニファー・ローレンスとブライアン・タイリー・ヘンリーの演技。

強烈なトラウマがなかったとしても、普遍的な物語だと思った。
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

案外映画では描かれてこなかった物語なのかな、と感じた。恋愛がテーマの作品にあまり触れていないせいかも。

共感するような経験は自分の中にないし、ノラとヘソンのことはあんまり好きになれなかったけれど、す
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

字幕の文字化けが修正されていたのでようやく鑑賞。

程度や深刻さの違いこそ大小あれど、いろいろな分野に共通する問題だと思った。

自分にとっても耳が痛い話であり、また「耳が痛い」で終わらせてはいけない
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

35mmフィルム上映にて。

関連する史実や人物についてはある程度抑えた上で観たが、特に予習しなかったとしてもまずは十分に理解できると思う——少なくとも一度の鑑賞においては——。というか時系列が前後し
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

とにかく画面のあれもこれも説明されない。

それでも、光の美しさとアナの芝居をずっと観ていたい。

ちらりちらりと覗く圧迫感や抑圧、ふいに訪れるどきりとする場面。

スペインの内戦やフランコ政権につい
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

原作未読ながら勝手に抱いていたイメージや企画選考のスター映画的な香りだけでスルーしてはいけない、三宅唱作品。

16mmのフィルム?で合ってますか?——とぼくが認識しているああいう映像が大好きすぎるの
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

ミステリーかと思ってスルーするところでした。

描かれるのは、夫婦に代表させた人間関係について、また、作品と作家の関係について。

写すべきものを探しながら撮っているかのようなカメラワークが、映像的な
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.5

「よかった」という感想にはなるけれど、受ける力が足りなくて楽しみきれていない自覚が強い。

全体としての物語はおもしろいし、美しいショットやちょっとしたセリフにハッとする瞬間もあった。でも、意図がまっ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

あれこれ考え過ぎてしまう。気づきも気遣いも、網羅しなきゃいけないような気になってしまう。何かを書けば書くほど、書いていないことが意識されてしまう——と、言い訳。

ランティモスの露悪性は個人的にはまら
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Here(2023年製作の映画)

4.0

穏やかな時間。美しい街並や装飾。ささやかな緊張感。人間関係の距離感。フィルムの質感。鳥のタイミング。独特な音楽。

大変に心地よくて、愛おしい。

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.5

ぼくはウディ・アレンをキャンセルできなかった。でも、この作品をフラットに観ることもできなかった。

とはいえやっぱり登場人物はかわいいし腹立つし、作品はおもしろいんだよなあ。

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.5

ですよね。人生。なかなかきれいに進まないですよね。

やりたいことをやっていたい。でも生活や周りの人達、思いもよらぬ感情、猫、些細なあれこれに気が散ったり邪魔されたり。

いろんなことを諦めたり妥協し
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.5

岡山天音があまりにすごい。そして仲野太賀がやっぱりうまい。というか役者がみんなよかった。

作品としては、もちろん程度の差はあるけれど、共感の連続だった。

編集上の演出・デザインや音楽で、あまり好み
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.0

なんと力強くてやさしい(?)クリスマス・イヴ。

洗車のシーンの画は特にすごい。

群像ドタバタのエンタメ性はやっぱり好きだなあ。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

絶対に好きなのに数本しか観たことのないアキ・カウリスマキ監督。

出会いのシーンがすばらしい。

そして続く、滑稽さすら感じるほどの——心の、ではない——すれ違い。

映画の中で映画が流れるシーンでは
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

ドーナッツが食べたい。ドーナッツを作ってみたい。はちみつとシナモンかけたい。

男と男の、マッチョでない友情が描かれた作品は、あまりないから嬉しい。

ラストは劇場みんなで見守るような不思議な感覚があ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

劇場版Vlog。撮り方と繋ぎ方が情緒的で美しい。役所広司は確かにすばらしかった。

素朴な生活の美しく見せられそうなところだけを美しく抽出。使えそうな要素は都合よく使う。都合の悪い現実からは目を逸らす
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(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

重要な登場人物が軽率に死ぬ映画は、いつもおもしろいな。

何の心づもりもなく観たかったところだが、鑑賞前に目に入ってしまった「ホモフォビアのないホモソーシャル」という評。なるほど確かにこの作品の一面を
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市子(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ミステリーとしての真相の明かし方がわざとらしくなくて、はっとなる瞬間が何度かあった。

だけど作品の肝はたぶんそこではなくて、たくましく前へ進む市子や健気に奔走する長谷川くんを応援したくなるような作品
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

クライムミステリーとして、コメディ映画として、エンタメとして、まず単純によくできていておもしろい!

それでいて映像も洒脱で心地よく、なによりお芝居がすばらしい。

男性社会への批判性など、現代的なア
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

とってもよかった。最初から最高だ。

孤独や疎外感を覚えていくさま、居場所を失っていくさま。過程。

歩く姿が印象的。

昔から、男女の友情が性愛に結びつく瞬間にドン引きしてしまう。おじさんと少女とい
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.0

ずいぶん前に原作で泣いた者です。

かわいくて、やさしくて、あたたかい世界が映画の中にもありました。
作画も、線まで西村ツチカさんみたいでよかった。

また泣きました。

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

3.5

すてきな物語でした。

音楽の圧倒的クオリティ……と思ったら大友良英さんだった。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

映像、音、演技、演出、ずっとめちゃめちゃかっこよかった。

それがフリになっているのかな、コメディだと考えるとおもしろい。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

206分の上映時間は、短く感じた——ということはなくて、長いものをずっと夢中で観ました。

マーティン・スコセッシここにあり、レオナルド・ディカプリオここにあり、ロバート・デ・ニーロここにあり、なんだ
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

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あまりに美しくて穏やかで、いくらなんでも気持ちよく……熟睡してしまいました……。悔しい。

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