ambiorixさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.2

結論から言うとつまらなかった。そして退屈だった。
その原因は、物語に起伏がなく平板だったから(でもこれに関してはゆるキャン△独自のテイストを劇場版でもぶれずに貫いてみせた…ともいえる)とか、TVシリー
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ラルジャン(1983年製作の映画)

4.1

ロベール・ブレッソン、という監督はたいがいの文脈で「孤高の映画作家」みたいな大仰な冠を被せられるわけですけど、その煽りを間に受けて、驚天動地のものすごい映像を撮ったりする人なのかなと思ってためしに見て>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.8

クソ映画やヘンテコな映画に心を動かされた時にはだいたい長ったらしい感想をタラタラタラタラ書くんだけど、これに関してはもう「めちゃくちゃ面白いからみんなも見てね」としか言いようがない(笑)。現時点での年>>続きを読む

昆虫怪獣の襲来(1958年製作の映画)

2.2

先日見た『月のキャットウーマン』に続くアメリカ人放射能なめすぎだろ映画第2弾。『月の〜』と同じくクソ映画界の巨匠、アル・ジンバリストが製作プロデューサーをつとめております。ちなみに、監督のケネス・G・>>続きを読む

月のキャット・ウーマン(1953年製作の映画)

2.0

サイテーSF映画の金字塔。
人類初の月面着陸に成功した宇宙飛行士5人が何かに導かれるようにしてたどり着いたのはキャットウーマンの宮殿だった。ところが当のキャットウーマンたちは彼らのロケットを奪って地球
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

エンドロールが終わったあともしばらく席を立てず、「なんやこの映画は…」という困惑の気持ちが頭をぐるぐる渦巻いていたのですが、じゃあこの作品が何をやってんだか皆目わからない意味不明なシロモノだったのかと>>続きを読む

国葬(2019年製作の映画)

3.6

████氏の国葬の直前にこれを配信するというのは、もはや████氏への当てつけとしか思えないんですが、本作『国葬』を撮った(というよりは編集した)セルゲイ・ロズニツァ監督作品の配給会社?のTwitte>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

4.1

世間でAmazonオリジナルの映画といえば、つまらん、ハズレが多い、みたいなイメージがしばしば付きまといがちですけど、正統派午後ロー的アクションSF『トゥモロー・ウォー』や、斬新すぎる音響デザインの面>>続きを読む

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.1

僕はTV版の『オッドタクシー』が大好きで、どれぐらい好きかというと、アニメのオールタイムベストを作ったらまあトップファイブには間違いなく入るんじゃないかという程度には好きなんですが、つけた点数を見ても>>続きを読む

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

4.3

まずもって疑問に思ったのが、この作品はどの程度の予備知識を持って臨むべきなのか?ということで、たとえばTVシリーズはおろか再編集版映画すら見てない状態でうっかりここまでたどり着いてしまった観客が、物語>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.1

これはデンマークの製作ですが、北欧の映画って鑑賞者に要求してくるリテラシーがばかに高いというか、「これって笑っていいやつなの?」のラインぎりぎりを攻めてくる作品がやたらと多い気がする。厳粛なお葬式の場>>続きを読む

レディ・イン・ザ・ウォーター(2006年製作の映画)

1.5

冗談抜きにオールタイムワースト級の映画かもしれない。ファン歴が浅いなりにこれまでいろんなクソ映画を見てきたつもりだけど、そういう作品ですら頑張って探せばどこかしらに褒めるところがあったはずなのに、これ>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

3.9

これはめっちゃ嫌いな人とめっちゃ好きな人とがぱっくり分かれて、かつめっちゃ嫌いな人がめっちゃ多いタイプの映画なんでしょうね。かくいう僕も前半はめっちゃ嫌いでした。
映画のもっともすばらしい機能のうちの
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さがす(2022年製作の映画)

3.4

今年いちばん見たかった邦画が早くもアマビデに登場😲 ありがたい。
片山慎三監督。あとから知ったんだけどこの人、ポンジュノの助監督をやってた方なんですね。たしかにそう言われてみるとなるほどポンジュノっぽ
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さよならジュピター(1984年製作の映画)

2.4

高い知名度のわりに各種レビューサイトの投稿件数が異様に少ないので、もしかしてみんな、見てもいない映画を知ったかぶってクソだクソだと決めつけてるだけなんじゃないのか?と思ってためしに見てみたらマジでクソ>>続きを読む

キネマの神様(2021年製作の映画)

3.4

たしかにジュリー演じるアル中&ギャン中ジジイは新人脚本賞をとったぐらいじゃとうてい償えないレベルのゴミクズ野郎だし(でもそれに関してはジュリーを半世紀もの間甘やかし続けて愧じなかった宮本信子の側にも責>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.4

うだつのあがらない非常勤音楽教師のおっさんが中学校の校長から正式採用を持ち掛けられるんだけどちっともうれしそうじゃないというのは実は当人プロのジャズミュージシャンになる夢を諦めていなかったからでそんな>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.5

事前に「すごい毒親が出てくるぞ」とは聞いてたんだけど、想像以上だった。っていうかこれ、うちのオカンやんけ!過干渉ママというか抑圧ママというか、当人は本気で子供のためを思ってやってるつもりなのかもしれな>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

4.0

オールタイムベスト級に好きな『別離』『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督最新作ということで、ウキウキしながら観にいったんですが…ちょい期待しすぎたか。いや、面白かったんですけどね。2時間強の尺>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

社会的地位の高さと内面が釣り合っていないしょーもない「男」(ヤンホモストーカーが出てくる『デュエリスト/決闘者』や嫉妬深い皇帝が出てくる『グラディエーター』)と、男性優位な社会の中で翻弄されつつもしぶ>>続きを読む

アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

2.8

最近なぜかアフリカの映画を観る機会に立て続けに恵まれ、ウガンダ、エチオピア、ケニアと渡り歩いてきたけど、設定のぶっ飛び度合いで言ったらガーナ(・ドイツ・日本)製作のこれが頭ふたつみっつ突出してる。
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誰がキャプテン・アレックスを殺したか(2010年製作の映画)

3.5

ウガンダ🇺🇬初のアクションムービー!
首都カンパラの郊外にあるスラム街、ワカリガに本拠を置く「ワカリウッド」が製作した作品で、かかった予算は日本円にしてなんと2万円だそうな。これより安上がりな映画とい
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

4.0

エリートビジネスパーソンの夫に、べっぴんの嫁さんに、娘と息子。一見したところ完全無欠な理想の家族が、突如起こった雪崩によって引き裂かれてゆく…って、こう書くとパニック映画っぽいんだけど、ジャンルはコメ>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.1

日本の是枝裕和が「血のつながらない人間たちが少しずつ家族になっていくプロセスを描くこと」に執着してきた監督だとすれば、ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフは逆に「家族の形が破壊されていくプロセスを描く>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.1

相手の心の奥底に踏み込む勇気をどうやっても持てず、自分の側から一方的に付き合いを絶っていった結果、構ってくれる人は誰ひとりいなくなり、気づくと圧倒的な孤独の沼にはまって抜け出せなくなっている。家族とほ>>続きを読む

SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.9

短編と続けて鑑賞。伏線の張り方や拾い方、皮肉きわまりないオチの付け方にいたるまでのすべてがウェルメイドな短編もアカデミー賞を取るだけあってさすがに素晴らしかったが、より心にズシンときたのはこっちの方。>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.8

「なんだかよくわからない変てこな映画」が居並ぶポール・トーマス・アンダーソン監督のフィルモグラフィーの中でもひときわ変てこな作品。薄暗い倉庫の隅っこにぽつねんと佇む男、大通りでクラッシュする車、男の真>>続きを読む

キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

4.4

まさかアラサーの男がこの手の映画で泣いちゃうとは思わなかった(笑)
ほぼ完璧。正直いって舐めてました。
「自分が心の底から正しい・好きだと感じたものをひたむきに信じること」という、ともすればストレート
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

「上級国民にも上級国民なりの悩みがあるのヨ」なんてテーマの映画を俺のような下級が見て面白いのかよ?んなもん知ったこっちゃねえよ、とはじめは思うのだけど、なぜだか無性に面白かった。
松濤の開業医の家に産
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

時代や地名が特定できるものをすべてはぎ取って抽象化したある種の神話的・寓話的な舞台装置だったり、荒涼とした自然の無慈悲な感じだったり、テイストとしてはタル・ベーラの映画に近いのかなと思った。何より画面>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

周りからの評判があまりにも良かったので、はじめは前のめりになって見ていたのだけど、うーん、期待しすぎたか?そこまでハマれなかった。
クラブで舞い踊る男たちの下半身を次々にとらえた冒頭の演出からも明らか
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.0

歳を食ってくるとどうもこういう話に弱くなっちゃうんだよな。自分はとうに夢を諦めてクソ垂らし人形と化してしまった側の人間なので、主人公ジョンの姿が眩しくて仕方なく、心の臓をナイフでえぐられるような痛みを>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.5

ジャンル的にはSFコメディなんだけど、まったく笑えなかった。それがなぜかというと、作中で皮肉られる対象の射程範囲があまりにも広すぎ、かつ真に迫りすぎているからで、おそらくコロナウイルスを模したと思われ>>続きを読む

無法松の一生(1958年製作の映画)

3.8

主人公の松五郎は喧嘩っ早くて気性が荒く、思ったことを忖度せずに何でもズケズケ言うためにトラブルが絶えないが、人情味があって義侠心にあふれる男だった。
そんな彼がひょんなことから亡くなった大尉の未亡人と
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.8

北朝鮮ものといえば、昨年の暮れにマッツ・ブリュガーの『ザ・モール』と『ザ・レッド・チャペル』を立て続けに見て衝撃を受けましたが、こちらもまた別のベクトルでスゴイ作品。しかも日本の映画なんですね(インド>>続きを読む

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.0

STUDIO4℃作品は『海獣の子供』以来2度目。原作の絵柄のエッセンスをうまくすくいとってアニメの画面に過不足なく落とし込む技術力はやっぱりすごい。スチーム・サイバーパンク風味の街並みは見ているだけで>>続きを読む