&yさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)

3.5

【2013/11/29:早稲田松竹】「自由」に縛られるということ。路上という「自由」から解放されることの難しさ。路上にある「自由」によって得るもの、失うもの。それぞれの青春には起承転結のない物語がたく>>続きを読む

シュガーマン 奇跡に愛された男(2012年製作の映画)

4.0

【2013/11/29:早稲田松竹】とりあえずロドリゲスさんがいい人すぎる。
まず、お金や名誉だけでなく「承認されたい」欲が全くないのがすごい。SNSなんかで日々承認欲求の渦に触れている私たちからして
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

5.0

【2013/11/27:日比谷シャンテ】これ以上最高なダンスシーンってある?アナログでヘンテコな「Come On Eileen」を聴けば、音楽好きな人ならすぐ、あの膝を抱えた少年のジャケットと崇高なる>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

4.7

【2013/11/26:神保町シアター】いやー美しい。他の小津映画に見られる豊かさとはちょっと趣が異なり、生身の人間の激情や心の乱れがビビッドに描かれている。雨の中の罵倒し合いなんて、他の小津映画では>>続きを読む

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)

4.1

【2013/11/26:角川シネマ有楽町】本当に大切なものは、失ったらもう戻ってはこないよ、という地味で使い古されたメッセージながら、ヤな奴ってだけでもない主人公の孤独(鉄道やネズミ)とか、本人が思い>>続きを読む

ペコロスの母に会いに行く(2013年製作の映画)

4.0

【2013/11/21:ユーロスペース】近年、介護や認知症をテーマとしたいくつかの作品を観たが、(「しわ」すごくよかった)、介護“する”側が「ボケるとも悪かことばかりじゃなかかもしれん」と、老いを否定>>続きを読む

ルー・リード/ベルリン(2007年製作の映画)

3.7

【2013/11/20:バウスシアター】ただのVU及びルー・リードファンとして鑑賞。
単にライブを撮ってるだけなのに、何台のカメラでどうやって撮ったの?リハは何回やったの?と詰問したくなる素晴らしいカ
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「また、必ず会おう」と誰もが言った。(2013年製作の映画)

3.5

【2013/11/19:シネマート六本木】イッセー尾形が観たい!というだけの理由で鑑賞したが、思いのほか良作だった。
脇を固めるベテラン勢も素晴らしいし、彼らに圧倒され気味な主演の若手俳優の佇まいは、
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おいしい生活(2000年製作の映画)

4.2

【2013/11/19:角川シネマ有楽町】観たい新作は山ほどあるというのに、ウディ・アレンのこの辺の作品がかかればついつい観に行ってしまう。ウディ映画の中でもかなり好きな方。
結局トレイシー・ウルマン
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世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)

4.0

【2013/11/19:角川シネマ有楽町】今が楽しければいい!なんて考え方、現実では好きじゃないけど、ウディ映画の登場人物たちはみんな「今が楽しい」ことに対して病的なほど貪欲で、考えすぎて混乱するし、>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

4.8

【2013/11/13:アップリンク】これは。たまらない…。何から感想書いたらいいのか。
「母親を愛することができない、しかし愛さないこともできない」という印象的なフレーズは、「母親のことが一番嫌いで
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ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン(2013年製作の映画)

4.3

【2013/11/13:シネマカリテ】
とにかくファン目線で捉えた映像には監督の深くて拗れたローゼス愛が感じられる。フリーライブのお祭り騒ぎ、わたしも混ざりたい!と食い入るようにスクリーンを見つめるう
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遭難者(2009年製作の映画)

3.9

【2013/11/10:ユーロスペース】
「女っ気なし」がシルヴァン非日常編、こちらがシルヴァン日常編、かな。お人好しすぎてお節介、すら通り越してちょっとウザい、彼の日常の一コマ。でも憎めないのは、わ
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女っ気なし(2011年製作の映画)

3.9

【2013/11/10:ユーロスペース】「諸行無常」の哲学は、仏教じゃなくヴァカンスにこそ宿る!…フランス産ヴァカンス映画を観ると、いつもそんなことを思います。
「女っ気なし」というタイトルからすると
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危険なプロット(2012年製作の映画)

4.4

【2013/11/10:ル・シネマ】他人の「家の中」を写実的かつ豊かな文体で覗き見させる美少年・クロード君の作文ってだけでも背徳萌えなのに、実存主義の入れ知恵で彼の文才を操って物語の続き(=虚構)を支>>続きを読む

父の秘密(2012年製作の映画)

4.7

【2013/11/10:ユーロスペース】この監督幸せに興味がないの?と思えるほど、感情や希望が入る隙がなく、ただ淡々と固定カメラが捉える視点に、観客はまるで覗き見るような感覚を得る。スクリーンのなかの>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

4.0

【2013/11/8:シネマヴェーラ】刑事と組織の攻防にファム・ファタールが絡んでくるありがちな話で、B級ノワールの傑作と言われる所以については、あまりノワールを観てないわたしはよくわからなかった。そ>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

4.7

【2013/11/6:テアトル新宿】不謹慎極まりないのは2億くらい承知で。ハマってしまった。「ぶっこむ」は今年の流行語大賞。わたし的には映画というよりむしろレジャー。再度体験したくて2回観た。また観る>>続きを読む

トランス(2013年製作の映画)

2.5

【2013/11/6:シネマカリテ】これは……。ダニー・ボイルの最高傑作はロンドン五輪開会式ってことでもういいすかね。
一応トレインスポッティングに衝撃受けた世代なので、新作が公開されればなんとなく観
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カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

4.5

【2013/11/1:オーディトリウム】ただのスポ根ロードムービーなのに、こうもグッときまくるのは何故だろう。ドールズのふたりの健気なタフさ、ポジティブさにしめつけられる。
ラストの戦いで、ピーターフ
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悪い男(2001年製作の映画)

4.2

【2013/11/1:新橋文化劇場】キム・ギドクの映画ってほんと喋らない。この作品の主人公ハンギも、台詞はたった一言だけ。しかしその言葉のあまりの凡庸さ(不器用さ)、過去の諸々を想像させる声色。効いて>>続きを読む

マイク・ミルズのうつの話(2007年製作の映画)

3.8

【2013/11/1:アップリンク】かなり薄味なドキュメンタリーで、想田和弘みたいな鋭いものじゃない。勿論ワイズマンみたいな斬新さもない。でもね、なんかイイんです、「人生はビギナーズ」を撮った監督が、>>続きを読む

クロニクル(2012年製作の映画)

3.8

【2013/10/15:シネマカリテ】異なるヒエラルキーの同級生とちょっとしたきっかけで親友になったことがある。「見る」「見られる」に終始した欲望と、その閉じられた中で肥大化する自己が制御不能になる感>>続きを読む

ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.2

【2013/10/14:イメージフォーラム】錚々たる監督ラインナップに釣られて鑑賞。しかしながらカウリスマキとかエリセとか、どっちかというと長回し多用の長編をじっくり観たいタイプの監督が勢揃いだったこ>>続きを読む

ムード・インディゴ うたかたの日々(2013年製作の映画)

3.0

【2013/10/8:シネマライズ】10代の頃ボリス・ヴィアンの原作を読み、映画化するなら絶対ゴンドリー!!!と思ってたので、今回の監督起用はそれだけでもう胸いっぱいだったが、キャスティングなぜこうな>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

4.4

【2013/10/2:TOHO渋谷】わりと幼い頃から「血縁なんてものはそれ以上でも以下でもない」という考えをもつわたしでさえ、強く揺さぶられるテーマだった。福山家のいけすかねー感がフォーカスされている>>続きを読む

共喰い(2013年製作の映画)

4.0

【2013/10/1:シネパレス】原作は読み進めるのが億劫になるほどで、面白さが全く理解できなかったが、青山真治なら…と。どのカットも画作りが素晴らしく(逆光を使ったカットの映画的な美しさときたら!)>>続きを読む

地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

3.9

【2013/10/1:渋谷HUMAX】苦手と言いつつ気になる園子温。序盤の、子役ミツコが血で真っ赤な床(赤い色の床かと思いきや血か!)を真っ直ぐに滑るシーン辺りで、これは…!と期待してしまったのだけど>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.5

【2013/9/27:早稲田松竹】実況中継と爆発。生き抜くためにはどんな手段でも使ってきた、狡猾にすら見えるマリアの生き方。ライトでテンポ良い編集なので、軽〜くサラっと観ておもしろかった〜、と感じてし>>続きを読む

ローラ(1981年製作の映画)

4.0

【2013/9/27:早稲田松竹】映像やタイトルロールのかっこよさや演者の魅力、アイロニーに満ちたラストなど、何度か見返すうちに「バランスよい良作なんだなあ」と思えるのだが、やはり素性がバレたローラが>>続きを読む

紀子の食卓(2005年製作の映画)

4.3

【2013/9/25:バルト9】特筆すべきはやはり吉高由里子。この作品に限らず、演じている彼女はいつもこの上なく魅力的なのに、テレビなどで見かける素の状態の彼女はビックリするほどつまらない普通の女の子>>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

4.8

【2013/9/24:神保町シアター】初めて観たロメールはこれだったと思う。どちらかというとセリフの少ない作品を好む私にとって、この言葉の洪水には驚いた。が、それ以上に、こんなに喋っているのに、彼らが>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

4.8

【2013/9/24:神保町シアター】こりゃなかなか深い。一見少女漫画みたいな運命的結末をどう捉えるか。主人公に甚く感情移入してしまったわたしは、決してハッピーエンドとは思えなかった。自由であることに>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

5.0

【2013/9/24:神保町シアター】神様が動かす偶然なんてホントは存在しなくて、そういう奇蹟はみんな誰かのステキなおせっかいによるもの。…そう思ったら、少し幸せだし、みんなに優しくなれるなあ、なんて>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

4.8

【2013/9/23:神保町シアター】一部で酷評されてた大根仁の「モテキ」、わたしは好きだったんですが、それは「夏物語」をゼロ世代東京にアップデートした話みたいだな、と思えたからかも。自信をもてないダ>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.8

【2013/9/23:シネマヴェーラ】「共喰い」の前にもう一度観ておきたかった長編。公開当時、この作品に衝撃を受けない人がいることに、衝撃を受けた。久々(震災以降初)観たら、プロローグで宮崎妹がぎょっ>>続きを読む