細部はスピルバーグの手腕のおかげで妙なスペクタクルがあり、娯楽映画のような錯覚を覚えるが、物凄く変な映画。宇宙人の意図もわからないし、ただ「遭遇」するだけで、中盤は政府の陰謀的なサスペンス映画になる。>>続きを読む
最近のクリストファー・ノーランらしく、「なんか重厚」な感じの映像と音響で引っ張る。確かに一定の緊張感は持続しているし、細かい編集で3時間走り切る力はあった。ただ、そもそも変な構成の映画で、冷静にみれば>>続きを読む
開始20分でキツくなる短絡的で幼稚な主人公に頭がクラクラする。終始、この小学生のような男子高校生にイラつきながらの鑑賞となった。ボーイミーツガール的なファンタジーストーリーはわからなくもないが、なんか>>続きを読む
冒頭のミニマムな室内ショットからアラン・ドロンの孤独が画面に広がり、恐らく悲劇的なラストへ向かう物語が始まる気配を感じる。必要最低限のセリフと明確なカメラがスリリング。
要所要所で時刻が表示されて、時>>続きを読む
無意識な差別とステレオタイプを皮肉ったブラックコメディであり、あまりスポットの当たらない黒人中流階級のドラマを扱った、狙い所がハッキリわかる作品。積極的に認めたくない「あるある」ネタが散りばめられてお>>続きを読む
タイトルから、ほんわかスポ根映画と思ったら、SFほんわかスポ根コメディ青春映画だった。ジーコとクローン(ジーコピー)が監督対決をする奇想天外な展開ながら、なんせジーコなので妙な説得力がある。クローンを>>続きを読む
基本ラインはシリアスなので、あのラストは納得なのだけど、コメディリリーフが突き抜けているので、重い展開には意表を突かれる。サモ・ハンやリチャード・ンが出でるのでコメディベースかとおもったが、思い切りカ>>続きを読む
ピンクパンサーシリーズのスピンオフか2作目。相変わらずユルユルのコメディ和で、クルーゾー警部だけになってしまったので単調になってしまった。個人的にピーター・セラーズは後追いしづらい俳優であまり面白いと>>続きを読む
テーマ曲やキャラクターなど文化的に有名な映画。そして映画自体はたいしたことのない緩いコメディ。
一応、ファントムが主人公だが、怪盗としての活躍もあまり描かれていないので、正直凄さがわからないし、ドジの>>続きを読む
ほぼ3時間の長丁場、淡々とした演出だが、映画と人生にまつわるサスペンスを織り交ぜたドラマが構築できている。
冒頭からの劇中劇が良い。"あの時代"の雰囲気の映画が提示される喜びは映画ファンほど感じるはず>>続きを読む
原作や47年版の「悪魔の往く町」は未見。なので、この映画だけで考えると佳作の部類に入る出来だと思う。デル・トロのフェチを出しつつ、所謂「普通」の映画として体も守っている(この辺は良くも悪くもだけど)。>>続きを読む
もっとドキュメンタリー寄りの作品だと思っていたので、意外と映画的なシーンがあるのに驚いた。序盤でリモコンを殴って試合が逆再生になるシーン。ここは上手いし、テーマである。
自伝ベースなので話は仕方ないの>>続きを読む
アトラクション映画としては最高峰だと思う。結構リアリティーラインは危なっかしいが、ゲーム的な楽しさがギリギリ上回っている印象を受ける。序盤のニューヨークパートが「映画」として機能しているため、ストーリ>>続きを読む
一見、日常系のほのぼの映画であるが、非常に巧妙で作為的な映画である。ドキュメンタリータッチでリアルに嘘を描いているので騙されそうになる。ただ、全編通して妙な違和感があり、やっぱりこれは「気持ち悪い」映>>続きを読む
ジャンル映画でAIドールという設定で、そのまま想像通りの映画。想定を決して越えないので安心して見れるし、ホラー、アクション、ドラマ、コメディのバランスも均等で親切設計。ティーンのパーティー映画としては>>続きを読む
この年代ならではのアイディア一発ものコメディ。冒頭の暴飲暴食からヤバい雰囲気が感じられて既に面白い。
酔っぱらいの悪夢がトリック撮影で表現されており、笑えるとともに、その見事さに驚いた。逃げる靴、暴れ>>続きを読む
冒頭から「倦怠」を強烈に感じさせる主人公2人を観るだけの映画。それでも退屈に感じないのはイタリア旅行の方々で提示されるキャサリンの心象風景と、彼女自身=バーグマンの魅力があるため。
ヌーベルバーグに影>>続きを読む
日本語のキャッチコピーは意味不明で、そんな映画ではない。エキセントリックな天才ナポレオンの半生を象徴的なエピソードで変化球気味に描く。
非常に重要なポイントだが、この映画は喜劇である。やたらキマってい>>続きを読む
ポスト・ヌーベルバーグの旗手、ユスターシュの代表作で大長編。かったるさを警戒していたが意外と「観れる」ことにまず驚いた。喋りまくるレオーを中心に会話劇がかなり面白く、場が持ってしまう。ここは評価できる>>続きを読む
字幕も活弁もなく、「純映像的」に鑑賞したので、ちょくちょく混乱したがWikipediaによると詳細なストーリーはあるようだ。現実と妄想が入り乱れて、心の機微が映像としても現れるので、飽きずに観れる。サ>>続きを読む
クラウディア・カルディナーレの初々しい魅力を堪能する映画。本来は陽性な美女なのに、苦境に立たされていつも苦労するキャラクターは見事にハマっており、出世作となったのも頷ける。そして、ほぼそれだけの映画で>>続きを読む
日本が誇るフランチャイズ「ゴジラ」だが、正直あまり詳しくないので、本作がどんなポジションになるかは不明。おまけに山崎貴の監督作品は全くの未見。そんな状態で観たのだが、演出面の珍妙さに驚いて序盤で諦めそ>>続きを読む
かなり「甘い」映画である。ご都合主義と感じる人もいるかもしれないが、しっかりその「甘さ」に一貫性があり、感情的になり過ぎないのは好感が持てる。変化球青春映画の佳作。
冒頭のSF映画っぽい導入から掴みは>>続きを読む
エンタメに振ったアクションコメディホラーサスペンスとてんこ盛り。正直、オチ(と言っていいのか)は中盤までにわかるので、その後どうするのか?という展開になる。
腫瘍の切除というプロローグとやたら「後頭部>>続きを読む
非常に貴重な作品で資料的価値も高い1作。歌舞伎役者の沢村四郎五郎主演だが、意外とヒーロー的な役回りではなく、どちらかといえばポンコツっぷりも魅力である。
72分ほどあったが、まだフィルムが散逸している>>続きを読む
確かに「キリスト教」の映画であるし、「信仰」の映画ではある。ただ、それ以上に「人間」を真摯に捉えた傑作である。そして、題名通り、映画史に残る奇跡的な作品である。
この衝撃的な作品に対して、どんな賛美も>>続きを読む
「面白い」映画かと言われれば面白くはある。ただ、それがルックや映画的なテクニックによるところが多く、評価には困る。今回は妙に難解であり、主題が分かりづらい。まぁ、「喪失と再生」なんだろうが、それはウェ>>続きを読む
原作は未見。大戦中の不発弾の設定で、五社英雄版の「肉体の門」を思い出した。本作もなかなかの怪作。さて、この不発弾は「戦争」のメタファーであることは明らかで、役所の反応など「もはや戦後ではない」時代への>>続きを読む
一見過激に見えて、意外と全方位的に気をつかった親切設計型のホラー&スリラー。丁寧に「フリ⇒オチ」をするため想定外の要素は少ない。飽きないが、残念ながら想像を上回る面白さはない。
「悪魔のいけにえ」型の>>続きを読む
チープながら悪夢のようなイマジネーションの発露はシュヴァンクマイエルならでは。相変わらず飯がちっとも美味そうに見えない。気持ち悪い描写が多いが、実はユーモアもかなりあるので、そこを楽しめれば印象も変わ>>続きを読む
冒頭の伝説的な長回しに触れない訳にはいかないが、その他も随所にショットが決まりまくっている。モノクロならではの陰影や不意をつくドリーショット、外連味あるジャンプスケア的なカットもある。
前半は登場人物>>続きを読む
「犯罪通り」で始まり、そして終わる。映画としてはパーソナルな問題を軸にした群像劇なのだが、妙に民衆や市井の人々を意識する。ラストシーンは、極めて個人的な物語が、映像的に群衆に埋没していく。天井桟敷の人>>続きを読む
世界的なヒットを記録している作品ながら全く駄目だった。思想や題材はご自由にしていただいて結構だが、映画としても面白くはない。印象的なシーンやカットがない。
冒頭のキューブリックのパロディから嫌な予感が>>続きを読む
プレイボーイの恋愛一代記から人間讃歌まで突き抜けるルビッチの快作。なにより「人間は大きく変わらない」ことが貫かれているのが素晴らしい。そりゃそうだ、女好きが急に一途にはならない。それを否定せずにコメデ>>続きを読む
改作前の「やぶにらみの暴君」はラストだけチェック。確かに印象はかなり異なるが、どちらも素晴らしいアニメーションである。
横暴な権力者や階層社会への批判的な目線がありつつも、表現がメッセージを超えている>>続きを読む
全然駄目だった。話がもたつくなか、「敵に会っては一旦退却」を繰り返し、何が目玉なのかも分からないまま終わってしまった。
「意図的」を言い訳にしてはいけない。チープなCG、棒読み演技、破綻したリアリティ>>続きを読む