andesさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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王と鳥(1980年製作の映画)

4.1

改作前の「やぶにらみの暴君」はラストだけチェック。確かに印象はかなり異なるが、どちらも素晴らしいアニメーションである。
横暴な権力者や階層社会への批判的な目線がありつつも、表現がメッセージを超えている
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.0

全然駄目だった。話がもたつくなか、「敵に会っては一旦退却」を繰り返し、何が目玉なのかも分からないまま終わってしまった。
「意図的」を言い訳にしてはいけない。チープなCG、棒読み演技、破綻したリアリティ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

「ジブリ映画」としては不親切な作品ではある。一貫したストーリーを道しるべにすると、途端に迷子になるはず。ただ、これは「映画」であり「巨匠の最終作(たぶん)」なのだ。至極のアートフィルムでありパーソナル>>続きを読む

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.6

「鉄になる」一本勝負。稚拙な部分は多いものの、しっかり「映像」で表現しており、映画になっている。撮る側の人には、「どうすれば映画になるか」という良い研究材料だろう。
既に指摘があるように、「イレイザー
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.4

良くも悪くもシリーズを追いかけてマーベルが好きな人向けの映画。やたら評価が高いけど、出来は普通だと思う。
流石に3作目ともなると、1作目当時は新鮮だったノリに飽き始めてくる。音楽の選曲もあまり冴えは感
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

妙な感覚に陥る映画。海外で評価が高いのは宗教的要素やアメリカ開拓史というバックグラウンドからか。とはいえ、家族ものとしても悪い映画ではない。
ジェイコブ(ヤコブ)、デイヴィッド(ダビデ)、ポール(パウ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.5

岸井ゆきのが求心力になっているのは確か。彼女の曖昧で、見る角度によってコロコロ表情が変わる顔は見事にマッチしている。ただ、「役者の映画」として成功してしまっているがゆえ、淡々とし過ぎても、画面が持って>>続きを読む

学生社長(1953年製作の映画)

4.0

川島雄三の初期作品かと思いきや、キャリアとしては中盤くらい。冒頭の観光地と被さる英語のセリフが非常にメタ的でニヤリとさせられる。
喜劇タッチで進んでいくが、徐々にかなりややこしい相関図になり、どう転が
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赤い河(1948年製作の映画)

4.0

ストーリーに不満はある。最後のまとめ方はスクリューボール・コメディならわかるが、シリアス&狂気路線に振っている本作ではいささか唐突である。が、それを補って余りある怒涛の映像(牛)で映像的な興奮は凄まじ>>続きを読む

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

4.4

西部劇も下火となった1960年代に製作された西部劇挽歌。新時代の到来により去りゆく「西部」を描いており、セルジオ・レオーネのお気に入りというのも頷ける。
法と秩序=ランス、古き良き西部=トム、古き悪し
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

ギャグがクドいしかなり人を選ぶ映画。整合性とかを言い出したら、多分かなり粗もあると思う。個人的には中盤までかなり苦痛で、全く笑えないネタばかりで駄作認定しかけたところに、ようやく話が動いてくれた印象。>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.5

力作であるのは十分伝わるし、普遍的なレマルクの原作を再映画化して残す意義もある。ただ、映画として何を重視しているのかが不明瞭で「戦争は悲惨」という直接的なビジュアルのみが印象に残る。反面、印象に残る映>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

思ってたのとは違ったが、それが良かった。スピルバーグが抱えていた(過去作でも示唆されていた)家族間のモヤモヤが赤裸々に描かれており、遂に「パンツを降ろした」状態になった。
自伝的要素というか、スピルバ
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.8

とても変な映画で変な展開なのだが、冒頭のモノローグから分かりやすく、「物語」「孤独」がポイントであることが、提示される。
アリシアとジンの会話劇に、回想で過去の物語が挟み込まれる前半は、設定の割に地味
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サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)

4.0

コメディタッチながら芯のある社会派。しかもホロリとくる場面もある佳作。実話ベースで意外とハードな内容で、しっかりエンタメにしているのさ流石。原題のEnglish Classが要所で機能しており、上手い>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

抽象的な映画で、牧歌的ながら不可解な印象をうける。いろいろな「要素」はあるので飽きはしないし、なによりイニシェリン島の美しさは最大の見どころ。
愚者=パードリックと賢者=コルムの諍いを主軸に、ロバと犬
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.6

3時間以上の長丁場、一応飽きずに観られたけど、期待値が高かっただけに、拍子抜けした。というか、5部作の2番目ってどういう態度で観れば良いのかもよくわからない。
巷で言われるように映像は凄い。ただ、それ
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.9

夢枕獏、谷口ジローらの原作は未見。ながらも、冒頭のマロリーから一気に「これは面白いぞ」という気にさせられる。
アニメーションの出来は良く、CGとデジタル作画の強みである精緻さを出しつつ、弱みの「硬さ」
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白い暴動(2019年製作の映画)

3.7

70年代後半のパンクムーブメントと、極右政党を中心とした人種差別を扱ったドキュメント。草の根的に広がっていき、RARが最後にカーニバルとして結実するのはカタルシスがある。
排他主義と分断は未だに世界に
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MAROKO 麿子(1990年製作の映画)

3.7

OVA「御先祖様万々歳!」を観賞。押井のフィルモグラフィーの中では比較的、地味な扱いだが、時期的にも全盛期といってもいいし、演出も楽しそうで乗っている。
「虚構性」は押井がいろんなところで演るテーマで
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.9

冒頭の踏み込みシーンから本作の魅力が詰まっている。荒唐無稽ながらアクションのキレと見事な伏線回収、魅力的なキャラクターと文句なしの1本。
アジア映画的なノリとユーモア、ハリウッド映画的な撮影や編集が巧
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.5

まさかの続編で、どうするのかと思っていたら、同人誌的なメタメタ作品だった。それでも、なんとか観れるのはマトリックス世界観の面白さなんだけど、本作由来の面白ではないのは結構に残念。
突っ込みどころは山の
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パッチギ!(2004年製作の映画)

3.1

評価が難しい映画、というより良いところと駄目なところの落差が激しい。コミカルな演出は慣れているだが、そんなに面白いわけではなく(白目とか変顔とか)、シリアスな演出は鈍重である(延々、泣き声と泣き顔が繰>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

3.7

美人なんだけど、「暗さ」を感じさせる女優、ドヌーヴが真にハマっている。正直、ドヌーヴ一本で見せきる映画と言ってもいいと思う。
瞳のアップから始まる冒頭から、目線の定まらないキャロルは既に「オカシイ」の
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マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

3.9

映画愛を表明する監督はあちこちにいるが、ジョー・ダンテの場合は“映画館愛”も溢れる作家だった。冒頭、胡散臭いヒッチコックもどき(というかウィリアム・キャッスルそのまま)を登場させて、ギミック映画の世界>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.6

一見、抑制されており、一見、地味で淡白な映画である。が、実はかなり「強硬」な演出をしている。
冒頭から幾度となく映る「扉」はかなり意図的に話に食い込んでいる。扉職人まで登場して語らせるので、恐らく政治
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

ボロクソの感想になるかな、と思ったが、そうでもなかった。ウルトラマンに全く思い入れがない自分からしたら普通の邦画。意外にも観れた。
冒頭のチャチなCGから、「あぁ、このくらいね」とリアリティラインを下
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RRR(2022年製作の映画)

3.4

あまり乗れなかった。もちろん、独特の勢いとアクションのアイデアには舌を巻くが、どうも無邪気(?)な思想性がノイズになってしまった。
英国を名指しで悪役にした、「歴史」の中の物語なだけに、どうしても整合
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カリスマ(1999年製作の映画)

3.9

難解な印象は強い。ストーリーだけ取り出せば意味不明だし、台詞も不可解なものが多い。ただ、求心力のあるカットと役者の不気味さで引っ張る。あと変なユーモアも健在だ。
冒涜、比較的わかりやすく提示される「命
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

3.7

奔放で無邪気なゴダールパロディーであり、その青臭さや稚さも含めて、可愛らしい仕上がりになっている。なんとなく大林宣彦の『HOUSE』的なチャーミングさがある。
怖い映画を撮る人はユーモアが必須なので、
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黄金時代(1930年製作の映画)

4.0

この映画に点数を、しかも高得点を与えること自体が冒涜なのかもしれない。ブニュエルに笑われてしまうかも。とはいえ、ナンセンスで支離滅裂ながら、引きがあるイメージがどんどん出てきて、「面白い映画」になって>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.5

荒唐無稽で、正直ツッコミ所も多い。人によっては駄作ともなる映画だが、楽しく観れた。
怪しさ満点のリゾートホテルに滞在したが最後…という設定で、「謎のビーチ」で引っ張る引っ張る。ただ、シャマランはカメラ
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Love Letter(1995年製作の映画)

3.3

先入観から苦手と踏んでいたので、観れる映画になっているのは驚いた。雰囲気モノと言って良いが、雰囲気は良く出ている。
まず、冒頭から映像で語ろうとしているのは良い。後から遡ると、博子が樹に囚われて、想い
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花様年華(2000年製作の映画)

3.6

「大人の」というイメージがよぎるが(そういうレビューも散見される)、「さっさとヤッて…」という方が大人な感じもするので、プラトニックな物語という印象(と言いつつ、マギー・チャンの思わせぶりな仕草など、>>続きを読む

地獄の警備員(1992年製作の映画)

3.7

「低予算だから面白い」という映画。冒頭のタクシーから、「頭のおかしい人が出てくるし、全部どこか変だよ」という分かりやすいリアリティ・ラインを設定している。
他のレビューでもあるように「帝都物語」な松重
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運び屋(2018年製作の映画)

3.7

ずっと「遺作」を取り続ける男、イーストウッドの2018年作。どうやら実話ベースらしくビックリ。全体的なトーンはいつものイーストウッドで「軽くない佳作」といったところ。
主人公アールが基本的にクズよりで
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