静的な印象を受けるが、揺れ動く心理描写はスリルがある。男性は皆情けなく、ゲアトルーズが求める「愛」は成就することはない。そもそも、その「愛」は叶う類のものなのか。交わらない目線、鏡の使い方、長回し、な>>続きを読む
多重露光を駆使した幽体離脱シーンは白眉。時系列が行き来する展開も振り落とされないように興味が持続するドライブ感がある。主人公のクズさが相当なので感情移入できるかギリギリのラインだが、シェストレム自身の>>続きを読む
「裁かるるジャンヌ」ほどではないが、やはり顔である。どんな人物か、何を考えているか、その都度顔面で示される。アンネをはじめ、女性の能動的な意志がスリルを生む。
顔で繋ぐカットが驚異的。クローズアップが印象的だが、ふと挟まれる引きの画も素晴らしい。話はシンプルながら画面には情報量が多い。サイレントは決して“音がない映画”ではない。
TVシリーズは未見。下らない細かいギャグが多いが、笑えるものもそこそこある。「オースティン・パワーズ」の元ネタっぽい雰囲気もあり。シルビア・クリステルは一瞬だけ。小松政夫吹替版で見たけど、達者でした。