内藤さんの映画レビュー・感想・評価

内藤

内藤

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マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

3.0

ルノワールがキャリアの初期に『マッチ売りの少女』を撮るのは納得。夢の中の幻想的な世界には影がかかり、現実は白い雪が降り積もる。
凍死した少女を見て「馬鹿だねえ…」と呟いた通行人はルノワールの化身なんで
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.5

一家の統率の取れた動作と会話が舞台演劇的なリズムを生み、カメラアングルの豊かさぎ室内会話劇の窮屈さから解放してくれる。
悪女の若尾文子も最高〜!!!

骨までしゃぶる(1966年製作の映画)

4.0

骨までしゃぶるような遊郭の搾取構造を描いているのかと思ったがそこまで強烈なものはない。同じく洲崎を舞台にした映画『洲崎パラダイス赤信号』が傑作過ぎて見劣りする。

ワイルドカード(2014年製作の映画)

1.0

中盤までかけて小物への復讐を果たしたかと思えばカジノで分けわからんツキが来てバカ勝ちして全額賭けて負けて悶え、忌み嫌う街とそこでの生活から抜け出す犯罪映画の王道プロットが急に始まり、また小物を倒して終>>続きを読む

ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

3.0

アキ・カウリスマキの中では微妙。カティ・オウティネンが魅力的に撮れているのが前提なのかも知れない。

動脈列島(1975年製作の映画)

2.5

梶芽衣子が出ると梶芽衣子の映画になる。画面奥のトンネルから手前の梶芽衣子のそばを新幹線が通るショットが最高。犯人が割れてからは大胆に行動してもっと警察とのバチバチの頭脳戦が観たい。

妻は告白する(1961年製作の映画)

3.5

文字通りサスペンス=宙吊りの映画。ドメンヘラでかまってちゃんの若尾文子が狂えば狂うほどに鬱々とした空気感が画面上に陰影となって表れる。そしてラストショットでは完全に影と化す。
川口浩は誠実な男ではある
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.5

異形の生物たちの知らん食物連鎖がたのしい。生態系の詳細な設定だとか地下の構造とか見せ過ぎないのがいい。
赤ずきんの少女と主人公のダンスは『フィッシャーキング』ばりにロマンチックなものが観たかった……そ
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.0

タイトルの通り村そのものが主役のような撮影。カメラは村民や鉄道に合わせて動き、村に初めて訪れた妻と同じような視線を向ける。

ドラッグストア・カウボーイ(1989年製作の映画)

3.5

昔観たような気もする。バロウズが意外と長尺で出演していてびっくり。ガス・ヴァン・サントの描く脚本地味てない青春はいいね。

マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

1.5

やっぱりトニスコは苦手。がちゃがちゃ編集がスタイリッシュとは思われへん。

テオレマ(1968年製作の映画)

2.0

テレンス・スタンプの喪失によって一家が狂い始めるというなんとも不思議なプロット。父親以外の狂い方が陳腐で退屈。

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.5

ファスビンダーの極私的な話に俺が入れる余地はなかった。屠殺場の解体とオフィスでの行進が強烈。

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.5

四肢を切り取るフレームに気持ち悪いカメラアングル、女子高生の独白、クラシック音楽、字幕。紛れもなく庵野。
ほぼ怪獣みたいな援交相手のおっさん共が強烈。このときから経済成長が止まって物理的にも精神的にも
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ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)

3.0

「テリー・ギリアムが作ったドラッグ映画」ってハードルは越えてるかな。舞台をラスベガスにしてとにかくギトギト。

PTU(2003年製作の映画)

2.5

意外とコメディ。そのコメディ要素と暴力の発露の緩急がないのが難点。北野武的な執拗な殴打も、天井の低いゲーセンのロケーションの良さに目がいく。
一夜もののノワールってことで陰影パキパキの照明なんだが、そ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

5.0

ジョーとの奇妙な生活がそのまま映画になる。ニーチェとドストエフスキーに卓球なんてさせなくても映画はどこにでも転がっている。なぜこの世には何千と恋愛映画があるのか。隣人の天使を出演させたいからだ。
食事
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スターマン/愛・宇宙はるかに(1984年製作の映画)

4.5

目的のためにリアリティお構い無しで突き進むことをご都合主義と呼ぶか映画と呼ぶか。夢やホームビデオで過去を顧みるばかりの生活よりも、破綻した現実=映画を選ぶ。

宝島(2018年製作の映画)

4.5

親の同伴が必要な年齢の少年たちが、川を渡ってセキュリティを突破し、草木をかき分けた先にビーチが見える冒頭、橋を渡り、丘を登る幼い兄弟の冒険で終わるラスト。
子どもには支払えない入場料を取り、大人の管理
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.5

車が故障し、警察に捕まり、愛犬は迷子。画面内を人物や車が横切るたびに、ウェンディの停滞が浮き彫りになる。彼女の話し相手は、その場に居続けることが仕事の警備員のみ。

捜索者(1956年製作の映画)

3.5

真っ暗な部屋のドアを開けると荒野が見え、遠くからイーサンがやって来るという冒頭からいい。まさに英雄の帰還ってショット。

魚の目(2021年製作の映画)

2.0

生徒と教師が関係を持っていることを他の生徒にも普通に知られているんやけど…?普通に話進んでておもろい。
教師が初めて登場するときの水槽と重なるようなカメラの位置とかはよかった。
『魚の目に〜』云々のこ
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.5

音響がヤバい。
不意のロングショットもなかなかイケてる。

アウトロー(2012年製作の映画)

2.5

孤高のダークヒーローであるトム・クルーズはアメリカの象徴。ひたすら正義正義!
都会の西部劇がやりたかったんやろうな。

蛋ヶ岳学会事件(2020年製作の映画)

2.5

映画にでてくる自慰行為ってなんでこんな強くやんの!?痛くない!?

殺人者(1946年製作の映画)

3.5

撮影がめちゃめちゃいい。冒頭の殺し屋2人が店に向かうシーンのバキバキの陰影と構図、ターゲットの同僚が危険を知らせるために走る横移動、部屋に入るまでの高低、25万ドルの強盗シーン。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.5

妻からの電話で外に出たマークを見つめるカートの視線、焚き火の前で思わず漏れた本音。「悲しみは使い古された喜び」古くなった大麻を吸いながら、旧歓の旅に出る。
温泉に浸かるマークの背後に回ってカートが肩を
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ギルガメッシュ/小さなほうき(1985年製作の映画)

4.0

キャラ造形だけで一生観てられる。
本作観て思ったがまっちゃんの『しんぼる』ってクレイアニメ?

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