青豆さんの映画レビュー・感想・評価

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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

"言葉はいらない、それが音楽の偉大さだ。
音楽は言葉でなく、音符で表現してくれる。
音楽には動きがあり、常にどこかへ流れながら変化していることを忘れてはいけない。
音から音へね。それが100万の言葉以
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ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.0

拝啓、藤井樹様
お元気ですか?私は元気です。

ユンヒへ
元気だった?ずっと前から聞きたかった。

手紙から始まるストーリーに、冬の北海道。まるで岩井俊二のlove letterのような世界だなと思い
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.7

大晦日と元日の間に観た。
夏の光と空と海の青さの中に漂う寂しさ。
全ての言葉に、全ての映像に意味があるような気がした。
"生きたい場所で生きろ、なりたい自分になれ"

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.8

こんな形でリリイ・シュシュと再会できるなんて…ヤンの記憶と、グライドを聴いていた当時の自分の記憶とが入り混じって、懐かしいような切ないような。なんだか不思議な気持ちになった。

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.5

湖に浮かびながら見上げる花火
雄大な自然の中でする読書
2人で始める新しい暮らし

ずっと見ていたい美しいシーンと目を覆いたくなるようなシーンが混在していて、それってまさに人間と一緒だなと。

バービー(2023年製作の映画)

4.0

"あなた、綺麗ね"
"知っているわ"

何も特別じゃない、ただの自分で堂々と生きていいのだと。何度も笑ったあと、思いがけず涙した。

女っ気なし(2011年製作の映画)

4.2

なんか良かった。

こういう感想の作品が、長い間心のどこかに留まり、ふとした瞬間に様々なシーンや台詞を思い出したりするようなものになるんだよな。

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

124分間ずっと胸の震えが止まらず、目尻には涙さえ浮かべていた。
どういう展開となり、どのような結末を迎え、誰がどんな動きをし、そして何という言葉を発するのか、それが全部わかっているというのに。

"
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.4

“わたしは最悪。“
そう自分が窓口で申し出てからも、次から次へと、老若男女、数多くの“最悪“たちが次々と来場してきた。
ユリヤが最悪ならば、自分も含めこのシアターにいる殆どの人間が最悪だろうと思う。状
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

誕生日を特別な一日にしたいとは別に思わないけど、嫌なことが少ない一日にしたいとはちょろっと思うわけでして。負の要素を回避するべく有休を取得し、🍕を観よう、という計画を以前より粛々と練っていたのです。>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

4.3

“脚のない鳥がいるらしい
脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、そして生涯で唯一度地上に降りる
それが最後の時“

とうとうわたしの人生にもウォン・カーウァイ作品を観る時期が訪れたのかもしれない
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

3.9

ショッキングなニュースや身の回りのストレス案件によって気分が沈んでしまっていたので、POPEYEの映画特集にも取り上げられていた、あらすじ的にもメンツ的にもいかにもくだらなさそうな本作を観てみることに>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

“心配するな、これからはすべてよくなる“
ギターリフ
周囲のビル次々崩壊
“出会いのタイミングが悪かった“
Where is my mind

最っ高に痺れるラスト。

この映画を観ながら自分の中に確
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

4.1

ジャケ写を一目見て心奪われた。
サーモンピンクからブルーへのグラデーション、その空を見上げるユーリ。
彼にとってこれはハッピーエンドなのだと思うと、切なさの中にも救いがある。ガガーリン団地という宇宙船
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.5

土曜の夜の飲みを断り、日曜の朝5:45にアラームをセットした。
世間から遅れを取ること約1ヶ月半、最寄りの映画館(とはいえ車で1時間半)にてようやく、それも一週間限り、しかも朝9時からの回オンリーとい
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.1

この作品の根底にはフェミニズムがあるのだと、わたしにはそう思えた。
これまで考えもしなかったけれど、母性ってある意味絶対的なものとされていて、必ずしも全ての女性が持っていると、持っているべきだと、持っ
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ノースハリウッド(2021年製作の映画)

3.8

ウィールが地面をつかみ太陽が肌を焦す時も
俺は一人だ
欲しいものを追い求め大切な何かを失った
俺は一人だ

-------------------------

制作的にもキャスト的にもmid90’s
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リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)

3.7

“生きてて良かったと思う瞬間があるだろ?
すべてが順調に思える時が“

“ある瞬間こう思うの「待って!今のわたしって幸せだわ!」
ほんの一瞬ですぐ消える“

ーーーーーーーーーー

わたしが最近気がつ
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.9

冷静、静寂、寂寥、凛とした色、夜明け前の空の色、日本海の色。
そんなわたしの青に対するイメージのどおりの作品でありながら、その中に思いがけず、でも確かに情熱や怒りやなどが存在するのに出会った。
一本筋
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.1

“人は欲望があれば幸福でなくとも期待で生きられます“
“幸福を手に入れる前こそが幸福なのです“

自分の行いによってではなく、周りの人が巻き起こす様々な出来事(作中では夫の不倫や不安定な母親など)によ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

動物大好き人間として見るに堪えないシーンが多くてしばらく観るのを止めていましたが、コマ送りを用いつつ何とか完走…その為重要な部分(なんで手に怪我をしている?)を見落とす事になってしまった。
しかしアカ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.2

"悲しみは使い古した喜びだ"

自然&動物大好き人間としては、友達と犬とキャンプと温泉とビールのある休日、というシチュエーションだけでもう最高なんだけど、カーラジオから流れる社会情勢、不機嫌な妻からの
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.3

"距離が近すぎると人は衝突する。
距離が近すぎると人は愛し方も忘れる。だから大丈夫。"

口にしないだけで、誰もが何かしらの傷を背負って生きているのだと、セブンイレブンの外で酒を飲みながら語らう二人
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.8

アネットに向けて。
最近やっとデヴィッド・リンチの世界より帰還したところだけど、それとはまた別の種類の異世界、レオス・カラックスワールドへ足を踏み入れてしまったようだよ…
オスカーがパリの街を舞台に様
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

5.0

OMG(初使用スラング)…
summer of 85に求めるも得ることが出来なかったものを、たまたま次に観たこの作品が100%完璧に与えてくれた…

リサイクルショップで買ったロードバイクやレトロなマ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.8

劇場で見逃してしまった夏の日から半年が経つ。窓の外の風景は移り変わり、木々の葉が落ち真っ白な雪に一面が覆われてしまっても、部屋に飾ったこの作品のフライヤーはいつまでも夏の光の中にあった。"マイ・プライ>>続きを読む

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992年製作の映画)

4.0

この作品をもって(観る順番を間違えた気がしないでもないけど)約一ヶ月に及ぶ異世界への旅路を終え、現実世界に舞い戻ってしまうと思うと一抹の寂しさが…ツインピークスシリーズを観ながら、わたしは一体どれ程の>>続きを読む

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