あおさんの映画レビュー・感想・評価

あお

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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.9

コーヒーとタバコというテーマが良いし、モノクロなのも、カメラ割りのシンプルさも良い。
人間にはさまざまな関係性や日常があるものだなと感じ取れた一方、ほとんどのストーリーの筋書きセンスはいまいちハマらな
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

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なぜこの脚本が劇場版として通ったのか理解できないレベル。良かったのは最初の掴みのおもしろさと、それを受けるエンドロール後の着地が美しいことくらい。
端的に言うと…劇場版なのに誰も活躍しないのである。
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

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赤井ファミリーの秘密に迫るわけでも話が進展するわけでもなく、単に全員集合するっていう話。
秀吉の将棋戦略が要になるのはアツかった。
この頃、やたらカーチェイス多いのね…

東京事変との掛け合わせはかな
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

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久々に推理性が高かったほうか…?爆発とアクションの勢いだけで終わりがちな近年の作品のなかでは知的な緊張感もあり楽しかった。
博多大吉と上戸彩、クレジット見るまでぜんぜんわからなかった。上戸彩は声当てう
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名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

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このストーリーは歴代の中でもかなり好み。いっそ推理が何もなく、がっつり組織を絡めつつヒューマンストーリーに振り切るのは劇場版として悪くないのでは。

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

3.5

推理モノとして見ていると途中物足りなさを感じるが、最後に明かされるトリックのレベルに唸る(明らかな伏線はわりと序盤にあるが)。
錚々たる俳優陣が揃い踏み。堤真一の繊細な演技が作品の切ない奥行そのものに
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

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彼女の生き様やメッセージが十分に詰まった、満足度の高い作品。考え方がハマるかハマらないかはあるとしても、その生き方や言葉から学ぶことは数々ある。
海外作品の翻訳かと思いきや、NHKからの提供映像をもと
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ぶどうのなみだ(2014年製作の映画)

3.2

大泉洋×北海道美味3部作の中では圧倒的に期待外れと言わざるを得ないが、ラスト30分弱でぐっと持ち直すので、最後まで見ないともったいない作品。ただ、そこに至るまでの低空飛行が長過ぎる。たべものや料理を生>>続きを読む

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.2

漫画もドラマもちゃんと見ていないのだが、単発で見ても非常に良質なヒューマンドラマだとわかる。特に前半は話題の切り替え・繰り出し方がなめらかで、脚本が素晴らしいと思った。
後半はお涙頂戴な場面が多く、災
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インターステラー(2014年製作の映画)

3.9

SFにしては地に足が着いた、壮大ながらも実はコンパクトで美しい円環構造。宇宙を介する時空旅行的な話は少なくない中、限られた人間関係と身近な感情に終始する点がおそらく特徴的で、美しくまとまっている所以で>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

3.8

独特のスピード感とアクションはありつつも、じっくりヒューマンストーリーを見せてくる、落ち着いた作風。せっかくの壮大な話にもかかわらず、主人公夫婦の物語の比重が高すぎるかなと。もう少し時空間の関係やイン>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

たしかに面白い、というのはコメディ的な意味で、構成はよくある発想ではある。でも2017年時点では新鮮に受け止められたのかな。
とにかく撮影がすごい。前半37分は本当にワンカットだし(金ローもCMなしで
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿の全部乗せ。走馬灯のように過去作の象徴が散りばめられていて、意図的と思えば面白いんだけど、やはり既視感が常にあるのでそれを楽しめるかどうかといったところ。ただそれを受け入れた上で、宮崎駿という人>>続きを読む

引っ越し大名!(2019年製作の映画)

3.5

迂闊であった…まさかこんなところでこんなに素敵な高橋一生を拝めるとは。主演の星野源をさしおいて、代表作の一つと言えそうな活躍ぶりである。喜怒哀楽が豊かで、体育会系の男前。コミカルな面もあれば、身体を張>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.7

ようやく鑑賞。なるほど…うならせる内容。社会的格差を描くシリアルさがありながらコミカルな部分も多く、“臭い”も含めて五感を刺激し、喜怒哀楽が多様に動かされる感じ。中盤で一転してホラーじみてくるのがこわ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

ストーリーには心打たれるものがあったし、遊び心(しかない)部分も嫌ではないが、アカデミー賞をはじめこれほどの賞を総なめにしていることは理解できない…。いろいろと中途半端感。
主演のミシェルさんは難しい
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RRR(2022年製作の映画)

4.8

なんだこれ、映画の常識が覆る。映像が担える新しいエンタメ性ってまだあるんだなと…。

何か一つ褒めるならば監督というしかないか。どの要素をとっても素晴らしい。どうやって撮ったのかわからない、興味深いシ
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365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)

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「ドキュランドへようこそ」にて、抜粋版を鑑賞。出てくる家族や友人が皆明るくていいな。
絵本の中のようなおばあちゃんと、陽気すぎるお母さん。

落穂拾い(2000年製作の映画)

4.7

やっぱり好きだなあ、アニエス・ヴァルダ氏の不思議な魔力のドキュメンタリー。本作は社会課題を映しているようで、単に人々の日常と人生を芸術として昇華させる意図しかない気もする。ネタや場面の繋ぎ方、音楽の入>>続きを読む

エリザベス2世 知られざる女王の素顔(2013年製作の映画)

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ひたすらに関係者たちの語り。でもけっこうな人数の関係者(いとこや王子まで)が入れ替わり立ち代わり濃い話をするので面白い。皇族をもつ日本人だからこそ得られる親近感・学びがある。
途中、女王をとりまく他の
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2

いろいろと明らかになってくる後半、ぐいっと惹き込まれる。原作未読だが、これは心底素晴らしい人間物語だ(どこまで原作通りなんだろう)。この終わり方で続編があるとは…次が楽しみでしょうがない(し、これで終>>続きを読む

星ガ丘ワンダーランド(2015年製作の映画)

3.5

完全なる中村倫也目当て。まさか鉄道の駅員さんとはね…役どころ最高じゃん。主演なのでじっくり堪能できます。

前半は、駅の遺失物預り所(撮影協力は小湊鉄道)で落とし物一つ一つを丁寧に扱い、持ち主に想いを
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ファーストラヴ(2021年製作の映画)

4.2

淡々と流れるストーリーの中にどこか不穏さが漂う、謎に牧歌的なサスペンス。光の取り込みが美しく、上品で絵画的。
一人の被告人の人生をじっくり紐解く丁寧さが優しい作風にも滲み出ていて好印象。過去から続く主
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台風家族(2019年製作の映画)

3.9

クズな長男を筆頭とする家族(と長女のバカな連れ)の長い1日。両親の葬儀を理由に久々に集合し、実家でドタバタする。くだらない小競り合いをそうそうたる俳優陣が真剣に演じていて面白い。
限られたセットでほぼ
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人数の町(2020年製作の映画)

3.4

SF的だがとても現実的で、世間のいろいろな“数”や裏社会について考えさせられる。切れ味鋭い場面転換の多用が心地良い。1幕が蒼山編、2幕が紅子編といった構成が、作品を広く深くしたのではないか(両者を混ぜ>>続きを読む

水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.5

話は面白いんだけど、几帳面な“火曜日”が水曜を謳歌し報告書をごまかす流れは少し不自然だし(もう少し描きようがあるかと)、そもそも中村倫也が7役やっているわけではないという詐欺(中盤から2役は楽しめる&>>続きを読む

ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」(2021年製作の映画)

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赤坂公演を生鑑賞し、作品としてもキャストの演技面でも衝撃が走るほど素晴らしかったので、細部も観たくてゲキシネ版を鑑賞。
期待どおり、役者さんの表情や衣装の細部が観られて大満足。
名作が多いと名高い「い
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.5

大人になってから観るとまたいいですねぇ。沁みるとはこのこと。
心の純度がすこぶる高い雫。その表情や動きの一つ一つが、思春期の感情や言動を丁寧に表現しているから、観る人をそれぞれに刺激するんだろうね…改
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七つの会議(2018年製作の映画)

3.5

いろんな立場の社員が続々と登場し、物語がテンポよく織り混ざる構成が楽しい。ミステリー性もありながら、最終的に期待どおりの池井戸風お仕事ドラマとしてまとまっていく。
萬斎さんと香川さんが顔を突き合わすシ
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

4.8

良作との評判を知った上で、まずは俳優・佐藤健が見たくて。期待に違わず、難しい役柄の丁寧な作り込み。「ひとよ」と少し被るけど、こちらのほうが(登場時間も長いし)堪能できますね。脇を固める清原果耶や林遣都>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.7

前半は東京(貴族)と地方(庶民)、独身と結婚という対比を際立たせる章立て構成がわかりやすかったけど、後半はあまり意味をなさなくなり、失速と間延びが否めない。
ただラストのなんともいない余韻はなんだろう
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GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)

5.0

94歳の小学生、GOGOおばあちゃんが子どもたちと共に熱心に、楽しそうに学ぶ姿がかわいらしい。教える側も生き生きしていて希望に満ちており、教育とはこうあるべきと考えさせられる。良いことばかりでなく、勉>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.9

朝倉あきさん主演、舞台は西東京の国立市。この2つだけで既にセンスが抜群です。
喪失と、時間をかけながらの回復。他人から見ればもどかしいほど遅くても、その時間は必然であり、その歩みはひとりだけれどひとり
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